握力をアップさせて懸垂!正しいフォームや意識するポイント3つを解説

#post_excerpt懸垂をやると、すぐに限界がきてしまう……という人は、握力の弱さが原因かもしれません。こちらの記事では、握力をアップさせる方法や懸垂のトレーニング法について解説します。懸垂ができるようになると、上半身の筋力が期待でき、握力も向上するので、ぜひトレーニングの参考にしてみてくださいね。

「懸垂ができるようになるには?」
「懸垂に握力は必要?」
「回数をこなすにはどうしたらいい?」

懸垂をすると握力が弱く、すぐにバーから手が離れてしまう人もいるでしょう。背中や腕の筋肉には余裕があるのに、手が痛くて懸垂ができないのは悔しいですよね。

握力を鍛えたり、トレーニングギアで補ったりすれば、懸垂をこなせるようになるでしょう。

こちらの記事では、握力をアップさせる方法や懸垂のトレーニング法について解説します。

懸垂ができるようになると、さらに握力の向上が見込めるので、ぜひトレーニングの参考にしてみてください。

握力が弱いと懸垂ができない理由


懸垂はバーを握って体を引き上げる運動なので、ある程度の握力が必要です。

バーを掴む力が十分でないと体を引き上げられず、懸垂ができません。

初心者ほど握力に頼って体を持ち上げようとしてしまい、バーから手が離れやすいです。

握力は3種類あるので、ひとつずつ説明します。

握力の種類 作用
クラッシュ力 指を曲げた状態で握り込む力
ピンチ力 指を伸ばしてものをつまむ力
ホールド力 掴んだものを離さない力

握力計を使って計測する数値は、クラッシュ力を指します。20代~40代の平均は46~47kgほどです。

懸垂をやるときにバーを強く握りすぎると、バーと手のひらの間に圧力が生まれ、手のひらが痛くなってしまいます。

できる範囲で懸垂を行い、痛みがある場合はパワーグリップやリストスラップを使って握力を補うとよいでしょう。

懸垂をやる前に握力をアップさせる3つの方法


握力を鍛えるには、手のひらや前腕筋の筋力アップが必要です。握力を高めるための対策を3つにまとめました。

  1. 前腕筋を鍛える
  2. 手のひらの筋肉を鍛える
  3. 手首や指をストレッチする

ひとつずつ確認していきましょう。

1. 前腕筋を鍛える

幾つかの筋肉で構成されている前腕筋は、指や手首を動かすのに欠かせない部位です。鍛えると握力の向上が見込めるでしょう。

前腕筋を鍛えるには、ダンベルやバーベルを使ったトレーニングが効果的です。

ダンベルを握って腕を外側に向けて曲げたり、前腕を回転させたりする運動を取り入れるとよいでしょう。

前腕筋を鍛えると野球やテニスなど、投げたり打ったりするスポーツのパフォーマンスが向上し、負荷の高い筋トレにも挑戦できるようになります

また引き締まった前腕筋は男性らしさのアピールに効果的です。腕まくりをしたときの筋肉質な前腕筋に、心ときめく女性は多いでしょう。

2. 手のひらの筋肉を鍛える

手のひらの筋肉を鍛えるには、市販のハンドグリッパーの購入がおすすめです。

1,000円~2,000円ほどで購入でき、日常生活にトレーニングを取り入れられますよ。

ハンドグリッパーを握って離す動作をゆっくりと繰り返します。前腕筋への刺激を感じながら行いましょう。

できる回数にプラス3回程度の負荷で取り組み、まずは10回×3セットほど実施します。

家事や仕事の合間にやると眠気覚ましやリフレッシュになるので、自宅やオフィスに常備して隙間時間を活用するのもよいでしょう。

3. 手首や指をストレッチする

懸垂の前後に筋肉や関節をほぐすとよいでしょう。手首を回したり前腕筋を伸ばしたりすると血行が促進され、動きが良くなります。

手首や指には以下のようなストレッチが効果的です。

種類 やり方
指の前後運動 指を開いて両手を合わせ順番にずらす
合掌ストレッチ 胸の前で手のひらを合わせて合掌のポーズをする
グーパー法 指の関節をゆっくり折り畳みぐっと広げる

場所を問わずどこでもできるので、トレーニング前後のストレッチと一緒に行うとよいでしょう。しっかり行えばケガの防止になります。

日常生活でパソコンを使う人は、仕事や勉強の合間にやると強ばった筋肉がほぐれますよ。

握力だけじゃない!懸垂に取り組むためにやりたいこと3つ


懸垂ができないのは、握力だけが原因ではありません。懸垂の前にやりたいことを3つにまとめました。

  1. 体重を調整する
  2. 上半身の筋肉を鍛える
  3. 正しい懸垂のフォームを意識する

ひとつずつ確認していきましょう。

1. 体重を調整する

懸垂ができない原因のひとつとして考えられるのは、体重が重いことです。

懸垂は自分の体重を使って筋力を鍛える自重トレーニングです。重りが調整できるマシンとは違い、体重がそのまま負荷になります

例えば70kgで筋肉質な人と、50kgで痩せ型の人を比べると体重差は20kgと大きいです。痩せ型の方が回数をこなせる場合もあるでしょう。

もちろん筋肉量が多ければ、体重にかかわらずできる人もいます。

ただし筋肉より体脂肪が多い人は食事を調整して有酸素運動を取り入れ、脂肪を減らしてから懸垂を行うとよいでしょう。

2. 上半身の筋肉を鍛える

上半身の筋力が足りない場合は懸垂ができません。懸垂を行うには握力以外に以下の筋肉が必要です。

  • 広背筋
  • 上腕筋
  • 上腕二頭筋
  • 上腕三頭筋
  • 三角筋

筋力が足りない状態で無理やり懸垂を行うと、フォームが崩れてケガに繋がってしまいます。

まずはダンベルやマシンで背中や腕の筋肉をつけてから、懸垂を行いましょう。懸垂ができるようになれば、さらに上半身の筋肉を鍛えられます。

3. 正しい懸垂のフォームを意識する

懸垂ができないのは、フォームの崩れが原因かもしれません。

回数が続かないときは、正しいフォームで懸垂ができているか確認しましょう。正しいやり方は以下の通りです。

  1. 肩幅と同じかやや広めにバーを握る
  2. 肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づける
  3. 顎とバーが同じ高さになるまで体を持ち上げる
  4. ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る

10回ほど同じ動作を繰り返し、休憩を30秒~1分挟みながら3セット繰り返します。

呼吸は体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸うことを意識しましょう。

握力を補って懸垂ができるようになるアイテム3選


握力が弱いうちは、トレーニングギアで握力を補いましょう。こちらでは懸垂に適したアイテムを3つ紹介します。

  1. パワーグリップ
  2. リストストラップ
  3. プルアップボール

ひとつずつ確認していきましょう。

1. パワーグリップ

パワーグリップとは握力をサポートしたり、手のひらを保護したりするトレーニングギアです。

グリップ力が安定し、握力に自信がなくても懸垂を行えます使い方は以下の通りです。

  1. パワーグリップのベロ部分を手のひら側にして装着する
  2. ベルトを手首に巻きつける
  3. バーにベロ部分を巻きつけて上から握る

パワーグリップのベロがバーと手のひらの間にかかる圧力を軽減してくれます。

安定した力でバーを握れるため、手が痛くなりやすい初心者こそ、パワーグリップを使うとよいでしょう。

手首がしっかり固定されるので、トレーニング中に正しいフォームを保てます。

2. リストストラップ

リストストラップは、帯状になっているトレーニングギアです。

端の部分にストラップを通して輪を作り、手を入れましょう。バーの下からストラップを巻きつけて使います。

パワーグリップより巻きつける手間はかかりますが、リストストラップの方が手に馴染みやすいです。

装着してトレーニングを行うと、腕や手の疲労が軽減できるでしょう。ダンベルやバーベルを使った負荷の高い筋トレにも使えます。

革製なら手のひらに汗をかいても滑りにくいです。

使い始めはバーに巻きつけるのが難しいと感じるかもしれません。何度か練習してコツを掴んでくださいね。

3. プルアップボール

プルアップボールは握力を鍛えたい人向けのアイテムで、フックをバーに引っかけて使用します。

ボール状のグリップを握って懸垂すると、前腕筋や握力が鍛えられるでしょう。

プルアップボールはダンベルに取りつけて使用が可能。ダンベルをそのまま引き上げるより負荷の高いトレーニングができ、握力と同時に上腕二頭筋に効かせられます。

持ち運べる大きさなので、握力を追い込みながら懸垂に取り組みたい人は、ジムでのトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

初心者でもできる懸垂トレーニング3選


様々なやり方がある懸垂の中から、初心者でもできるトレーニングを3つ紹介します。

  1. 斜め懸垂
  2. ネガティブレップ・チンニング
  3. バンドアシスト懸垂

無理をしない範囲で取り組んでみてください。

1. 斜め懸垂

斜め懸垂は、筋力の少ない初心者でも取り組みやすいです。バーの高さを低くし、足を床につけて行うため負荷は小さくなります。

懸垂で体がうまく上がらない人は、斜め懸垂から始めるとよいでしょう。

<やり方>

  1. バーの高さをおへその辺りまで下げる
  2. 肩幅よりやや広めに順手でバーを握る
  3. しゃがんだ姿勢から足を前にずらす
  4. 肘を伸ばし、床にかかとをつけて体を斜めに伸ばす
  5. 体は一直線になるように保つ
  6. バーに胸をひきつける

10回を1セットとし、30秒の休憩を挟みながら3セット程度行います。

体を一直線に伸ばしたときの角度が、床から45度以下になるようバーを調整しましょう。

2. ネガティブレップ・チンニング

体を下ろす動作をメインで行う懸垂です。懸垂で体を引き上げるのは難しくても、下ろす動作ならできる場合は多いでしょう。

<やり方>

  1. 肩幅と同じかやや広めにバーを握る
  2. 椅子や台を踏み台に乗る
  3. 体は斜め前に持ち上げる
  4. ゆっくり肘を伸ばし、4~5秒かけて体を下ろす

10回を1セットとし、30秒の休憩を挟みながら3セット程度行います。

胸を張り、体が丸まらないように意識しましょう。下ろす動作ができるようになると、体を引き上げるところから懸垂に取り組めます。

3. バンドアシスト懸垂

バンドアシスト懸垂は、ゴム製のフィットネスチューブを使って行う懸垂です。フィットネスチューブが補助してくれるので、軽い負荷で取り組めます。

<やり方>

  1. バーにチューブをくくりつけて輪を作る
  2. チューブに片足のスネをひっかける
  3. 肩幅と同じかやや広めに逆手でバーを握る
  4. 顎とバーが同じ高さになるまで体を持ち上げる
  5. ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る

10回を1セットとし、30秒の休憩を挟みながら3セット程度行います。

チューブの長さが短い場合は、踏み台や椅子を使って足をかけましょう。

チューブによって耐荷重が違うので、自分の体重の半分以上あるものを選んでください。

懸垂がおすすめの理由5つ


懸垂をおすすめする理由は、握力や筋肉量の増加だけではありません。他にも5つあるので1つずつ紹介します。

  1. 基礎代謝がアップする
  2. 姿勢が良くなる
  3. 肩こりが改善する
  4. 負荷をかける部位を変えられる
  5. 場所を選ばない

メリットを把握して懸垂に取り組んでいきましょう。

1. 基礎代謝がアップする

体の筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、太りにくく痩せやすい体になります。

基礎代謝とは24時間で消費するエネルギー量のこと。運動中だけでなく日常生活で使うエネルギー量がアップするので、ダイエットに効果的です。

大きな筋肉を鍛えると、エネルギーの消費量が多くなります。

懸垂は上半身を効率良く鍛えられ、大きな筋肉である広背筋に効く筋トレです。基礎代謝をアップさせるのに有効なトレーニングと言えるでしょう。

2. 姿勢が良くなる

懸垂で広背筋が鍛えられると姿勢が良くなります。

広背筋だけでなく、大胸筋や腹筋も強くなるので、体の前と後ろの筋肉がバランスよく発達するのです。

猫背や姿勢の悪さで悩んでいる人は、積極的に懸垂を行うと改善できるでしょう。

懸垂を続けると逆三角形の体に近づき、立ち姿が美しくなります。スーツをかっこよく着こなせるようになり、服選びが楽しくなりますよ。

3. 肩こりが改善する

肩こりは僧帽筋の強ばりや緊張が原因です。僧帽筋は頭と首のつなぎ目から、肩甲骨まで広がっています。

僧帽筋が強ばると肩甲骨の動きが悪くなり、血行不良で肩こりが発生してしまうのです。

懸垂を行うと、ストレッチ効果で血行が促され、背中や肩周りがほぐれます。

パソコンやスマートフォンを頻繁に使う現代の生活習慣は、肩こりになりやすいです。筋トレを継続して血行不良を改善していきましょう。

4. 負荷をかける部位を変えられる

同じ部位ばかり筋トレし続けていると、筋肉が慣れてしまいます。負荷に慣れてしまうと筋肉の成長が少なくなるでしょう。

懸垂は少し変化を加えるだけで、手軽に負荷のかかる部位を変えられます以下のような動作を試してみてください。

  • 逆手か順手で手の持ち方を変える
  • バーを掴む手の幅を変える
  • ぶら下がる
  • ゆっくり行う
  • 体を引き上げたところでバーを横に移動する

トレーニングの際に意識して取り入れると、色々な部位を鍛えられますよ。

5. 場所を選ばない

懸垂はジムに通わなくてもトレーニングができる手軽な筋トレです。

筋力アップにコストをかけたくない人は、鉄棒のある公園で試してみるとよいでしょう。ランニングやウォーキングのついでに取り組めます。

「公園でやるのは恥ずかしい」と考える人は、懸垂バーやチンニングマシンを購入して自宅でトレーニングが可能です。

1万円未満で購入できるものもあり、設置する場所さえ決めてしまえば、テレビを見ながら鍛えられますよ。

懸垂をするときの注意点4つ


懸垂はメリットだけでなく、気をつけたい点もあります。注意点を以下の4つにまとめました。

  1. 正しい呼吸を意識する
  2. バーを強く握りすぎない
  3. 回数をやりすぎない
  4. 休息日をつくる

懸垂をやる際の参考にしてみてください。

1. 正しい呼吸を意識する

懸垂は負荷の高いトレーニングのため、集中するあまり思わず息を止めてしまうことがあるでしょう。

懸垂を行うときは、体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸います

正しく呼吸しながら行うと、筋トレの効果が高まります。無意識に息が止まらないように気をつけながら取り組みましょう。

2. バーを強く握りすぎない

バーを掴んで体を持ち上げるとき、バーと手のひらの間には摩擦と圧力が生まれます。

バーを強く握りすぎると腕に力が入ってしまい、背中に刺激が入りません手のひらが痛くなり、マメになることがあります。

懸垂を行うときは、バーに指をかけて体を支えるイメージで軽く握りましょう。

親指側に力が入ると腕の筋肉に効いてしまうので、小指側を意識します

握力が弱い人はバーを強く握ってしまう傾向があるため、握力を補助してくれるトレーニングギアの使用がおすすめです。

3. 回数をやりすぎない

懸垂は無理に回数を増やさず、適切な回数をこなす方が効果的です。長い時間トレーニングしても、筋肉への刺激は弱くなります。

10回を1セットとし、30秒~1分の休憩を入れて、3セット程度行いましょう。初心者のうちは5回~6回でも効果はあります。

少ない回数で限界を感じるように行うと、筋肥大に効果的です。負荷が足りない場合は足に重りをつけて行いましょう。

4. 休息日をつくる

懸垂は負荷の高いトレーニングなので週2~3日程度の頻度で行い、筋肉の休息日を作りましょう。毎日トレーニングするのは逆効果です。

広背筋や僧帽筋のような大きな筋肉は、十分回復するのに48~72時間ほどかかります。

筋トレでダメージを受けた筋肉が回復し、成長することを「超回復」と呼びます。計画的に繰り返すと筋肉は強くなるでしょう。

筋肉痛が残っているのは、回復が足りていない状態です。トレーニングを休み、筋肉の回復に努めましょう。

懸垂を続けると握力もアップする


懸垂ができるようになると、握力は徐々に向上します。

握力が強くなれば負荷の高いトレーニングに取り組めるようになり、自信が持てるでしょう。

ジムでたくさん回数をこなしている人を見かけると「すごい」と感じるかもしれません。しかし懸垂は手を抜けば回数をこなせてしまう運動です。

懸垂は正しいフォームを守り、ゆっくり体を下ろして負荷をかけることで、上半身の筋肉に効いてきます。

効果的なやり方で取り組めば、3か月~6か月後には成長を実感できるでしょう

スタイルアップした自分を想像しながら、トレーニングに励んでくださいね。

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