懸垂で得られる効果5選!1回もできない人向けにジムトレーナーが改善点を解説

この記事では、懸垂で得られる効果や正しい懸垂のやり方、注意ポイントなどを解説します。懸垂は体に良い影響を与えたり、ダイエット効果が期待できたりします。ただし、懸垂を闇雲にしてもトレーニング効果は見込めません。正しいフォームでする、反動を使わないなどを意識して行いましょう。懸垂をして体を鍛えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

「懸垂にはどんな効果があるの?」
「懸垂が1回もできない…どうしたらできるようになる?」
「懸垂にはどんなトレーニングの種類があるのか知りたい」
このようなお悩みを抱えていませんか?

懸垂は、バーなどにぶら下がり体を引き上げるトレーニングです。筋トレの中でも負荷が強く、難易度が高いことが特徴。

数あるトレーニングの中で、懸垂を行うメリットがあるのか気になる方もいるのではないでしょうか。腕や背中などを鍛えるなら、他の筋トレでも行えますよね。

そこでこの記事では、懸垂をすることで得られる効果を解説します。正しい懸垂のやり方や注意点なども解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

【メリット】懸垂で得られる5つの効果

懸垂で得られる効果は、主に以下の5つです。

  1. 筋力が向上する
  2. 姿勢改善が期待できる
  3. 基礎代謝が上がる
  4. 肩こりの緩和が見込める
  5. ボディメイクを行える

各メリットについて、詳しく解説します。

1. 筋力が向上する

懸垂を行うことで、筋力が向上します。

鍛えられる筋肉は、以下の通りです。

  • 広背筋
  • 三角筋
  • 上腕筋
  • 上腕二頭筋
  • 上腕三頭筋
  • 大胸筋

このように、上半身の筋肉に対してまんべんなくアプローチをかけられます。懸垂のやり方を工夫すれば腹筋も鍛えられ、1度のトレーニングで多くの部位の筋力アップが見込めます

2. 姿勢改善が期待できる

懸垂をすることにより、姿勢改善の効果が期待できます。

広背筋と腹筋を鍛えられるためです。この2つの筋肉は、正しい姿勢を保つのに必要とされています。

また器具にぶら下がることで、背中や肩のストレッチを行えることも特徴です。体が真っ直ぐ伸びることにより、猫背や巻き型などの改善が期待できます。

筋肉を鍛えられ、同時にストレッチもできる懸垂は、美しい姿勢を作るのにおすすめのトレーニングです。

3. 基礎代謝が上がる

懸垂を行うメリットは、基礎代謝が向上することです。基礎代謝が上がれば、普段の生活で消費されるカロリーが増え、ダイエット効果を高められます

消費されるエネルギー量の内訳は、以下の通りです。

  • 骨格筋:22%
  • 肝臓:21%
  • 脳:20%
  • 心臓:9%
  • 腎臓:8%
  • 脂肪組織:4%
  • その他:16%

参考:大正製薬「基礎代謝をあげるために大事な3つのこと

つまり、筋肉を鍛えることで基礎代謝が向上しやすくなるということです。

特に懸垂は、広背筋や大胸筋などにアプローチをかけられます。体の中でも大きな筋肉のため、鍛えることで効率良く基礎代謝を上げられます。

4. 肩こりの緩和が見込める

懸垂をすることで、肩こりの緩和が見込めます。トレーニングによって、肩周りをストレッチできるためです。

ストレッチで筋肉をほぐすことで、血流が良くなります。結果、肩こり改善効果が期待できます。

普段からパソコンやスマホを使う機会が多い人は、懸垂を取り入れるのがおすすめです。

5. ボディメイクを行える

懸垂で得られる効果は、ボディメイクを行えることです。トレーニングを重ねることで、広背筋を鍛えられます。

広背筋は、男性であれば逆三角形、女性であればくびれを作るのに必要な筋肉です。鍛えることで、体の外側のラインを作れます。

また、懸垂は上半身の前側と後ろ側を鍛えられるトレーニングです。体の前後にアプローチできるため、バランス良くボディメイクを行えます。

【難しい?】懸垂ができない理由4選

いざトレーニングを行うとしても、懸垂が難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。筋トレの中でも難易度が高いため、体をなかなか持ち上げられない人も珍しくありません。

そこで本項では、懸垂が思うようにできない理由を解説します。主に以下4点です。

  1. 体が重い
  2. 握力が弱い
  3. 筋力が不足している
  4. 体幹を使えていない

なお、懸垂が1回もできない人に向けての対処法は「【ジムトレーナー監修】懸垂ができない原因5選!改善方法やおすすめトレーニングを解説」にて詳しく解説しています。

1. 体が重い

懸垂は、上半身の力を用いて体全体を持ち上げる筋トレです。そのため、体重が重いと思うようにトレーニングできないことがあります。

適正体重をオーバーしている場合は、体重を減らしましょう。食事制限や運動を行い、消費カロリーが摂取カロリーを上回る工夫をします。

2. 握力が弱い

懸垂ができない場合、握力が弱いことが考えられます。バーを握るためには、ある程度力が必要です。

握力を強化するには、ハンドクリップを使ってトレーニングするのがおすすめです。安価なものであれば、1,000円程度で購入できます。

また、懸垂する際に痛みを感じれば、リストストラップなどのアイテムを利用しても良いでしょう。滑り止めの効果もあるため、トレーニングがしやすくなります。

3. 筋力が不足している

懸垂で体を持ち上げるためには、筋力が求められます。

主に、以下の筋肉が必要です。

  • 広背筋
  • 上腕筋
  • 上腕二頭筋
  • 上腕三頭筋
  • 三角筋

そのため、懸垂ができない場合は、筋力を向上させるところから始めましょう。プッシュアップやバックエクステンションなどのトレーニングを行うのがおすすめです。

4. 体幹を使えていない

体の軸がブレていると、思うように懸垂ができません。フォームが崩れてしまい、ケガに繋がることもあります。

懸垂をする際には、腕に意識が行きがちですが、体幹にも力を入れて行いましょう。

体幹を強化したい場合は、プランクやクランチなどのトレーニングをします。おすすめ筋トレや効率的な鍛え方は「おすすめの体幹トレーニング7選&より効率良く鍛える3つのポイントを解説!」にて解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

懸垂の効果を高めるための注意ポイント6

懸垂はやり方によっては、効果があまり感じられない場合があります。そのため、トレーニングを行う際には、いくつか気を付けるポイントがあります。

主な注意点は、以下6点です。

  1. 正しいフォームで行う
  2. 難易度を少しずつ上げる
  3. 呼吸を止めずに行う
  4. 反動を使わない
  5. バーを強く握りすぎない
  6. 毎日は行わない

懸垂の効果を高め、効率良くトレーニングを行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 正しいフォームで行う

懸垂を行う際には、正しいフォームを意識しましょう。効果的に筋肉を鍛えられるためです。

間違ったフォームで懸垂を行った場合、ケガに繋がる可能性もあります。トレーニングに慣れてくると、姿勢が崩れがちです。そのため、定期的に懸垂のフォームを見直しましょう。

正しい懸垂のフォームは、本記事中の「【フォームが重要】正しい懸垂のやり方」にて解説しています。

2. 難易度を少しずつ上げる

懸垂をする際には、難易度を少しずつ上げていきましょう。

懸垂ができない状態からトレーニングをしても、フォームが崩れたり、体に負担がかかりすぎたりします。そのため、初心者は無理のない範囲で行うことをおすすめします。

地面に足を付けて行う斜め懸垂など、難易度の低いものからチャレンジしてみましょう。

3. 呼吸を止めずに行う

懸垂を行う際には、呼吸を止めないよう注意します。息を止めた状態で筋トレをすると、体に酸素が行き渡らなくなるためです。

トレーニング効果が落ちるだけでなく、体や心臓に大きな負担がかかります。つまり、筋トレをする際には、呼吸を意識的に行うことが重要です。

懸垂では、体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに吸いましょう。

4. 反動を使わない

懸垂をする際には、体の反動を使わずにトレーニングしましょう。鍛えたい筋肉にアプローチできないためです。

トレーニング効果を高めるためには、背中の筋肉を使うことを意識して行ってみてください。なお、反動は使わないと懸垂ができない場合は、筋力不足などが考えられます。

5. バーを強く握りすぎない

懸垂の効果を高めるためには、バーを強く握りすぎないよう注意します。腕に力が入り、広背筋を上手く鍛えられないためです。

バーを握るというよりは「支える」というイメージを持ちましょう。握力不足でどうしても腕に力が入る場合は、チューブを使って補助するという方法もあります。

6. 毎日は行わない

懸垂は、毎日行わないよう気を付けましょう。筋肉を鍛えるためには、トレーニング後に休息日を設けることが大切だからです。

毎日筋トレすることで、筋肉に負担がかかりすぎてしまい、ケガのリスクが高まります。体を鍛えたいと思い毎日トレーニングをしても、かえって逆効果になってしまうということです。

懸垂の効果を高めるには、3日程度の間を開けて行いましょう。

【フォームが重要】正しい懸垂のやり方

懸垂の効果を高めるには、正しいやり方で実践することが大切です。自己流で行っても、思うような効果が期待できなかったり、ケガをしたりする可能性があります。

そのため、正しい懸垂のやり方を覚えておきましょう。

<懸垂のやり方>

  1. 手のひらが自分に向くようバーを握る(手幅は肩幅と同じ)
  2. 肩甲骨を意識しながら、顎がバーと同じ高さになるまで体を持ち上げる
  3. 限界まで持ち上げたら、上体を2~3秒キープする
  4. 元の姿勢にゆっくりと戻す

10回×3セットを目安に行います。

懸垂のフォームやバーの握り方について詳しく知りたい方は「正しい懸垂のやり方をプロが解説!トレーニング方法や効果を高める5つのポイントとは?」をチェックしてみてください。

トレーニングにおすすめの懸垂の種類6選

懸垂と一言でまとめても、トレーニング方法は様々です。種類によってアプローチできる部位が異なるため、組み合わせて行うと良いでしょう。

主な懸垂の種類は、以下6つです。

  1. 順手懸垂
  2. 斜め懸垂
  3. ナローチンニング
  4. ワイドグリップチンニング
  5. L字懸垂
  6. 片手懸垂

各トレーニングのやり方や鍛えられる部位を紹介します。

1. 順手懸垂

順手懸垂は、手の甲を自分側に向けて行うことが特徴です。広背筋の上部にアプローチをかけられます。

<順手懸垂のやり方>

  1. 手の甲を自分側に向け、バーを肩幅より広めに握る
  2. 足を使い、地面を軽く蹴り上げる
  3. 顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げる
  4. 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
  5. 元の姿勢にゆっくり戻す
  6. 10回×3セットを目安に行う

順手懸垂を行う際には、体を持ち上げるときに手首を捻らないように注意しましょう。

2. 斜め懸垂

斜め懸垂は、足を地面に付けて行うトレーニングです。負荷が少なく、懸垂ができない人にもおすすめ。

<斜め懸垂のやり方>

  1. 手の甲を自分側に向け、バーを肩幅より広めに握る
  2. 足を地面に付けたまま肘を伸ばす、バーにぶら下がるイメージで体を斜めにする
  3. 肘を脇腹に付けるように曲げる
  4. 限界まで引き付けたら元の姿勢にゆっくり戻す
  5. 10回×3セットを目安に行う

斜め懸垂に慣れてきたら、体を徐々に傾けて負荷を調節しましょう

3. ナローチンニング

ナローチンニングは、手の幅を狭くして行う懸垂です。上腕二頭筋や大胸筋へアプローチをかけられます。

<ナローグリップチンニングのやり方>

  1. 手のひらが自分に向くようにバーを握る
  2. 手幅は拳1個分にする
  3. 肩甲骨を寄せるイメージで、胸にバーが付くまで体を引き付ける
  4. 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
  5. 元の姿勢にゆっくり戻す
  6. 10回×3セットを目安に行う

ナローグリップチンニングは、ある程度の握力が必要です。手が滑りバーを上手く掴めない場合は、リストストラップやグローブなどのアイテムを利用しましょう。

4. ワイドグリップチンニング

ワイドグリップチンニングは、手の幅が広くとることが特徴です。背筋全体を鍛えられます。

<ワイドグリップチンニングのやり方>

  1. 手のひらが自分に向くようにバーを握る
  2. 腕と肘が90度になるイメージで、手幅をかなり広めに取る
  3. 肩甲骨を寄せる意識を持ち、胸がバーに付くまで体を引き付ける
  4. 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
  5. 元の姿勢にゆっくり戻す
  6. 10回×3セットを目安に行う

トレーニングをする際には、顔を上下させないように注意しましょう。顔に合わせて腰が曲がるため、ケガや痛みの原因となる可能性があります。

5. L字懸垂

L字懸垂は、腹直筋などお腹周りを鍛えられるトレーニングです。通常の懸垂よりも難易度が高いですが、全身にアプローチをかけられます。

<L字懸垂のやり方>

  1. 手のひらが自分に向くようにバーを握る
  2. 足を地面に付けたまま、体を持ち上げる
  3. 両足を上げて、体で「L字」を作る
  4. 顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げる
  5. 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
  6. 元の姿勢にゆっくり戻す
  7. 10回×3セットを目安に行う

L字懸垂は、難しめのトレーニング。そのため、最初は少ない回数から始めて、徐々に増やしていきましょう

6. 片手懸垂

名前の通り、片手だけを使用して行う懸垂です。広背筋だけでなく、握力強化も期待できるトレーニング。

<片手懸垂のやり方>

  1. 手のひらが自分に向くように、片手でバーを握る
  2. バーを握っていない手は、腰の後ろに置いておく
  3. 顎がバーに付くまで体を引き付け、2~3秒キープする
  4. 肘を伸ばしきらないよう注意しながら、体をゆっくりと下す
  5. 10回×3セットを目安に行う

片手懸垂は、難易度が高く上級者向けです。通常の懸垂を連続で30回程度できるようになってから挑戦しましょう。

まとめ

懸垂を行うメリットは、以下の通りです。

  • 筋力が向上する
  • 姿勢改善が期待できる
  • 基礎代謝が上がる
  • 肩こりの緩和が見込める
  • ボディメイクを行える

このように体に良い影響を与えたり、ダイエット効果が期待できたりします。

ただし、懸垂を闇雲にしてもトレーニング効果は見込めません。正しいフォームでする、反動を使わないなどを意識して行いましょう。

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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