大胸筋を鍛えることができるダンベルプレスは、場所を選ばないため、狭い自宅でも気軽にできます。そのためジムに行けない忙しい人にもおすすめのトレーニングです。
しかし、実際にトレーニングを始めてみると、次のように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
「自分に合った重さってどのくらいなの?」
「トレーニングしてるのはいいけど重量が伸びない…。」
今回は、ダンベルプレスの正しいやり方を知りたいあなたのために、以下の情報について詳しく解説していきます。
- 男女別の平均重量
- トレーニングの回数
- 効果を最大限に引き出すコツ
ダンベルプレスが上手くいかない人や、伸び悩んでいる人はぜひこの記事をご覧ください!
ダンベルプレスの基本的なやり方
ここでは、基本的な「ダンベルベンチプレス」のやり方を紹介します。
前提として呼吸は、「上げるときに吐く」「下げるときに吸う」ことを意識しましょう。
やり方は以下の通りです。
- 両手でダンベルを持ち、仰向けにベンチに寝る
- ダンベルを横向きで胸の横に持ち、肩甲骨を寄せ胸を張る
- 天井方向にまっすぐ伸ばす(前腕を垂直に維持しながら)
- ダンベルをゆっくり、大胸筋が伸びるまで下ろしていく(脇を少し閉じる意識)
※ダンベルと前腕が一直線になることが理想 - 3〜4を繰り返す
手でダンベルを持ち上げるのではなく、胸で肘を押す感覚で行いましょう。
◆注意
- 下げた際にダンベルと肩の距離を近づける(肩に負担がかかりケガのリスクが上がるため)
- ダンベルを下げる際に力が抜ける位置までは下げない
ダンベルプレスで鍛えられる部位
ダンベルプレスは、以下のような上半身の筋肉を鍛えることができます。
- 胸の筋肉「大胸筋」
- 肩の筋肉「三角筋」
- 腕の後側の筋肉「上腕三頭筋」
その中でも最も鍛えられるのは大胸筋です。大胸筋を鍛えることにより、厚い胸板を形成することが可能です。
そのほか三角筋、上腕三頭筋は補助的に働き、大胸筋と同時に収縮し、鍛えられます。
ダンベルプレスの平均重量
ダンベルのプレスの平均重量を解説します。今回はサイト「STRENGTH LEVEL」を元に平均重量を算出しました。
この数値は、1RMといって1回で持ち上げられる限界の数値を表しています。MAXの数値を知ることで自分の今のレベルを知ることができます。
自分にあった重量を選んで、目標やモチベーションにしてくださいね!
男性の場合
まずは男性の平均重量です。あくまでも目安として参考にしてくださいね。
体重 (kg) |
未経験 | 初級 | 中級 | 上級 | エリート |
50 | 8 | 15 | 26 | 39 | 54 |
55 | 10 | 18 | 29 | 42 | 58 |
60 | 11 | 20 | 32 | 46 | 62 |
65 | 13 | 22 | 34 | 49 | 66 |
70 | 15 | 24 | 37 | 52 | 69 |
75 | 16 | 26 | 39 | 55 | 73 |
80 | 18 | 28 | 42 | 58 | 76 |
85 | 19 | 30 | 44 | 61 | 79 |
90 | 21 | 32 | 46 | 63 | 82 |
女性の場合
次に、女性の平均重量です。無理せず、きつい場合は表示の重量以下で試しても問題ありません。
体重 (kg) |
未経験 | 初級 | 中級 | 上級 | エリート |
40 | 2 | 7 | 13 | 22 | 33 |
45 | 3 | 8 | 15 | 25 | 36 |
50 | 4 | 9 | 17 | 27 | 38 |
55 | 5 | 10 | 18 | 28 | 40 |
60 | 5 | 11 | 19 | 30 | 43 |
65 | 6 | 12 | 21 | 32 | 45 |
70 | 7 | 13 | 22 | 33 | 46 |
75 | 7 | 14 | 23 | 35 | 48 |
80 | 8 | 15 | 24 | 36 | 50 |
ダンベルプレスの回数・セット数の目安
ダンベルプレスの回数は目的によって異なります。
一般的には、以下の通りに3セット行うのが理想です。
- 筋肥大は、重い負荷で8〜10回
- ダイエットや引き締めは、軽度の負荷で15〜20回
- 持久力を付けたい場合には、軽度の負荷で15回〜20回
3セットを元に慣れてきたら重量を調整してみましょう。
また、セットの間の休憩(インターバル)は、以下のように調整しましょう。
- 筋肥大であれば1~3分程度と長めに取り、しっかり次のセットに備える
- 持久力をつける場合は30秒程度と短めにして、疲労に対する耐性をつける
ダンベルプレスの効果を最大限引き出す6つのポイント
やり方や平均重量、回数の説明をしましたが、さらに効果を発揮する6つのポイントを紹介します。
ポイントは以下です。
- 肩甲骨を寄せる
- 手首を固定する
- 体を反り過ぎない
- 左右のバランスを均等に取る
- 勢いに任せない
- 終わったらストレッチをする
詳しく説明します。
【ポイント1】肩甲骨を寄せる
ダンベルを上げるときに肩甲骨が開いたり、下げる時に肩甲骨が寄っていなかったりすると、肩甲骨を開く役割の前鋸筋(ぜんきょきん)に力が入ってしまいます。
そうすると、大胸筋の動きが制限されたり、負荷が弱くなってしまったりするため効果が薄くなってしまいます。
そのため、トレーニングを始める前(セットポジション)のときに肩甲骨を寄せた状態からスタートしましょう。
またトレーニング中は、以下のポイントを意識しましょう。
- 上げるときは、肩甲骨を開かずに大胸筋を収縮させる
- 下げるときは、肩甲骨を寄せて胸を張って大胸筋を伸ばす
猫背気味の方はより意識をして、肩が内側に入らないように注意してください。
【ポイント2】手首を固定する
トレーニングの際は、手首を固定しましょう。手首が反り過ぎてしまうと、手首を痛めてしまいます。手首と手の甲が45度くらいになるのが理想です。また、固定を意識しすぎて、ダンベルを握るときにグッと力を入れ過ぎないように気を付けてください。
【ポイント3】体を反り過ぎない
肩甲骨を寄せる際に、体が反り過ぎないように注意しましょう。反りすぎると、お腹の力が逃げてしまうため腰に負荷がかかり、痛めてしまいます。
肩甲骨を寄せてアーチを作ったら、お腹に少し力を入れて腰を固定してください。また、お尻をきちんとベンチにつけて浮かないようにすることも大切です。
【ポイント4】左右のバランスを均等に取る
ダンベルをあげるときは、左右同時にまっすぐ上げましょう。ダンベルは片方ずつ持つため左右の上がりやすさに差ができたり、一方に負荷がかかって肩を痛めたりする原因になります。
また不安定になると、余計な部分に力が逃げてしまいトレーニングの効果を得ることができません。しっかりと意識をして固定をし、左右同時にまっすぐ上げましょう。
【ポイント5】勢いに任せない
反動や勢いに任せて上げたり、下げたりするのはやめましょう。反動を使うことで余計な部位に力が入ってしまい、鍛えたい部分の負荷が弱まってしまいます。
反復の際はゆっくりと行い、狙った部位に効いているのを感じながらトレーニングしましょう。
【ポイント6】終わったらストレッチをする
トレーニング後は「静ストレッチ」を行いましょう。静ストレッチとは、伸ばしたい筋肉をゆっくり伸ばし、一定時間保持し続けるものです。
筋トレをすると疲労物質が溜まったり、疲労による緊張から筋肉が固まったりしてしまいます。
ストレッチ方法は以下の通りです。
- 両ひじを伸ばして後ろで両手を組む
- 両方の肩甲骨を内側に寄せて胸を張る
- 組んだ手を上に上げていく(顎は引いて、上体は真っ直ぐ)
大胸筋が伸びていることに意識してください。
ストレッチをすることで、血流が良くなり、疲労物質も流れやすくなるため疲労が回復します。
そうすることで、次のトレーニングでも万全のコンディションで挑むことができます。
ただし痛みを感じる程のストレッチは、炎症やけがの原因になるので、無理せず心地よさを感じる範囲で行いましょう。
ダンベルプレスで重量を伸ばす3つのコツ
ここまで、ダンベルプレスのやり方や平均重量など、基本的な部分を説明してきました。しかし、ダンベルプレスで重量が伸びないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そんな方のために重量を伸ばす以下の3つのコツについて詳しく解説します。
- 正しいフォームを身につける
- 高重量に慣れる
- 体作りを意識した食事を心がける
【コツ1】正しいフォームを身につける
正しいフォームでトレーニングをすることで、バランスよく筋肉が鍛えられます。
その結果、きちんと狙った筋肉が鍛えられて筋力が上がり、重量を伸ばすことができます。
特に、重量を増やす際に過度に重くしてしまうとフォームが崩れやすく、ケガをしやすくなるため要注意です。フォームが崩れてしまう場合には、正しいフォームでできる重量に落としてトレーニングしていきましょう。
【コツ2】高重量に慣れる
高重量を扱っても、すぐに筋肉量が増えていくわけではありません。負荷に慣れるように繰り返しトレーニングをすることが大切です。
筋肉の発達には順序があり、高重量で鍛えると最初に神経が伸びます。そして、神経が伸びたところの筋肉が徐々に成長し、大きくなります。
負荷に慣れ、神経を伸ばせるように、トレーニングは継続して行いましょう。また、重量を増やすとさらに神経が発達して筋肥大するため、余裕が出てきたら負荷を増やしてみてください。
【コツ3】体作りを意識した食事を心がける
トレーニングをした後は、傷ついた筋肉をしっかりと回復させることが重要です。また、運動後はエネルギーや栄養素を消費しているので、バランス良く栄養を摂って吸収させることが理想です。
タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよくとるように心がけましょう!
作るのが大変な人は、以下のようなコンビニ食がおすすめです。
- サラダチキン、ゆで卵(タンパク質)
- おにぎり(炭水化物)
- カットフルーツ、バナナ(ビタミン)
また、トレーニング前にはしっかりと糖分補給しましょう。食事をしないと体を動かすエネルギーとなる糖質が不足するため、筋肉を消費してエネルギーに変えてしまうのです。
つまり、鍛えているのに筋肉を減らしてしまうということ。
トレーニングを逆効果にしないためにも、糖質を必ず鍛える前に摂取するようにしましょう。
ダンベルプレスとベンチプレスはどちらが効果的?
今回紹介した「ダンベルプレス」のほか、大胸筋を鍛えるトレーニングには、バーベルを用いた「ベンチプレス」もあります。似たトレーニングなので、どちらが効果があるのか気になる方もいるのではないでしょうか?
結論として、目的に合わせればどちらも効果的です。
重量に関しては、ダンベルプレスよりもベンチプレスの方が、15〜20%ほど重い重量を持ち上げることができるそうです。
しかし、可動域に関しては、ベンチプレスはバーが胸に当たってしまうため制限が出てきます。しかしダンベルプレスは左右自由に動くため、胸よりも低い位置まで下げることが可能です。
そのため最大の伸縮ができ、筋肉肥大の効果が期待できます。また、左右差も生まれにくいです。
迷った際には以下のようにトレーニングしましょう。
- 高重量を扱って筋肉をつけたいならばベンチプレス
- 左右をバランスよく鍛えたいならばダンベルプレス
ダンベルプレスを効率をさらに高める3つのポイント
ダンベルプレスの効率をさらに高めるポイントを3つ紹介します。
- 休息を取る
- タンパク質を摂取する
- ストレッチを取り入れる
それぞれ詳しく説明します。
休息を取る
筋肉を成長させるには、運動と栄養、そして休息が必要です。トレーニング内容にもよりますが、一般的には2〜3日の休息時間が必要とされています。
休息を取らず、筋肉が回復しないうちに再度トレーニングで筋肉に傷をつけると、筋肉が成長しません。また疲労が蓄積し、ベストなパフォーマンスができず悪循環に陥ります。
そのため、トレーニング後はしっかりと休息をとりましょう。
ただし、休息は鍛えた部位に必要なだけで、肩・腕、腹、背中、胸、脚というように分けて行えば、毎日ジムに通うことも可能です。
タンパク質を摂取する
タンパク質は、傷ついた筋肉を修復するのに必要な栄養素です。また、体の疲労も回復させてくれます。
トレーニング後は普段より意識して、タンパク質を摂りましょう。
なお、昔はトレーニング後、45分以内にタンパク質を摂取するように言われていましたが、最近では24時間以内でも問題ないと言われています。
食事で摂る場合は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品を意識して摂りましょう。食事で摂るのが難しい方は、食事よりも手軽で吸収が早いプロテインがおすすめです。
ストレッチを取り入れる
筋トレで伸びない原因として、筋肉量不足以外に筋肉の柔軟性、可動域の狭さがあります。トレーニング前に「動ストレッチ」をして、可動域を広げましょう。筋肉をほぐすことで可動域が広がり、効かせたい部位への刺激がしやすくなります。
その結果、トレーニングの効果を発揮でき、重量を伸ばすことに期待ができます。
面倒臭い人は、トレーニングを軽い負荷・重量から始めてストレッチ代わりにしましょう。
ダンベルプレスは無理なく自分に合った重量を設定しよう!
今回は、ダンベルの平均重量と重量を伸ばすコツを紹介しました。
ダンベルプレスは、左右のバランスよく大胸筋を鍛えるトレーニングです。
また重量を伸ばすコツは以下の3つでした。
- 正しいフォームを身につける
- 高重量に慣れる
- 体作りを意識した食事を心がける
フォームや食事など基本的な部分を意識するとよいです。そのうえで、自分にあった重量を見つけてトレーニングに臨んでください。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧下さい。