「ベンチプレスで重量が伸びなくなってしまった」
「停滞期から抜け出すにはどうしたらいいの?」
ダイエットと同様に、ベンチプレスにも停滞期はつきもの。記録更新を目標としている人にとって重量の停滞は大きな悩みであり、やる気もダウンしてしまいます。力の限界を感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、重量が伸びないからといって諦めるのはまだ早いです。この記事では、ベンチプレスの停滞期で悩んでいる人に向けて、以下の点について詳しく解説します。
- 重量が伸びない理由
- 停滞期から抜け出す方法
- 停滞期におすすのベンチプレス
- 停滞打破におすすめのアイテム
ぜひこの記事を読んで、できることから実践してみましょう。
ベンチプレスの重量が伸びない5つの大きな理由
ベンチプレスの重量が伸びない大きな理由は5つ。
- トレーニングの総負荷量が足りていない
- オーバーワークになっている
- 正しいフォームになっていない
- 食事制限をしている
- 上腕三頭筋が鍛えられていない
自分に当てはまるところがないか確認してみましょう。
1. トレーニングの総負荷量が足りていない
総負荷量は、「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」を表した数値。この総負荷量を高めることで、筋肥大効果もアップすると言われています。
今まで回数やセット数を意識していなかった人は、総負荷量が足りていないことが伸びない原因であるとも考えられるのです。
2. オーバーワークになっている
慢性的な疲労感や筋肉痛が続いている人は、オーバーワークになっている可能性があります。トレーニングのやりすぎにより体の回復が追いつかず、パフォーマンスが低下している状態です。体が回復するまで待ちましょう。
ベンチプレスをやればやるだけ効果が得られるわけではありません。同じ部位ばかりトレーニングしたり、セット数や日数を増やしすぎたりするのは逆効果です。
3. 正しいフォームになっていない
ベンチプレスに慣れてくると、フォームが自己流になり、間違っていることに気付かないまま継続している人も少なくありません。
バーベルの重量が高くなるほど、フォームが崩れやすくなります。定期的に基本の姿勢を再確認することも大切です。
4. 食事制限をしている
体を絞るために食事制限をしている人も多いですが、過度な制限は逆効果。なぜなら、摂取カロリーが少ないと、筋肉がエネルギーとして分解されてしまうからです。
そうなるとベンチプレスが停滞するだけでなく、筋肉量が減り、記録がどんどん下がっていく可能性もあります。過度な食事制限や偏った食事はやめましょう。
5. 上腕三頭筋が鍛えられていない
ベンチプレスを持ち上げるためには、大胸筋だけでなく、上腕三頭筋を使って押し上げる力も必要です。上腕三頭筋が鍛えられていないことで、重量が伸びなくなっていることも考えられます。
ベンチプレスは上腕三頭筋の筋力アップにも効果的ですが、大胸筋ほど鍛えられません。押し上げる力を強くするためには、上腕三頭筋を中心としたトレーニングも必要です。
【停滞打破!】重量の停滞期から抜け出す方法
重量の停滞期から抜け出すための方法は8つ。
- 総負荷量を考慮して重量設定を見直す
- 正しいフォームになっているか再確認する
- 上腕三頭筋をメインで鍛えられるトレーニングを取り入れる
- ストレッチをしっかりと行う
- インターバルを十分にとる
- 全身の筋肉をバランスよく鍛える
- 体重増加を目指してバランスのいい食生活を意識する
- 十分な睡眠時間を確保する
1つずつ詳しく解説します。できることから実践して、停滞打破を目指しましょう。
1. 総負荷量を考慮して重量設定を見直す
今まで回数やセット数を意識していなかった人は、総負荷量を考慮した重量設定を行いましょう。総負荷量の計算式は、「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」です。
例えば、50kgのベンチプレスをギリギリ10回でき、1セットが限界なら、「50×10×1=500kg」という計算式で500kgが総負荷量となります。
少し重量を減らして30kgのベンチプレスを10回、3セット行った場合は、「30×10×3=900kg」という計算式で900kgが総負荷量です。
つまり、総負荷量が高くなるのは30kgのベンチプレスを10回×3セット行った場合。それを継続したほうが筋肥大効果も高まるということです。なお、総負荷量は1週間単位の合計で考えることが大切と言われています。
また、ベンチプレスは1セットを10回程度とし、3~5セット行うのが目安です。1セットだけで限界がくる重さではなく、3~5セットを無理なくこなせる重さに設定しましょう。
しかし、毎回必ず同じ重量や回数を行う必要はありません。
- 高重量で1セットの回数を少なくする日
- 中重量で1セットの回数をやや多くする日
- 低重量で1セットの回数を多くする日
上記のようにその日のコンディションなどで調整することで、筋肉にさまざまな刺激を与えられます。その結果、停滞期の打破につながる可能性もあるのです。
2. 正しいフォームになっているか再確認する
フォームが崩れていると、バーベルに適切な力が加わりません。正しいフォームになっているか再確認しましょう。
- 親指でバーを包み込む握り方(サムアラウンドグリップ)で持つ
- 肩甲骨を寄せてブリッジの状態をキープする
- 頭・両肩・お尻・両足をしっかりと着地させる
- バーを下ろす位置が胸の上になるようにする
- 肘を開きすぎないように脇を少し締める
どれか1つでも崩れてしまうと、肩などを痛め、怪我をするリスクが高まります。ベンチプレスに慣れている人でも、定期的にフォームを見直しましょう。
関連記事:ベンチプレスはフォームが重要!肩甲骨を意識した正しいやり方を詳しく解説
3. 上腕三頭筋をメインで鍛えられるトレーニングを取り入れる
ベンチプレスの重量が停滞しているのは、上腕三頭筋の筋力不足が原因であることも考えられます。上腕三頭筋をメインで鍛えられるトレーニングを取り入れてみましょう。
ベンチプレスであれば、上腕三頭筋への負荷が強くなるナローベンチプレスに切り替えるのもおすすめ。ナローベンチプレスは手の幅を肩幅くらいにして、脇を締めて行うのがポイントです。
ジムで上腕三頭筋を鍛えるなら、プッシュダウン・ディップス・ダンベルを使ったトレーニングもおすすめ。自宅で鍛えるなら腕立て伏せが効果的です。
ひとまとめに腕立て伏せといっても、さまざまな種類があります。
- ナロープッシュアップ:手の幅を狭くした腕立て伏せ
- リバースプッシュアップ:椅子や台を利用して、背中側で手をつく腕立て伏せ
- デクラインプッシュアップ:足を椅子や台に乗せて行う腕立て伏せ
- インクラインプッシュアップ:台などに両手をつき、上半身を高くする腕立て伏せ
手をつく場所や角度を変えることでさまざまな方向から上腕三頭筋を刺激でき、パフォーマンスの向上にもつながります。
4. ストレッチをしっかりと行う
トレーニング前はストレッチが重要です。体を温めて筋肉や関節をしっかりとほぐしましょう。怪我のリスクを軽減するだけでなく、可動域も広がります。
その際、ベンチプレスで重要な筋肉(大胸筋・上腕三頭筋・三角筋)を意識したストレッチを取り入れるのがおすすめ。運動パフォーマンスの向上にもつながります。
5. インターバルを十分にとる
ベンチプレスのような高負荷トレーニングは、インターバルを3~5分とるといいと言われています。インターバルは、筋肉が回復するために必要な時間です。
1セットを終えてからすぐに次のセットに移るのではなく、一度フォームを崩して体を休める時間をとりましょう。
6. 全身の筋肉をバランスよく鍛える
ベンチプレスの重量を伸ばすためには、全身の筋肉をバランスよく鍛えることも大切です。ベンチプレスは上半身を集中して鍛えられるトレーニングですが、下半身の筋肉も鍛えておくことで、より安定したフォームがつくれるようになります。
その結果、運動パフォーマンスが向上。筋力の弱さを感じている部分を中心に鍛えることで、怪我の予防にもつながります。
7. 体重増加を目指してバランスのいい食生活を意識する
ベンチプレスの重量を上げるためには、筋肉量を増やすことも大切。ベンチプレスを始めてからずっと体重が変わっていないのであれば、筋肉量を増やすために食生活を改善してみましょう。
日頃からバランスのいい食生活を心がけることはとても重要です。特に筋肉をつくるためにはタンパク質が必要不可欠。肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品といったタンパク質を1日3食で積極的に摂取する必要があります。
なお、筋肉量を増やすためにはオーバーカロリー(消費カロリーよりも、摂取カロリーのほうが多い状態)を意識しましょう。この量が逆になってしまうと、筋肉を分解してしまう原因になります。
8. 十分な睡眠時間を確保する
オーバーワークで疲労感が抜けないと思っていても、実は睡眠不足という可能性もあります。十分な睡眠時間が確保できていない人は、オーバーワークを疑う前にしっかりと睡眠をとり、コンディションを整えましょう。
停滞期で悩んだらダンベルベンチプレスもおすすめ
ダンベルベンチプレスは、バーベルの代わりにダンベルを使用して行うトレーニング。重量の停滞期で悩んでいる人は、ダンベルベンチプレスに切り替えてみるのもおすすめです。
- ダンベルベンチプレスの効果
- ダンベルベンチプレスのやり方
それぞれについて解説しますので、ぜひ実践してみてください。
1. ダンベルベンチプレスの効果
ダンベルベンチプレスはバーベルのように両腕の位置が固定されないので、腕の可動範囲が広がります。そのため、ダンベルを持つ幅や角度を自由に調節できるトレーニングです。
また、バーベルは両腕の力を合わせて持ち上げますが、ダンベルはそれぞれの腕が独立します。その結果、筋力が弱い腕もしっかりと鍛えられるのです。
筋肉にいつもと違う刺激を与えることで、両腕を均等に鍛えられます。
2. ダンベルベンチプレスのやり方
ダンベルベンチプレスのやり方は以下のとおり。
- ベンチに座り、ダンベルを太ももの上に置く
- ベンチに転がるようにして仰向けになる
- ダンベルが肩の上にくるように持ち上げる
- 肩甲骨を寄せ、背中を浮かせてブリッジをつくる
- ダンベルをゆっくりと下げる
- ブレが収まるまで一度静止する
- バーベルを持ち上げる
通常のベンチプレスと違い、両腕を伸ばした状態がスタートポジションとなります。基本の姿勢は同じで、ブリッジの状態を崩さないように行うのがポイントです。
ダンベルの軌道を内側にすると、上腕三頭筋への負荷が強くなります。鍛えたい部位に合わせて、ダンベルの軌道を変えてみましょう。
ベンチプレスで役立つアイテムを活用して停滞打破!
ベンチプレスで重量アップを目的としているなら、プロテインやトレーニングギアの使用がおすすめ。トレーニングをサポートしてくれます。
- プロテインを摂取する
- リストラップで手首をサポート
- トレーニングベルトで腹圧をサポート
まだ使っていない人は、ぜひ試してみてください。
1. プロテインを摂取する
プロテイン(protein)は日本語で「タンパク質」のこと。食事で不足しがちなタンパク質を効率よく補える栄養補助食品です。
タンパク質には筋肉を修復する役割があるので、トレーニング前後に飲むのもいいと言われています。筋肥大目的でトレーニングを行う人は、ぜひ積極的に取り入れましょう。
2. リストラップで手首をサポート
リストラップは、手首を固定して、バーを握ったときのグラつきをサポートアイテム。手首への負担を軽減し、安定させることで力を加えやすくなります。
3. トレーニングベルトで腹圧をサポート
トレーニングベルトは、腰をサポートし、腹圧をかけやすくするアイテム。ギュッと締めることでフォームが安定し、力が加えやすくなります。
まとめ
ベンチプレスの重量に伸び悩んでも、諦めてはいけません。停滞期だからといってトレーニング量を増やし、自分を追い込むのも逆効果です。
筋トレも食事も、バランスが大切。トレーニング内容やフォーム、ライフスタイルを見直し、伸びない原因になっているところがないかチェックしてみましょう。
この記事で紹介した停滞期から抜け出す方法を参考に、できるところから実践してみてください。停滞期の打破を目指しましょう。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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