「懸垂が三角筋に効いているのかわからない」
「三角筋が鍛えられる懸垂のやり方を知りたい」
ひとりでトレーニングしていると、狙った筋肉に効いているのか実感できないことがありますよね。
懸垂で三角筋を育てようと頑張っているのに、成長が遅く感じることもあるでしょう。
懸垂は気軽に始めやすいトレーニングですが、正しいやり方で取り組めている人は少ないです。
上半身や腕に全体重がかかる負荷の高いトレーニングだと知らずに、無理をしてしまう初心者もいます。
三角筋は逆三角形の体型を作るのに欠かせない筋肉です。
かっこいい体を手に入れるためには、懸垂の正しいやり方を知って、バランス良く鍛えましょう。
こちらでは、懸垂の正しいフォームや効率的に育てるコツを解説します。
懸垂と合わせて取り組みたい筋トレメニュー5つも紹介するので、トレーニングの参考にしてみてください。
三角筋は見た目に影響!懸垂でバランスよく鍛える理由
懸垂とはバーにぶら下がった状態から、背中や肩の筋力を使って体を持ち上げる運動です。
肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づけます。短時間で腕・肩・背中など幅広い筋肉に負荷をかけられるのが懸垂の魅力です。
三角筋は肩を覆っている筋肉で、前部・中部・後部と3つの部位に分かれています。デスクワークなどで同じ姿勢を続けていると、衰えやすいです。
肩幅など上半身の見え方を左右する筋肉なので、小さくなると見た目に影響してしまいます。
3つの部位をバランスよく鍛えることで肩の筋肉が美しく盛り上がり、逆三角形の体型に近づくのです。スーツもきれいに着こなせるでしょう。
広背筋や三角筋に効率良く効かせるためには、余分な力が腕にかからないよう懸垂のフォームを見直す必要があるのです。
懸垂がうまくできない理由3つ
懸垂がうまくできないと回数が続かなかったり、肩や首が痛くなったりとやる気にも影響してしまいます。こちらでは懸垂がうまくできない理由を3つにまとめました。
- 筋力が足りない
- 無理をしている
- フォームが崩れている
実際に行っているトレーニングと見比べながら、参考にしてみてください。
1. 筋力が足りない
懸垂は自分の体を持ち上げる負荷の高いトレーニングです。
ある程度の筋力が必要なので、初心者は以下のような部位の筋力が不足していると考えられます。
- 背中
- 腕
- 握力
筋力が足りない状態で負荷の高い懸垂を行うと、フォームが崩れてケガに繋がってしまいます。
まずはダンベルやマシンで背中や腕を鍛え、基礎となる筋力をつけてから懸垂を始めましょう。
パワーグリップやリストスラップなどのトレーニングギアを装着し、握力を補助するのも良い考えです。
2. 無理をしている
慣れていないうちから回数をこなそうとする必要はありません。
無理のない範囲で行いましょう。初心者が懸垂を行う場合、全体重をかけてぶら下がらないようにします。
急に全体重をかけてしまうと、肩を痛めてしまうからです。最初は踏み台を使い、足で体を支えながらバーにぶら下がります。
筋力が足りなくて体を引き上げるのが辛い場合は、軽くジャンプして体をバーに近づけ、体を下ろすときの負荷を重視してトレーニングを行います。
懸垂は体をバーに引きつける感覚が大切です。少ない回数から懸垂を始め、練習を繰り返して体を引きつける感覚を掴んでいきましょう。
3. フォームが崩れている
フォームが崩れるとバーから落下したり、意図しない部位に負荷がかかったりと、ケガに繋がるアクシデントが起こりやすくなります。
以下のようなことに注意しながら取り組みましょう。
- 顎と首を上げすぎない
- 体を丸めない
- 完全に腕を伸ばしきる
- 勢いをつけすぎない
顎や首を無理矢理バーに近づけようとすると、首にかかる負担が高くなります。頭は自然な位置に固定しましょう。
体が丸まってしまうと広背筋に刺激が入りません。
体を下ろすときに完全に力を抜いてしまったり、勢いよく始めたりすると、肩を痛めてしまう場合があります。
正しいフォームで懸垂に取り組んで、ケガのリスクを回避しましょう。
三角筋を鍛える前に確認!懸垂の正しいフォーム
まずは正しい懸垂のフォームを確認しましょう。
懸垂は手軽に取り組めるトレーニングですが、正しいフォームを守って実施している人は少ないです。
フォームが崩れていると三角筋に刺激が入らないので、常に意識しておきましょう。正しいやり方は以下の通りです。
- 肩幅と同じかやや広めにバーを握る
- 肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づける
- 顎とバーが同じ高さになるまで体を持ち上げる
- ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る
10回ほど同じ動作を繰り返し、休憩を30秒~1分挟みながら3セット実施します。
呼吸は止めず、体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸いましょう。
体を引き上げるときだけでなく、体を下ろすときも力を入れ続けると筋肥大に繋がります。
懸垂で意識したい三角筋の部位3つ
懸垂を行うときは正しいフォームを意識し、効かせたい部位を意識しながら行いましょう。三角筋は以下の3つの部位に分けられます。
- 前部
- 中部
- 後部
バランス良く鍛えるため、各部位の特徴を覚えておきましょう。
1. 前部
三角筋・前部は鎖骨部分から伸びており、何かを押したり腕を体の前で上下したりするときに使う筋肉です。
大胸筋や上腕三頭筋などと連動して動きます。鍛えれば丸く盛り上がった筋肉を作れるでしょう。
トレーニングの際は肩関節が内側に旋回する動きを取り入れると、より収縮が強まります。
2. 中部
肩峰から張りだしている三角筋・中部は、腕を横に広げて上下するときに使う筋肉です。
前部と同じく大胸筋や上腕三頭筋と連動しています。
三角筋・中部を鍛えると肩の外側に筋肉がつき、肩幅が大きくなります。
相手に強い印象を与えたり、小顔に見せたりする効果が期待できるでしょう。
痛めやすい部位なので、無理のない範囲でトレーニングを行います。
3. 後部
肩甲骨から伸びる三角筋・後部は、腕を後ろに上下させたり回したりするときに使う筋肉です。
僧帽筋や広背筋と連動し、主に引く動作で使います。
三角筋の前部や中部だけ鍛えてもバランスが悪くなるので、理想的な三角筋に仕上げるためには後部のトレーニングも意識しましょう。
三角筋を懸垂で効率的に育てるコツ4つ
三角筋を懸垂で鍛えるため、効率的に筋トレを行いましょう。
三角筋の成長を実感できるトレーニングのコツを以下の4つにまとめました。
- ワイドグリップで懸垂を行う
- トレーニングギアを使う
- 適切な回数を守る
- アーチャープルアップを行う
ひとつずつ確認していきましょう。
1. ワイドグリップで懸垂を行う
通常の懸垂を行う場合、肩幅と同じかやや広めの位置でバーを握ります。
ワイドグリップとは肩幅の約2倍の位置まで手を広げ、バーを握って行う懸垂です。
ワイドグリップで懸垂を行うと、通常の懸垂より広背筋の上部や三角筋の後部に刺激が入りやすくなります。
ワイドグリップを行うときは、バーの上に5本の指を置き、親指と他の指が同じ方向になるようオーバーグリップで握ります。
全ての指をバーに引っかけるイメージで試してみてください。このとき、バーは強く握りすぎないように注意しましょう。
体を持ち上げるときは肩を下げた状態で肘を張り、胸をバーに近づけます。
2. トレーニングギアを使う
トレーニングギアとは、懸垂に必要な筋力を補助してくれるアイテムです。
バーと手の間に生じる圧力や摩擦を軽減し、手のひらを保護してくれるので、マメができにくいでしょう。
懸垂にはパワーグリップやリストストラップが最適です。パワーグリップはベロ部分が手のひら側にくるように装着し、バーを掴みます。
リストストラップは、ストラップ部分をバーに巻き付けて使うアイテムです。
どちらも握力を補ってくれるので、装着してトレーニングを行うと腕や手の疲労が軽減できるでしょう。
トレーニングギアを使うことで筋トレに集中でき、広背筋や三角筋を意識して負荷をかけられます。
手のひらの汗で滑って落下するなど、突然の事故が防げるので、初心者ほどおすすめしたいアイテムです。
3. 適切な回数を守る
懸垂の回数を増やすだけでは三角筋を成長させられません。
多くの回数をこなせるということは、筋肉への負荷が足りない状態だからです。三角筋を効率的に育てる適切な回数を守りましょう。
1セット10回を目安に取り組みます。慣れないうちは5~6回ほどにとどめ、慣れてきたら12回ほどに増やしましょう。
回数を決めたら、30秒~1分の休憩を挟みながら3~5セット行います。
この回数で限界を感じるように取り組むと、筋肥大が見込めるでしょう。
回数やセット数が足りないと感じたら、足にウェイトをつけるなど工夫します。
4. アーチャープルアップを行う
アーチャープルアップは左右交互に体を引き上げるトレーニングです。
二頭筋と三角筋が鍛えられ、特に三角筋の前側に効きます。
上級者向けトレーニングのため、懸垂がある程度できるようになってから取り組みましょう。
アーチャープルアップのやり方は以下の通りです。
- 肩幅よりやや広めに順手でバーを握る
- 左右どちらかの斜め上に体を引き上げ、胸をバーに近づける
- 弓を引くようなポジションを取る
- ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る
- 反対側を実施する
例えば右側に体を引き上げた場合の弓を引くポジションは、右手は肘が曲がり、左手はまっすぐに伸ばした状態です。
負荷の高いトレーニングで肩を痛めやすいため、できる範囲で行いましょう。
三角筋をもっと鍛えたい!懸垂と合わせて取り組みたい筋トレメニュー5つ
懸垂では適度な回数を守り、足りない場合には自重トレーニングやダンベルを使った筋トレを取り入れましょう。例えば以下の5つです。
- パイクプレス
- フロントレイズ
- サイドレイズ
- リアレイズ
- アップライトロウ
どれも気軽に行えるトレーニングなので、参考にしてみてください。
1. パイクプレス
パイクプレスはお尻を突き上げた状態で腕立てを行う、初心者でも取り組みやすい自重トレーニングです。
正しいフォームを意識して行いましょう。
- 腕立ての状態からお尻を突き上げる
- 手は肩幅程度、足は肩幅より少し広めにとる
- 肘を外側に曲げて、頭を地面に近付ける
- 膝は曲げないようにする
- 元の状態に戻す
10回~15回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット程度行いましょう。
肘を曲げるときに膝が曲がってしまうと、足の筋肉を使うことになり、肩への刺激が減ってしまいます。
お尻を突き上げたフォームをキープしながら取り組みましょう。
2. フロントレイズ
フロントレイズは大胸筋と三角筋が鍛えられ、三角筋の前側には特に効果的な筋トレです。
筋肉が成長すると肩幅が広く見え、たくましさをアピールできます。
- 背筋を伸ばして太ももの前でダンベルを持つ
- 肘はやや曲げて胸の高さまでダンベルを持ち上げる
- 常に肘を外に向ける
- 胸の高さで2秒キープし、元の位置にゆっくり戻す
10回~15回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット程度行いましょう。
両手でやると体がぶれやすいので、片手ずつ実施します。
腕と一緒に肩が上がると三角筋ではなく僧帽筋に力が入ってしまうので、肩を下げることを意識しましょう。
3. サイドレイズ
サイドレイズは三角筋の中部を鍛えられるトレーニングです。三角筋の側面を鍛えると、広い肩幅を作れます。
- 太ももの前でダンベルを持ち、肩幅に足を開く
- 肘はやや曲げて背筋を伸ばし、前傾姿勢をとる
- ダンベルは地面と平行にしたまま、上腕を使って横に開く
- 肩の高さまでダンベルを持ち上げて2秒キープする
- ダンベルを元の位置にゆっくり戻す
10回~15回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット程度行いましょう。
小指側がやや上になるようダンベルを持ち上げると、三角筋の側面にしっかり刺激が入ります。肩を上げないように行いましょう。
4. リアレイズ
リアレイズは三角筋の後部と広背筋が鍛えられます。
誤った姿勢で行うと肩関節のケガに繋がるので、正しいフォームを意識しましょう。
- 足を肩幅に開きダンベルを両手に握る
- 膝を曲げてお尻を突き出す
- 上半身を約45度に保ち、腕は太ももと平行にキープする
- ダンベルを横に広げるように持ち上げる
- 肩よりやや上まで持ち上げたら2秒キープする
- 腕を太ももと同じ高さまでゆっくりとおろす
肩の位置より高くダンベルを持ち上げると、三角筋の後部に刺激が入ります。
10回×1セットだけ取り組み、負荷が足りないと感じたらダンベルの重さを調整しましょう。
5. アップライトロウ
アップライトロウは三角筋と広背筋が鍛えられるトレーニングです。
左右のダンベルがぶつかると反動でケガをしてしまう場合があるので、余裕を持って持ちましょう。
- 両手にダンベルを持ち、胸を張る
- ダンベルは手を下ろした自然な位置で持つ
- 肘を曲げてダンベルを肩の高さまで持ち上げる
- 2秒キープし、元の位置に戻す
10回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット程度行います。
ダンベルを持ち上げるとき肩が上がらないように意識しましょう。高い負荷をかけなくても効果が感じられるので、初心者に向いています。
懸垂をマスターして三角筋も広背筋も美しく鍛えよう
懸垂は腕や肩、背中など幅広い筋肉に効くトレーニングです。
三角筋だけでなく上半身の筋肉がバランスよく鍛えられ、理想の体型に近づきます。
懸垂は負荷の高い自重トレーニングなので、適切な回数を守ることが大切です。
三角筋をもっと追い込みたいと考えるなら、懸垂に加えてダンベルを使ったトレーニングを取り入れましょう。
三角筋は前部・側部・後部をまんべんなく鍛えることで美しい筋肉に成長します。
正しいフォームを意識しながら筋トレを行い、確実に三角筋と広背筋に刺激を入れていきましょう。
逆三角形の体型を手に入れれば、自信を持てるようになりますよ。
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