あなたは、有酸素運動と無酸素運動の違いについて知っていますか?
「脂肪を燃焼させるために、とりあえず運動しなきゃ」
そんなふうに思っていないでしょうか。
実は、有酸素運動と無酸素運動では、得られる効果が全く違います。
有酸素運動と無酸素運動の知識がないまま、ただ運動するだけだと、思うようにダイエットの効果を得られない可能性が高いです。
無酸素運動を行うと体は体脂肪を燃焼しやすい状態になり、さらに有酸素運動を行うことで体脂肪が燃焼します。
つまり、無酸素運動と有酸素運動を組み合わせて行うことで、効率的に脂肪を燃焼させることができるのです。
当記事では、有酸素運動と無酸素運動について詳しく解説しており、脂肪を効率よく燃焼させるための具体的な組み合わせ方を知ることができます。
ぜひ最後までご覧ください!
【徹底解説】有酸素運動と無酸素運動の違いについて
私たちの体は、運動中の筋肉の収縮に「アデノシン三リン酸(以下ATP)」という物質をエネルギー源として使用しています。
このATPを分解したときに得られるエネルギーを利用して、筋収縮による運動を行っているのです。
有酸素運動と無酸素運動では、ATPを生成するために使用する物質に違いがあります。
呼吸で取り込んだ酸素を使ってATPを生成する運動を有酸素運動といい、体内に貯蔵しているグリコーゲンやブドウ糖を使ってATPを生成する運動を無酸素運動というのです。
それでは、具体的にどのような運動がそれぞれ有酸素運動・無酸素運動に当たるのか、詳しく見ていきましょう。
有酸素運動は、酸素を利用して長時間継続できる運動
有酸素運動とは、酸素を利用することで長時間継続できる運動のこと。
具体的には以下のような、筋肉に軽~中程度の負荷をかける運動を指します。
- ジョギング
- サイクリング
- 水泳
私たちの体は、体内に貯蔵されているグリコーゲンを、二酸化炭素と水に分解することでエネルギー源のATPを生成しています。
しかし、体内のグリコーゲンが枯渇した場合、体脂肪を分解してATPを作り出す回路に切り替えるのです。
その際、リパーゼという酵素が、大量の酸素を消費しながら体脂肪を遊離脂肪酸に分解します。
この遊離脂肪酸を血液が筋肉まで運び、ミトコンドリアが分解することで筋収縮に必要なATPが生成されています。
つまり、負荷の軽い運動であれば、呼吸により酸素を取り込み続けることで長く行うことができ、その分脂肪燃焼にも繋がるでしょう。
無酸素運動は、短時間で大きな力を発生させる運動
無酸素運動とは、体内に貯蔵されているグリコーゲンやブドウ糖を利用して、短時間で大きな力を発生させる運動です。
具体的には、以下の筋トレのように、短時間で筋肉に大きな負荷をかける運動を指します。
- スクワット
- プッシュアップ
- プランク
無酸素運動は、筋収縮に必要なATPを作る際、酸素を使わず体内に蓄えられているグリコーゲンやブドウ糖を使用する運動です。
ただし、グリコーゲンやブドウ糖の貯蓄量には限りがあり、筋トレのような強度の高い運動は短時間しか継続できません。
成長ホルモンを分泌させることが脂肪燃焼のカギ
成長ホルモンには、「骨を成長させる」という機能以外にも、「脂肪の燃焼を促進する」という働きがあることをご存じでしょうか?
これは、成長ホルモンが、脂肪を分解する酵素であるリパーゼを活性化させることにより、脂肪分解作用が強まるためです。
そして、この成長ホルモンを分泌するために非常に有効なのが、無酸素運動です。
筋トレのような高強度の無酸素運動を行うと、筋肉で乳酸などの代謝産物が蓄積し、化学受容体が刺激されます。
この化学受容体が刺激されることで、脳の下垂体から成長ホルモンが分泌されるのです。
無酸素運動により成長ホルモンを分泌させ、体脂肪を燃焼しやすい状態にする。その後に有酸素運動を行うことで、効率的に脂肪を燃焼させることができるでしょう。
有酸素運動と無酸素運動の具体的な組み合わせ方については、後ほど詳しく解説します。
【必読】有酸素運動と無酸素運動は組み合わせる事が大切
前述でも説明した通り、脂肪を燃焼させるためには有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて行うことが重要です。
また、有酸素運動には脂肪を燃焼させる効果がありますが、有酸素運動のみのダイエットは推奨できません。
この章では、
- 有酸素運動だけのダイエットがNGな理由
- 有酸素運動と無酸素運動の効果的な組み合わせ方
について解説いたします。
有酸素運動だけのダイエットはNG
有酸素運動だけで減量できたとしても、脂肪だけではなく筋肉も同時に減ってしまいます。
前項で、有酸素運動は筋収縮に必要なエネルギー源であるATPを、脂肪を分解することで作り出すと説明しました。
実は、有酸素運動を長時間行った場合、体内の脂肪を分解するのと同じタイミングで筋肉も分解します。そうすることでアミノ酸を生成し、エネルギー源を確保しようとするのです。
脂肪と筋肉の両方が減ってしまった体は、「痩せた」ではなく「やつれた」という状態で、非常に不健康。
筋肉の分解が進むと、筋肉量が減少し、筋力や基礎代謝まで落ちてしまいます。
基礎代謝が下がると脂肪が燃焼されにくい体質になってしまい、結果的にリバウンドしやすく、痩せにくい体になってしまうのです。
そのため、有酸素運動によるダイエットを行う際は、筋肉の元となるタンパク質を多めに摂取し、並行して無酸素運動も行うようにしましょう。
そうすることで、筋肉量を維持しつつ効率的に脂肪を落とすことができます。
【保存版】有酸素運動と無酸素運動の効果的な組み合わせ方
有酸素運動と無酸素運動は並行して行うことで、効率的に脂肪を落とすことができると説明してきました。
では有酸素運動と無酸素運動は、どちらを先に行えば効率的に脂肪を落とすことができるでしょうか?
結論、最初に無酸素運動を行い、その後に有酸素運動を行うのがベストです。
具体的には、以下のようなメニューがおすすめです。
- ストレッチでウォーミングアップ:10分
- スクワットなど負荷のかかる筋トレ(無酸素運動):20分
- 軽いジョギング(有酸素運動):30分
- クールダウン:10分
急に運動をしてケガをしないためにも、最初にストレッチを行うことが重要です。
そして、前述の通り、脂肪を燃焼させるカギは成長ホルモンにあり、成長ホルモンを分泌させるには無酸素運動を行うことが非常に有効であると説明しました。
ストレッチを行った後に、スクワットやプッシュアップ(腕立て)のような、筋肉に負荷のかかる無酸素運動を行うことで成長ホルモンを分泌させるのです。
このように脂肪を燃焼しやすい状態にした後に、ジョギングなどの有酸素運動を行うことで、効率的に脂肪を燃焼しやすくなるでしょう。
次の章では、ダイエットに有効な有酸素運動と無酸素運動をそれぞれ5つ紹介しています。ぜひ参考にして下さい。
ダイエットにおすすめの有酸素運動5選
本章では、脂肪の燃焼に有効な5つの有酸素運動を紹介します。
- 踏み台昇降
- ジョギング
- ランニング
- サイクリング
- 水泳
普段運動をしていない人向けに、簡単に始められる運動から解説しています。
1. 踏み台昇降
家の中でテレビを観ながら行うことができる、一番手軽な有酸素運動です。
まずは10~20㎝位の踏み台を用意しましょう。
ストレッチマットなど、下に敷くマットがあると膝の負担を軽減でき、音が響きにくいので用意できれば便利です。
基本的なやり方は、以下の通り。
- 踏み台の前に立ち、足を肩幅に開く
- 右足を踏み台にのせ、次に左足をのせながら踏み台へ上がる
- 右足を踏み台から下ろし、左足も踏み台から下ろす
- 左足を踏み台にのせ、次に右足をのせながら踏み台へ上がる
- 左足を踏み台から下ろし、右足も踏み台から下ろす
- 3~5を繰り返す
階段を1段、上り下りするイメージです。
家の中で手軽にできますので、ぜひ試してみて下さい。
2. ジョギング
ジョギングのスピードは、早歩きと同じくらいの速さが目安となります。
走りながら、軽く会話ができる程度のスピードでOKです。
ジョギングは有酸素運動の中でも、筋肉の負担が少なく、普段運動習慣がない人でも筋肉痛になりにくいことがメリットの1つです。
ただし、ジョギングの際に履くシューズは、適当に選んではいけません。
サイズが合わないシューズ、もしくはサンダルなどで走る人を見かけることがあります。
このように、ジョギングに適さないシューズで走ってしまうと、足首を痛めるなどケガをする要因になってしまいます。
ジョギングを始めるなら、ジョギング用のシューズを用意しましょう。
3. ランニング
ランニングとジョギングの違いは、走る際のスピードです。
ジョギングは会話ができる程度のスピードで走るのに対し、ランニングはジョギングよりもスピードを上げ、息が上がる程度に走ります。
ランニングのスピードの目安は、8~10分で1㎞を走り切るペースです。
ランニングは、ジョギングやウォーキングよりも、運動強度が高くダイエット効果が得られやすいことがメリットの1つです。
しかし、その分ハードに感じやすく、初心者がいきなりランニングから始めてしまうと、長続きしないことが考えられます。
普段運動をしていないのなら、まずはジョギングから始め、走ることに慣れてから徐々にランニングをするようにしましょう。
4. サイクリング
「ジョギングは膝の負担が大きい」という人には、サイクリングがおすすめです。
サイクリングは、自転車のサドルに座って行うため、膝への負担がほとんどありません。体への負担が少なく、無理なく続けやすいのが特徴です。
また、通勤・通学を利用して運動できる点が、他の有酸素運動には無いメリットと言えるでしょう。
5. 水泳
水泳は水圧や水の抵抗により、消費カロリーが多いことが特徴です。
地上で行う有酸素運動よりも運動強度が高いため、ダイエットの効果を実感しやすいことが魅力でしょう。
水中で全身の筋肉を使用するため、効率よく脂肪を燃焼できます。
また、水の中で運動するため膝や腰などへの負担を軽減でき、ケガのリスクが小さいこともメリットの1つです。
ダイエットにおすすめの無酸素運動5選
本章では、筋力と基礎代謝を上げるために有効な5つの無酸素運動を紹介します。
- スクワット
- プッシュアップ
- プランク
- クランチ
- ダンベル運動
無酸素運動を継続しすることで、脂肪を燃焼させしやすい体を作ることができます。
家で手軽に始められる運動を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
1. スクワット
スクワットはテレビを見ながらでも行うことができるので、気軽に始められます。
基本的なやり方は以下の通り。
- 肩幅よりも少し広めに足を広げて、内股にならないように立つ
- 呼吸をしながら、膝が内側に入らないように5秒かけて腰を落とす
- 太ももが床と平行になったら、2秒間キープする
- 反動をつけずに素早く立ち上がる
- 1~4を繰り返す
注意点として、膝を曲げるときは、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。
膝がつま先より前に出た状態でスクワットを続けると、膝を痛める危険があります。
また、立ち上がる際も反動をつけてしまうと、膝の負担が大きくなるので注意が必要です。
2. プッシュアップ
プッシュアップとは、いわゆる「腕立て伏せ」です。
「いきなり腕立て伏せはきつい!」という方もいるでしょう。
そこで、初心者でも始めやすい、膝をついたプッシュアップを紹介します。
やり方は以下の通り。
- 肩幅よりも少し広くなるように、手を床につく
- 膝を床につける
- 足を閉じ、膝が床と90度になるように曲げる
- 手を床につけたまま、胸が床につかない程度に肘を曲げる
- 肘を曲げた状態で1秒間キープ
- 手と膝を床につけたまま、体を押し上げる
- 4~6を繰り返す
注意点として、息を止めながらプッシュアップを行うのは止めましょう。
筋肉に負荷がかかる前に息が上がることで、適切に筋肉を追い込むことができず、十分な効果が得られません。
ポイントは息を吸いながら体を下ろし、息を吐きながら体を押し上げることです。
また、膝を床につけた状態のプッシュアップは、膝に負担がかかりやすいので、下にクッションを敷いて行うことをおすすめします。
3. プランク
プランクは体幹トレーニングの一種で、主に腹筋やインナーマッスルなどお腹周りの筋肉を鍛えることができます。
やり方は以下の通り。
- 足を伸ばし、うつ伏せの状態で寝る
- 肩幅程度に腕を開き、両腕、両肘を地面につける
- 肘が地面と90度になるように体を起こす
- つま先を、立てるように地面につけて体を浮かせる
- 頭から足先まで、一直線になるように意識する
- そのまま30秒間キープ
目安として、これを3セット行うと効果的です。
ただし、フォームが崩れると効果が得られないため、体は一直線のままキープするように意識しましょう。
4. クランチ
クランチは、プランクと同様に腹筋を鍛えることができます。
クランチには「サイドクランチ」や「クロスクランチ」といった、より運動強度が高いやり方も存在します。
ただし運動強度が高い分、初心者はハードに感じてしまい、継続しにくいでしょう。
今回は初心者でも簡単にできる、基本的なクランチを紹介します。
やり方は以下の通り。
- 仰向けに寝て、足の裏をつけた状態で、両膝を90度曲げる
- 胸の上で両手をクロスさせる
- 顎を引き、息を吐きながら頭と腰を起こして膝に近づける
- 息を吸いながら元の位置へ戻る
- 3~4を繰り返す
最初は10回2セット程度から始めて、慣れてきたら回数とセット数を増やしていきましょう。
クランチのポイントは、「回数より1回の質を高める」ことです。
クランチを早く行い、回数を多くする事だけを意識してしまうと、フォームが崩れて腰を痛める可能性があります。
1回のクランチをゆっくりと行い、筋肉をしっかり使うことで効果が得られます。
5. ダンベル運動
これまでに紹介した運動よりも、さらに運動強度を上げられるのが、ダンベルを使用した無酸素運動です。
ダンベル運動は基礎代謝が上がりやすく、脂肪燃焼しやすい体を作りやすくなります。
ダンベルを使用した、おすすめの無酸素運動は以下の通り。
- ダンベルスクワット
- ダンベルクランチ
ダンベルスクワットは、両手に1つずつダンベルを持って行うスクワットです。
ダンベルクランチは、胸の前で1つのダンベルを両手で抱えて行うクランチです。
基本的なスクワットとクランチにダンベルを加えることで、筋肉へさらに強い負荷をかけられるです。
そうすることで、より脂肪を燃焼しやすい状態を作ることができるでしょう。
また、女性の場合、ダンベルの重さは1㎏もあれば十分効果を得られます。
まとめ:有酸素運動・無酸素運動は組み合わせて実践しよう!
当記事では、有酸素運動と無酸素運動の違いを解説し、両方組み合わせて行うことで、効率的に脂肪を燃焼できると説明してきました。
最後に、大事なポイントをおさらいしましょう。
運動中の筋収縮にはATPという物質が使用され、有酸素運動と無酸素運動には以下のような違いがあります。
- 呼吸で取り込んだ酸素を使ってATPを生成する運動が「有酸素運動」
- 体内のグリコーゲンやブドウ糖を使ってATPを生成する運動が「無酸素運動」
- 有酸素運動は体脂肪を燃焼させる
- 無酸素運動は筋力と基礎代謝を上げる
また、脂肪を燃焼させるためには、成長ホルモンを分泌させることが大切です。
成長ホルモンには「脂肪の燃焼を促進する」働きがあります。
この成長ホルモンを分泌させるには、無酸素運動が非常に有効です。
ただし、無酸素運動だけでは脂肪は燃焼しません。
有酸素運動と組み合わせて行うことで、効率的に脂肪を燃焼させられるのです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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