「懸垂が1回もできない」
「懸垂をこなせる回数をもっと増やしたい」
あなたは、こんなふうに懸垂ができないことで悩んでいませんか?
懸垂を簡単にこなしている人を見ると、つい羨ましく思ったり、他の人は何回できるのか気になったりしてしまいますよね。
また、懸垂の平均回数や、回数を多くこなすコツについても知りたくなると思います。
そこで当記事では、以下の情報について詳しく解説していきます。
- 性別・運動量・体重別の懸垂の平均回数
- 懸垂ができない人の特徴
- 懸垂の正しいフォーム
- 懸垂で多くの回数をこなすコツ
なお、筆者はプロのトレーナーであり、実際に多くの方のボディメイクを成功させています。今回解説する懸垂のフォームとコツを実践していけば、必ずや平均回数以上をこなせるようになるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください!
懸垂の平均回数を、性別・運動量・体重別に比較
体重と運動量別に、男女の懸垂の平均回数を表で比較します。
運動量は以下のように定義しました。
- 運動しない人:日常的に運動をまったく行わない
- 初心者:1ヶ月以上筋トレを継続している
- 中級者:6ヶ月以上筋トレを継続している
- 上級者:2年以上筋トレを継続している
また、当記事では「STRENGTH LEVEL」に在籍している世界中のユーザー109万人分の統計データを元に、表を作成しました。
それでは、順に見ていきましょう。
男性の平均回数(運動量・体重別)
体重 | 運動しない人 | 初心者 | 中級者 | 上級者 |
55kg | 1回以下 | 5回 | 14回 | 25回 |
60kg | 1回以下 | 6回 | 14回 | 25回 |
65kg | 1回以下 | 6回 | 14回 | 24回 |
70kg | 1回以下 | 6回 | 14回 | 24回 |
75kg | 1回以下 | 6回 | 13回 | 23回 |
80kg | 1回以下 | 6回 | 13回 | 22回 |
懸垂は運動強度が高く、筋トレ初心者にとって非常に難しいトレーニングと言えます。
世界中に存在するSTRENGTH LEVELのユーザーの中でも、運動をしない人の懸垂の平均回数は、1回以下です。加えて、世界全体の平均と比較して日本人の体格が小さめなこともあり、初めから懸垂を数こなせなくても落ち込む必要はありません。
女性の平均回数(運動量・体重別)
体重 | 運動しない人 | 初心者 | 中級者 | 上級者 |
40kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 14回 |
45kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 14回 |
50kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 14回 |
55kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 13回 |
60kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 13回 |
65kg | 1回以下 | 1回 | 6回 | 12回 |
世界的に見ても、筋トレを始めたばかりの女性の平均回数は1回で、半年以上筋トレを続けた中級者でも平均回数が6回程度です。
女性は男性と比べて筋肉量が少ないため、懸垂をこなせる回数は少なくて当然と言えますね。
体重が軽くても、ある程度の筋肉がついていなければ、懸垂を数こなすことはできないと覚えておきましょう。
懸垂がうまくできない2つの原因
懸垂で多くの回数をこなせない理由として、主に以下の2つが挙げられます。
- 筋力が足りない
- フォームを間違えている
順に見ていきましょう。
1. 筋力が足りない
懸垂は一度のトレーニングで、以下の筋肉を同時に鍛えられます。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 大円筋
- 三角筋
- 上腕二頭筋
逆に言うと、上記の筋肉量が少ない場合、体重に関わらず懸垂を多くこなすことはできません。
筋肉が足りず懸垂を1回もできないという人は、まず筋肉量を増やすことから始めましょう。
当記事の後半では、初心者向けの懸垂を2つ紹介しています。それらを実践することで、懸垂で必要な筋肉を鍛えられ、徐々に上半身の筋肉量を増やせるでしょう。
また、体に余分な脂肪がついているなら、トレーニングと平行して普段の食事の改善が必要です。脂っこく高カロリーな食事はなるべく控える必要があります。
筋肉をつけたいのであれば、大豆や鶏ささみ、卵などの食材を用いて、高タンパクで低カロリーな食事を心がけましょう。
2. フォームを間違えている
ある程度筋肉がついていても、正しいフォームで行わなければ多くの回数をこなせません。
懸垂を、「腕の筋肉だけで体を持ち上げるトレーニング」と勘違いしている人もいるのではないでしょうか?
懸垂は腕の筋肉だけでなく、背中の筋肉と肩甲骨を使うことが特に重要です。
懸垂の正しいフォームについて記事の後半で解説しますので、自分が正しいフォームで懸垂を行えているか確認してみましょう。
懸垂で得られる3つのメリット
懸垂で得られるメリットについても確認しておきましょう。メリットを理解することでやる気に繋がり、目標も立てやすくなります。
- 上半身にある5つの筋肉を同時に鍛えられる
- 基礎代謝が上がることで、太りにくい体質になる
- 「超回復」により筋肉が成長しやすい
順に確認していきましょう。
1. 5つの筋肉を同時に鍛えられる
懸垂は上半身にある5つの筋肉を、一度のトレーニングで同時に鍛えられます。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 大円筋
- 三角筋
- 上腕二頭筋
背中の広背筋へ特に大きな負荷をかけられるので、継続して行えば逆三角形の体型も夢ではありません。
上半身の筋肉をバランス良く効率的に鍛えられる点が、懸垂の最大の魅力です。
2. 基礎代謝量が上がり、太りにくい体になる
懸垂は自重トレーニングの中でも、運動強度が高いという特徴があります。筋肉が大きく成長するため、基礎代謝量が増加しやすく、太りにくい体へと繋がるのです。
基礎代謝量とは、呼吸したり、臓器を動かしたりする際に消費されるエネルギーのこと。体をまったく動かさなくても、エネルギーは消費され続けています。
基礎代謝量は筋肉量に大きく関係しており、筋肉量が多いほどエネルギー消費量も多くなります。つまり、同じ体重の人でも、筋肉量の多い方が太りにくいと言えるでしょう。
懸垂で体を鍛え続けることが、基礎代謝量を増やすことに繋がり、たくましく太りにくい体へと導いてくれるのです。
3. 「超回復」の恩恵を受けやすい
懸垂は筋肉にかかる負荷が大きいため、筋肉が成長しやすいという点も魅力のひとつ。これには筋肉の「超回復」が関係しています。
筋繊維は大きい負荷を受けると壊れ、一定の期間を経て元より太い状態に回復します。この生理作用を、超回復と呼ぶのです。
筋肉が修復されるまでには24~72時間必要です。この間はしっかりと筋肉を休ませなければ、超回復は起こりません。
懸垂によって筋肉に大きな負荷をかけたら、2~3日は筋肉をしっかりと休ませてください。そうすることで、筋肉を効率的に大きく成長させられるでしょう。
回数をこなせる懸垂の正しいフォーム
懸垂は正しいフォームでトレーニングしなければ、筋肉を効率的に成長させられません。本項で懸垂の正しいフォームについて確認しましょう。
やり方は以下の通りです。
- 手の甲を上に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
- 背中の筋肉を使い、肩甲骨を寄せながら体を持ち上げる
- バーの位置に顔が近づいたら、ゆっくりと腕を伸ばす
- 2~3を10回繰り返す
手のひらを上に向けてバーを持つ「逆手」にすると、上腕二頭筋に大きな負荷をかけられますので、ぜひ試してください。
懸垂を正しくこなす5つのコツ
懸垂で多くの回数をこなすために、以下のコツを意識しましょう。
- 胸を張り、肩甲骨を寄せる
- 初心者は顎をバーにつけない
- トレーニンググローブを着用する
- 10回3セットを3日おきに行う
- 初心者は難易度の低いトレーニングから始める
順に解説します。
1. 胸を張り、肩甲骨を寄せる
懸垂で体を持ち上げる際、胸を張って肩甲骨を背中の中央に寄せることがポイントです。そうすることで、背中全体の筋肉をうまく動かせるでしょう。
懸垂は腕の力だけでなく、背中や肩など上半身全体の筋肉を使う種目です。肩甲骨の可動域が狭いと多くこなせず、筋肉に適切な負荷をかけられません。
懸垂は正しいフォームで行うことで、上半身の筋肉を効率的かつ網羅的に鍛えられるのです。
2. 初心者は顎をバーにつけない
「懸垂で体を持ち上げる際は、バーに顎をつけましょう」と書いてある記事をよく見かけますが、初心者にこの方法はおすすめできません。
バーに顎をつけること自体が間違いなのではなく、懸垂に慣れていないのであればおすすめできないということです。
理由は簡単で、筋トレ初心者の場合、バーに顎をつけることに集中してしまい、フォームが崩れることがあるからです。
確かに体を持ち上げる高さが高いほど、筋肉に大きな負荷をかけられます。
ただし、懸垂で一番大切なのは、正しいフォームで行うこと。
懸垂のフォームが崩れないように常に意識しましょう。トレーニングでバーに顎をつけるのは、懸垂に慣れてフォームが崩れなくなってからで良いでしょう。
3. トレーニンググローブを着用する
これから懸垂を始めたいという方には、トレーニンググローブの着用をおすすめします。
筋トレ初心者が懸垂をやり始めた初期の段階では、握力が足りずに力尽きて、早々にバーから手が離れてしまうことが考えられます。これでは、筋肉へ適切な負荷をかけられず、懸垂の効果を得られません。
そこで役立つのがトレーニンググローブです。滑り止めがついており、バーをしっかりと握ることができるため、バーから手がすぐに離れるのを防いでくれます。
他にもトレーニンググローブはマメなど手のケガを防ぎ、懸垂以外のトレーニングにも活用できるため、初心者にとって良きパートナーとなるでしょう。
4. 10回3セットを3日おきに行う
懸垂の基本的な回数の目安は、10回3セットです。
懸垂を10回もこなせない場合は、自分ができる限界の回数まででOKです。徐々にこなせる回数を増やしていきましょう。
また、懸垂は毎日行う必要はありません。
前述した「超回復」の恩恵を受けるためには、ダメージを受けた筋肉をしっかりと休ませることが重要だからです。
ダメージを受けた筋肉が回復するまでには、24~72時間必要です。この間しっかりと筋肉を休めることが、筋肉を大きく成長させる近道と言えるでしょう。
5. 初心者は難易度の低いトレーニングから始める
懸垂を1回もできないのであれば、まずは難易度の低いトレーニングから始めましょう。特におすすめなのが「斜め懸垂」と「ネガティブ懸垂」です。
斜め懸垂とネガティブ懸垂は、筋肉にかかる負荷が小さく、上半身の筋肉を徐々に鍛えられます。筋肉量が少ない筋トレ初心者でも簡単にこなせるため、無理なく継続できるでしょう。
やり方について次項で詳しく解説しているので、ぜひ試してください。
初心者向けの懸垂トレーニング2選
正しいフォームを意識しても懸垂をこなせない場合は、そもそも筋肉量が足りていません。
まずは筋トレ初心者でも簡単に行えるトレーニングから実践し、懸垂に必要な筋肉を徐々に増やしていきましょう。
特におすすめのトレーニングが以下の2つです。
- 斜め懸垂
- ネガティブ懸垂
順に説明します。
1. 斜め懸垂
斜め懸垂は、両足を地面につけて行う懸垂です。
基本の懸垂と比べると負荷が小さいため、初心者でも無理なく簡単に行えます。
継続することで、上半身の筋肉が徐々に成長していくことを実感できるでしょう。
やり方は以下の通り。
- バーの真下に仰向けで寝転がる
- 手のひらを脚の方に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
- バーの位置が、みぞおちの真上にくるように体を移動する
- かかとを地面につけ、頭から足の先まで真っすぐになるように姿勢をキープする
- 肩甲骨をしっかりと寄せながら、体を引き上げる
- 胸がバーまで届いたら、ゆっくりと元の位置に戻す
- 4~6までの動作を10回繰り返す
斜め懸垂は、バーの位置が低いほど筋肉にかかる負荷が大きくなります。
慣れてきたらバーの位置が低い器具を使い、筋肉にかかる負荷を徐々に大きくしていきましょう。
2. ネガティブ懸垂
ネガティブ懸垂は「体を下ろす動作」のみを行う懸垂です。体をゆっくりと下ろすことで、背中の筋肉に大きな負荷をかけられます。
やり方は以下の通り。
- 手の甲を上に向け、肩幅よりも少し間隔を空けてバーを握る
- ジャンプをしてバーに体を近づけ、1~2秒間姿勢をキープする
- ゆっくりと体を下ろす
- 2~3を繰り返す
バーに体を近づける際はジャンプする必要があるため、バーに顔が当たってケガをしないよう注意しましょう。
目安として、体をゆっくりと下ろす動作を7回以上できれば、基本の懸垂を1回行えるようになるでしょう。ネガティブ懸垂をこなせる回数が増えるほど、基本の懸垂をこなせる回数が増えますので、ぜひ挑戦してください。
まとめ:懸垂初心者の平均回数は1回以下。焦らず徐々に筋肉量を増やしていこう!
日常的に運動を行っていない人の懸垂の平均回数は、男女ともに1回以下です。
最初から懸垂ができなくても、落ち込む必要はまったくありません。
懸垂で多くの回数をこなせない場合、おおよそ2つの理由が当てはまります。
- そもそも筋肉量が足りない
- フォームを間違えている
多くの回数をこなせるよう、以下の5つのコツを意識しましょう。
- 胸を張り、肩甲骨を寄せて背中の筋肉を使う
- 体を引き上げる際は、バーに顎をつけない
- トレーニンググローブを着用し、手を滑りにくくする
- 10回3セットを3日おきに行う
- 筋肉量が少ない場合は、初心者向けの懸垂から始める
懸垂は自重トレーニングの中でも負荷が大きいため、上半身の筋肉が網羅的に成長しやすい点が最大の魅力です。
この記事の内容を読み返しながら懸垂で体を鍛え上げ、憧れの体を手に入れて頂きたいと思います!
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