「筋トレしたらお酒を飲んではいけない」
「筋トレ中でもお酒が飲みたい!」
「筋トレ中にお酒を飲むなら気を付けておくべきことは?」
筋トレ中の飲酒について、あなたはこんなふうに悩んではいませんか?
筋トレで体を鍛えているものの、どうしてもお酒が飲みたいと思うお酒好きの人は少なくないでしょう。
結論からお伝えすると、筋トレ中にアルコールを飲むのは控えたほうが良いです。
とはいえ、どうしても飲みたい場合があるのもよくわかります。そういった時は、自分にとっての適量を守って楽しむことが大切です。
この記事では、筋トレ中にお酒を飲みたい人に向けて、以下の内容をまとめました。
- アルコールが筋トレに与える影響
- 筋トレ後にお酒を飲むときのポイント
- 筋トレ前の飲酒について
この記事を読めば、適切なお酒の飲み方がわかり、筋肉に与える悪影響を最小限に抑えながらお酒を楽しむことができるようになるでしょう。
筋トレとお酒を両立させたいという人は、ぜひ参考にしてください。
アルコールが筋トレに与える影響は?
アルコールが筋肉、筋トレに与える影響は、少なくありません。
具体的にまとめると、以下の通りです。
- テストステロンが減少する
- タンパク質がアルコールの分解に使われる
- 筋肉が分解される
- 睡眠が浅くなり筋肉が修復されにくくなる
- 体脂肪が増える
筋トレ中にアルコールを摂取する際は、上記の影響について知った上で摂取することをおすすめします。
それでは順番に見ていきましょう。
テストステロンが減少する
アルコールが筋トレに与える影響の1つ目は、「テストステロンが減少する」ことです。
テストステロンは男性ホルモンの一種で、タンパク質を合成して筋肉になるのを助けるという役割を持っています。
アルコールを過剰に、または慢性的に摂取すると、テストステロンが減少して筋トレのパフォーマンスが下がってしまいます。
特に、飲み会で一気にたくさん飲んでしまったり、アルコールを摂取することが習慣になっていたりすると、筋肉に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
タンパク質がアルコールの分解に使われてしまう
アルコールが筋トレに与える影響の2つ目は、「タンパク質がアルコールの分解に使われてしまう」ことです。
タンパク質は、筋肉量を増やしたり、筋トレで傷付いた筋肉を修復したりする役割があります。
アルコールを分解する酵素はタンパク質によって作られているため、アルコールを過剰摂取すると、タンパク質がアルコールの分解に使われてしまいます。
つまり、トレーニングしても筋肉がつきにくくなってしまうのです。
特に、筋トレをしてすぐの飲酒は避けたほうが良いでしょう。
筋トレ直後は筋肉の合成や修復が活発に行われているため、タンパク質が不足してしまいがちになります。
アルコールを過剰摂取すると、筋肉にとって必要なタンパク質がアルコールの分解に使われてしまうため、筋肉にとっては悪影響です。
筋肉が分解される
アルコールが筋トレに与える影響の3つ目は、「筋肉が分解される」ことです。
アルコールを摂取すると、ストレスホルモンの一種であるコルチゾールが分泌されます。
(参考:飲酒と動脈硬化系疾患)
アルコールの過剰摂取によってコルチゾールが増え過ぎると、エネルギー源を確保するために筋肉を分解してしまうのです。
さらに、コルチゾールが増えると脂肪と癒着し、体脂肪を増やしてしまう可能性もあります。
過剰なアルコール摂取はコルチゾールの増加を招き、筋肉が分解されてしまう可能性があるので注意しましょう。
睡眠が浅くなり筋肉が修復されにくくなる
アルコールが筋トレに与える影響の4つ目は、「睡眠が浅くなってしまう」ことです。
筋トレによって損傷を受けた筋肉は、寝ている間に修復されます。
しかし、アルコールを飲んでから寝ると睡眠の質が落ちてしまい、筋肉の修復を妨げる恐れがあります。
アルコールを摂取する際は寝る前に飲まないようにして、質の高い睡眠を確保することを心掛けましょう。
筋肉は寝ている間に修復されるので、アルコールによって睡眠が浅くなると、十分に回復できなくなる可能性があるので注意です。
体脂肪が増える
アルコールが筋トレに与える影響の5つ目は、「体脂肪が増えてしまう」ことです。
お酒を飲むと太ってしまう理由は、主に以下の2つです。
- 食欲を増進させるから
- お酒そのものにカロリーがあるから
アルコールには、食欲を増幅させる効果があります。
お酒を飲んでいると食欲が増進され、ついついおつまみを食べてしまうので、自然と摂取カロリーが増えてしまいます。
また、お酒そのもののカロリーにも注意しましょう。
ビールや日本酒、ワインなどのいわゆる「醸造酒」は糖質が多めで、お酒そのものが太る原因になってしまいます。
例えば、アルコールを飲むときは毎回おつまみを食べている、ビールやワインが好きで日常的に飲んでいる、という人は要注意です。
アルコールが翌日の筋トレに与える影響は?
お酒を飲むと、翌日の筋トレにも影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。
具体的な影響としては、主に以下の2つが挙げられます。
- 乳酸が排出されにくくなる
- 筋トレができなくなることもある
筋トレをすると、筋肉はエネルギーを作り出すために糖分を分解し、このときに疲労物質である「乳酸」が溜まります。
乳酸は肝臓によって排出されるのですが、深酒をして肝機能が低下していると、乳酸がきちんと排出されない可能性があるのです。
また、当然ですが深酒になると二日酔いになってしまい、翌日の筋トレができなくなる場合もあるでしょう。
筋トレの前日は、翌日の筋トレに影響を与えないようにお酒を控える、または飲む量を少なくすることをおすすめします。
ここまでで、アルコールが筋トレに与える悪影響について解説しました。
次は、「お酒は適量なら体に良い」という説の真偽について解説していきます。
アルコールは悪いことばかりではない?
筋トレ中にアルコールを飲むのは避けたほうがいい、ということには間違いありません。
ところがなんと、適量の飲酒はテストステロンの増加に繋がるという研究が存在するのです。
先ほど、アルコールを過剰摂取するとテストステロンが減少し、筋肉を合成する妨げになると解説しました。
しかし、逆に適量のアルコールを摂取した場合はテストステロンを増加させる効果がある、ということもわかっているのです。(参考:飲酒は筋肉を破壊する? – 筑波大学 陸上競技研究室)
具体的には、体重1kg当たり1gまでのアルコールであれば、テストステロン量は変化しない、または増加するという結果が出ているのです。
筋トレ中のアルコールは基本的に避けるべきですが、適量に抑えられるなら多少はメリットがあるかもしれません。
筋トレ中にアルコールを飲む際に気を付けたい6つのポイント
筋トレ中でもどうしてもアルコールが飲みたいという人は、以下の6つのポイントを守って楽しむことをおすすめします。
- 筋トレが休みの日に飲む
- 飲む量を控えめにする
- 水をたくさん飲む
- 糖質の少ないお酒にする
- おつまみを食べないようにする
- 必須アミノ酸を摂取する
それぞれ順番に見ていきましょう。
筋トレが休みの日に飲む
お酒を飲むのは、筋トレが休みの日にしましょう。
トレーニングが終わってすぐは、筋肉の合成・修復が活発に行われています。
このときにアルコールを摂取すると、筋肉の合成の妨げになったり、十分に修復されなかったりする可能性があります。
トレーニングとお酒を飲む時間が近い人は、特に注意しましょう。
例えば、夕方に筋トレしてそのすぐ後にお酒を飲むと、トレーニングの効果が下がってしまう可能性が高いです。
もしお酒を飲むなら、筋トレが休みの日にすることをおすすめします。
飲む量を控えめにする
筋トレ中にお酒を飲むなら、お酒の量は控えめにしましょう。
過度なアルコール摂取は筋トレに悪影響を及ぼしますが、少量であればそこまで影響がない場合もあるからです。
以下の表は、1日当たりの適切なアルコール摂取量20gを、さまざまなお酒の具体的な量で表したものです。
お酒の種類 | 目安 |
ビール・発泡酒 | 250ml(ロング缶の半分) |
チューハイ | 180ml(コップ一杯、350ml缶の半分) |
焼酎 | 50ml |
日本酒 | 80ml(0.5合) |
ウイスキー・ジン | 30ml(シングル一杯) |
ワイン | 100ml(ワイングラス一杯弱) |
(参考:厚生労働省e-ヘルスネット)
女性や体重の軽い人、お酒に弱い人は、上に記載している量よりも少なくしたほうが良い場合もあります。
筋トレ中は、適量を守って飲酒するようにしましょう。
水をたくさん飲む
筋トレ中かどうかに関わらず、お酒を飲むときは水をたくさん飲みましょう。
アルコールは脱水症状を引き起こしますが、お酒を飲むときは常に水を一緒に飲むことで予防できます。
また、お酒と一緒に水を飲むことで、吸収されるアルコールの量を減らして酔いにくくなる効果もあります。
糖質の少ないお酒にする
筋トレ中に飲酒するなら、糖分の少ない「蒸留酒」がおすすめです。
お酒は主に蒸留酒(じょうりゅうしゅ)と醸造酒(じょうぞうしゅ)に分かれており、蒸留酒は糖分を含みません。
蒸留酒は、「焼酎」「ウイスキー」「ブランデー」が代表的です。
アルコール度数が高いので、氷や炭酸で割って飲むと良いでしょう。
おつまみを食べないようにする
お酒を飲んでいるとついおつまみが欲しくなりますが、筋トレ中はなるべく避けるようにしましょう。
おつまみはチーズやポテト、唐揚げなど高カロリーなものが多く、酔った勢いでこれらを口にしてしまうと、あっという間に体脂肪が増えてしまいます。
おつまみを食べるなら、以下のような低カロリーのおつまみがおすすめです。
- ビーフジャーキー
- 枝豆
- 焼き鳥(塩味)
- あたりめ
- 豆腐
筋トレ中にお酒を飲むときはおつまみを控えるか、ヘルシーで低カロリーなものを選びましょう。
必須アミノ酸を摂取する
筋トレ中に飲酒したい人は、飲む前にBCAAを摂取しましょう。
BCAAはバリンやロイシンなどと並び、筋肉を構成する「必須アミノ酸」の一種です。
BCAAは筋肉のうち35%を占めるとされていて、疲労を軽減したり筋肉の分解を防いだりする効果があります。
急な飲み会などでどうしても飲まなければいけない場合は、BCAAのサプリメントを摂取することで、筋肉の分解を抑えられます。
筋トレ中の飲酒に関するポイントを再度まとめると、以下の通りです。
- 筋トレが休みの日に飲む
- 飲む量を控えめにする
- 水をたくさん飲む
- 糖質の少ないお酒にする
- おつまみを食べないようにする
- 必須アミノ酸を摂取する
筋トレ中にどうしてもお酒を飲みたい人は、必ず上記を守るようにしましょう。
飲酒後に筋トレをしてはいけない
飲酒直後には筋トレをしてはいけません。
理由は簡単です。
- 怪我をする可能性があるから
- 効率が著しく落ちるから
酔っ払うと足元がふらついたり、集中力が低下したりするので、怪我をしてしまう可能性が高まります。
さらに、酔っている状態では全力が出せないので、トレーニングの効率も落ちてしまいます。
もし筋トレをする前に飲んでしまったら、その日はトレーニングを休むようにしましょう。
まとめ|筋トレ中にどうしても飲酒するなら、適量を守ろう!
筋トレ中は、アルコールの摂取はできるだけ控えたほうが無難です。
筋トレ中に飲酒すると、筋肉が分解されてしまったり、太りやすくなったりするなど、さまざまな悪影響が生じます。
それでも「どうしても筋トレ中にお酒を飲みたい!」という人は、次の6つの点に注意しましょう。
- 筋トレが休みの日に飲む
- 飲む量を控えめにする
- 水をたくさん飲む
- 糖質の少ないお酒にする
- おつまみを食べないようにする
- 必須アミノ酸を摂取する
筋トレ中は基本的にお酒を避け、どうしても飲む場合は必ず適量を守るようにしましょう!
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