【プロが解説】ワイド懸垂のコツ6つ!おすすめのトレーニングも紹介

筋トレの中でも強度の高いワイド懸垂。上級者向けのトレーニングなので、なかなかできない方も多いでしょう。この記事では、ワイド懸垂のコツやできないときの対策を解説します。筋力の少ない方や女性でも取り組める方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

「ワイドグリップにすると懸垂ができない…」
「正しいトレーニング方法が知りたい」

さまざまな部位を鍛えられる懸垂ですが、やり方を間違えるとうまくできませんよね。とくにワイドグリップは難しいので、キツいと感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、

  • ワイドグリップで懸垂ができない理由
  • 正しいやり方
  • 成功させるコツ
  • おすすめのトレーニング方法

について解説します。

筆者はジムでトレーニングを指導するプロです。ぜひ日々のトレーニングの参考にしてください。

ワイドグリップの懸垂がきつい!できない2つの理由

ワイドグリップで行う懸垂ができないのは、理由があります。

次の2つです。

  1. 筋力が足りていない
  2. やり方が間違っている

順に説明します。

1. 筋力が足りていない

筋力が足りていない場合、もちろんですが体を持ち上げられません。
普通の懸垂よりもワイドグリップは負荷がかかりやすいからです。

筋力がない場合、今すぐはできませんが、筋力を増やせばできるようになります。

普通の懸垂を継続し、筋力を上げていきましょう。

2. やり方が間違っている

ただやり方を間違えている場合もあります。効果が出にくいだけでなく、怪我もしやすくなるので、必ず正しい方法で行う方が良いです。

ワイドグリップ懸垂の正しいやり方については、次の章で解説します。

ワイドグリップで懸垂するときの正しいやり方

ワイドグリップで懸垂をする際の正しいやり方を紹介します。

ここでは、

  • 正しいフォーム
  • トレーニング内容

それぞれについて説明します。

ワイドグリップ懸垂のフォーム

ワイドグリップで懸垂を行う際の正しいフォームです。

  1. チンニングバーは肩幅より少し広めに握る
  2. バーにぶら下がって脱力する
  3. 足は後ろに曲げる
  4. 背中を意識しながらグッと上体を引き上げる
  5. バーに顎をつけたらゆっくり戻る

懸垂の際は正しいフォームが非常に大切です。

とくに足は後ろに曲げておくようにします。こうするとお尻にある大殿筋が収縮するため、広背筋をしっかりと鍛えられます。

またバーを握る際は、背中に効かせるためにもオーバーグリップで握りましょう。上からバーを包むように握るやり方です。

下から握るアンダーグリップにすると背中よりも腕に効きやすくなるので、注意してください。

ワイドグリップ懸垂のトレーニング内容

トレーニング内容を紹介します。

先ほどのフォーム4・5を10~20回繰り返し、1セットです。
これを3セット繰り返し、インターバルとして1分間の休憩を挟みながら行ないます。

できない方は回数をこなすのではなく、時間で取り組むのもおすすめです。

40秒間トレーニング→20秒休憩など、できる範囲で取り組んでみましょう。

ワイドグリップの懸垂で効果を高めるコツ6つ

ワイドグリップで懸垂をする際、効果をより感じるためのコツが6つあります。

  1. 胸を張る
  2. 脚は後ろに回す
  3. 順手(オーバーグリップ)で握る
  4. 小指側に力を入れる
  5. 下がるときはゆっくりと
  6. 肩回りの筋肉をほぐす

くわしく解説しますので、参考にしてください。

1. 胸を張る

胸を張りましょう背中の筋肉にしっかり負荷をかけるためです。

胸を張ると、背中の筋肉が収縮しやすくなり、上手に動かせるようになります。逆に胸を張らないと背中の筋肉がうまく使えなくなってしまいます。

懸垂の効果を高めるためには、胸を張るようにしましょう。

2. 脚は後ろにまわす

脚は後ろにまわします。大殿筋が固定されることで、広背筋により刺激を与えられるからです。

広背筋は背中に広い筋肉で、お尻の大殿筋につながっています。大殿筋が固定されると広背筋が収縮しやすくなり、懸垂の効果もアップします。

足を上げて大殿筋を固定するため、懸垂の際は必ず足を曲げましょう。

3. 順手(オーバーグリップ)で握る

チンニングバーはオーバーグリップで握るようにしましょう。オーバーグリップで握ることで、より背中を鍛えられるようになります。

オーバーグリップとは、バーを上から握る方法です。逆に下から握る方法はアンダーグリップと言い、二の腕に負荷がかかりやすくなります。

懸垂で効率的に背筋を鍛えたい方は、オーバーグリップで握るようにしましょう。

4. 小指側に力を入れる

小指側に力を入れるようにすると、懸垂の効果を感じやすくなります。親指側に力を入れると、二の腕に負荷が逃げてしまうので注意しましょう。

背中を鍛えるためにワイドグリップの懸垂をするのであれば、小指側に力をかけることをおすすめします。

5. 下がるときはゆっくりと

引き上げた体を下に下ろすときは、ゆっくり行うことも大切です。筋肉を伸ばすときに勢いに任せてしまうと、せっかくの負荷が逃げてしまいます。

懸垂は体を持ち上げるときよりも、下げるときの方が背中に効いています。

トレーニング中は常に筋肉を使えるよう、下がるときも力を抜かないようにしてくださいね。

6. 肩回りの筋肉をほぐす

肩回りの筋肉が固まっていると、うまく懸垂ができません。効果が薄れるだけでなく、怪我につながる可能性もあるので、必ずほぐしてから取り組むようにしましょう。

肩回りのストレッチでおすすめの方法は「肩回し」です。

  1. 両手を肩の上にのせる
  2. そのまま腕を大きくまわす
  3. 前と後ろそれぞれ30回ずつまわす

くわしいやり方は順天堂大学のYouTubeを参考にしてください。

どうしてもできないときのおすすめトレーニング3選

ワイドグリップで懸垂を行う際に鍛えられるのは、大胸筋と背筋(広背筋・僧帽筋・大円筋)、上腕二頭筋です。ワイドグリップで懸垂を行うと一気に鍛えられますが、筋力がないうちは少し難しいですよね。

そこでおすすめしたいのが、各部位の筋肉を鍛えてから、ワイドグリップ懸垂に挑戦することです。

大胸筋と背筋(広背筋・僧帽筋・大円筋)に効くトレーニングを紹介します。

  1. ラットプルダウン
  2. ワンハンドローイング
  3. 初心者向けの懸垂

1. 広背筋を鍛えたいならラットプルダウン

広背筋を鍛えたいのであれば、ラットプルダウンがおすすめです。
懸垂よりも負荷が少ないので、初心者も取り組みやすいトレーニングになります。

ジムに行けない方は自重トレーニングで鍛えられます。

やり方は以下の通りです。

  1. 椅子に座る
  2. フェイスタオルを両手で持ち、肘が伸び切るまで上に上げる
  3. タオルが頭の後ろを通るように下げる
  4. 2・3を20回ほど繰り返す

下ろしたときに肘がグッと寄り合うように意識すると効果を感じやすいです。

2. 大円筋に効くワンハンドローイング

大円筋を鍛えるのにおすすめのトレーニングがワンハンドローイングです。

ダンベルなどを用いてウェイトを調整しましょう。

やり方は以下の通りです。

  1. 鍛える方と反対の手と足はベンチにのせる
  2. 鍛える方の腕でダンベルを持ち、背中をまっすぐに維持しながら腕を90度に曲げる
  3. 腕を元の位置にゆっくり戻す
  4. 2・3をゆっくり繰り返す

脇が開くと負荷が逃げるので、体側に添うように持ち上げましょう。

3. 初心者向けの懸垂

ワイドグリップどころか、普通の懸垂もできない…という方は、ネガティブ懸垂がおすすめです。ネガティブ懸垂とは、上がるときはジャンプで体を上げ、降りるときに自分の体を支えて筋肉を刺激するやり方です。

体を降ろす際は筋肉が伸びるときであり、収縮させるときよりも負荷がかかります

懸垂で体を持ち上げるのが難しいという方は、ぜひチャレンジしてみてください。

懸垂の気になるQ&A

最後に懸垂の気になる疑問についてお答えしていきます。

  • ワイドとナローの違いは?
  • 怪我をしやすいって本当?
  • ワイドグリップで何回できれば効果がある?

について回答しているので、ぜひ参考にしてください。

懸垂のワイドとナローの違いは?どっちが効くの?

懸垂のワイドとナローの違いは、バーを握るときの手幅です。

ワイドは肩幅よりも広く、ナローは肩幅と同じくらいの位置で握ります。

ワイドで握った方が背中全体に効果を感じやすいです。
ナローの場合は腕に効果が出やすいので、背中を重点的に鍛えたいときには不向きでしょう。

ワイドグリップ懸垂は怪我をしやすいって本当?

ワイドグリップの懸垂に限らず、筋トレは正しいフォームで行わなければ怪我をする可能性は大いにあります。とくに筋肉への刺激が強いワイドグリップ懸垂では、無理に行うことで体を傷めてしまうかもしれません。

トレーニング初心者の方は、正しいフォームを意識して行うようにしましょう。

いまいち分からないときは、パーソナルジムなど専門家の元でトレーニングを受けることをおすすめします。

ワイドグリップの懸垂は何回できればいい?

ワイドグリップの懸垂は、10~20回を3セットほどで十分です。初心者の方は、10回クリアできることを目標に取り組みましょう。

まったくできないときは、ネガティブ懸垂で筋力アップを目指します。無理をしないこと、少しずつ強度をあげていくことが継続のポイントです。

まとめ

ワイドグリップの懸垂は負荷が大きいので、絶対に無理をしないようにしましょう無理に続けたりおかしなフォームだったりすると、怪我につながる可能性もあります。

普通の懸垂ができるけどワイドグリップだと難しいという方は、広背筋や大円筋を鍛えられる種目に取り組むのがおすすめ。筋肉はトレーニングを続ければ必ず大きくなっていきます。

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。