「懸垂を毎日やるべきか悩む…」
「正しい頻度やセット数について知り、効率良く鍛えたい!」
懸垂について調べているあなたは、今こんなことを考えていませんか?
懸垂の正しい頻度についてはさまざまな情報が飛び交っていて、何を信じてトレーニングすればいいのかわかりづらいでしょう。
そこでこの記事では、懸垂の正しい頻度について知りたいあなたのために、次の情報について解説します。
- 懸垂の正しい頻度
- 正しいやり方と回数・セット数
- 効率を高めるポイント
最後まで読み、ぜひ力強い上半身を手に入れてください!
懸垂は毎日しなくてもOK!正しい頻度について解説
結論として、懸垂は毎日しなくても大丈夫です。
まず始めに、懸垂の適切な頻度を知るために理解しておきたい「筋肉の部位」と「筋肉の回復スピード」について解説します。
(1)懸垂で鍛えられる部位
懸垂は上半身の幅広い部位に効果がありますが、特に効果が大きいのは広背筋と上腕二頭筋です。
広背筋は、背中の脇から腰あたりに広がる大きな部位です。
ここを鍛えることで、逆三角形のマッチョ体型になれるだけでなく、代謝を高めて痩せやすい体を作れます。
上腕二頭筋は、力こぶの位置にある部位です。
ここを鍛えることで腕が太くなり、さらに力強い力こぶを作れます。
余談ですが、マイナビウーマンが102人の女性を対象に行ったアンケートでは、3割以上の女性が「男性の体で最も好きな部位は腕」と答えています。
よって、懸垂はダイエットにもモテる体づくりにも役立つトレーニングなのです。
(2)部位ごとの超回復スピード
筋肉を効率的に鍛えるため、超回復についても知っておきましょう。
超回復とは、筋肉が傷ついた後修復され、トレーニング前よりも強くなるサイクルのこと。
以下の表は、超回復にかかる時間をまとめたものです。
部位 | 筋肉 | 回復にかかる時間 |
お腹 | 腹筋 | 24時間 |
お尻 | 大臀筋 | 48時間 |
肩 | 三角筋 | 48時間 |
僧帽筋 | 48時間 | |
腕 | 上腕二頭筋 | 48時間 |
上腕三頭筋 | 48時間 | |
胸 | 大胸筋 | 48時間 |
背中 | 広背筋 | 72時間 |
脊柱起立筋 | 72時間 | |
脚 | 大腿四頭筋 | 72時間 |
ハムストリングス | 72時間 |
表を見ると、広背筋の超回復時間は72時間となっていますね。
よって、懸垂の効率を最も高められる頻度は3日おきとなります。
正しい懸垂のやり方、回数とセット数
懸垂の頻度を知ったら、次は正しいやり方を身につけましょう。
トレーニングの正しい方法については次の順番で紹介しますので、じっくり見ながら実践してください。
- 手順
- 回数・セット数
- 正しいやり方
(1)手順
懸垂は以下の手順で行います。
- 手のひらが自分に向くようにバーを握る
- バーにぶら下がる
- 足をまっすぐにする
- 胸を張って肩甲骨を寄せ、体を持ち上げる
- あごがバーの高さまでくるまで体を上げる
- 力を入れたままゆっくりと体を下ろす
まずは上記の手順に沿って行い、次にセット数やフォームを調整していきましょう。
(2)回数・セット数
筋肥大に大切なのは、トータルでの回数を増やすことです。
まずは、週ごとの目標セット数を設定し、それを実現できるように1日当たりのセット数を決めていきましょう。
トータルの回数を増やすためにも、ギリギリまで追い込むのをやめ、インターバルを長めに取るのがポイントです。
セット数は週に10セット、インターバルは3分を目安にして、1セット当たりの回数を徐々に増やしていくと良いでしょう。
(3)正しいやり方
懸垂を行う際は、回数以上に正しいフォームを意識しましょう。
ポイントは次の3つです。
- 呼吸を整える
- 肩甲骨をしっかり寄せる
- 反動を使わない
焦らずひとつずつマスターしていきましょう。
①呼吸を整える
懸垂に限らず、呼吸を整えることは重要です。
なぜなら、呼吸が乱れると余計なところに力が入り、ターゲットとなる部位にうまく負荷がかからないからです。
懸垂の場合は、体を持ち上げるときに息を吐き、下げるときに吸いましょう。
②肩甲骨をしっかり寄せる
体を上げ切ったら、肩甲骨を思い切り寄せましょう。
肩甲骨を寄せることで、メインターゲットである広背筋にしっかり負荷を与えられるようになります。
その際は、胸を張ってひじを下げるとやりやすいですよ。
③反動を使わない
反動を使わないことも重要なポイントです。
反動を使ってしまうと広背筋に負荷がかからず、十分なトレーニング効果を得られません。
回数が減っても構いませんので、下げ切ったら一瞬止まり、そのまま背中と腕の力だけで体を持ち上げましょう。
【目的別】懸垂のバリエーション
懸垂には次のようなバリエーションがあります。
- デッドハング
- ナローチンニング
- ワイドグリップチンニング
- 順手懸垂
- L字懸垂
それぞれ負荷を与えられる部位が異なるため、目的に応じて使い分けましょう。
(1)デッドハング
デッドハングは、バーにぶら下がるだけのトレーニングです。
懸垂で全く回数がこなせない場合、まずはバーにぶら下がることに慣れるところから始めましょう。
手順は以下の通りです。
- ジャンプしてバーを握る
- 体幹に力を入れながらぶら下がる
- 15秒ほどキープする
- 何度か繰り返す
効率を高めるポイント
- 肩の力を抜いて行う
- 足はまっすぐにする
- 少しずつキープ時間を伸ばす
(2)ナローグリップチンニング
ナローグリップチンニングは、グリップ幅の狭い懸垂です。
幅を狭くして行うことで、広背筋下部に集中して負荷をかけられます。
手順は以下の通りです。
- 肩幅より拳ひとつ分くらい広めにバーを握る
- バーにぶら下がる
- そのまま体を持ち上げる
- あごがバーの高さに来るまで体を上げる
- 力を入れたままゆっくりと体を下ろす
効率を高めるポイント
- 反動を使わない
- 胸を張って肩甲骨を寄せる
- 足をまっすぐにする
- あごをバーにつけない
(3)ワイドグリップチンニング
ワイドグリップチンニングは、先ほどとは逆にグリップ幅の広い懸垂です。
幅を広くして行うことで、広背筋以外にも僧帽筋や大円筋など、より幅広い背中の筋肉を刺激することができます。
手順は以下の通りです。
- 肩幅より拳ひとつ分くらい広めにバーを握る
- バーにぶら下がる
- そのまま体を持ち上げる
- あごがバーの高さに来るまで体を上げる
- 力を入れたままゆっくりと体を下ろす
効率を高めるポイント
- 反動を使わない
- 胸を張って肩甲骨を寄せる
- 足をまっすぐにする
- あごをバーにつけない
(4)順手懸垂
順手懸垂は、手の向きを逆にして行う懸垂です。
通常の懸垂よりも難易度は高いですが、広背筋上部により集中して負荷を与えられます。
手順は以下の通りです。
- 手の甲を上にしてバーを握る
- バーにぶら下がる
- そのまま体を持ち上げる
- あごがバーの高さに来るまで体を上げる
- 力を入れたままゆっくりと体を下ろす
効率を高めるポイント
- 反動を使わない
- 胸を張って肩甲骨を寄せる
- 足をまっすぐにする
- 手首をひねらない
- あごをバーにつけない
(5)L字懸垂
L字懸垂は、体を曲げて行う懸垂です。
通常の懸垂では鍛えられない腹筋に負荷を与えられますので、より効率的に上半身を鍛えたい場合はぜひ取り組んでみてください。
手順は以下の通りです。
- バーを握る
- バーにぶら下がる
- 足を上げてL字を作る
- そのまま体を持ち上げる
- あごがバーの高さに来るまで体を上げる
- 力を入れたままゆっくりと体を下ろす
効率を高めるポイント
- 反動を使わない
- 胸を張って肩甲骨を寄せる
- 手首をひねらない
- あごをバーにつけない
- 腹筋の下部を意識する
懸垂の効率を最大限高める5つのポイント
懸垂の効率を高めるため、次の5点を意識しましょう。
- 筋肉痛の日は休む
- 食事でしっかり栄養を摂る
- 睡眠をたっぷり確保する
- 湯船に浸かって体を休める
- ストレッチを取り入れる
具体的な方法について詳しく解説します。
(1)筋肉痛の日は休む
懸垂の効率を高めるポイント1つ目は、筋肉痛の日は休むことです。
筋肉痛は、超回復の最中であるというサインです。よって、このタイミングで負荷を与えると逆効果になってしまいます。
懸垂は負荷の大きなトレーニング。慣れないうちは筋肉痛が長引きがちですので、そういうときはトレーニングを休むか、広背筋と上腕二頭筋以外の部位を鍛えましょう。
(2)食事でしっかり栄養を摂る
懸垂の効率を高めるポイント2つ目は、栄養をしっかり摂ることです。
筋肉の成長には、タンパク質をはじめさまざまな栄養が必要になります。いくらトレーニングを頑張っても、栄養摂取を怠るとなかなか理想の体には近づけません。
そこでおすすめなのがプロテインです。プロテインには、タンパク質やアミノ酸、ビタミン・ミネラルなど、豊富な栄養が含まれており、トレーニングをサポートしてくれます。
なお、プロテインには主に以下の3種類があります。
- ホエイプロテイン
- カゼインプロテイン
- ソイプロテイン
それぞれの大きな違いは吸収速度です。
ホエイプロテインは吸収が早いため、トレーニング後の栄養補給に適しています。一方で、カゼインプロテインやソイプロテインは吸収が遅くて満腹感が持続するため、ダイエットなどで食事量を減らしたいときに最適です。
それぞれの特徴を把握し、目的に合わせたプロテインを選びましょう。
(3)睡眠をたっぷり確保する
懸垂の効率を高めるポイント3つ目は、睡眠時間を確保することです。
筋トレと睡眠には深い関わりがあり、筋肉は主に寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きによって修復されています。
よって、睡眠時間を減らすと修復が遅くなり、トレーニングの効率が下がってしまうのです。
理想的な睡眠時間は、約7〜8時間とされています。
働いている人がこれだけの時間を確保するのはなかなか難しいですが、できる限りたくさん寝るようにしてください。
また、睡眠の質を高めることも大切です。
電子機器から発せられるブルーライトは、睡眠を浅くしてしまうため、就寝1時間前にはスマホやパソコンの電源を切るようにしましょう。
他にも、寝る前の食事も胃腸を働かせてしまうためNGです。
(4)湯船に浸かって体を休める
懸垂の効率を高めるポイント4つ目は、湯船に浸かることです。
筋トレをした後は疲労物質である乳酸が溜まっていて、筋肉の成長を妨げます。
お風呂に入れば血液はサラサラになり、乳酸などの疲労物質を洗い流せるため、より筋肉の成長もはかどります。
トレーニングの質と同じくらい、休息も大事だということを肝に銘じておきましょう。
(5)ストレッチを取り入れる
懸垂の効率を高めるポイント5つ目は、ストレッチを行うことです。
トレーニング後にストレッチを行うと、血行促進されて筋肉の成長・修復に必要な栄養が行き渡るため、より効率を高められます。
今回は、広背筋及び上腕二頭筋に効果的なストレッチを紹介します。
【広背筋に効果的なストレッチ】
手順は以下の通りです。
- 四つん這いになる
- 手の位置を変えずにお尻をかかとに乗せる
- 足裏を床につけて、お尻を高く上げる
- ひざを伸ばしたまま20秒キープ
ストレッチのポイント
- 手を肩幅程度に広げる
- 背筋が曲がらないようにする
- 体重は足に乗せる
【上腕二頭筋に効果的なストレッチ】
手順は以下の通りです。
- テーブルを背にして立つ
- 腕を内側にひねってテーブルに乗せる
- ひじを曲げないように伸ばす
- しばらくそのままキープ
- ゆっくり元に戻す
ストレッチのポイント
- 呼吸を止めないようにする
- 手の甲は下になるようにする
筋トレの後は、ぜひストレッチを取り入れてみてください!
まとめ|懸垂は毎日やらなくてもOK!自分に合ったペースで取り組もう
懸垂を毎日行う必要はありません。
なぜなら、筋肉には超回復と呼ばれる修復サイクルがあり、毎日トレーニングしていると逆に効率が下がってしまうからです。
超回復を考えると、懸垂の最適な頻度は3日に1回です。
懸垂で結果を出すには、まず週ごとに目標セット数を決めることが大切。
正しい方法でトレーニングを継続し、逆三角形の体を手に入れてください!
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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