「懸垂の回数を増やすコツを知りたい」
「懸垂が1回もできないときはどうしたらいい?」
このように、今よりも懸垂ができるようになるコツを探していませんか?
腕の力だけで自分の体を支える懸垂は、誰もがすぐにできる簡単なトレーニングではありません。最初から懸垂ができる人でも、回数を増やすと苦戦することは多くあります。
そこでこの記事では、以下について解説します。
- 中・上級者が懸垂の回数を増やすためのコツ
- 懸垂ができないときに考えられる原因と初心者向けのコツ
- 懸垂に取り組む前に知っておくべき注意点
コツを知って今よりも多く懸垂をできるようになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください!
中級者が懸垂の回数を増やすためのコツ
すでに懸垂が何回かできる方に向けて、さらに回数を増やすためのコツを紹介します。
- 最初は少ない数を目標にして徐々に回数を増やす
- 懸垂以外のメニューで上半身を鍛える
順に確認していきましょう。
1. 最初は少ない数を目標にして徐々に回数を増やす
回数を増やすためにおすすめの方法は、少しずつ目標を上げていくことです。いきなり10回などを目標にすると、なかなか達成できず挫折する可能性が高いからです。
あまり多くの回数ができない方は、以下のようなイメージで回数を増やしていきましょう。
- まずは3回
- 次は5回
- その次は8回・10回
目標を少しずつ上げていけば、いずれ8回・10回と多くの数をこなせるようになります。
コツコツ継続すれば筋力は間違いなく成長するので、最初は小さな数を目標にして徐々にできる回数を増やしていきましょう。
2. 懸垂以外のメニューで上半身を鍛える
なかなか回数を増やせない場合は、上半身の筋肉を鍛えるのもおすすめです。懸垂では以下のような筋肉を使うので、筋力が不足しているとこなせる数に限界があるからです。
- 広背筋
- 三角筋
- 上腕筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 大胸筋
懸垂で使用するのは、手首や腕周りの筋肉だけではありません。
肩や背中などの筋力が不足していると体を支えられないので、懸垂の回数を増やすのに苦戦している場合は上半身の筋肉を鍛えましょう。
なお、広背筋や上腕二頭筋を鍛える方法は、以下の記事で解説しています。
自宅でもできる自重トレーニングを紹介しているので、上半身の鍛え方がわからない方はぜひご覧ください。
▼広背筋の自重の内部リンク
▼上腕二頭筋の自重の内部リンク
上級者におすすめな自衛隊式懸垂のコツ’
次にこの章では、筋トレ上級者の方におすすめな自衛隊式懸垂のコツを紹介します。
- 基本のやり方を正しく理解する
- 反動を使わない
- 体を下ろすときに肘を伸ばし切る
非常にハードな懸垂ですが、その分大きな効果が期待できることは間違いありません。
より効果的な懸垂に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
1. 基本のやり方を正しく理解する
まずは、自衛隊式懸垂の基本的なやり方を理解しましょう。
誤ったやり方でトレーニングをしても、適切な効果は期待できないからです。
自衛隊式懸垂の基本的なやり方は、以下のとおりです。
<トレーニングのやり方>
- 手を肩幅に開き、順手(手の甲を上にする握り方)で鉄棒を握る
- 顎がバーを越えるまで体を持ち上げる
- 4秒に1回のペースで体の上げ下げを繰り返す
自衛隊式懸垂は、自衛官の方でも最低8回が合格ラインといわれています。合格ラインの回数が少なめであることから、トレーニングのハードさがよくわかるでしょう。
2. 反動を使わない
自衛隊式懸垂で体を鍛えるなら、反動は使わないように意識してください。反動を使うと、体を持ち上げるのに必要な筋力が少なくなり、得られる効果が少なくなります。
なお、反動を使わないほうがよいのは、通常の懸垂でも同様です。
より効果的なトレーニングをしたい方は、筋肉の力だけで体を支えましょう。
3. 体を下ろすときに肘を伸ばし切る
体を下ろすときに、肘を伸ばし切ることも重要なポイントです。
毎回肘を伸ばし切ったほうが、次に体を持ち上げる際に大きな負荷がかかるからです。
筋トレ初心者の方は、以下を目的に懸垂に取り組む方が多いでしょう。
- 懸垂ができるようになること
- 回数を増やすこと
上記が目的の方は挫折する恐れがあるので、肘を伸ばすことはあまり気にする必要はありません。しかし自衛隊式懸垂に取り組む上級者の方は、より効果的な筋トレをするために強い負荷がかかるトレーニングをすべきです。
自分が理想とする体を手に入れたい方は、よりハードな懸垂に取り組みましょう。
懸垂ができない3つの理由
ここからは現時点で懸垂ができない方に向けて、原因や対処法を紹介していきます。
まず懸垂ができないときには、何が原因で苦戦しているのかを考えましょう。
原因が明確にならないと、何を改善すべきかがわからないからです。
懸垂ができない理由として多いものは、以下の3つです。
- 体重が重い
- 握力・筋力が不足している
- 誤ったフォームでおこなっている
それぞれ詳しく解説するので、自分に当てはまる特徴がないか確認しつつ読み進めてみてください。
1. 体重が重い
まず考えられるのは、体重が重いことです。自重トレーニングである懸垂では、自分の体重を負荷にして体を鍛えます。ゆえに体重に比例して負荷が大きくなるので、体重が重い場合はより多くの筋肉がないと懸垂ができません。
たとえば体重70kgの人は、体重50kgの人よりも20kg分多くの力を必要とします。体重の差によって、懸垂の難易度が変わることは明白でしょう。
懸垂ができない原因として体重が考えられる場合は、まずは体を軽くするために努力することをおすすめします。
2. 握力・筋力が不足している
2つ目は、握力・筋力が不足していることです。筋肉だけで自分の体を支える懸垂は、筋力が足りないと1回もできません。仮に体重が軽くても、体を支える力がないと懸垂はできないので注意が必要です。
なお、バーを握った状態を長時間キープできない場合は、握力が不足している可能性が高いです。この場合はリストストラップなどを使って、グリップを補助しつつ懸垂に挑戦してみるとよいでしょう。
3. 誤ったフォームでおこなっている
体重や筋力に問題がない場合は、正しいフォームでできているか確認してみてください。
誤ったフォームでは負荷が強くなりすぎていたり、力が入りにくかったりして、通常の懸垂よりも難易度が上がっている可能性があります。
よくあるミスは、バーの握り方やバーを持つ手幅などです。
正しいやり方で実践するとすぐにできるようになることも多いので、前述の原因に心当たりがない方は、フォームに問題がないか見直してみるとよいでしょう。
そのほかに考えられる原因については、以下の記事で解説しました。
それぞれ対処方法も紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
▼懸垂できないの内部リンク
【要確認】懸垂の正しいやり方
現時点で懸垂ができない方は、正しいやり方についても確認しておきましょう。
懸垂ができない方のなかには、誤ったやり方で実践している方も多くいるからです。
懸垂の正しいやり方は、以下のとおりです。
- 自分側に手のひらを向けて、バーを握る
- 手幅は肩幅と同じくらいにする
- 肩甲骨を寄せながら、顎がバーと同じ高さになるまで体を持ち上げる
- 持ち上げた状態で、2〜3秒くらいキープする
- 肘を伸ばし切らないように、元の姿勢に戻す
目安は、10回×3セット。適切なフォームでできているか自信がない方は、改めて正しいやり方を頭に入れておきましょう。
懸垂のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。バーの握り方やおすすめのメニューなども紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
▼懸垂のやり方の内部リンク
初心者や女性が懸垂をできるようになるコツ
続いては、現時点で懸垂が1回もできない初心者の方におすすめのコツを紹介します。
- 地面を蹴って体を持ち上げる
- 椅子やアシスト台などを用いる
- グローブを着用する
「何度も挑戦しているけどできそうにない…」と困っている方は、ぜひ参考にしてください。
1. 地面を蹴って体を持ち上げる
基本的な懸垂ができない場合は、脚力を利用してみましょう。地面を蹴って体を持ち上げると、腕の力だけで体を支える場合よりも必要な筋力が少なく済みます。
脚力を利用して1回でもできるようになれば、同様のトレーニングを繰り返すことで徐々に懸垂に慣れてきます。継続すれば通常の懸垂もできるようになるので、まずは地面を蹴って体を持ち上げられないか試してみてください。
2. 椅子やアシスト台などを用いる
物理的な補助を使って懸垂に挑戦するのもおすすめです。椅子やアシスト台などを用いると、通常の懸垂よりも少ない力で体を支えられます。
1つ目の方法と同様に、繰り返しおこなえば筋力が向上します。補助を用いても苦戦する場合は、地面を蹴って脚力も利用してみるとよいでしょう。
3. グローブを着用する
トレーニンググローブを着用して、握力を補助するのも効果的です。
グローブには滑り止めがついたものが多いので、懸垂に取り組む際に着用すればより安定した状態で体を支えられます。
直接バーを握らないので、マメができるのも防げます。道具一つで改善する方も多くいるので、これまで素手で懸垂をおこなっていた方はぜひグローブを着用してみてください。
【補足】懸垂で背中を鍛える際のコツ
懸垂に取り組む方のなかには、背中を鍛えることを主目的とする方が少なくありません。
そこで本章では、懸垂で背中を鍛える際のコツについて解説します。
- 順手握りで懸垂をする
- 肩幅より広い位置でバーを握る
- 体を持ち上げる際に目線を少し上げる
通常の懸垂でも背中は鍛えられますが、より効率的なトレーニングをするにはコツを押さえておくことが必須です。3つのコツについて詳しく解説します。
1. 順手握りで懸垂をする
懸垂は、バーを順手・逆手のどちらで握るかで強く負荷がかかる筋肉が変わります。
背中を鍛えたいときには、順手(手の甲を上にする握り方)で懸垂をするのが効果的です。
逆手でも背中に負荷はかかりますが、順手で握った場合よりは効果が薄いです。
背中の筋トレを目的に懸垂に取り組む場合は、順手握りでおこないましょう。
2. 肩幅より広い位置でバーを握る
背中を鍛えたい場合は、肩幅より広い位置でバーを握るように意識してください。
手幅を広げたほうが、広背筋により大きな負荷がかかるからです。
ただ極端に広い位置で握ると、広背筋の一部分しか刺激できません。
一つの目安として、肩幅の1.5倍程度の位置でバーを握るのがおすすめです。
3. 体を持ち上げる際に目線を少し上げる
体を持ち上げる際に目線を上げると、広背筋に力を入れやすくなります。
そのため少し目線を上げることを意識すると、背中をより効率的に鍛えられます。
反対に目線を下げてしまうと、うまく力を入れられずケガにもつながりかねません。
安全かつ効果的なトレーニングをおこなうためにも、懸垂で体を持ち上げる際には目線を少し上げましょう。
コツを知った上で懸垂に取り組む際の注意点
では最後に、懸垂に取り組む際の注意点を紹介します。
- 呼吸することも意識する
- 毎日はおこなわない
これらの注意点を理解していないと、コツを知ってもなかなか成果が出ません。
またケガをするリスクもあるので、懸垂に取り組む前に頭に入れておきましょう。
1. 呼吸することも意識する
懸垂などの筋トレで負荷を感じるときには、呼吸を止めがちです。
しかし筋トレは、正しい呼吸法を意識することでより高い効果が期待できます。
懸垂における正しい呼吸法は、以下のとおりです。
- 体を持ち上げるとき:息を吐く
- 体を下ろすとき:息を吸う
繰り返し意識して取り組めば、無意識に上記の呼吸ができます。
トレーニング効果を高めるためにも、適切なタイミングで呼吸をしましょう。
2. 毎日はおこなわない
懸垂は毎日おこなわないで、休息日を設けてください。
筋肉を成長させるには、トレーニング後に休息の時間が必要だからです。
高頻度で懸垂に取り組むと、疲労が蓄積してしまいケガをするリスクもあります。
安全かつ効率的に体を鍛えたい方は、3日程度の時間を開けてトレーニングしましょう。
まとめ
懸垂の回数を増やすコツや、1回もできないときに考えられる原因などを紹介しました。
最後にここまでの内容をまとめます。
- 懸垂の回数を増やすには、目標を小さく設定したり上半身を鍛えたりするとよい
- 懸垂ができないときには、まずは苦戦している原因を考えるべき
- 懸垂に取り組む際には呼吸を意識したり、休息日を設けたりすることも重要
懸垂ができない方の多くは、体重や筋力・トレーニングのやり方に問題があります。
ただ、自分のレベルに合ったコツを意識すれば、今より懸垂の回数を増やすことは決して難しくありません。
懸垂は、筋力アップや姿勢改善などが期待できる優れたトレーニングです。
現段階で1回もできない方もコツを意識して懸垂に取り組み、ぜひ自分が理想とする体を手に入れてください。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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