懸垂の平均回数を性別・運動量・体重別に徹底比較!うまくできない2つの原因と5つのコツを解説

#post_excerpt懸垂の平均回数や、回数を多くこなすコツについて知りたいと思いませんか?当記事で解説する懸垂のフォームとコツを実践していけば、必ずや今以上に懸垂で多くの回数をこなせるようになるでしょう。

「懸垂が1回もできない」
「懸垂をこなせる回数をもっと増やしたい」

あなたは、こんなふうに懸垂ができないことで悩んでいませんか?

懸垂を簡単にこなしている人を見ると、つい羨ましく思ったり、他の人は何回できるのか気になったりしてしまいますよね。

また、懸垂の平均回数や、回数を多くこなすコツについても知りたくなると思います。

そこで当記事では、以下の情報について詳しく解説していきます。

  •  性別・運動量・体重別の懸垂の平均回数
  •  懸垂ができない人の特徴
  •  懸垂の正しいフォーム
  •  懸垂で多くの回数をこなすコツ

なお、筆者はプロのトレーナーであり、実際に多くの方のボディメイクを成功させています。今回解説する懸垂のフォームとコツを実践していけば、必ずや平均回数以上をこなせるようになるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください!

懸垂の平均回数を、性別・運動量・体重別に比較

体重と運動量別に、男女の懸垂の平均回数を表で比較します。
運動量は以下のように定義しました。

  •  運動しない人:日常的に運動をまったく行わない
  •  初心者:1ヶ月以上筋トレを継続している
  •  中級者:6ヶ月以上筋トレを継続している
  •  上級者:2年以上筋トレを継続している

また、当記事では「STRENGTH LEVEL」に在籍している世界中のユーザー109万人分の統計データを元に、表を作成しました。

それでは、順に見ていきましょう。

男性の平均回数(運動量・体重別)

体重 運動しない人 初心者 中級者 上級者
55kg 1回以下 5回 14回 25回
60kg 1回以下 6回 14回 25回
65kg 1回以下 6回 14回 24回
70kg 1回以下 6回 14回 24回
75kg 1回以下 6回 13回 23回
80kg 1回以下 6回 13回 22回

参照:STRENGTH LEVEL

懸垂は運動強度が高く、筋トレ初心者にとって非常に難しいトレーニングと言えます。

世界中に存在するSTRENGTH LEVELのユーザーの中でも、運動をしない人の懸垂の平均回数は、1回以下です。加えて、世界全体の平均と比較して日本人の体格が小さめなこともあり、初めから懸垂を数こなせなくても落ち込む必要はありません。

女性の平均回数(運動量・体重別)

体重 運動しない人 初心者 中級者 上級者
40kg 1回以下 1回 6回 14回
45kg 1回以下 1回 6回 14回
50kg 1回以下 1回 6回 14回
55kg 1回以下 1回 6回 13回
60kg 1回以下 1回 6回 13回
65kg 1回以下 1回 6回 12回

参照:STRENGTH LEVEL

世界的に見ても、筋トレを始めたばかりの女性の平均回数は1回で、半年以上筋トレを続けた中級者でも平均回数が6回程度です。

女性は男性と比べて筋肉量が少ないため、懸垂をこなせる回数は少なくて当然と言えますね。

体重が軽くても、ある程度の筋肉がついていなければ、懸垂を数こなすことはできないと覚えておきましょう。

懸垂がうまくできない2つの原因

懸垂で多くの回数をこなせない理由として、主に以下の2つが挙げられます。

  •  筋力が足りない
  •  フォームを間違えている

順に見ていきましょう。

1. 筋力が足りない

懸垂は一度のトレーニングで、以下の筋肉を同時に鍛えられます。

  •  広背筋
  •  僧帽筋
  •  大円筋
  •  三角筋
  •  上腕二頭筋

逆に言うと、上記の筋肉量が少ない場合、体重に関わらず懸垂を多くこなすことはできません。

筋肉が足りず懸垂を1回もできないという人は、まず筋肉量を増やすことから始めましょう。

当記事の後半では、初心者向けの懸垂を2つ紹介しています。それらを実践することで、懸垂で必要な筋肉を鍛えられ、徐々に上半身の筋肉量を増やせるでしょう。

また、体に余分な脂肪がついているなら、トレーニングと平行して普段の食事の改善が必要です。脂っこく高カロリーな食事はなるべく控える必要があります。

筋肉をつけたいのであれば、大豆や鶏ささみ、卵などの食材を用いて、高タンパクで低カロリーな食事を心がけましょう。

2. フォームを間違えている

ある程度筋肉がついていても、正しいフォームで行わなければ多くの回数をこなせません

懸垂を、「腕の筋肉だけで体を持ち上げるトレーニング」と勘違いしている人もいるのではないでしょうか?

懸垂は腕の筋肉だけでなく、背中の筋肉と肩甲骨を使うことが特に重要です。

懸垂の正しいフォームについて記事の後半で解説しますので、自分が正しいフォームで懸垂を行えているか確認してみましょう。

懸垂で得られる3つのメリット

懸垂で得られるメリットについても確認しておきましょう。メリットを理解することでやる気に繋がり、目標も立てやすくなります。

  1.  上半身にある5つの筋肉を同時に鍛えられる
  2.  基礎代謝が上がることで、太りにくい体質になる
  3.  「超回復」により筋肉が成長しやすい

順に確認していきましょう。

1. 5つの筋肉を同時に鍛えられる

懸垂は上半身にある5つの筋肉を、一度のトレーニングで同時に鍛えられます。

  •  広背筋
  •  僧帽筋
  •  大円筋
  •  三角筋
  •  上腕二頭筋

背中の広背筋へ特に大きな負荷をかけられるので、継続して行えば逆三角形の体型も夢ではありません。

上半身の筋肉をバランス良く効率的に鍛えられる点が、懸垂の最大の魅力です。

2. 基礎代謝量が上がり、太りにくい体になる

懸垂は自重トレーニングの中でも、運動強度が高いという特徴があります。筋肉が大きく成長するため、基礎代謝量が増加しやすく、太りにくい体へと繋がるのです。

基礎代謝量とは、呼吸したり、臓器を動かしたりする際に消費されるエネルギーのこと。体をまったく動かさなくても、エネルギーは消費され続けています。

基礎代謝量は筋肉量に大きく関係しており、筋肉量が多いほどエネルギー消費量も多くなります。つまり、同じ体重の人でも、筋肉量の多い方が太りにくいと言えるでしょう。

懸垂で体を鍛え続けることが、基礎代謝量を増やすことに繋がり、たくましく太りにくい体へと導いてくれるのです。

3. 「超回復」の恩恵を受けやすい

懸垂は筋肉にかかる負荷が大きいため、筋肉が成長しやすいという点も魅力のひとつ。これには筋肉の「超回復」が関係しています。

筋繊維は大きい負荷を受けると壊れ、一定の期間を経て元より太い状態に回復します。この生理作用を、超回復と呼ぶのです。

筋肉が修復されるまでには24~72時間必要です。この間はしっかりと筋肉を休ませなければ、超回復は起こりません。

懸垂によって筋肉に大きな負荷をかけたら、2~3日は筋肉をしっかりと休ませてください。そうすることで、筋肉を効率的に大きく成長させられるでしょう。

回数をこなせる懸垂の正しいフォーム

懸垂は正しいフォームでトレーニングしなければ、筋肉を効率的に成長させられません。本項で懸垂の正しいフォームについて確認しましょう。

やり方は以下の通りです。

  1.  手の甲を上に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
  2.  背中の筋肉を使い、肩甲骨を寄せながら体を持ち上げる
  3.  バーの位置に顔が近づいたら、ゆっくりと腕を伸ばす
  4.  2~3を10回繰り返す

手のひらを上に向けてバーを持つ「逆手」にすると、上腕二頭筋に大きな負荷をかけられますので、ぜひ試してください。

懸垂を正しくこなす5つのコツ

懸垂で多くの回数をこなすために、以下のコツを意識しましょう。

  • 胸を張り、肩甲骨を寄せる
  • 初心者は顎をバーにつけない
  • トレーニンググローブを着用する
  • 10回3セットを3日おきに行う
  • 初心者は難易度の低いトレーニングから始める

順に解説します。

1. 胸を張り、肩甲骨を寄せる

懸垂で体を持ち上げる際、胸を張って肩甲骨を背中の中央に寄せることがポイントです。そうすることで、背中全体の筋肉をうまく動かせるでしょう。

懸垂は腕の力だけでなく、背中や肩など上半身全体の筋肉を使う種目です。肩甲骨の可動域が狭いと多くこなせず、筋肉に適切な負荷をかけられません。

懸垂は正しいフォームで行うことで、上半身の筋肉を効率的かつ網羅的に鍛えられるのです。

2. 初心者は顎をバーにつけない

「懸垂で体を持ち上げる際は、バーに顎をつけましょう」と書いてある記事をよく見かけますが、初心者にこの方法はおすすめできません。

バーに顎をつけること自体が間違いなのではなく、懸垂に慣れていないのであればおすすめできないということです。

理由は簡単で、筋トレ初心者の場合、バーに顎をつけることに集中してしまい、フォームが崩れることがあるからです。

確かに体を持ち上げる高さが高いほど、筋肉に大きな負荷をかけられます。

ただし、懸垂で一番大切なのは、正しいフォームで行うこと。

懸垂のフォームが崩れないように常に意識しましょう。トレーニングでバーに顎をつけるのは、懸垂に慣れてフォームが崩れなくなってからで良いでしょう。

3. トレーニンググローブを着用する

これから懸垂を始めたいという方には、トレーニンググローブの着用をおすすめします。

筋トレ初心者が懸垂をやり始めた初期の段階では、握力が足りずに力尽きて、早々にバーから手が離れてしまうことが考えられます。これでは、筋肉へ適切な負荷をかけられず、懸垂の効果を得られません。

そこで役立つのがトレーニンググローブです。滑り止めがついており、バーをしっかりと握ることができるため、バーから手がすぐに離れるのを防いでくれます。

他にもトレーニンググローブはマメなど手のケガを防ぎ、懸垂以外のトレーニングにも活用できるため、初心者にとって良きパートナーとなるでしょう。

4. 10回3セットを3日おきに行う

懸垂の基本的な回数の目安は、10回3セットです。

懸垂を10回もこなせない場合は、自分ができる限界の回数まででOKです。徐々にこなせる回数を増やしていきましょう。

また、懸垂は毎日行う必要はありません。

前述した「超回復」の恩恵を受けるためには、ダメージを受けた筋肉をしっかりと休ませることが重要だからです。

ダメージを受けた筋肉が回復するまでには、24~72時間必要です。この間しっかりと筋肉を休めることが、筋肉を大きく成長させる近道と言えるでしょう。

5. 初心者は難易度の低いトレーニングから始める

懸垂を1回もできないのであれば、まずは難易度の低いトレーニングから始めましょう。特におすすめなのが「斜め懸垂」「ネガティブ懸垂」です。

斜め懸垂とネガティブ懸垂は、筋肉にかかる負荷が小さく、上半身の筋肉を徐々に鍛えられます。筋肉量が少ない筋トレ初心者でも簡単にこなせるため、無理なく継続できるでしょう。

やり方について次項で詳しく解説しているので、ぜひ試してください。

初心者向けの懸垂トレーニング2選

正しいフォームを意識しても懸垂をこなせない場合は、そもそも筋肉量が足りていません。

まずは筋トレ初心者でも簡単に行えるトレーニングから実践し、懸垂に必要な筋肉を徐々に増やしていきましょう。

特におすすめのトレーニングが以下の2つです。

  •  斜め懸垂
  •  ネガティブ懸垂

順に説明します。

1. 斜め懸垂

斜め懸垂は、両足を地面につけて行う懸垂です。
基本の懸垂と比べると負荷が小さいため、初心者でも無理なく簡単に行えます。
継続することで、上半身の筋肉が徐々に成長していくことを実感できるでしょう。

やり方は以下の通り。

  1.  バーの真下に仰向けで寝転がる
  2.  手のひらを脚の方に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
  3.  バーの位置が、みぞおちの真上にくるように体を移動する
  4.  かかとを地面につけ、頭から足の先まで真っすぐになるように姿勢をキープする
  5.  肩甲骨をしっかりと寄せながら、体を引き上げる
  6.  胸がバーまで届いたら、ゆっくりと元の位置に戻す
  7.  4~6までの動作を10回繰り返す

斜め懸垂は、バーの位置が低いほど筋肉にかかる負荷が大きくなります。
慣れてきたらバーの位置が低い器具を使い、筋肉にかかる負荷を徐々に大きくしていきましょう。

2. ネガティブ懸垂

ネガティブ懸垂は「体を下ろす動作」のみを行う懸垂です。体をゆっくりと下ろすことで、背中の筋肉に大きな負荷をかけられます。

やり方は以下の通り。

  1.  手の甲を上に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
  2.  ジャンプをしてバーに体を近づけ、1~2秒間姿勢をキープする
  3.  ゆっくりと体を下ろす
  4.  2~3を繰り返す

バーに体を近づける際はジャンプする必要があるため、バーに顔が当たってケガをしないよう注意しましょう。

目安として、体をゆっくりと下ろす動作を7回以上できれば、基本の懸垂を1回行えるようになるでしょう。ネガティブ懸垂をこなせる回数が増えるほど、基本の懸垂をこなせる回数が増えますので、ぜひ挑戦してください。

まとめ:懸垂初心者の平均回数は1回以下。焦らず徐々に筋肉量を増やしていこう!

日常的に運動を行っていない人の懸垂の平均回数は、男女ともに1回以下です。
最初から懸垂ができなくても、落ち込む必要はまったくありません。

懸垂で多くの回数をこなせない場合、おおよそ2つの理由が当てはまります。

  •  そもそも筋肉量が足りない
  •  フォームを間違えている

多くの回数をこなせるよう、以下の5つのコツを意識しましょう。

  1.  胸を張り、肩甲骨を寄せて背中の筋肉を使う
  2.  体を引き上げる際は、バーに顎をつけない
  3.  トレーニンググローブを着用し、手を滑りにくくする
  4.  10回3セットを3日おきに行う
  5.  筋肉量が少ない場合は、初心者向けの懸垂から始める

懸垂は自重トレーニングの中でも負荷が大きいため、上半身の筋肉が網羅的に成長しやすい点が最大の魅力です。

この記事の内容を読み返しながら懸垂で体を鍛え上げ、憧れの体を手に入れて頂きたいと思います!

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧下さい