「ベンチプレスで肩を痛めてしまった」
「肩を痛めないやり方はあるの?」
「挑戦したいけど肩を痛めないか心配…」
ベンチプレスは、大胸筋を中心とした大きな筋肉を集中的に鍛えられるトレーニング。しかしその反面、正しいフォームで行わないと肩を痛めやすくなるので注意が必要です。
そこでこの記事では、ベンチプレスの以下の点について詳しく解説します。
- 肩を痛める原因
- 正しいやり方
- 正しいフォーム
- 肩を痛めないための対策
- 効果を高める方法
正しく行えば高い効果を期待できるトレーニングです。やり方やフォームを見直し、肩を痛めるリスクを軽減しましょう。
ベンチプレスで肩を痛める2つの大きな原因
ベンチプレスで肩を痛める大きな原因は2つ。
- 正しいフォームになっていない
- 重量設定が適していない
どちらもベンチプレスを行ううえで重要なポイントです。しっかりと確認しておきましょう。
1. 正しいフォームになっていない
ベンチプレスは大胸筋を中心とした大きな筋肉を鍛えられるトレーニング。しかし、肩甲骨を意識したフォームをキープすることが難しく、慣れるまでに時間がかかる人も多くいます。
ほかにも、バーの握り方や上げ下げするときのフォームも意識しなくてはいけません。正しいフォームになっていないと、肩を痛めやすくなります。
2. 重量設定が適していない
バーベルを持ち上げたときにうまくフォームを保てない人は、重量が重すぎる可能性があります。重すぎると肩甲骨を寄せたブリッジの状態が崩れやすくなり、肩を痛めるリスクが高まるので注意しましょう。
重くすればするほど高い効果を得られるわけではありません。フォームを崩さずに、設定した回数を無理なくこなせる重さがベストです。
基本的なベンチプレスのやり方
まず、ベンチプレスの基本的なやり方を説明します。
- 自然に手の届く高さにラックの位置を調整する
- ベンチ台に仰向けになる
- バーを目線の位置に合わせる
- 肩幅よりも1.5倍くらい外側の位置でバーを握る
- 肩甲骨を寄せ、背中を浮かせてブリッジをつくる
- バーベルをラックから外して胸の位置までもってくる
- バーが肩の真上にくるように持ち上げる
- ブレが収まるまで一度静止する
- バーベルをゆっくりと下げる
主に、胸(大胸筋)・肩(三角筋)・腕(上腕三頭筋)に効果的なトレーニングです。デッドリフト・スクワットと並び、「筋トレBIG3」とも呼ばれています。
上半身を集中的に鍛えられるので、逆三角形の体を目指す人にもおすすめ。体を支えるのに足でグッと踏ん張るため、下半身の筋肉も鍛えられます。
ベンチプレスで肩を痛めないための正しいフォーム
ベンチプレスで肩を痛めないためには、常に正しいフォームを意識することが重要です。
- バーの握り方をサムアラウンドグリップにする
- バーの握る位置を左右均等にする
- 肩甲骨を寄せてブリッジの状態をキープする
- トレーニング中は頭・両肩・お尻・両足をしっかりと着地させる
- バーを下ろす位置が胸の上になるように意識する
ベンチプレスを行う流れに沿って、フォームの注意点を解説します。順番に確認していきましょう。
1. バーの握り方をサムアラウンドグリップにする
サムアラウンドグリップとは、親指でバーを包み込むようにして握る方法です。包み込むことでバーが安定します。
反対に親指で包み込まない握り方をサムレスグリップと言いますが、バーが手から滑って肩などに落下する可能性があるのでおすすめできません。
2. バーの握る位置を左右均等にする
バーを握るときは、左右均等になるように意識しましょう。左右のバランスが崩れてしまうと、バーが傾いて怪我をする危険があります。また、バランスが不安定だとうまく力が加わらず、ベンチプレスの効果を得られません。
3. 肩甲骨を寄せてブリッジの状態をキープする
ベンチプレスを行ううえで、肩甲骨を意識したフォームが特に重要です。ただ肩甲骨を寄せるのではなく、寄せた肩甲骨を少し下げ、背中を持ち上げたブリッジの状態をキープできるようにしましょう。
バーベルを持ち上げたときに姿勢が崩れやすい人は、肩甲骨をベンチに押し付けるイメージで持ち上げると安定しやすくなります。それでも崩れてしまう場合は重量が重すぎる可能性があるので、姿勢をキープできる重さまで下げてみましょう。
このブリッジの状態をキープできていないと、肩に余計な負担がかかり、痛めやすくなってしまいます。
4. トレーニング中は頭・両肩・お尻・両足をしっかりと着地させる
トレーニング中に頭・両肩・お尻・両足の一部でも浮いてしまうと、ベンチプレスの効果が薄れてしまいます。フォームが乱れ、肩などを痛める原因にもなるので注意が必要です。
手首が自分の顔のほうに折れ曲がっていると、持ち上げたときにベンチから頭が離れやすくなります。下から見たときにハの字になるように、少し外側に向けて握るのがポイントです。
肩甲骨のブリッジがキープできていないと、肩の力で持ち上げてしまい、肩が浮いてしまうので気をつけましょう。
また、重量が重すぎると、持ち上げるときにお尻やかかとが浮きやすくなります。つま先に力を入れて持ち上げるのではなく、グッと両足で踏ん張る姿勢が大切です。
頭・両肩・お尻・両足をしっかりと着地させた状態をキープしましょう。
5. バーを下ろす位置が胸の上になるように意識する
バーを下ろすときは、胸の上にくるように下ろします。ブリッジの状態で、胸が1番高くなっているところが目安です。
このとき、肩を上げないように注意してください。首をすくめた状態になると、肩を痛める原因になります。
ベンチプレスで肩を痛めないための対策
ベンチプレスで肩を痛めないための対策は4つ。
- 違和感を感じたら無理をせずに肩を休める
- 重量や回数を調整する
- 多くても週2~3回程度にする
- トレーニングギアを使用する
1つずつ確認しましょう。
1. 違和感を感じたら無理をせずに肩を休める
肩に違和感を感じたら、肩を休めることが大切です。無理をすると余計悪化する恐れがあります。
もし筋肉痛のような痛みがある場合は、お風呂で温めて疲労を回復するのも効果的です。ただし、温まったときに痛みを感じたら、炎症が起きている可能性があります。湿布等で冷やし、痛みが引かないようなら病院を受診しましょう。
2. 重量や回数を調整する
毎回持ち上げられるギリギリの重量で決まったセット数を行うのではなく、その日のコンディションで調整することも大切です。疲れが残っている日は、重量や回数を減らしてトレーニングを行いましょう。
なお、ベンチプレスの目安は10回程度を3セットと言われています。1セットを終えるたびに、3~5分程度のインターバルを挟むようにしましょう。
3. 多くても週2~3回程度にする
トレーニングを行ううえで、筋肉を休ませる時間も必要です。ベンチプレスをする頻度は、多くても週2~3回程度にしましょう。
筋肉量を増やすためには、筋肉が回復するまで待つことが大切です。回復前に無理をすると筋トレの効果が出にくくなり、疲労が蓄積して肩を痛めやすくなります。
4. トレーニングギアを使用する
ベンチプレスにおすすめのトレーニングギアは、リストラップとトレーニングベルト。
リストラップは手首を固定し、グラつきをサポートする役割があります。トレーニングベルトはお腹をギュッと固定し、腹圧をかけやすくするアイテムです。
トレーニングギアを使用することで姿勢を保ちやすくなり、肩を痛めるリスクを軽減できます。特に高重量でトレーニングをする人は、積極的に活用しましょう。
ベンチプレスの効果を高める方法
ベンチプレスは正しいフォームで行うことが重要ですが、それ以外にも効果を高めるために大切なポイントがあります。
- ベンチプレス前にストレッチなどで体をほぐす
- 常に肩甲骨の動きを意識する
- 上げ下げする速度に気をつける
- 呼吸を意識してトレーニングする
- バーを下ろすときにバウンドしないように注意する
- ほかの筋トレで筋肉のバランスを整える
フォームと一緒に意識しながら実践してみましょう。
1. ベンチプレス前にストレッチなどで体をほぐす
特にベンチプレスのような高負荷トレーニングを行う場合は、筋肉や関節を痛めるリスクが高まります。トレーニング前にストレッチなどで体を温め、筋肉や関節をほぐしておくことが重要です。
できれば、ベンチプレスで重要な筋肉(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)を意識したストレッチを取り入れるのがおすすめ。運動パフォーマンスも向上します。
2. 常に肩甲骨の動きを意識する
ベンチプレスを行っている最中は、常に肩甲骨の動きを意識してバーベルを上げ下げすることが大切です。肩の力で無理やり持ち上げたり、肘が開きすぎたりすると、ブリッジの姿勢が崩れやすくなります。
上げ下げするときは肩甲骨の収縮を意識し、インターバルを挟むときに力を抜いて体を休めましょう。
3. 上げ下げする速度に気をつける
ベンチプレスは、バーベルを上げ下げする速度も重要です。上げるときはやや早めに上げ、下げるときはゆっくりと下げるようにします。
また、それぞれの動作をつなげて行うのではなく、腕を上げ切ったタイミングと下ろしたタイミングで一度静止するようにしましょう。
4. 呼吸を意識してトレーニングする
ベンチプレスは呼吸も大切です。グッと力を入れてバーベルを持ち上げるタイミングで息を吐き、下ろすときにゆっくりと吸いましょう。
息を吐くことで腹圧がかかり、持ち上げるときの腕が安定しやすくなります。
5. バーを下ろすときにバウンドしないように注意する
バーベルを勢いよく下げてしまうと、胸の上に下ろしたときにバウンドし、期待するトレーニング効果を得られません。それだけでなく、肩を痛める原因にもなります。
バウンドしないように、ゆっくりとバーを下ろすのがポイントです。
6. ほかの筋トレで筋肉のバランスを整える
「ベンチプレスしかやらない」など、同じ部位ばかりに偏った筋トレはおすすめできません。ほかのトレーニングも取り入れ、体全体をバランスよく鍛えることが大切です。
例えば同じ筋トレBIG3のスクワットなら、下半身の筋肉を集中的に鍛えられます。上半身以外の筋肉もしっかりと鍛えることで、ベンチプレスをやったときに力が加わりやすくなり、重量アップにもつながるのです。
まとめ
ベンチプレスで肩を痛めやすいのは、間違ったフォームと重量設定で行っていることが大きな原因です。無理のない重さで正しいフォームを意識することで、大胸筋を中心とした上半身の筋肉を効率よく鍛えられます。
トレーニング効果を高めるためには、上げ下げする速度や呼吸も意識しましょう。もし肩への違和感を感じた場合は、無理せず体を休ませることも大切です。
ぜひこの記事を参考に、肩を痛めないための正しいフォームを身につけるところから始めてみてください。
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