体幹を鍛える腕立て伏せの正しいフォームやポイントなどを徹底解説

正しいフォームでポイントを押さえた腕立て伏せは、体幹も強化できます。本記事では「腕立て × プランク」のトレーニングのやり方を解説。腕立て伏せで体幹を鍛えるポイントを知り、体幹強化を始めましょう。

「体幹を鍛えたい。腕立て伏せって効果ある?」
「腕立てとプランクは、どっちが体幹に効くんだろう…」
「体幹を鍛える腕立て伏せのメニューを教えて!」

せっかく腕立て伏せをするなら、体幹までしっかり鍛えたいですよね。

正しいフォームでポイントを押さえた腕立て伏せは、体幹も強化できます。しかし、体幹とは何かを知らなければ、どこをどう鍛えるべきかわからないままです。

そこで本記事では、以下の情報をまとめました。

  • 体幹とは何か、腕立てで鍛えられる部位
  • 体幹に効かせる腕立て伏せのやり方
  • 体幹トレーニング代表「プランク」のやり方
  • 「腕立て × プランク」のトレーニング
  • もっと体幹を鍛える7種の腕立て伏せ

本記事を読めば、腕立て伏せで体幹を鍛えるポイントがわかり、すぐにでも体幹強化を始められます。

正しいフォームでしっかりと体幹を鍛えるために、ぜひ最後までご覧ください!

腕立て伏せは体幹を鍛えたい方にもおすすめ

腕立て伏せに取り組むことで、体幹を鍛えることは可能です。
腕立て伏せでは、体幹の一部である大胸筋が鍛えられるからです。

ここでは、体幹についてよくご存知ないかたのために、以下2点を解説します。

  1. そもそも体幹とは何か
  2. 腕立て伏せで鍛えられる部位

それぞれを知って、より効果的に体幹を鍛えましょう。

1. そもそも体幹とは?

Abdominal muscles

体幹とは、胴体のことです。
人体の、首から上と手足を除いた部分ともいえます。
以下はすべて体幹の筋肉です。

  • 胸筋
  • 腹筋
  • 背筋
  • 肩関節の筋肉
  • 股関節の筋肉

腹筋の中にも腹直筋や腹横筋、腹斜筋があるなど、体幹には多くの筋肉が含まれています。
腕立て伏せやプランクは、それぞれ体幹に効くトレーニングで、メインで使う筋肉に違いがあります。

腕立て伏せで鍛えられる部位

腕立て伏せでは、胸や腕の筋が最も鍛えられます。
胸の筋肉である大胸筋は、体幹の筋肉の一部です。
大胸筋は胸部にある筋肉で、腕を前に押し出す動きや、両腕で羽ばたくような動きで使われます。

大胸筋はとても大きな筋肉で、上部・中部・下部の3つの部位に分けられ、腕立て伏せは大胸筋の中部を最も刺激します。

腕立て伏せに取り組む際、手幅の間隔や、足の高さを変えることで大胸筋の上部や下部にも負荷をかけられます。
体幹の中でも胸筋を鍛えたい場合は、腕立て伏せはおすすめでできるトレーニングです。

腕立て伏せとプランクはどちらがより体幹に効く?

腕立て伏せとプランクは、体幹の中でも鍛えられる部位が異なるため、どちらがより効くかは比べられません。
効率を比較するのではなく、体幹のどこを鍛えたいかによってトレーニングメニューを変えると良いでしょう。

たとえば、以下のように考えると、トレーニングメニューを組みやすいです。
大胸筋を中心にに鍛えたいので、腕立て伏せをする
腹筋のインナーマッスルを鍛えたいので、プランクをする

腕立て伏せとプランク、両方を取り入れて体幹を鍛えましょう。

体幹に効かせる腕立て伏せ

腕立て伏せを行えば、体幹の筋肉のである大胸筋が鍛えられます。
しかしフォームが崩れていると、うまく大胸筋に刺激が入りません。
ここでは、腕立て伏せで大胸筋を鍛える、正しいフォームとポイントを解説します。
ぜひ挑戦してみてください。

腕立て伏せの正しいフォーム

  1. うつ伏せになる
  2. 両腕とつま先で体を持ち上げ、支える
  3. 手幅は肩幅より少しだけ広く取る
  4. つま先は揃える
  5. 体は一直線のラインを作る
  6. ヒジを曲げて、胸を床スレスレまで下ろす
  7. 下ろしきったらいったん静止
  8. 両腕の力で床を押し、体を持ち上げる
  9. 6〜8を繰り返す

腕立て伏せの目安は、10回 × 3セットです。
各セットの合間に30秒の休憩を取り入れましょう。

腕立て伏せのポイント

  • 体を上げるときは、床を手のひらで押すイメージ
  • 目線は前へ向ける
  • 体を下ろしながら息を吸う
  • 体を押し上げるときに息を吐く

体幹の筋肉である大胸筋が鍛えられるのは、体を押し上げるタイミングです。
手のひらで床を押し、最後まで押し切りましょう。

トレーニング効果を高めるには、呼吸も重要です。
体を下ろす時に息を吸い、持ち上げるときに息を吐く。呼吸を止めずに繰り返します。

体幹トレーニングの代表「ノーマルプランク」

ノーマルプランクは、体幹トレーニングの代表ともいえる筋トレです。
プランク(Plank)を日本語にすると「板」。言葉のとおり体を一枚の板のように真っ直ぐにし、姿勢をキープします。
体幹の中でも腹筋のインナーマッスルである、腹横筋や腹斜筋を鍛えるのに効果的です。
スペースを必要としないので、自宅でのトレーニングに取り入れやすいのもおすすめポイントです。

ノーマルプランクの正しいフォーム

  1. 腕立て伏せの姿勢を作る
  2. 両腕の、肘から手首までの面を床につける
  3. 両腕の幅は肩幅と同じ程度
  4. 両足は揃えてつま先で体重を支える
  5. 頭からかかとまでで一直線を作る
  6. そのままのフォームをキープ

ノーマルプランクの目安は、20秒 × 3セットです。
1セットごとに10秒のインターバルを挟みましょう。

20秒のキープに慣れてきたら30秒、40秒と徐々に時間を伸ばします。
逆に20秒のキープもきつい場合は、腕を伸ばし、手のひらで床を支えるトレーニングからはじめてもよいでしょう。

ノーマルプランクのポイント

  • 意識的に腹筋へ力を入れる
  • きつくても呼吸は止めない
  • 一直線の姿勢を崩さない

使っている筋肉に意識を向けると、筋トレの効果がアップします。
プランクの場合は腹筋に意識をむけて、力が入っていることを確認しながら取り組みましょう。

呼吸を続けることも筋トレの効率を上げるポイントのひとつです。
初心者はきつくなると呼吸をとめてしまいやすいので、意識的に呼吸を続ける必要があります。
きつくなってきても頭や腰を上下させることなく、一直線の姿勢を崩さないよう注意しましょう。

腕立て伏せ × 体幹トレーニング!プランクプッシュアップ

ここでは、腕立て伏せとプランクを掛け合わせた体幹トレーニング、プランクプッシュアップについて解説します。

プランクプッシュアップとは、プランクの姿勢から片腕ずつ腕を伸ばし、その後また片腕ずつプランクの姿勢に戻すトレーニングです。
体幹の筋肉に加え、二の腕の筋肉まで鍛えられます。

腕立て伏せやプランク同様、自宅でスペースを使わず取り組める自重トレーニングです。
正しいフォーム・ポイントをしっかり意識して、挑戦してみてください。

プランクプッシュアップのフォーム

  1. プランクの姿勢を作る
  2. 足幅も肩幅と同程度に開く
  3. 右前腕を床から離す
  4. 右手のひらを床につけ、腕を伸ばす
  5. 左前腕を床から離す
  6. 左手のひらを床につけ、腕を伸ばす
  7. 右手を床から離し、前腕を床につける
  8. 左手を床から離し、前腕を床につける
  9. 3〜8を繰り返す。

目安は10回 × 3セットです。
手のひらを床につけたら、床を押す意識で腕を伸ばします。
筋力を必要とするトレーニングですので、筋力に自信がない場合は無理をせず、腕立て伏せやノーマルプランクに取り組みましょう。

プランクプッシュアップのポイント

  • リズムを崩さない
  • お腹に力を入れる

肘の曲げ伸ばしは、一定のリズムで行います。
回数よりもリズムを重視するため、10回などの回数ではなく、30秒など時間を決めて取り組んでもよいでしょう。
お腹に力をいれて、体のラインを崩さない意識が大切です。

鍛えられる筋肉

プランクプッシュアップは胸筋や腹筋、腕周りの筋肉に刺激が入り、まさに腕立て伏せとプランクを掛け合わせたような効果があります。

大胸筋や腹筋に刺激が入るため、体幹の筋肉を効率的に鍛えられるトレーニングです。

また上腕三頭筋や三角筋など、腕周りの筋肉にも効果があり、複数の筋肉を同時に鍛えられます。

腕立てのフォームで体幹を鍛える7種目

さらに体幹を鍛えたい方のために、腕立てのフォームで行うトレーニングを7種目ご紹介します。

  1. ヒザ付き腕立て
  2. 肩甲骨腕立て
  3. リバースプッシュアップ
  4. ナロープッシュアップ
  5. デクラインプッシュアップ
  6. ワイドプッシュアップ
  7. ヒンズープッシュアップ

それぞれのやり方まで解説します。

1. ヒザ付き腕立て

ヒザ付き腕立ては、ヒザを床につけた状態で行う腕立て伏せです。
筋力の少ない初心者には、このヒザ付き腕立てをおすすめします。
通常の腕立て伏せでは体が持ち上がらない場合でも、あきらめずにヒザ付き腕立てから挑戦してみましょう。

ヒザ付き腕立てのやり方

  1. 通常の腕立て伏せの姿勢を作る
  2. 手幅は肩幅より若干広く取る
  3. ヒザをつき、足を浮かせる
  4. ヒジを曲げ、胸を床に近づける
  5. 体を下ろしきったら1秒キープ
  6. 床を押して体を持ち上げる

ヒザ付き腕立ての目安は、10回 × 3セットです。
背筋は伸ばしたまま行うことがポイントです。
「筋力に自信がないけれど、体幹は鍛えたい」という方はこのトレーニングからはじめましょう。

2. 肩甲骨腕立て

肩甲骨腕立ては、腕立て伏せの姿勢から肩甲骨を動かすトレーニングです。
腹筋のインナーマッスルや、背中の菱形筋、腰部の小さな筋肉である多裂筋を鍛えられます。

肩甲骨腕立てのやりかた

  1. うつ伏せになる
  2. 両腕の肘から手首にかけての面を床につける
  3. 腹筋に力を入れながら上半身を持ち上げる
  4. 肩甲骨を開く
  5. 肩甲骨を開いた状態で2秒キープ
  6. 開いた肩甲骨をゆっくり中央に寄せる
  7. 肩甲骨を寄せきった状態で2秒キープ
  8. 4〜7を繰り返す

肩甲骨腕立ての目安は、10回です。
背中が反った状態では肩甲骨が鍛えられません。腹筋に力を入れて上半身を真っ直ぐに保ちましょう。

筋力に自信のある方は、上半身だけを持ち上げるのではなく、プランクの姿勢で行うのもおすすめです。
両腕の前腕とつま先で体を支え、体をまっすぐにキープしながら肩甲骨を開きます。

3. リバースプッシュアップ

リバースプッシュアップは椅子などを使った、腕立て伏せの派生トレーニングです。
体幹の中では、背筋の一部である広背筋を鍛えられます。
また、上腕三頭筋三角筋をメインで使うため、逞しい二の腕を手に入れたい方にもおすすめです。

リバースプッシュアップのやり方

  1. 安定した椅子に座る
  2. 肩の真下の位置に手を置く
  3. 体を椅子より前に出す
  4. ヒジを曲げて体を下ろす
  5. ヒジを90度に曲げたら体を元の高さに戻す
  6. 4〜5を繰り返す

リバースプッシュアップの目安は、10回 × 3セットです。
体を下げる際、ヒジが外側に開かないように注意しましょう。
背中が椅子スレスレを通るようにすると、ヒジが深く曲がりやすいです。

余裕が出てきたら、足を伸ばして行うと負荷が高まります。
腕立て伏せで背筋を鍛えられるトレーニングとして、挑戦してみましょう。

4. ナロープッシュアップ

ナロープッシュアップは、通常の腕立て伏せより手幅を狭めて行うトレーニングです。
体幹の筋肉の中では、大胸筋の内側に効きます。
分厚い胸板を手に入れたい方は、ぜひ挑戦してみてください。

ナロープッシュアップのやり方

  1. 腕立て伏せの姿勢を作る
  2. 手幅を、肩幅より拳一つ分狭く取る
  3. ゆっくりと体を下ろす
  4. 胸が床につくギリギリで止める
  5. 手で床を押し、体を持ち上げる
  6. 3〜5 を繰り返す

ナロープッシュアップの目安は、20回 × 3セットです。
体を持ち上げきった後、腕も押し切ると胸筋の内側にまで刺激が入ります。

手首に負荷がかかりやすいので、痛むようでしたら無理をせず別のメニューに取り組むことをおすすめします。
不安定な姿勢のトレーニングなので、安全には十分注意しましょう。

5. デクラインプッシュアップ

デクラインプッシュアップとは、通常の腕立て伏せより足を高くして行うトレーニングです。
体幹の筋肉である、大胸筋の上部に効果アリ。大胸筋上部を鍛えることで、胸板の厚みが増します。

デクラインプッシュアップのやり方

  1. 椅子など、高さのある台に足を載せる
  2. 足を高くした状態で、腕立て伏せの姿勢を作る
  3. 体をゆっくり下ろす
  4. 首元が床に着く直前で停止
  5. 床を押して体を持ち上げる
  6. 3〜5を繰り返す

デクラインプッシュアップの目安は、10回 × 3セットです。
体をそらさず、頭からかかとまで真っ直ぐの状態をキープしながら行いましょう。

6. ワイドプッシュアップ

ワイドプッシュアップとは、通常の腕立て伏せよりも、手幅を広く取ったトレーニングです。
体幹の筋肉である大胸筋を鍛えるだけでなく、上腕三頭筋など腕の筋肉も刺激されます。
腕立て伏せメニューに変化をつける方法として、取り入れたいトレーニングです。

ワイドプッシュアップのやり方

  1. 腕立て伏せの姿勢を作る
  2. 手幅を、肩幅より拳一つ分広く取る
  3. 体をゆっくり下ろす
  4. 胸が床につく直前で停止
  5. 床を押して体を持ち上げる
  6. 3〜5を繰り返す

ワイドプッシュアップの目安は、10回 × 3セットです。
体を下ろすときに、肩甲骨を中央に寄せるよう意識すると大胸筋がしっかり伸び、トレーニングの効果が高まります。
筋トレは、筋肉の収縮が強いほど効果が高まります。大胸筋の伸び縮みを感じながら取り組みましょう。

7. ヒンズープッシュアップ

ヒンズープッシュアップとは、体を回すような動きを取り入れた、腕立て伏せの派生トレーニングです。
大胸筋や僧帽筋、広背筋など、体幹の筋肉を多く刺激します。

ヒンズープッシュアップのやり方

  1. 腕立て伏せの姿勢を作る
  2. 手幅は肩幅より少し広く取る
  3. 足幅は肩幅と同じ広さ
  4. 腰を曲げ、高く上げる
  5. 腕は伸ばし、頭を下げる
  6. 低い棒を潜るイメージで頭を前に出す
  7. 手で床を押し、体を持ち上げる
  8. 4の姿勢に戻る
  9. 4〜8を繰り返す

目安は、20回 × 3セットです。
ヒジの曲げて体を下げるのではなく、体全体を使って、低い棒を潜るように動かします。
セットポジションとなる、腰を高くした姿勢まで戻ることが重要です。
全身を使ったトレーニングとして、メニューに取り入れてみましょう。

【まとめ】腕立て伏せで、体幹を鍛えよう!

腕立て伏せで体幹は鍛えられます!
体幹とは胴体のことであり、腕立て伏せで鍛えられる大胸筋も体幹の一部です。
また腕立て伏せのバリエーションを増やすことで、大胸筋以外の体幹の筋肉も鍛えられます。

本記事でご紹介した、正しいフォームやポイントを守れば、筋トレ効果も上がります。
日々のトレーニングに変化を加えながら、腕立て伏せで体幹を鍛えていきましょう!

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