「懸垂を20回やりたい」
「20回できるようになるには?」
初心者から懸垂を続けてきて、徐々に回数が増えてきた頃。
懸垂の回数が10~15回で停滞していて、なかなか20回まで到達しない人もいるのではないでしょうか。
頑張っているのに成長している感覚がないと、やる気をなくしてしまいますよね。
懸垂20回の壁は多くの人が感じていることです。
こちらでは懸垂の回数が停滞する理由や、20回に到達するまでに必要なことを解説します。
懸垂20回に向けておすすめのトレーニングも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
懸垂の回数が停滞する理由
懸垂の回数が伸びないと悩むのは、努力してトレーニングに取り組んだ証です。
人間の体は同じ刺激に慣れてしまう傾向があります。停滞期を脱出するためには、自分の限界を超えて筋肉を鍛えていく必要があるのです。
例えば、新しい仕事を任されると始めはうまくできません。
しかし続けていくうちに、通常の業務として取り組めるようになりますよね。懸垂も同じです。
回数が増えていかなかったり、筋肉の成長が感じられなかったりするなら、今までのトレーニングに工夫を加える必要があるでしょう。
懸垂を20回やるまでに必要なこと5つ
懸垂の回数を20回まで増やしたいなら、別の角度から必要なことを考えましょう。以下の5つにまとめました。
- 体重を減らす
- 筋力をアップさせる
- 正しいフォームを意識する
- 懸垂のバリエーションを増やす
- トレーニングギアを使用する
ひとつずつ説明します。
1. 体重を減らす
懸垂の回数が増えない人は、体重が重いからかもしれません。
体脂肪が多い人は、食事を調整したり、有酸素運動を取り入れたりして体重を減らしましょう。
懸垂は筋肉質でたくましい人より、やせている人の方が回数を多くこなせる傾向にあります。
筋肉は脂肪より重量があるので、筋肉質だと見た目以上に体が重いです。
例えば、筋肉質で80kgの人と、やせ型で50kgの人を比べると、30kgの体重差があります。
懸垂に取り組む場合、30kgの体重差は筋肉の強さで補うことになるでしょう。
筋肉で体重が重ければ、体を引き上げるための強い筋肉が必要になります。
2. 筋力をアップさせる
懸垂は負荷の高い自重トレーニングのため、筋力が足りないと回数はこなせません。
20回を目標とするなら、ダンベルやチューブなどを使って、上半身の筋肉をさらに鍛えましょう。
懸垂が10~15回程度できるようになったら、重りをつけて懸垂すると筋肥大が見込めます。
ジムで重りがない場合はラットプルダウンなどマシンのトレーニングを懸垂の前に行い、筋肉に適度な負荷をかけてから取り組むのもよいでしょう。
一気に筋力アップを狙うのではなく、重りやマシンの重量は無理のない範囲に設定し、徐々に増やしていきます。
3. 正しいフォームを意識する
正しいフォームで懸垂をしないと、背中や肩の筋肉に刺激が入りません。腕にかかる負荷が多いと疲れるのも早いです。
回数を増やせても後半にフォームが崩れると、肩や背中を痛める確率が高くなります。正しいやり方を意識して取り組みましょう。
懸垂の正しいやり方は以下の通りです。
- 肩幅と同じかやや広めにバーを握る
- 肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づける
- 顎とバーが同じ高さになるまで体を持ち上げる
- ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る
呼吸は止めないように気をつけ、体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸うことを意識しましょう。
バーを強く握りすぎていないか、肩から力が抜けているかも確認しながら行います。
4. 懸垂のバリエーションを増やす
懸垂の回数が増えない場合は、やり方を工夫してバリエーションを増やしましょう。
以下のような変化を加えるだけで、筋肉への刺激が変わります。
- バーを握る手幅を変える(ナロー、ワイド)
- 持ち方を変える(順手、逆手)
- 持ち上げる体の角度を変える(垂直、平行)
- 動作の速度を変える
いつもと同じ懸垂をゆっくりやるだけで、トレーニングの負荷を高められます。動作の時間が長ければ、筋肉に刺激が入り続けるからです。
ただしいつも以上に負荷がかかった場合は、休憩を長くとって、3~5分ほど休ませます。
色々な組み合わせを考えると、懸垂のバリエーションは豊富です。いつもと違う動きで筋肉を刺激し、成長を促していきましょう。
5. トレーニングギアを使用する
懸垂が20回できない原因には、背中や肩の筋肉は余裕があるのに、手が痛くて続けられない場合もあるでしょう。
手のひらにマメができて痛かったり、握力が弱かったりする人は、パワーグリップやリストストラップを使うのがおすすめです。
懸垂をやるときには、バーと手のひらの間に圧力と摩擦が生まれます。
バーを強く握ったまま懸垂を続けると、手のひらが痛くなったり、マメができたりするのです。
トレーニングギアを使うことで滑り止めになり、バーからの落下を防げます。
握力が弱くてもしっかりバーをつかめるので、手のひらが痛くなりにくいです。
懸垂や高負荷のトレーニングを行うときは、着用するとよいでしょう。
懸垂の回数を増やすためのおすすめトレーニング4選
懸垂の回数を増やすためには、必要な筋力を強化していきましょう。おすすめのトレーニングは以下の4つです。
- ラットプルダウン
- ワンハンドローイング
- プランク
- リストカール
トレーニングの参考にしてみてください。
1. ラットプルダウン
ラットプルダウンはマシンを使ったトレーニングで、懸垂と同じく背中の筋肉を鍛えられます。
バーは小指側で握るように意識し、肩甲骨は下ろした状態でスタートしましょう。
- 肩幅より広めにバーを握る
- 軽く胸を張って顔を前に向ける
- 肘を脇腹につけるようにバーを引きさげる
- 肩甲骨を寄せながら限界までゆっくりバーをさげる
- バーをゆっくりあげる
重量は体重の1/4~1/3程度から始めましょう。10回を1セットとし、30秒~1分間の休憩を挟みながら3~4セット程度行います。
手幅が狭かったり、腕だけで引っ張ったりすると、背中の筋肉に刺激が入りません。バーをお腹のあたりまで下ろせてしまうようなら、重さを追加しましょう。
2. ワンハンドローイング
ワンハンドローイングはベンチを使って行うダンベルトレーニングです。
誤ったフォームで行うと腰を痛めるので、正しい姿勢で行いましょう。まずは以下の通り、正しいフォームを作ります。
- 足を肩幅に開き、片手と片足をベンチに乗せる
- ベンチの手は横向きにして肩より少し前に置く
- 腰から首筋をまっすぐに保ち力は抜かない
- 肩をさげて軽く胸を張る
- 目線は前を向く
正しいフォームを作ったら、トレーニングしていきましょう。
- ダンベルを持ち床から少し浮かせる
- 広背筋に刺激が入ったことを確認する
- ダンベルを横腹まで引きあげる
- ゆっくりとダンベルをおろす
- 反対側を実施する
ダンベルは8~10回しっかり引き上げられる重量を使いましょう。10回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット行います。
筋肉の成長によって重量が変えられる可変式のダンベルが便利です。
3. プランク
プランクは腹筋・背中・腰回りなど広範囲の筋肉を鍛えられます。
体幹の強化にもなるので、懸垂の際に体が安定し引き上げやすくなるでしょう。
ジムに行けない日に自宅で取り組める手軽さも魅力です。
- うつ伏せになり、両肘を床につける
- つま先で体重を支え、腰を浮かせる
- 頭・背中・腰・かかとが一直線になるよう姿勢を保つ
- ゆっくりうつ伏せの状態に戻る
頭とお尻が上下しないように、一直線の姿勢を20~30秒ほどキープします。
休憩を30秒~1分間の休憩を挟みながら3セット実施しましょう。正しい姿勢を取り続けることで筋肉に効いてきます。
4. リストカール
リストカールは懸垂に必要な前腕筋を鍛えるトレーニングです。
前腕筋は握力に影響するので、懸垂の回数を増やす前に強化したい部位です。
正しいフォームでやらないと手首の関節を痛める原因になるので注意しましょう。
- 椅子や台の上に腕を置く
- 置いた方の腕でダンベルを持つ
- 手首を巻き上げるようにダンベルを持ちあげる
- 手首をゆっくり戻してダンベルをさげる
15回~20回を1セットとし、1分間の休憩を挟みながら3セット程度行います。
手首の関節はデリケートなので、軽い重量から始めましょう。
懸垂をおすすめする理由3つ
懸垂は気軽に取り組める筋トレであり、鍛えにくい背中の引き締めに効果的です。懸垂がおすすめな理由を3つにまとめました。
- 背中の筋肉を鍛えられる
- 逆三角形の体を目指せる
- 場所を選ばない
ひとつずつ確認していきましょう。
1. 背中の筋肉を鍛えられる
体の前側にある腹筋や大胸筋はで動き確認しながら鍛えられるため、トレーニングしやすいです。
しかし背中の筋肉は、鏡や目視で動きを確認できません。鍛えにくいと感じることもあるでしょう。
懸垂は広背筋や僧帽筋への効果が高く、手軽に背中を鍛えられる筋トレです。
体の前面の筋肉ばかり鍛えてしまうと、筋肉のバランスが悪くなってしまいます。
広背筋や僧帽筋を鍛えると背中が引き締まり、厚みがでてきます。
背中の筋肉は確認できないため、効いているかは感覚が大切です。
しっかり刺激を入れたい筋肉に効いているか意識し、正しいフォームで取り組みましょう。
2. 逆三角形の体を目指せる
懸垂は誰もが知っている筋トレですが、負荷が高いためトレーニングに取り入れている人は多くありません。
20回を目指して続ける人はさらに少ないでしょう。継続するだけでライバルに差をつけられますよ。
懸垂は使う筋肉が多く、上半身をまんべんなく鍛えられるのが魅力です。
広背筋や僧帽筋はもちろん、やり方によっては腹筋や大胸筋にも効かせられます。
懸垂を継続すれば上半身の筋肉がバランスよく鍛えられ、猫背が改善したりボディラインが整ったりするでしょう。
かっこいい逆三角形の体型を目指せます。
3. 場所を選ばない
懸垂は公園や自宅で気軽に行えるトレーニングです。ジムに通う時間のない人やコストをかけたくない人は、公園の鉄棒を利用しましょう。
散歩やウォーキングのついでに取り組めます。自宅の近くで鉄棒のある公園を探しておくと便利です。
公園でやるのが恥ずかしいと考える人は、懸垂用のアイテムを揃えて自宅で取り組みましょう。
チンニングバーやチンニングスタンドは種類や値段が幅広く、自分好みのアイテムを探せますよ。
チンギングバーは2,000円程度、チンニングスタンドは10,000円程度から購入が可能です。自宅の設置場所を考えながら選んでみてください。
懸垂を20回やるときの注意点5つ
懸垂は負荷の高いトレーニングのため、20回やるには注意点もあります。5つあるので取り組む前に確認してみてください。
- ストレッチを行う
- 毎日やらない
- 徐々に回数を増やす
- バランスのよい食事を摂る
- 睡眠をしっかりとる
ひとつずつ見ていきましょう。
1. ストレッチを行う
懸垂は上半身の筋肉を効率良く鍛えられるため、始める前に色々な部位をまんべんなくほぐしておきましょう。
ストレッチポールを使って胸や背中をほぐすのも効果的です。
懸垂の回数が多いと筋肉への負荷は高くなり、筋肉が硬いと腱に負担がかかってしまいます。
力が抜けた状態でバーにぶら下がったり、下ろすときに肩を伸ばしきったりすると、腱を痛めやすいです。
ストレッチを行うと筋肉が柔軟に動くので、腱を痛めにくいでしょう。
ケガをすると長期間トレーニングができなくなり、休んでいる間に筋力が衰えてしまいます。
ストレッチを取り入れてケガの予防をすることで、筋トレが継続できるでしょう。
2. 毎日やらない
負荷の高いトレーニングである懸垂を毎日のようにやるのは逆効果です。
懸垂で鍛えられる広背筋は大きい筋肉のため、回復には48時間~72時間ほどかかります。
筋肉痛が残っているうちは、筋肉が十分に回復できていません。トレーニングで傷ついた筋肉を休息させることで筋肥大に繋がります。
効率よく筋肉を成長させるためにも懸垂に取り組むのは週2~3回とし、休息日を挟みながら無理なく鍛えましょう。
3. 徐々に回数を増やす
10~15回できるなら、20回に到達するのは早いと考える人もいるでしょう。
しかし、無理に回数を増やそうとすると、フォームが崩れて肩や首を痛めてしまいます。
上半身の筋力アップに努めたり、懸垂の種類を増やしたりしながら、徐々に回数を重ねましょう。
初心者の人は最初から20回を目標にせず、まずは5回を目指すなど継続できる回数を設定します。
痛みや筋力不足を感じたら難易度をさげて取り組み、ゆっくり20回を目指しましょう。
4. バランスのよい食事を摂る
筋肉を効率よく成長させるために、バランスのよい食事を心がけましょう。
卵・魚・肉などのタンパク質は筋肉をつくる栄養素です。トレーニング中にエネルギーが不足しないよう、米などで糖質も摂取します。
糖質制限をしていると筋肥大が起こりにくいだけでなく、トレーニング中にめまいを引き起こす原因になります。
トレーニング前にはおにぎり1個を目安に炭水化物を食べるとよいでしょう。
ただし、糖質は量が多いと脂肪に変わるので取りすぎに注意します。
タンパク質の補給は食事だけでなく、プロテインをうまく活用しましょう。筋トレ後30分以内に摂取すると効率良く筋肉の成長を促せますよ。
5. 睡眠をしっかりとる
筋肉の成長を促すために、良質な睡眠を心がけましょう。毎日7~8時間ほど眠るのが理想です。
睡眠の質が悪いと、筋トレを頑張っても効果は半減してしまいます。
睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きによって、トレーニングで傷ついた筋肉が修復されます。
就寝の3時間前までに筋トレを終わらせ、30分~1時間前にストレッチを行うのが理想的です。
ストレッチを行うと副交感神経が活発になり、体がリラックスした状態になりますよ。
懸垂など負荷の高いトレーニングを行った日は、念入りにストレッチしておくと睡眠中の疲労回復がスムーズです。
翌日に疲れを残さないために、良質な睡眠をしっかりとるようにしましょう。
懸垂が20回できればトレーニングのレベルも上がる
懸垂が20回できるようになれば、10回~15回しかできなかった頃の自分より、確実に成長を感じられます。
懸垂で上半身の筋肉がバランスよく鍛えられ、逆三角形の体型に近づくでしょう。成長とスタイルアップが実感できれば、自信に繋がります。
懸垂で鍛えた筋肉を使って、今までできなかった高負荷なトレーニングに取り組めるようになり、筋トレの幅が広がるでしょう。
地道なトレーニングを積み上げて自分の限界を超えていけば、懸垂20回の壁は突破できます。
ぜひこちらの記事を筋トレの参考にしてみてくださいね。
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