「ダンベルを使って握力を強化したい」
「握力を鍛えるにはどこの筋肉を鍛えるんだろう」
「握力強化の具体的なダンベルトレーニングが知りたい!」
バット・ラケットを握るスポーツや、ダンベル・バーベルを握るトレーニングで重要となる、握力。
パフォーマンスを上げるために、握る力は鍛えておきたいですよね。
握力を鍛えるポイントはグッと握り込む力だけではありません。
握る力だけを鍛えているなら、ポテンシャルを引き出せていない可能性があります。
そこで本記事では、以下の情報をまとめました。
- 握力を上げるため、ダンベルで鍛えるべき筋肉
- 3種類の握力
- ダンベルを使った握力トレーニング7種目
- ダンベルを使わない握力トレーニング5種目
本記事を読めば、握力を上げるために鍛えるべきポイントがわかり、すぐにダンベルを使ったトレーニングに取り組めます。
効率的に握力を鍛えるため、ぜひ最後までご覧ください。
握力を強化するならダンベルで前腕筋群を鍛えよう
握力を強化するなら、ダンベルを使って前腕筋群を鍛えましょう。
前腕筋群とは、ヒジから手首にかけての前腕部分にある、複数の筋肉の総称です。
手首を回す、ひねるなどの動きや、手を握る力、握力にも関わっています。
握力を鍛える際は、前腕筋群のなかでも屈筋群と伸筋群を積極的に鍛えます。
下記表は、屈筋群と伸筋群の働きと、それぞれの筋肉の名称です。
前腕屈筋群
(ぜんわんくっきんぐん) 手首を、手のひら側に倒す力 |
浅指屈筋(せんしくっきん) |
深指屈筋(しんしくっきん) | |
長母指屈筋(ちょうぼしくっきん) | |
方形回内筋(ほうけいかいないきん) | |
長掌筋(ちょうしょうきん) | |
橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん) | |
円回内筋(えんかいないきん) | |
尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん) | |
前腕伸筋群
(ぜんわんしんきんぐん) 手首を、手の甲側に倒す力 |
長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん) |
短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん) | |
尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん) | |
総指伸筋(そうししんきん) | |
小指伸筋(しょうししんきん) | |
回外筋(かいがいきん) | |
腕橈骨筋(わんとうこつきん) |
握る・開くといった動きだけでなく、ダンベルをもった手首を動かすことで、前腕筋群を刺激し、握力をアップしましょう。
ダンベルで鍛えられる3種類の握力
ここでは、ダンベルで鍛えられる握力の種類について解説します。
握力の種類は、以下の3つです。
- クラッシュ力
- ピンチ力
- ホールド力
それぞれの力が発揮されるポイントを確認しておきましょう。
1. クラッシュ力
クラッシュ力とは、指を折り曲げて握り込む力です。
握力計で測定するギュッと握り込む力は、クラッシュ力を測っています。
手を開いたり閉じたりを繰り返すなどして、鍛えられます。
ダンベルを使う場合、リストカールなどダンベルを握り込む動きのトレーニングが有効です。
2. ピンチ力
ピンチ力は、指を伸ばした状態で物をつまむ力です。
洗濯バサミをつまむ動きや、スポーツで言えばボルダリングで指先の力を使う際は、ピンチ力が働いています。
ダンベルのプレートを指先で掴むなど、指を伸ばしたトレーニングで鍛えられます。
3. ホールド力
ホールド力とは、握った状態を保持する力です。
掴んで離さない、その力の強さや時間の長さに関係します。
ダンベルの持ち手の部分に布を巻き、太くするだけでホールド力が強化されます。
より重量のあるダンベルやバーベルを、落とさず安全に取り扱うためにも、鍛えておきたい力です。
ダンベルを使った握力トレーニング7選
ここでは、ダンベルを使った握力トレーニングをご紹介します。
次の7つの種目で、握力を強化していきましょう。
- リストカール
- リバースリストカール
- ニュートラルグリップリストカール
- スピネーション
- Lアームツイスト
- ラジアルフレクション
- ダンベルピンチ
それぞれのやり方まで、解説します。
1. リストカール
リストカールとは、ダンベルを指先にひっかけた状態から、握力で持ち上げるトレーニングです。
前腕屈筋群が刺激され、クラッシュ力を鍛えられます。
握力を鍛える基本のダンベルトレーニングとして、挑戦してみてください。
リストカールのやり方
- 右手にダンベルを持つ
- ベンチに右前腕を置く
- 手のひらを上に向ける
- 手首から先をベンチから出す
- 手を開き、ダンベルを指にひっかける
- 手を握りこみ、ダンベルを巻き上げる
- 手首を使って、ダンベルを持ち上げる
- 5〜7を繰り返す
- ダンベルを左手に持ち替えて1から行う
リストカールの目安は、左右それぞれ10回 × 3セットです。
ケガに気をつけて軽い重量から始め、手首が痛むようならムリをせず休みましょう。
立った状態で取り組む際は、手のひらを体の前方向へ向けてダンベルを持って行います。
足にダンベルを落とすと危ないので、十分に注意して取り組んでください。
2. リバースリストカール
リバースリストカールは、ダンベルを持った手を、手の甲側に倒すトレーニングです。
前腕筋群の中でも、前腕伸筋群に効果があります。
リバースリストカールのやり方
- 右手にダンベルを持つ
- ベンチに右前腕を置く
- 手のひらを床に向ける
- 手首から先をベンチから出す
- 手首を手の甲側に倒す
- 手首をゆっくり元に戻す
- 5と6を繰り返す
- 左手にダンベルを持ち替えて1から行う
リバースリストカールの目安は、左右それぞれ10回 × 3セットです。
握力を上げるなら、屈筋群と伸筋群の筋力のバランスが重要です。
リストカールとあわせてメニューに取り入れるとよいでしょう。
3. ニュートラルグリップリストカール
ニュートラルグリップリストカールは、ニュートラルポジションでダンベルを持ち、手首を親指方向と小指方向に動かすトレーニングです。
リストカールやリバースリストカールとは違った動きで、前腕筋群に負荷をかけます。
ニュートラルグリップリストカールのやりかた
- ダンベルを両手に持つ
- 足を肩幅程度に開く
- 両手の手のひらを体に向ける
- 両手の手首を親指方向に曲げる
- 両手の手首を小指方向に曲げる
- 4と5を繰り返す
ニュートラルグリップリストカールの目安は10回 × 3セットです。
前腕を持ち上げるハンマーカールと違い、手首だけを動かします。
4. スピネーション
スピネーションは、ダンベルの端を持ち、手首を内側にひねる力を鍛えるトレーニングです。
前腕筋群の中でも、インナーマッスルである円回内筋に効果があります。
スピネーションのやり方
- ダンベルを縦にし、右手で下側を持つ
- 右手の前腕をベンチに置く
- 手首から先はベンチから出す
- 手首を外側に倒す
- ダンベルとベンチが平行になったら止める
- 手首を内側に回す
- ダンベルが垂直になったら止める
- 4〜7を繰り返す
- ダンベルを左手に持ち替えて1から行う
スピネーションの目安は左右それぞれ10回 × 3セットです。
重さを上げる必要はなく、3キロ程度のダンベルで十分効果があります。
5. Lアームツイスト
Lアームツイストは、両手にダンベルを持って腕をL字に曲げ、手首をひねるトレーニングです。
円回内筋や回外筋など、前腕筋群のインナーマッスルまで鍛えられます。
握力の持続力を上げたい方にも、おすすめのトレーニングです。
Lアームツイストのやり方
- 両手にダンベルを持つ
- 足を肩幅程度に開いて立つ
- 腕が「L」字になるようヒジを曲げる
- 手首を外側にひねる
- 手首を内側にひねる
- 4と5を繰り返す
Lアームツイストの目安は30秒 × 3セットです。
手首の可動域は狭くても問題ありません、角度でいえば100度程度でよいでしょう。
前腕の内側の筋肉を使っていることを意識してください。
6. ラジアルフレクション
ラジアルフレクションは、ダンベルの端を持ち、手首を使って持ち上げるトレーニングです。
手を握り込む力と関係する、前腕屈筋群に効果があります。
ラジアルフレクションのやり方
- ダンベルを縦にし、下端を持つ
- 1の持ち方で両手にダンベルを持って立つ
- 手のひらを体に向けた状態で、腕は下ろす
- 手首を親指の方向に曲げ、ダンベルを持ち上げる
- ダンベルを元の位置へ戻す
- 4と5を繰り返す
ラジアルフレクションの目安は15回 × 3セットです。
テニスやバドミントンのバックハンドストロークに関係する、腕橈骨筋が鍛えられます。
7. ダンベルピンチ
ダンベルピンチは、ダンベルの端を持ち、指先でつまんだ状態をキープするトレーニングです。
握力の一種であるピンチ力を鍛えられます。
ダンベルピンチのやりかた
- ダンベルを縦にし、上の端を指全体で持つ
- 1を両手で行った状態で立つ
- ダンベルをつまんだままキープする
ダンベルピンチの目安は30秒 × 3セット。
指の力で持つのが、ピンチ力を鍛えるポイントです。
指先が疲れるので、ダンベルを足に落としてしまわないよう、注意してください。
ダンベルを使わずに握力を鍛えるメニュー5選
ここでは、ダンベルを使わずに握力を鍛えるメニューをご紹介します。
おすすめは、以下の5種目です。
- ハンドグリップ
- グーパー法
- 懸垂(チンニング)
- 本トレーニング
- タオル絞り
それぞれのやり方まで、かんたんに解説します。
1. ハンドグリップ
ハンドグリップは、握力トレーニングに特化した筋トレグッズです。
グリップを握り込む時バネによる負荷がかかり、効率的に鍛えられます。
負荷の強度やグリップの素材、負荷が調整できるタイプなど種類が豊富にあるため、ご自身の筋力やトレーニング環境に合ったものを選びましょう。
選ぶべき強度の目安は、自分の握力の70〜80%が理想です。
ご自分の握力がわからない場合は、世代別 握力平均値を参考に選ぶことをおすすめします。
2. グーパー法
グーパー法は、じゃんけんの「グー」と「パー」を交互に繰り返すトレーニングです。
握り込むグーの形だけでなく、パーの形で開く力も鍛えられます。
ダンベルなどの道具を必要とせず、日常の隙間時間でも取り組みやすい筋トレです。
グーパー法のやり方
- 両腕を横に広げる
- じゃんけんのグーの形に拳を握る
- パーの形に手を開く
- 2と3を繰り返す
グーパー法の目安は100回 × 3セットです。
握り込むグーの形が、クラッシュ力を強化します。
3. 懸垂(チンニング)
懸垂(チンニング)は、鉄棒やチンニングバーにぶら下がり、体を引き上げるトレーニングです。
背筋を鍛える方法として有名ですが、自分の体重を支える握力も必要です。
体を長時間支えることで、クラッシュ力だけでなく、ホールド力の強化も期待できます。
懸垂(チンニング)のやり方
- 鉄棒を握り、ぶら下がる
- 手幅は肩幅と同じ程度取る
- 鉄棒に胸を近づけるように、体を引き上げる
- 体をゆっくり下ろす
- 3と4を繰り返す
懸垂(チンニング)の目安は15回 × 3セットです。
握力を鍛えるのが目的であれば、ぶら下がるだけでも効果があります。
体を引き上げる筋力に不安がある場合は、30秒ぶら下がることから始めてみましょう。
4. 本トレーニング
本トレーニングは、重ねた数冊の本を両手で持つトレーニングです。
握り続けるホールド力の強化に適しています。
ダンベルが手元にない場合などに、取り入れやすい種目です。
本トレーニングのやり方
- 本や雑誌を数冊重ねて束をつくる
- 束が崩れ落ちないように握る
- 本の束を持ち上げ、握り続ける
本トレーニングは、腕の限界が来るまで握り続けましょう。
本がない場合は、雑誌でも代用できます。
5. タオル絞り
タオル絞りは、雑巾を絞る動きで握る力を鍛えるトレーニングです。
握り込むクラッシュ力に加え、手首をひねる動きで前腕筋群にも効果があります。
タオル絞りのやり方
- 乾いたタオルを用意する
- 腕を伸ばし、両手でタオルを握る
- 雑巾を絞る動きで、タオルを絞る
- 右手と左手のねじり方を反転して、絞る
タオルを折り畳んで太くすれば、よりクラッシュ力が鍛えられます。
手元にダンベルが用意できない時でも、取り組みやすいトレーニングです。
【まとめ】ダンベルで負荷をかけて握力を鍛えよう!
手首からヒジにかけた前腕部分にある、前腕筋群を鍛えるのが握力強化のコツです。
ひとくちに握力といっても、クラッシュ力・ピンチ力・ホールド力の3つの力があり、そのどれもダンベルで鍛えられます。
スポーツや筋トレ、日常生活でも必要な握力。
効率的に鍛えて、パフォーマンスをあげていきましょう。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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