筋トレにストレッチは逆効果?適切なやり方と10種のおすすめメニューを紹介

筋トレ前のストレッチは、怪我の予防やパフォーマンス向上につながります。また筋トレ後のストレッチは疲労回復に効果があるので、トレーニングの前後には積極的に取り組むべきです。本記事では、筋トレ前後にどんなストレッチをすべきか、具体的に実践すべきおすすめメニューなどを紹介します。

「筋トレとストレッチの順番はどうすべき?」
「筋トレの効果を高めるには、どんなストレッチをしたらいい?」
「筋トレにストレッチは逆効果と聞いたけど本当?」

このように、筋トレ時の正しいストレッチ方法を知りたいと思っていませんか?

筋トレとストレッチの関係については、さまざまな意見を耳にします。なかにはネガティブな声もあるので、結局何が正解かわからず混乱している方は少なくないでしょう。

そこでこの記事では、以下について解説します。

  • 筋トレにストレッチを取り入れるメリット
  • 筋トレ前後ですべきストレッチの種類
  • 筋トレ前後におすすめのストレッチメニュー10種

筋トレでの成果につながる正しいストレッチ方法を知りたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてくださいね!

筋トレにストレッチは逆効果?取り入れる3つのメリット

筋トレ前後のストレッチは、決して逆効果ではありません。
筋トレにストレッチを取り入れることには、以下のメリットがあります。

  • 可動域が広がり、怪我の予防につながる
  • 筋トレのパフォーマンスが上がる
  • 筋トレ後の疲労回復が促進される

各メリットについて、順に確認していきましょう。

1. 可動域が広がり、怪我の予防につながる

筋トレ前にストレッチをすると、可動域が広がります。
可動域が広がると体や関節が柔らかくなるので、筋トレで怪我をするリスクを減らせます。

反対にストレッチをしないで筋トレすると、いきなり体に負荷をかけてしまい、関節を痛めたり肉離れになったりしかねません。
筋トレで怪我をするリスクを軽減したい方は、必ずストレッチを行いましょう。

2. 筋トレのパフォーマンスが上がる

筋トレ前のストレッチは、トレーニングのパフォーマンス向上にも効果があります。
なぜならストレッチ前と比べて、筋肉が暖まり動きやすい状態になるから。

いきなり筋トレに取り組むと、硬い状態の筋肉に負担をかけることになります。
筋肉が硬い状態でトレーニングをしても、最大限のパフォーマンスは発揮できませんよね。

ちなみにパフォーマンス向上に効果的なのは、筋トレ前のストレッチだけではありません。
筋トレ後のストレッチは、柔軟性のある筋肉を維持することに効果があるので、結果として次回以降のパフォーマンスアップにつながります。

筋トレで高い成果をあげたいなら、トレーニング前後にストレッチをしましょう。

3. 筋トレ後の疲労回復が促進される

筋トレ後にストレッチをすると、体内に蓄積された疲労物質が効率的に分解されます。
つまり運動後のストレッチは、疲労回復にも効果があります。

筋トレ後は、体内に疲労物質がたまった状態です。疲労物質をそのままにしておくと、血行不良の原因になったり、疲れがなかなかとれなかったりします。

疲れがとれないと、筋トレを継続するモチベーションもわきにくくなりますよね。体が重く感じると、日常生活に支障をきたす可能性もあります。

筋トレによる疲れを減らしたい方は、トレーニング後にストレッチを行いましょう。

筋トレ前は動的・筋トレ後は静的ストレッチがおすすめ

筋トレ前後にストレッチを取り入れるメリットを紹介しました。
筋トレにストレッチは逆効果ではなく、むしろメリットが大きいと理解できたでしょう。

次に本章では、筋トレ前後ですべきストレッチの種類について解説します。
ストレッチには動的・静的の2種類があり、筋トレ前後ですべき内容が異なります。

  • 筋トレ前:動的ストレッチ
  • 筋トレ後:静的ストレッチ

次章より具体的なストレッチメニューを紹介しますので、まずは動的・静的ストレッチの概要と効果について確認しておきましょう。

動的ストレッチの概要と効果

筋トレ前に適した動的ストレッチとは、反動をつけて筋肉や筋を伸ばす運動のこと。
反動を利用して、体を大きく動かすことが特徴的なストレッチです。

代表的な例としては、ラジオ体操が動的ストレッチに該当します。
動的ストレッチの主な効果は、以下の通りです。

  • 関節の可動域を広げる
  • 筋肉を暖めて柔らかくする
  • 体を動かしやすい状態にする

可動域が広がったり柔軟性が高まったりと、筋トレ前に適していることがわかりますね。
怪我の予防やパフォーマンス向上のためにも、筋トレ前には動的ストレッチを行いましょう。

静的ストレッチの概要と効果

筋トレ後に適した静的ストレッチとは、反動を利用しないで筋肉や筋を伸ばす運動のこと。
特定の関節を伸ばした状態で、一定時間保持するストレッチです。

静的ストレッチの具体例としては、ヨガが有名ですね。
静的ストレッチの主な効果は、以下の通りです。

  • 疲労物質の分解を促進する
  • 柔軟性のある筋肉を維持する
  • 副交感神経が優位になりリラックスできる

トレーニングにより疲労した筋肉を休息させたり、柔軟性を維持したりすることに効果があります。
疲れを翌日以降に持ち越さないように、筋トレ後には静的ストレッチを行いましょう。

筋トレ前にすべき動的ストレッチメニュー5選

筋トレ前後ですべきストレッチの種類について解説しました。
ここからは、おすすめのストレッチメニューを具体的に紹介していきます。

まずは、筋トレ前にすべき動的ストレッチのメニューです。

  • 広背筋を伸ばす動的ストレッチ
  • 内転筋を伸ばす動的ストレッチ
  • ハムストリングスを伸ばす動的ストレッチ
  • 腸腰筋を伸ばす動的ストレッチ
  • 肩甲骨を伸ばす動的ストレッチ

順に確認していきましょう。

1. 広背筋を伸ばす動的ストレッチ

背中でもっとも大きな筋肉「広背筋」を伸ばすストレッチです。
その場でできるので、ヨガマットやカーペットなどを用意する必要はありません。

<ストレッチのやり方>

  1. 直立姿勢で両手を上にあげる
  2. 右手で、左腕の手首を握る
  3. 握った腕を引っ張りながら右側(真横)に倒れる
  4. 反対側も同様に行う

目安は、左右20秒ずつ。

背中や上半身のトレーニングをする場合は、欠かさず伸ばしておきましょう。

2. 内転筋を伸ばす動的ストレッチ

太ももの内側にある筋肉「内転筋」を伸ばす動的ストレッチです。
このストレッチも道具なしで行えるので、ぜひ気軽に取り入れてみてくださいね。

<ストレッチのやり方>

  1. 肩幅より大きく足を開く
  2. 両膝に手を添えて腰を落とす
  3. 左右交互に肩を入れる

目安は、左右20秒ずつ。

足を大きく開くほど、関節が伸びます。最初は無理のない範囲で行いましょう。

3. ハムストリングスを伸ばす動的ストレッチ

おしりの付け根から太ももの裏側周辺にある筋肉「ハムストリングス」を伸ばす動的ストレッチです。
前屈するだけなので、定番のストレッチとして取り入れてみてください。

<ストレッチのやり方>

  1. 直立する
  2. 息を吐きながら前屈する
  3. 限界のところでキープする

目安は、10〜20秒×2セット。

効率的に筋肉が伸びるように、前屈と同時に息を吐くことがポイントです。

4. 腸腰筋を伸ばす動的ストレッチ

上半身と下半身をつなぐ体の中心にある筋肉「腸腰筋」を伸ばす動的ストレッチです。
床に膝をつくので、可能であればヨガマットやカーペットの上で行ってください。

<ストレッチのやり方>

  1. 片膝を立てる
  2. もう片足の膝を床につける
  3. 立てている膝を押し出して、前方に体重をのせる
  4. 反対側も同様に行う

目安は、10〜20秒×2セット。

前方に体重をのせる際には、おへそを突き出すことを意識しましょう。

5. 肩甲骨を伸ばす動的ストレッチ

背中の上部に位置する大きな2つの骨「肩甲骨」を伸ばす動的ストレッチです。
その場でできるストレッチなので、気軽に実践してみてくださいね。

<ストレッチのやり方>

  1. 直立する
  2. 右肘を軽く曲げて、右手を肩に置く
  3. 円を描くように右肘を回す
  4. 反対側も同様に行う

目安は、左右20秒ずつ。

肘を回す際に姿勢が崩れないよう、体幹を意識して行いましょう。

筋トレ後にすべき静的ストレッチメニュー5選

続いては、筋トレ後にすべき静的ストレッチのメニューです。

  • 体側を伸ばす静的ストレッチ
  • お腹を伸ばす静的ストレッチ
  • ハムストリングスを伸ばす静的ストレッチ
  • 背中を伸ばす静的ストレッチ
  • 肩を伸ばす静的ストレッチ

順に確認していきましょう。

1. 体側を伸ばす静的ストレッチ

体の側面である「体側」を伸ばす静的ストレッチです。
あまり負荷は大きくないので、気持ちよく取り組めるストレッチですね。

<ストレッチのやり方>

  1. あぐらをかいて床に座る
  2. 右手を床につく
  3. 左手を真上にあげる
  4. 左手を右側に倒していく
  5. 反対側も同様に行う

目安は、10〜20秒×2セット。

ここでは床に座って行う方法を紹介しましたが、同ストレッチは立った状態やイスに座った状態でも行えます。簡単なストレッチなので、ぜひ好みの方法で取り組んでみてください。

2. お腹を伸ばす静的ストレッチ

お腹を伸ばすのにおすすめの静的ストレッチです。
うつぶせになって行うので、ヨガマットや布団の上で取り組むことをおすすめします。

<ストレッチのやり方>

  1. うつぶせになる
  2. 両手をついて上半身を起こす
  3. 両手で床を押して、上半身を反らせる

目安は、30秒程度。

無理をすると背中や腰を痛める恐れがあるので、段階的に上半身を反らせましょう。

3. ハムストリングスを伸ばす静的ストレッチ

ハムストリングスを伸ばす静的ストレッチです。
下半身に関する筋トレをした後には、とくに実践しておきたいストレッチですね。

<ストレッチのやり方>

  1. 床に座る
  2. 片足を伸ばして、もう片足を体のほうに曲げる
  3. 伸ばした足に向かって前屈する
  4. 反対側も同様に行う

目安は、10〜20秒×2セット。

動的ストレッチのときと同様に、息を吐きながら前屈することを意識しましょう。

4. 背中を伸ばす静的ストレッチ

背中を伸ばす静的ストレッチです。
道具を用意することなく、その場で実践できる簡単なストレッチですね。

<ストレッチのやり方>

  1. 直立する
  2. 両手を体の前で合わせる
  3. 背中を丸めながら、両手を前に押し出す

目安は、30秒程度。

日常的にも取り組みやすいストレッチなので、筋トレ後だけでなくデスクワークの間などにも実践するとよいでしょう。

5. 肩を伸ばす静的ストレッチ

肩まわりの筋肉を伸ばす静的ストレッチです。
体育や部活などの準備運動としても行われることが多いストレッチですね。

<ストレッチのやり方>

  1. 右腕を左腕のほうにひねる
  2. 左腕で、ひねった右腕の肘あたりを押さえる
  3. 右腕のひねりを強めて肩を伸ばす
  4. 反対側も同様に行う

目安は、左右20秒ずつ。

肩まわりの筋トレをした場合には、欠かさずストレッチしておきましょう。

まとめ

筋トレ前後にストレッチを取り入れるメリットや、おすすめのメニューを紹介しました。
最後にここまでの内容をまとめます。

  • 筋トレ前後のストレッチには多くのメリットがある
  • 筋トレ前は、動的ストレッチが効果的
  • 筋トレ後は、静的ストレッチが効果的

筋トレ前にストレッチをすると、怪我の予防やパフォーマンス向上につながります。
また、筋トレ後のストレッチは疲労回復に効果があるので、トレーニング前後においてストレッチをすることは欠かせません。

動的・静的ストレッチには、道具なしでその場で実践できるものが多くあります。
ぜひ本記事で紹介したようなストレッチを取り入れて、これまで以上に筋トレで高い成果をあげてくださいね。

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧下さい。