デッドリフトの注意点!腰を痛めない正しいやり方やフォームを詳しく解説

#post_excerptデッドリフトは高重量トレーニングであるため、正しく行わないと腰を痛めるリスクが高まります。フォームが崩れやすいトレーニングなので、定期的に正しいやり方やフォームを見直しましょう。またこの記事では、腰を痛めずにデッドリフトの効果を高める方法も紹介します。ぜひ日々のトレーニングに取り入れてみてください。

「デッドリフトで腰を痛めてしまった」
「腰を痛めずにデッドリフトを行う方法はあるの?」

デッドリフトは、下半身や背中にある大きな筋肉を集中して鍛えられるトレーニングベンチプレス・スクワットと並び、筋トレBIG3とも言われています。

しかし、高い重量を扱うトレーニングなのでフォームが崩れやすく、怪我をするリスクが大きいのも事実。デッドリフトで腰を痛めるイメージをもつ人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、デッドリフトで腰を痛めないための正しいやり方や注意点を詳しく解説します。細かい注意点が多いですが、正しく行えば効果の大きいトレーニングです。ぜひ実践してみましょう。

デッドリフトで鍛えられる部位と筋肉

デッドリフトを行うことで鍛えられる部位と筋肉は大きく分けて3か所。

  1. 背中(脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋)
  2. 下半身(大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングス)
  3. 腕(上腕二頭筋・前腕筋)

これらの筋肉の動きを意識して行うことで、得られる効果も高まります。1つずつ確認していきましょう。

1. 背中(脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋)

デッドリフトは背中全体を鍛えられるトレーニング。主に脊柱起立筋・広背筋・僧帽筋に効果があります。

  • 脊柱起立筋:頭部から骨盤まで繋がる筋肉
  • 広背筋:背中から腰、腕まで繋がる筋肉
  • 僧帽筋:背中の表層にあり、首から肩まで繋がる筋肉

背中を中心とした筋肉を鍛えることで、上半身がギュッと引き締まった体を目指せます。逆三角形の体を目指したい人にとっても、デッドリフトはおすすめのトレーニングです。

2. 下半身(大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングス)

デッドリフトでバーベルを持ち上げる際に、下半身にもグッと力が入ります。そのときに主に鍛えられる筋肉は、大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリングスです。

  • 大臀筋:お尻の表層部分にある大きい筋肉
  • 大腿四頭筋:太ももの前側についている大きい筋肉
  • ハムストリングス:お尻の付け根から太ももの裏側にある筋肉

これらの筋肉を強化することで、ヒップアップ効果も期待できます。下半身には体全体を支えるための重要な筋肉が揃っているので、日頃から鍛えておくことが大切です。

3. 腕(上腕二頭筋・前腕筋)

バーベルの上げ下げをするときに欠かせないのがの筋肉。主に、上腕二頭筋・前腕筋を鍛えられます。

  • 上腕二頭筋:腕の前面にある”力こぶ”と呼ばれる筋肉
  • 前腕筋:手首から肘のあたりにある筋肉

腕の筋肉は、日常生活で重い物を持ったり頻繁に動かしたりする機会がないと、なかなか鍛えられませんデッドリフトなら、背中や下半身の筋肉と一緒に効率よく鍛えられます。

デッドリフトで腰を痛める2つの大きな原因

デッドリフトで腰を痛める大きな原因は2つ。

  1. 正しいフォームになっていない
  2. 重量設定が適していない

それぞれ確認していきましょう。

1. 正しいフォームになっていない

デッドリフトは全身の筋肉を効率よく鍛えられるトレーニング。しかし、体への負荷が大きい分、フォームが乱れがちです。

立つ位置や姿勢、バーベルの持ち方など、デッドリフトを行う一連の動きの中で注意すべき部分がたくさんあります。正しいフォームで行わないと、腰を痛めるだけでなく、期待する効果を得られません

デッドリフトに慣れている人でもフォームが自己流になっている可能性もあります。定期的に見直しましょう。

2. 重量設定が適していない

早く効果を実感したいからといってバーベルの重量を重くしすぎていると、持ち上げるときに背中が丸まり、腰を痛めやすくなってしまいます

デッドリフトの正しいフォームを保った状態で、設定した回数を無理なくこなせる重さがベストです。デッドリフトを行う目的によっても回数や重さの設定が異なりますが、重ければいいわけではありません。

【腰を痛めない】デッドリフトの正しいやり方とフォームの注意点

デッドリフトの正しいやり方とフォームの注意点を、STEP1~STEP3までの動作の流れに沿ってご紹介します。

  1. STEP1:バーベルを握るまでの流れと注意点
  2. STEP2:バーベルを持ち上げるときの流れと注意点
  3. STEP3:バーベルを下ろすときの流れと注意点

腰を痛めるリスクを軽減するためにも、1つ1つの動きをしっかりと確認しましょう。鏡を見ながら行ってみるのもおすすめです。

STEP1:バーベルを握るまでの流れと注意点

まず、バーベルを握るまでの流れを確認していきましょう。

  1. バーベルを床に置いた状態でプレートをセットする
  2. 足を肩幅くらいに開き、バーベルの後ろに立つ
  3. つま先とかかとの間にバーがくるように、足の位置を調整する
  4. 股関節と膝関節を曲げ、上半身を45度くらい前傾させる
  5. 手の幅を均等にし、肩幅よりも少し広い位置でバーを掴む
  6. バーよりも前に肩を出し、肩甲骨がバーの真上にくるように位置を調整する
  7. 背中を真っ直ぐ伸ばし、お尻を後ろに突き出す
  8. 目線は前を向く

特に注意してほしいのは、バーを握ったときの姿勢とバーの位置です。

バーの真上に肩があると、背中の筋肉をうまく使えません。また、お尻の位置が高すぎると、下半身の筋肉をうまく使えないだけでなく、持ち上げたときに背中が丸まりやすくなります。

持ち方のポイントは、指の付け根で引っかけるようにバーを握ることです。手のひらで握るとマメができやすくなったり、滑りやすくなったりするので注意しましょう。

STEP2:バーベルを持ち上げるときの流れと注意点

次に、バーベルを持ち上げるまでの流れです。持ち上げるときのフォームはとても重要。正しく行わないと筋肉をうまく使えず、腰などを痛めてしまう原因に直結します。

バーベルを一気に持ち上げるのではなく、ファーストプルとセカンドプルの2段階を意識して持ち上げることが大切です。

【ファーストプル】
前傾した状態を保ちながら、膝関節伸ばしてバーベルを膝の高さまで持ち上げます。このときに股関節を開かず、上半身の角度をあまり変えないように意識して持ち上げましょう。

【セカンドプル】
上半身を起こしていき、床と垂直になるように立ちます。上半身を伸ばしたときに背中が後ろに反ってしまうと、腰を痛めやすくなるので注意しましょう。

持ち上げるときに重要なポイントは、この2段階の動きを背中が丸まらないように意識して行うことです。重量が重すぎると背中が丸まりやすくなるので、この動きが問題なくできる重さに設定し直しましょう。

お尻とお腹にギュッと力を入れると、背中を真っ直ぐにキープしやすくなります。姿勢を保ったままバーベルの軌道を体に近付け、垂直に持ち上げることが大切です。

STEP3:バーベルを下ろすときの流れと注意点

デッドリフトはバーベルを下ろすときのフォームも重要です。

お腹に力を入れたまま、背中を伸ばした状態でゆっくりと膝関節と股関節を曲げて下ろします。勢いよく下ろすとバーベルが床でバウンドして背中が丸まりやすくなるので、下でしっかりと静止するように下ろすのがポイントです。

下ろしたときに最初の基本姿勢に戻っていることを確認してから、同じ動作を繰り返して回数を増やしていきましょう。

【目的別】デッドリフトを行う回数と重さの目安

デッドリフトを行う回数と重さの目安を、目的別に解説します。

  1. 筋肥大目的の場合
  2. ダイエット目的の場合

どんな目的でも、少ない重量から少しずつ重さを上げていくことが大切です。最初から無理をすると腰を痛める原因になります。

1. 筋肥大目的の場合

筋肥大目的で行う場合、6~12回が1セットの目安回数を軽くこなせてしまう重さではなく、ギリギリこなせるくらいの重さに設定しましょう。

早いペースで上げ下げをせずに、筋肉が動いていることを確認しながらゆっくりと動作を行うことで効果が高まります。

2. ダイエット目的の場合

ダイエット目的で行う場合、20回程度が1セットの目安回数をギリギリこなせる重さではなく、無理なく継続できる重さがベストです。

有酸素運動やほかのトレーニングも行うことを考えて、デッドリフトに負荷をかけすぎないようにしましょう。

デッドリフトを正しく行うことで得られる効果

デッドリフトを正しいやり方で行うことで得られる効果は以下の2つ。

  1. さまざまな部位を効率的に鍛えられる
  2. 代謝アップにつながる

1つずつ解説します。

1. さまざまな部位を効率的に鍛えられる

デッドリフトは負荷の高いトレーニングなので、少ない回数でも効率的にさまざまな部位を鍛えられます体幹を鍛えたい人にもおすすめです。

その中でも、自分の目でチェックできない体の後ろ側を鍛えられるのがデッドリフトの魅力。背筋を鍛えるのはなかなか難しいことなので、がっちりとした上半身を目指したい人にデッドリフトは効果的です。

また、握力のアップヒップアップ効果もあります。デッドリフトは男性が行うイメージが強いですが、女性も積極的に取り入れましょう。

なお、デッドリフトにはさまざまなやり方があり、その種類によっても鍛えられる部位が異なります。それぞれの基本姿勢も違うため、必ず正しいフォームを確認してから行うことが大切です。

2. 代謝アップにつながる

背中や下半身を中心に、大きな筋肉を鍛えられるのがデッドリフトの特徴です。大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝量がアップし、痩せやすい体づくりにつながります

特に筋トレ初心者にとっては、得られる効果が大きいトレーニングです。その反面、体を痛めやすいトレーニングでもあります。正しいフォームをしっかりと確認して行うことが重要です。

腰を痛めずにデッドリフトの効果を高める方法

デッドリフトで腰を痛めるリスクを軽減し、効率よく大きな筋肉を鍛える方法をご紹介します。

  1. デッドリフト前に必ずストレッチを行う
  2. バーベルを上げ下げするときの速度を意識する
  3. 呼吸を意識する
  4. トレーニングベルトでフォームを安定させる
  5. リストストラップでバーベルを安定させる

ぜひ実践で取り入れてみましょう。

1. デッドリフト前に必ずストレッチを行う

デッドリフトは負荷の高いトレーニングです。いきなり筋肉に強い負荷をかけると、腰を痛める原因に直結します。しっかりとストレッチを行って体をほぐすことが大切です。

ストレッチの中でも、デッドリフトで重要な筋肉(ハムストリングス・大殿筋・広背筋などの大きな筋肉)を意識したストレッチを取り入れるのがおすすめ可動域も広がるので、トレーニング効果が高まります。

2. バーベルを上げ下げするときの速度を意識する

デッドリフトのやり方やフォームに慣れてきたら、バーベルを上げ下げする速度を意識してみましょう。

上げるときはやや早めに上げ、下げるときはゆっくりと下げるようにします。下ろすときの速度を早くすると、床でバーベルがバウンドして腰を痛める原因になるので注意が必要です。

初心者はどちらもゆっくりとした動作で行い、まず正しいフォームを覚えることから始めましょう。

3. 呼吸を意識する

デッドリフトは呼吸も大切です。

バーベルを持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに吸い込みましょう力を入れて筋肉が縮むときに吐くことで、体が安定しやすくなり、怪我のリスクを軽減できます。

4. トレーニングベルトでフォームを安定させる

トレーニングベルトは、腰に巻くことでフォームが安定し、腰への負担を軽減できるアイテム自然にお腹に力が入り、体幹も安定します。

緩くならないように、しっかりと巻きつけて使用することが大切です。特に高重量でトレーニングしたい人は、トレーニングベルトで腰をサポートしましょう。

5. リストストラップでバーベルを安定させる

リストストラップは、手首とバーベルに巻きつけて繋ぐことで、バーベルを持ちやすくするアイテムバーベルを持つ握力をサポートしてくれます。

バーベルを安定して持てるので、その分姿勢を意識しやすくなるのがポイント。背中の丸まりや反り腰に注意することで、腰痛の予防にもつながります。

まとめ

デッドリフトは確かに腰を痛めやすいトレーニングです。しかしそれは、間違ったフォームや重量設定で行っていることが大きな原因正しく行うことで、さまざまな効果を期待できます。

また、トレーニング前後に必ずストレッチをし、速度や呼吸を意識することもポイントです。腰を痛めるリスクを軽減できます。

腰の痛みを感じる日は、無理をせずにお休みすることも大切です。まずは重量にこだわりすぎず、正しいフォームを覚えるところから始めてみましょう。

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