「スミスマシンの使い方が知りたい」
「スミスマシンでやれるデッドリフトの種類は?」
「スミスマシンっておすすめなの?」
スミスマシンとは、パワーラックのレールにバーベルが固定されているトレーニングマシンです。
バーベルをレールに沿って上下させてデッドリフトを行い、僧帽筋や広背筋を中心とした背中の筋肉に負荷をかけます。
バランスが取りやすく、軽い重量で難易度を下げれば初心者でも楽に扱えるのが魅力です。床からバーベルを持ちあげるデッドリフトに恐怖心がある人も取り組みやすいでしょう。
安定感があるため、上級者は高重量のトレーニングに挑戦できますよ。
こちらではスミスマシンで行えるデッドリフトのトレーニング3種類を紹介します。
スミスマシンを使ったデッドリフト以外の筋トレ3つや、スミスマシンとフリーウェイとの違いも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
スミスマシンを使ったデッドリフトで鍛えられる体の部位
スミスマシンを使ったデッドリフトで鍛えられるのは、主に以下のような筋肉です。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋
- ハムストリングス
- 大臀筋
- 上腕二頭筋
肩甲骨を寄せながら行い、メインターゲットである背中にしっかり刺激を入れていきましょう。
広背筋は体の中でも大きな筋肉なので、成長すると基礎代謝アップが期待できます。僧帽筋を一緒に鍛えることで背中がより引き締まり、逆三角形の体型を目指せるでしょう。
脊柱起立筋が発達すると、背中の真ん中にくっきりとした線が浮かび上がります。かっこいい背中をつくるには、背中の筋肉をバランスよく鍛えていきましょう。
スミスマシンでトレーニング!デッドリフトの種類3つ
スミスマシンを使ったデッドリフトは以下の3種類です。
- ヨーロピアン・デッドリフト
- スモウ・デッドリフト
- ルーマニアン・デッドリフト
ひとつずつ説明します。
1. ヨーロピアン・デッドリフト
ヨーロピアン・デッドリフトは、スミスマシンを使った基本のデッドリフトです。
バーの真下に足を置き、膝とバーが触れるすれすれの場所に立ちましょう。バーと体の間に距離があると、バーを持ちあげたとき背中が丸まってしまいます。
まずは、基本姿勢をとりましょう。正しいフォームを意識しないと背中が曲がり、背筋や僧帽筋に刺激が入りません。
スタートポジションはベントオーバーの姿勢と同じです。姿勢について以下の通り詳しく説明します。
- バーが膝下にくるようにストッパーの位置を調整する
- 背中をまっすぐに保ちながら上半身を前傾させる
- お腹を引いて力を入れ、腰を安定させる
- まっすぐ腕を下ろしたところでバーを握る
基本姿勢が取れたらデッドリフトを開始しましょう。
- バーを引き上げ、肩甲骨を寄せて胸を張る
- 腰を後ろに突き出しながら、太ももに沿うようゆっくりバーをおろす
- バーがセーフティーバーに触れたら持ちあげる
6回~8回を1セットとし、2セット程度行います。広背筋にしっかり刺激を入れるため、肩に力が入りすぎないようにしましょう。
上半身の力が抜けると腰に負担がかかります。力を入れたまま、背中の筋肉を収縮させましょう。
バーをおろすときは股関節から曲げるように意識し、お尻やハムストリングスの伸びを感じてください。
2. スモウ・デッドリフト
スモウ・デッドリフトは相撲の四股(しこ)を踏む動作を取り入れたトレーニングです。下半身を多く使うため、通常のデッドリフトより内転筋を鍛えられます。
- バーを足のすね辺りにセットする
- 足先を外側に向け、パワーラックいっぱいに足を開く
- 膝が内側にはいらないように上半身を垂直におろす
- おろしたときの膝は足先と同じ方向にむける
- 手を肩幅に広げてバーを持つ
- バーを引き上げる
- 上半身は垂直の姿勢を維持したままバーをゆっくりおろす
6回~8回を1セットとし、2セット程度行います。膝が内側に入りやすいので、注意しましょう。
上半身が前傾してしまうと、腰に負荷がかかってしまいます。背筋を垂直に保ったまま動作を行ってください。
3. ルーマニアン・デッドリフト
ルーマニアン・デッドリフトは腰を高く保ち、膝を深く曲げずに行うデッドリフトです。
股関節の動きが強調され、ハムストリングスや大臀筋が効果的に鍛えられます。
ルーマニアン・デッドリフトでは、ヒップヒンジの動きが重要です。以下のような動きを意識し、ハムストリングスや大臀筋にしっかり刺激を入れていきましょう。
- 膝を曲げながらお辞儀をするようにお尻を後ろに引く
- 股関節を後ろに押し込むイメージを持つ
ヒップヒンジを覚えたら、ルーマニアン・デッドリフトに取り組みます。
- 足幅は腰幅に開く
- 太ももの横に手がくるように手幅をとる
- バーを持ち軽く胸を張り、背中をまっすぐに伸ばす
- 太ももの上を滑らせるようにバーをゆっくりさげる
- ハムストリングスの緊張を感じるところまでおろす
- 膝は深く曲げず、軽く曲がる程度にとどめる
- 太ももに沿ってバーを引き上げる
- 上体をもとの姿勢に戻す
10回を1セットとし、1分間程度の休憩を挟みながら3セット程度行います。
ゆっくりおろすことを意識しましょう。もとの姿勢に戻るときに、胸を反りすぎないように注意します。
スミスマシンを活用できるデッドリフト以外の筋トレ3つ
スミスマシンは使い方によって色々な部位を鍛えられるのが魅力です。デッドリフト以外の筋トレを3つ紹介します。
- ベンチプレス
- スクワット
- アップライトロウ
ひとつずつ説明します。
1. ベンチプレス
ベンチプレスは大胸筋を鍛えるトレーニングです。スミスマシンで行う場合、ベンチを使用します。
まずはベンチに仰向けになり、胸とみぞおちの間にバーがくるよう体の位置を調整しましょう。スタートポジションが大切なので、ベンチの位置は微調整します。
スタートポジションが決まったら、重りをつけない状態でバーを上下させ、位置をチェックしましょう。
ベンチがフラットだとフォームを整えにくいので、30度くらい傾斜をつけて行うとやりやすいです。
- バーをおろしたとき前腕と地面が平行になる位置に手幅をとる
- 手首を寝かした状態でバーを持ち、ストッパーを外す
- 手首を返してまっすぐにする
- 肩を引いたまま前へ押しだすようにバーを持ちあげる
- 腕を伸ばす
- 胸を張った状態で肩を後ろに引き、バーをゆっくりおろす
10回を1セットとし、休憩を2~3分ほど挟みながら3セットを目安に行いましょう。
肩を大きく動かさない方が大胸筋に効きます。最初は重りをつけずにバーだけで動作し、筋肉に効く位置やフォームを覚えましょう。
2. スクワット
スミスマシンでスクワットを行うと、通常より下半身に負荷をかけられます。バーは顎のラインから肩のラインにセットしましょう。
このときスクワット用のパッドをバーに取りつけると、肩や首が痛くなりにくいです。
- バーの下に体をいれてストッパーをはずす
- 足幅は肩幅よりやや広くとる
- つま先は正面を向ける
- 膝をしっかり曲げてスクワットする
- 元の姿勢に戻る
10回を1セットとし、休憩を2~3分ほど挟みながら3セットを目安に取り組みます。
お尻を後ろに突きだすより、体をまっすぐ下に落とすイメージで行いましょう。
3. アップライトロウ
アップライトロウは三角筋と僧帽筋を鍛えられるトレーニングです。
バーベルだけで行うより、軌道が安定しているスミスマシンの方がやりやすいでしょう。三角筋の横を鍛えられるので、肩幅が広くなります。
- 手幅は肩幅に広げてバーを掴む
- バーを持ち上げながら真横に肘を開く
- 肘が肩より上になるまであげる
- バーは首より少し下まで上げる
10回を1セットとし、休憩を2~3分ほど挟みながら3セットを目安に取り組みます。バーは肘を先行させながら持ち上げるようにしましょう。
デッドリフトに挑戦!スミスマシンとフリーウェイトの違い
特定の筋肉を追い込んでトレーニングしたい場合はスミスマシンが活用できます。ただしフリーウェイトで行うデッドリフトの方が1つの動作で全身の筋肉に効かせられるので、トレーニングの目的によって使い分けるとよいでしょう。
床からバーベルを持ちあげるフリーウェイトではバランスを崩しやすいため、腰への負荷が高くなります。
スミスマシンなら初心者でも扱いやすく、使い方しだいで様々な部位を鍛えられるのが魅力です。
フリーウェイトと違って安定感があるので、高重量のトレーニングに取り組めます。
パワーラックのレールにバーベルが固定されているスミスマシンは、バーベルをレールに沿って上下させてトレーニングを行います。
デッドリフトを行う場合、僧帽筋や広背筋を中心とした背中の筋肉に効果的です。
また脊柱沿いのインナーマッスルである長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)にも効果的で、通常のデッドリフトでは得られない強い刺激を得られるでしょう。
スミスマシンがおすすめの理由5つ
スミスマシンは初心者から上級者まで幅広く活用できるトレーニングマシンです。おすすめの理由を4つにまとめました。
- 軌道が安定する
- 鍛えたい部位に集中できる
- 高重量を扱える
- 安全性が高い
- 色々な部位を鍛えられる
ひとつずつ確認していきましょう。
1. 軌道が安定する
スミスマシンはバーベルがレールに固定されているので、軌道が安定します。最後までフォームを崩さずトレーニングできるでしょう。
フリーウェイトのデッドリフトは姿勢が安定しにくく、正しいフォームを覚えても動作を続けるうちに間違ったやり方になってしまうことがあります。
フリーウェイトをメインにやっている人は、スミスマシンを取り入れるとフォームの違和感に気づきやすいでしょう。
補助器具としてスミスマシンを使用するのもよい考えです。
2. 鍛えたい部位に集中できる
スミスマシンはトレーニングの最後までフォームが崩れにくいので、ターゲットの筋肉に集中できます。
通常のデッドリフトはバランスをとるために、効かせたい筋肉以外の部位に力が分散しやすいです。
パワーラックのレールを使ってバーベルを上下させるスミスマシンは、軌道の調整をしなくても体が安定します。
やり方しだいで色々な部位にアプローチできるので、自分の弱い部位を強化させたり、特定の筋肉を追い込んだりするときに活用できるでしょう。
3. 高重量を扱える
バーベルの軌道が固定されているスミスマシンは、フリーウェイトのデッドリフトより高重量を扱えます。
フリーウェイトでは床からバーベルを持ちあげるので、腰への負担が大きいです。高重量になると不安を感じる人もいるでしょう。
スミスマシンは腰への負担が少なく、バーベルの重さで足元がふらつくことはありません。
鍛えたい筋肉以外にかかる負荷が少ない分、ターゲットの部位に強い刺激を入れられます。
筋トレの停滞期に入っている人は、いつもより高重量を扱うことで筋肥大が見込めるでしょう。
4. 安全性が高い
フリーウェイトのデッドリフトは支えがない状態でバーベルを持ちあげるため、重量によってはバランスを崩してしまいます。
スミスマシンではバーベルがセーフティーバーで支えられ、フリーウェイトより安全に高重量のトレーニングに取り組めます。
軌道が限定されているので、バーベルを落としてしまうリスクはありません。
デッドリフトの落下による事故で大きなケガに繋がることがあります。慣れないうちはスミスマシンを使って安全に行うのがよいでしょう。
5. 色々な部位を鍛えられる
スミスマシンは他のウエイトマシンに比べると、鍛えられる部位が多いです。ベンチを使えばさらにバリエーションが広がります。
ジムによっては使いたいマシンが導入されていない場合があるでしょう。
スミスマシンは1台で全身を鍛えられるため、他のマシンの代用として使えます。
ジムが混雑する時間帯にスミスマシンを活用すれば、順番待ちをすることなく全身を鍛えられます。
各部位の筋力によって重さが自由に変えられて便利です。
スミスマシンを使うときの注意点5つ
幅広くトレーニングに活用できるスミスマシンにも注意点はあります。使うときは以下の5つに注意してみてください。
- フリーウェイトとはフォームが異なる
- 無理をしない
- 呼吸を止めない
- 背中はまっすぐ保つ
- トレーニングギアを使う
ひとつずつ説明します。
1. フリーウェイトとはフォームが異なる
スミスマシンとフリーウェイトのフォームは異なるため、それぞれのフォームを覚える必要があります。
初心者のうちからスミスマシンだけでデッドリフトを行っていると、フリーウェイトに移行したときに違和感があるかもしれません。
フリーウェイトではフォームが崩れるとバーベルが上がらなくなります。
しかしスミスマシンでは力を使えばバーベルは上がるため、間違った姿勢のままトレーニングを続けていると癖になってしまうのです。
フリーウェイトで正しいフォームを覚えて垂直にバーを上げられるようになってから、スミスマシンを補助器具として使うやり方もよいでしょう。
2. 無理をしない
ジムに通うと、周りでは高重量の重りでトレーニングしている人を見かけるでしょう。
そのような人を見てプレッシャーを感じる必要はありません。無理せず自分のペースで行いましょう。
軌道が決まっていて安定感のあるスミスマシンですが、ケガのリスクはゼロではありません。
慣れないうちから重い重量に挑戦したり、回数をやり過ぎたりするとケガに繋がってしまいます。
回復までに時間がかかると筋肉が衰えて、続ける気力を失うかもしれません。
まずはバーに重りをつけない状態で正しいフォームを覚え、軽い重量から始めます。徐々に負荷を増やし、周りの人を意識せず、自分のペースを守りましょう。
3. 呼吸を止めない
スミスマシンに取り組むときは、呼吸を止めないように気をつけましょう。
トレーニング中はバーベルを持ちあげるときに息を吐き、息を吸いながらゆっくりおろします。
息を止めてトレーニングを行うと、血圧が上がってしまいます。心臓や血管系の持病がある人は注意が必要です。
特に高重量を扱う場合には息が止まりやすい傾向にあるので、呼吸を続けるよう意識して取り組みましょう。
4. 背中はまっすぐ保つ
デッドリフトは背中の緊張を保ったまま行わないと、腰を痛める原因になってしまいます。
スミスマシンでは、バーが常に体のすれすれを通るように行いましょう。
力が抜けて背中が曲がると、体とバーの距離が離れて腰に負荷がかかってしまいます。
ハムストリングスの緊張感をより強くしようとバーを下げすぎると、背中が丸まりやすいです。
バーは無理におろさず、膝下からすねの真ん中辺りを基準にしましょう。
おろすのはハムストリングスの緊張を感じたところまでです。顎があがると背中の緊張を保ちにくくなります。
フォームを確認しようと鏡を見ながら行うと顎があがりやすいので、前面に鏡のあるジムでは注意しましょう。
5. トレーニングギアを使う
スミスマシンで高重量のバーベルを扱う場合は、握力を補助してくれるトレーニングギア「パワーグリップ」や「リストストラップ」を使用するのがおすすめです。
スミスマシンでトレーニングする際、背中の筋肉には余裕があるのに、先に握力が限界を迎えたり、手が痛くなったりすることがあります。
バーと手の間に圧力や摩擦が生じるためです。
高重量になると手のひらへの負荷が高まり、マメができやすくなるでしょう。
「パワーグリップ」や「リストストラップ」はバーにベロやストラップを巻きつけて使うため、手のひらの圧力や摩擦を軽減してくれます。
バーから手が離れにくくなるので、安全にトレーニングが行えるでしょう。初心者ほど使ってほしいアイテムです。
デッドリフトを始めるならスミスマシンを活用しよう
スミスマシンは初心者から上級者まで、幅広くトレーニングできるマシンです。
デッドリフトはもちろん、スクワットやベンチプレスにも活用できるので、1台で色々な筋トレを行えます。
ジムが混み合っているときは、スミスマシン1台を使って全身をトレーニングできるでしょう。
フリーウェイトとはフォームが異なるので、慣れるまでは正しいフォームを確認しながら取り組みます。
セーフティーバーで安全面が確保されているので、筋肉を追い込みたいときや高重量を扱いたいとき、ターゲットの部位に集中できます。
スミスマシンを使って弱点を強化し、引き締まった体を手に入れましょう。
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