「懸垂で大胸筋が筋肉痛になるのはなぜ?」
「あえて大胸筋に効かせる懸垂ってある?」
「正しい懸垂のフォームが知りたい!」
もしも懸垂をして大胸筋が筋肉痛になるなら、トレーニング方法が間違っているかもしれません。
なぜならチンニング(懸垂)は、背中や腕の筋肉を鍛えるメニューだからです。
間違ったトレーニング方法では、ケガのリスクも高まります。
しかし、あえて大胸筋に効かせるチンニング(懸垂)があるのも事実です。
そこでこの記事では
- チンニング(懸垂)で大胸筋が筋肉痛になる理由
- チンニング(懸垂)の正しいフォーム
- あえて大胸筋に効かせる3つのチンニング(懸垂)
について解説しています。
本記事を読むと、大胸筋に効くチンニング(懸垂)がわかり、効率的なトレーニングが実現できます。
チンニング(懸垂)で上半身全体を美しく鍛えあげるため、ぜひ最後までご覧ください。
チンニング(懸垂)で大胸筋が筋肉痛になる原因
本来チンニング(懸垂)は、大胸筋よりも背中を中心に鍛える筋トレです。
チンニング(懸垂)で、大胸筋が筋肉痛になる理由は3つあります。
- 猫背になっている
- 肩がすぼまっている
- グリップの手幅が狭い
3つに共通しているのは、広背筋がしっかり動かせていないということ。
広背筋を動かすには、肩甲骨を寄せる動きが重要です。
チンニング(懸垂)で大胸筋が筋肉痛になってしまう方は、肩甲骨の動きに気を付けてトレーニングするとよいでしょう。
チンニング(懸垂)で鍛えやすい筋肉
チンニング(懸垂)は、背中や腕の筋肉を鍛えやすいトレーニングです。
具体的には、以下の筋肉に刺激が入ります。
- 広背筋
- 上腕筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 三角筋
複数の筋肉を同時に鍛えられるため、効率がいいトレーニングです。
チンニング(懸垂)によって広背筋が発達すると、いわゆる逆三角形の身体が作られます。
正しいフォームのチンニング(懸垂)に挑戦して、逆三角形の背中を目指すのもよいでしょう。
チンニング(懸垂)の正しいフォーム
チンニングは広背筋を鍛えるのに適したトレーニングです。
広背筋は肩甲骨を寄せる動きと、肩をさげる動きを同時に行うことで収縮します。
トレーニングのやり方
- 肩幅とおなじ手幅で懸垂バーを握る
- 握り方は順手が基本(目線と同じ方向に手のひらを向ける)
- 反動は使わずに体を持ち上げる
- あごが懸垂バーより上にきたら1秒キープ
- ゆっくり体をおろす
チンニング(懸垂)の目安は10回×3セットです。
順手で取り組む理由は、腕を内旋する動きが広背筋に効くためです。
トレーニングのコツ
- 胸を突き上げるように体を持ち上げる
- おしりを突き出す
- 両足はクロスさせ、後ろに曲げる
胸を突きあげる動きを意識すると自然と肩甲骨が動き、広背筋に効くトレーニングになります。
またおしりを突き出した姿勢は、広背筋の収縮をサポートするのに最適です。
背中の動きに意識を向けると、広背筋に効いていると実感できるでしょう。
あえて大胸筋に効かせる3つのチンニング(懸垂)トレーニング
あえて大胸筋を鍛えたい方のため、3つのチンニング(懸垂)をご紹介します。
- ナローチンニング
- タイプライターチンニング
- ワイドグリップチンニング
それぞれの詳細を解説します。
1. ナローチンニング
ナローチンニングは、通常のチンニング(懸垂)と比べて手幅を狭くしたトレーニングです。
手幅の狭さに加えて、懸垂バーを逆手で握ることで大胸筋に負荷をかけていきます。
トレーニングのやり方
- 肩幅より狭い手幅で懸垂バーを握る(グリップは逆手)
- 懸垂バーを胸に引き寄せるイメージで体を持ち上げる
- 限界まであげたら1秒キープ
- ゆっくり体をおろす
トレーニングのコツ
- 反動を使わずに体を持ち上げる
- 引っ張る力を意識する
- 体をおろすときは、ゆっくりと
ナローチンニングは、かなり筋力を必要とするトレーニングです。
体が持ちあがらない場合は、ジャンプして体を持ちあげ、ゆっくりと体をおろすだけでも効果があります。
無理のない範囲でトレーニングしましょう。
2. タイプライターチンニング
タイプライターチンニングは、左右片側ずつ行うチンニング(懸垂)です。
腕の筋肉も必要とする、難易度の高いトレーニングです。
トレーニングのやり方
- 懸垂バーを順手で握る(親指は巻き込む)
- 手幅は肩幅の1.5倍
- 片腕の力だけで、体を持ち上げる
- 逆の腕は、懸垂バーに乗せたまままっすぐ伸ばす
- 顎を懸垂バーの上まで引きあげる
- ゆっくりと体を戻す
- 反対の腕も同じように行う
チューブを利用するなど、はじめは負荷を軽減した状態での挑戦をおすすめします。
もしくは低い鉄棒を使い、ジャンプをして体を持ちあげ、ゆっくりとさげる動きに集中してもよいでしょう。
トレーニングのコツ
- 必ずウォーミングアップする
- まずは軽く持ち上げることから始める
- 伸ばした腕は、手のひらで懸垂バーを押す
- おろすときはヒジから
肩に負担がかかるトレーニングなので、事前のウォーミングアップは必ず行ってください。
腕をぐるぐると回して肩のストレッチをしたり、懸垂バーにぶら下がり、腕を曲げずに肩甲骨だけを引き下げる運動も効果的です。
片腕の力では体が持ちあがらない方は、伸ばした腕が手のひらで懸垂バーを押して補助しましょう。
3. ワイドグリップチンニング
ワイドグリップチンニングは、手幅を肩幅より拳ふたつ分ほど広げて行うチンニング(懸垂)です。
両足を腰よりも後ろにさげることで、大胸筋へも負荷をかけるトレーニングとなります。
トレーニングのやり方
- 肩幅より拳2つ分外側を握る
- 持ち手は順手で、親指は外す
- 胸を張って、肩をおろす
- 顎を懸垂バーの上まで引きあげる
- ゆっくりとおろす
ワイドグリップチンニングの目安は、10回×3セット。
ゆっくりとおろしていくことも重要な動作です。力を加えながらさげていきましょう。
トレーニングのコツ
- 両足はクロスさせ、腰より後ろにさげる
- 肩をあげず、肩甲骨はさげる
手幅を広げると肩があがりやすいです。肩があがると肩甲骨もあがってしまい、トレーニングの効果が半減してしまます。
肩関節への負荷が大きいトレーニングですので、ケガをしないためにも、通常のチンニングから少しずつ幅を広げていくほうがよいでしょう。
チンニング(懸垂)をする際の4つの注意点
チンニング(懸垂)では注意するべきポイントが4つあります。
- 反動を使ってはいけない
- 強く握りすぎない
- 呼吸を意識する
- 毎日やってはいけない
それぞれの詳細を確認していきましょう。
1. 反動を使ってはいけない
チンニング(懸垂)では、反動を使ってはいけません。
反動を使うと、鍛えたい筋肉とは別の部位に力が入ってしまい、筋トレの効果が落ちてしまうからです。
ほかにも、フォームが乱れる原因になる、ケガのリスクも高まるなどのデメリットがあります。
どうしても反動を使ってしまうようであれば、回数を減らすか、別種目のトレーニングに切り替えをおすすめします。
2. 強く握りすぎない
懸垂バーは、強く握りすぎないように注意しましょう。
強く握りすぎると腕の筋肉を使いすぎてしまい、広背筋をうまく鍛えられません。
握るのではなく、支えるイメージが適切です。
3. 呼吸を意識する
チンニング(懸垂)は、呼吸のリズムも大切です。
体を持ち上げるときに息を吐き、おろすときに息を吸うようにしましょう。
呼吸を意識すると、筋トレの効果もアップします。
4. 毎日やってはいけない
チンニング(懸垂)を含め、筋トレは毎日やってはいけません。
筋肉は、ダメージを負うことと、休息とを交互に繰り返して肥大化するからです。
筋肉によって休息に必要な時間に違いがあり、大胸筋の場合72時間(3日)は休ませなければいけません。
効率的に鍛えたいのであれば、筋肉痛がまだあるうちはトレーニングを控えた方がよいでしょう。
チンニング(懸垂)4つのメリット
チンニング(懸垂)には、メリットもあります。
具体的には、次の4つです。
- 姿勢が良くなる
- 肩こり改善
- ボディバランスが整う
- 太りにくく・痩せやすくなる
ひとつずつ詳細を解説します。
1. 姿勢が良くなる
チンニング(懸垂)では、姿勢が良くなる効果が期待できます。
大胸筋や腹筋などの前面の筋肉と同時に、広背筋などの背中側の筋肉も鍛えられるからです。
懸垂棒にぶらさがるだけでも体がまっすぐ伸びるため、姿勢が良くなります。
2. 肩こり改善
チンニング(懸垂)のあとは血流が良くなり、肩こり改善の効果もあります。
筋肉量が増えるほど、血流も増えるため効率がアップします。
肩こり改善効果を高めるなら、筋トレとあわせてのストレッチがおすすめです。
3. ボディバランスが整う
チンニング(懸垂)では、ボディバランスも整います。
大胸筋だけではなく背中の筋肉も鍛えられるため、上半身全体にバランスよく筋肉がつくためです。
4. 太りにくく・痩せやすくなる
チンニングにより筋肉量が増えれば、太りにくく・痩せやすくなります。
筋肉量が増えると基礎代謝があがり、特に運動をしていなくてもより多くのエネルギーを消費するようになります。
なかでもチンニングで鍛えられる大胸筋や広背筋は、大きな筋肉なので特に効果が大きいといえます。
大胸筋を大きくする筋トレ以外の4つの要素
大胸筋を大きくするには、筋トレ以外にも意識した方がいいポイントがあります。
特に、次の4つは大切な要素です。
- オーバーカロリー
- タンパク質の摂取量を増やす
- 睡眠をしっかりととる
- お酒を控える
ひとつずつ解説します。
1. オーバーカロリー
大胸筋を大きくするには、オーバーカロリーが必須です。
オーバーカロリーとは、食事による摂取カロリーが毎日の消費カロリーを上回る状態のこと。
つまり筋肉を大きくするためには、カロリーの余分な摂取が重要です。
摂取カロリーを消費カロリーが下回ると、筋肉は大きくなりません。
大胸筋などの筋肉量を増やしたい場合は、消費カロリーより200~300kcal増やし、様子を見ながらカロリー量を調整するとよいでしょう。
2. タンパク質の摂取量を増やす
大胸筋を大きくするには、タンパク質の摂取量を増やすことも重要です。
筋肉はタンパク質でできており、食事などで意識的にタンパク質を摂取すると、筋トレ効果がさらに高まるからです。
目安として「体重×2~3g」のタンパク質を一日に摂取するとよいでしょう。
効率よくタンパク質を取り入れるには、プロテインがおすすめです。
3. 睡眠をしっかりととる
睡眠をしっかりとることは、筋肉を大きくするためにも大切です。
筋肉を増やすための成長ホルモンは、睡眠時に分泌されることがわかっています。
特に22時~2時の間は成長ホルモンが最も多く分泌され、ゴールデンタイムと呼ばれています。
筋肉の成長のためには、トレーニングと食事に加え睡眠にも気を配りましょう。
4. お酒を控える
筋トレ効果を最大化したいなら、お酒は控えた方がよいでしょう。
お酒を飲むときに分泌されるコルチゾールというホルモンが、糖を生み出すために筋肉を分解することがあるからです。
せっかく筋トレを行っても、分解されてしまってはもったいないですよね。
大胸筋を大きくするには、お酒を控えることをおすすめします。
【まとめ】懸垂で大胸筋が筋肉痛になるならフォームの見直しが必須
チンニング(懸垂)は、大胸筋よりも広背筋など背中周りに効果的な筋トレです。
大胸筋が筋肉痛になるなら、フォームの見直しをおすすめします。
あえて大胸筋に効かせるチンニング(懸垂)がしたければ、以下3つのトレーニングに取り組むとよいでしょう。
- ナローチンニング
- タイプライターチンニング
- ワイドグリップチンニング
食事・睡眠をしっかりとり、お酒を控えるとさらに効率がアップします。
チンニングにより上半身全体の筋肉を鍛え、バランスのよい体に仕上げていきましょう。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧下さい。