「ベンチプレスは毎日やったほうが良いの?」
「ベンチプレスで筋肉を鍛えるために効果的なトレーニングを知りたい」
ベンチプレスは、上半身の筋肉を強化したいときにおすすめの筋トレです。しかしながら、毎日やったからといって筋肉が早く成長するわけではありません。
そこでこの記事では、ベンチプレスは毎日やるべきかについて以下の内容で解説。
- ベンチプレスを毎日やるのはNG
- ベンチプレスの正しいフォーム・やり方
- ベンチプレスで筋肉を鍛えるときのメリットや注意点
経験豊富なプロのトレーナー監修のもと、分かりやすくお伝えしています。ぜひお読み下さい。
【毎日はだめ】ベンチプレスでおすすめの頻度は2〜3日に1回
ベンチプレスは、トレーニングの中でも負荷の高い筋トレです。毎日よりも2~3日おきがおすすめ。
ベンチプレスを毎日しないほうが良い理由として、「筋疲労」があります。筋疲労とは、運動によって乳酸などが蓄積する過程で起こる収縮力の低下のこと。
筋疲労が起こることで筋肉がうまく動かせないため、結果としてトレーニング効果が落ちてしまうのです。
また、乳酸は、運動負荷量に比例して蓄積量が増えます。
そのため、高負荷トレーニングであるベンチプレスは毎日すると筋肉が疲労しやすいのです。
ベンチプレスは、筋疲労を回避するためにも休息期間をもうけながら無理なく続けましょう。
毎日ではなく、間隔を空けてベンチプレスを行うメリット3つ
ベンチプレスは、毎日よりも日を空けた方が効果的です。
間隔をあけてベンチプレスを行う3つのメリットは、以下の通り。
- 筋肉がしっかり育つ
- 筋疲労が起きにくい
- 1回の筋トレに集中できる
1.筋肉がしっかり育つ
ベンチプレスは、休息期間をもうけることで筋肉がしっかり育ちます。筋肉が育つ仕組みは「超回復」によるものです。
超回復とは、トレーニングによって部分的に断裂・破壊された筋繊維が休息によって、太く強い筋肉へと成長すること。
一般的には、超回復の期間をもうけるためにはトレーニング間隔を2~3日おきにするのがベストとされています。
ベンチプレスでしっかり成果を出したいときは、筋トレの頻度を2~3日おきにして超回復の仕組みをうまく利用しましょう。
2.筋疲労が起きにくい
ベンチプレスは、間隔をあけて行うことで筋疲労が起きにくいとされています。
筋肉は、筋トレによって乳酸がたまると酸性に傾きます。酸性へ傾くのは、乳酸が作られる過程で発生する水素イオンが原因です。
また、筋疲労の要因は、筋肉が酸性に傾くだけではなくエネルギー源である糖グリコーゲンの減少も考えられます。収縮に必要なエネルギー源が減ってしまうため、筋肉の動きが低下するのです。
ベンチプレスは、高負荷のため乳酸が溜まりやすいトレーニングです。毎日やらずに、2~3日おきなど休みを挟んで筋疲労を予防しましょう。
3.1回の筋トレに集中できる
ベンチプレス は、2~3日おきの方が筋トレに対する集中力が上がります。「今日やったら休み!」と思えることで、その日のトレーニングをしっかり頑張れるためです。
例えば、いつも仕事終わりにジムに通う場合。次の日を休息日にしていると、今日のトレーニングでしっかり筋肉を追い込めるため、トレーニングの質が上がります。
そのため、ベンチプレスでおすすめの頻度は2~3日おきです。
1週間のスケジュールを立てて、1回のトレーニングを計画的に行うことをおすすめします。
【重要】ベンチプレスの正しいフォーム
ベンチプレスは、重量のあるバーベルを使うため正しいフォームで行うことが重要です。
正しいフォームを身に付けて、ケガなく安全に継続しましょう。
ベンチプレスの正しいフォーム
- バーベルが目線の位置になるよう仰向けになる
- 肩甲骨を引き下げて胸を張る
- お腹と足に力を入れて体を支える
- 胸骨の中心にバーベルを下げる
ベンチプレスをするときは、正しいフォームを守るほかに、必ず安全バーをセットして下さい。
安全バーがあるとバーベルが落下した際、首や体を守ることができます。
ベンチプレスをするときのおすすめ筋トレ5選
ベンチプレスには、様々な種類のトレーニングがあります。
ここでは、初心者におすすめの特にメジャーなベンチプレスを5つご紹介します。
- バーベルベンチプレス
- ダンベルベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- デクラインベンチプレス
- ワイドグリップベンチプレス
1.バーベルベンチプレス
バーベルベンチプレスは、バーベルを使った基本的なトレーニングのひとつです。上半身の大きな筋肉として、大胸筋や上腕三頭筋などを鍛えられます。
バーベルベンチプレスのやり方
- ベンチに仰向けになり、肩幅くらいでバーベルを握る
- バーベルを持ち上げて安定してから肘を曲げてゆっくり下ろす
- 胸部の中心に下ろしたらゆっくり持ち上げて最初の姿勢に戻る
バーベルベンチプレスでは、バーベルを下ろすときに息を吸って、持ち上げるときに吐き出すようにしましょう。
反動を使わず、ひとつの動きをゆっくり行うこともポイントです。
最初は、5セットを目標に慣れてきたら徐々に回数を伸ばしていきましょう。
2.ダンベルベンチプレス
ダンベルベンチプレスは、バーベルの代わりにダンベルを使うトレーニングです。バーベルと異なり、胸の高さよりも腕を下げることができます。
大胸筋へ高い負荷をかけることができるため、筋肉量アップに欠かせません。
ダンベルベンチプレスのやり方
- ベンチで仰向けになり、両手にダンベルを持つ
- 両手を胸部中央から真っ直ぐ天井へ伸ばす
- 肘を90度に曲げるイメージでゆっくり両手を下ろす
- 胸部が最大限開くところまで下げたら、ゆっくり両手を上げて元の位置に戻る
ダンベルベンチプレスでは、ダンベルを下げるときに筋肉への負荷が高まります。ゆっくり息を吸いながら両手を下ろして、吐きながら上に伸ばしましょう。
ひとつひとつの動きを丁寧にすることで、しっかり負荷がかかり筋肉を鍛えられます。
最初の目標は、5セット。慣れてきたら徐々に回数を伸ばしていって下さい。
3.インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、頭部の角度を体よりも高くして行います。大胸筋上部や三角筋に効果的です。
インクラインベンチプレスのやり方
- 後頭部が上を向くよう、ベンチの角度を30度上げる
- バーベルは肩幅よりも少し広めに握る
- ゆっくりバーベルを下ろして、胸部中央まできたらゆっくり持ち上げる
インクラインベンチプレスでは、腰が浮いてしまいがちです。腰が浮くと大胸筋上部へ負荷がかからないため、お尻をベンチにしっかり固定させましょう。
最初は、5セットを目標に慣れてきたら徐々に回数を伸ばしてみて下さい。
4.デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは、後頭部の角度を少し下げて大胸筋下部を鍛えるトレーニングです。大胸筋下部を鍛えることで、大胸筋の形をはっきりさせることができます。
デクラインベンチプレスのやり方
- 後頭部が下に向くよう、ベンチの角度を30度下げる
- バーベルは肩幅よりも少し広めに握る
- ゆっくりバーベルを下ろして、胸部中央まできたらゆっくり持ち上げる
デクラインベンチプレスでは、バーベルを握る位置を少し広めにとることで姿勢が安定します。呼吸を忘れずに、無理のない回数から始めてみて下さい。
最初は、5セットを目標に慣れてきたら徐々に回数を伸ばしていきましょう。
5.ワイドグリップベンチプレス
ワイドグリップベンチプレスでは、大胸筋の外側や下部を鍛えられます。通常のベンチプレスよりも負荷が高いため、大胸筋に厚みを持たせたい人におすすめです。
ワイドグリップベンチプレスのやり方
- ベンチに仰向けになり、肩幅より拳1個半広めでバーベルを握る
- バーベルを持ち上げて安定してから肘を曲げてゆっくり下ろす
- 胸部の中心に下ろしたらゆっくり持ち上げて最初の姿勢に戻る
ワイドグリップベンチプレスをするときは、最初は重量をいつもより軽くして行いましょう。基本姿勢を維持したまま、手首を痛めないように注意。
最初は、5セットを目標に慣れてきたら徐々に回数を伸ばしてみて下さい。
ベンチプレスを行うときの注意点
ベンチプレスは、高負荷の筋トレです。
安全かつ効果的に鍛えるために、意識すべき注意点は以下の5つ。
- 体が浮かないようにする
- 背中気ブリッジをつくる
- 腕の角度は常に90度
- 親指をバーに回す
- 下ろす場所は胸骨の中央部
1.体が浮かないようにする
ベンチプレスをするときは、体が浮かないように注意しましょう。体が浮いてしまうと、力が分散されてしまいます。
筋肉の必要な部分をしっかり使うためにも、体を浮かせないよう意識して下さい。
ベンチプレスをするとき、浮いていないか意識すべき体の部位
- 後頭部
- 足の裏
- 肩甲骨
- お尻
後頭部やお尻はベンチに固定させ、足の裏はしっかりと床につけます。足の裏が床に定着していると、踏ん張ることが可能です。
持ち上げる重量がなかなか増やせないと感じているときは、体が浮いていないかチェックしてみて下さい。
2.背中でブリッジをつくる
ベンチプレスでは、背中でブリッジをつくることが大切です。肩甲骨を引き下げて、お尻をベンチに固定させることで綺麗なアーチをつくれます。
重たいバーベルを持ち上げるベンチプレスは、体が安定していることが重要です。肩甲骨とお尻を意識して胸を張ることで、しっかりブリッジをつくれるため体が安定します。
ベンチプレスをするときは、体が安定するようにブリッジをつくる基本フォームを身につけましょう。
3.腕の角度は常に90度
ベンチプレスでは、腕の角度は90度です。腕の角度が閉じたり開きすぎたりしていると、手首や肩を痛める原因になります。
ベンチプレスをするときは、手首の真下に肘がくるイメージです。つまり、腕と肘が直角90度になる状態をキープ。
腕の角度が90度より狭かったり、広かったりすると手首や肩に不必要な力が加わるためケガの要因になります。
ベンチプレスを安全に続けるためには、腕の角度が90度になっているか必ず確認して下さい。
4.親指をしっかりバーに回す
ベンチプレスでは、親指をバーに回してグッと握ることが大切。ベンチプレスで使うバーベルは、しっかり握らないとケガの原因になってしまいます。
一度バーベルが滑ってケガをしてしまうと、「また落としてしまうのではないか…」という恐怖から重量を上げられなくなる原因になることもあります。
安全にベンチプレスを継続するために、バーベルは親指をぐるっと回してしっかり握るようにしましょう。
5.タッチポイントは胸骨の中央部
ベンチプレスで下ろす位置は、胸骨の中心部が最適です。ベンチプレスの基本フォームを守った状態で下ろしたとき、胸骨の中心部にくるようにして下さい。
みぞおちや乳首を目印にする方法もありますが、目安の場所はひとりひとり異なります。
基本フォームを維持した状態で無理なくバーベルを下ろせる場所が、ベストなタッチポイントです。
ベンチプレスでは、無理に下ろす位置を意識しすぎず基本姿勢をキープ。フォームを崩さないことを重視し、胸の中心あたりに下ろしましょう。
まとめ
ベンチプレスは毎日よりも日をあけて行う方が効果的です。ここでは、おすすめの筋トレメニューや注意点などを詳しくご紹介しました。まとめると以下の内容になります。
- ベンチプレスは2~3日おきに行うのがベスト
- ベンチプレスの基本フォームは肩甲骨を引き下げてブリッジをイメージ
- ベンチプレスは体を浮かせないよう注意
ベンチプレスは、高負荷トレーニングのため継続するとしっかり筋肉が育ちます。負荷が高いと、筋肉への負担も大きいのが特徴。無理なく続けるためにポイントを抑えて取り組みましょう。
ベンチプレス初心者は、まずはプロのトレーナーからのアドバイスをもとに始めることがおすすめです。経験豊富なトレーナーが正しいフォームをお伝えします。
ベンチプレスを始めることに不安がある人や正しいやり方を知りたい人は、ぜひジム通いを検討してみて下さい。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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