「上腕二頭筋の筋肉痛が辛い…」
「痛みがひどいけど、病気じゃないよね?」
上腕二頭筋の筋肉痛が酷いと、物を持ち上げるのもちょっとした動作にも支障が出てしまい、辛いですよね…。痛みが長引くと病気を疑ってしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、上腕二頭筋の筋肉痛について、
- 症状やリスク
- 対処法と予防法
- 痛みの原因
- 受診の必要性
に分けて解説していきます。
なお、筆者はプロのトレーナーです。筋肉痛に関する知識も豊富なので、ぜひ参考にしてください。
上腕二頭筋とは?筋肉痛の症状も解説
上腕二頭筋は腕の前方についている筋肉です。よく使う筋肉なので、痛みが気になりやすい部位でもあります。
ここでは、
- 上腕二頭筋の役割
- 筋肉痛の症状
- 悪化した場合のリスク
について解説します。
上腕二頭筋とは力こぶをつくる筋肉のこと
上腕二頭筋は、肘を曲げたり重い物を持ったりするときに動く筋肉です。力を入れるとこぶができることから、力こぶとも呼ばれています。
上腕二頭筋は長頭と短頭の2つに分かれており、それぞれ使う動きが違います。
具体的には、
- 長頭:二頭筋の内側。肘を曲げる動きをサポート
- 短頭:二頭筋の外側。肘を曲げる動き、腕を外転させる動きをサポート
長頭を鍛えれば力こぶが強調され、短頭を鍛えれば幅の厚い二の腕になります。
つまり、より魅力的な上腕二頭筋を鍛えたいのであれば、両者に合わせたトレーニングを選ぶ方が効率的です。
鍛えられれば、男性であれば男らしい腕に、女性であれば引き締まったセクシーな腕になります。夏に腕を出すのが楽しくなりそうですね。
主症状は腕や肩回りを動かすときの痛み
上腕二頭筋が筋肉痛になった際、主な症状は腕や肩周りを動かすときの痛みです。
ちょっとした物を持ったりドアノブをまわしたりと、軽い動作でも痛みを感じるくらい酷い症状が出る場合もあります。
できるだけ安静にすることを大切にしましょう。もし放置して無理をしてしまうと、症状が悪化してしまうかもしれません。
また筋肉痛以外にも腕に痛みが生じる場合もあります。記事の最後の方で紹介しているので、気になる方はチェックしてくださいね。
放置すると腱が切れる可能性もある
上腕二頭筋の筋肉痛を無視して無理を続けると、症状が悪化してしまいます。
最悪の場合、腱が切れてしまう可能性も。腱が切れると肩を動かすときに激しい痛みがともない、関節同士がすれて常に鈍痛が走るようになります。
筋肉痛だけで済むはずだったのに、腱が切れれば完治するまでにも時間がかかります。また絶対に安静をとらなければいけないので、さらに運動の制限が増えてしまうでしょう。
悪化させないためにも、筋肉痛は正しい方法で対処することをおすすめします。
上腕二頭筋が筋肉痛になったときの対処法
上腕二頭筋の筋肉痛を和らげるおすすめの対処法を紹介します。
- できる限り安静にする
- 痛みが強いときは冷す
- 痛みが落ち着いてきたら温める
- ストレッチをしてほぐす
- 鎮静薬をうまく使う
順に説明します。
1. できる限り安静にする
痛みがひくまでできる限り安静にしましょう。無理に動かすと、先に紹介した腱の断裂につながります。
筋肉痛がひどいときに追い打ちをかけると、回復する余裕がなく、筋肉は成長しにくいことも分かっています。効率的に筋肉量を増やすためにも、痛みがあるときに無理は禁物。
上腕二頭筋も痛みが辛いうちは安静を心がけてください。何かトレーニングをしないと落ち着かないという方は、上腕二頭筋を使わない種目をすると良いですね。
スクワットやレッグレイズなど、太ももやお腹のトレーニングにチャレンジしましょう。
内部リンク
スクワットの記事
2. 痛みが強い運動直後は冷す
痛みや炎症がひどい運動直後は、上腕二頭筋を冷すことをおすすめします。症状がひどいときは炎症反応が強い証なので、あたためて血流を促進すると余計に痛みが強くなるかもしれません。
保冷剤をあてておくなど、運動直後は患部をしっかり冷しましょう。
3. 痛みが落ち着いてきたら温める
痛みが落ち着いてきたら炎症がおさまってきた証拠です。筋肉にたまった乳酸を流すことを優先するため、温めて血流を促しましょう。
乳酸が筋肉に貯蓄されると、筋肉痛が悪化する原因になります。ぬるめの浴槽に浸かったりホットタオルを上腕二頭筋にかぶせたりして、じんわり温めてみてください。
ホットタオルの作り方も紹介しておきますね。
- タオルを水でぬらす
- ぎゅっと水を絞る
- レンジに入れる
- 600wで1~2分(様子を見ながら)加熱する
即効でホットタオルができますし、冷めたら再度チンすればいいだけなので、とても手軽です。ぜひお試しください。
4. ストレッチをしてほぐす
温めるだけでなく、ストレッチをして筋肉をほぐしてあげるのもおすすめです。血流が良くなると筋肉痛は和らぎます。
血流によって筋肉痛が和らぐ理由は2つ。
- 筋肉が回復するのに必要な栄養素を補えるから
- 疲労物質である乳酸を流せるから
筋肉痛は血液の流れを促して緩和していきましょう。
5. 鎮静薬をうまく使う
痛みが酷い場合は、鎮静薬をうまく活用するのもひとつの手です。ほかの方法に比べて即効性があるので、痛みが強すぎて日常生活に支障が出ている場合におすすめ。
湿布薬を使う際は、温冷で使い分けしましょう。痛みが酷いときは冷感、おさまってきたら温感で血流を促します。
上腕二頭筋の筋肉痛を予防する方法
上腕二頭筋を鍛えるたびに筋肉痛になるのも面倒ですよね。
筋肉痛の予防法を実践し、快適にトレーニングを継続できるようにしましょう。
やり方は3つあります。
- 普段から全身運動・ストレッチをする
- 食事バランスを整える
- 体を冷さないようにする
説明していきますね。
1. 普段から全身運動・ストレッチをする
普段から全身運動やストレッチを行い、筋肉を柔らかく動かせる状態にしておきましょう。筋肉痛は普段使わないのに急に負荷がかかることで起こるので、ある程度使っておくことで痛みを予防・緩和することができます。
具体的な方法としては、
- 肩を大きくまわす
- 肩甲骨を動かす
- 腕をしっかり使いながら歩く
などが挙げられます。
肩回りが柔らかくなれば、上腕二頭筋もスムーズに動かせるようになります。全身運動やストレッチをすると、代謝が上がってダイエット効果も出るので、筋肉痛以外でもメリットがありますよ。
2. 食事バランスを整える
食事バランスを整えるようにしましょう。筋肉に必要な栄養を十分に届けられれば、筋肉痛も予防しやすくなります。
筋肉を動かすため必要な栄養素は次の通りです。
- ミネラル
- ビタミン
- タンパク質
- 糖質
など、ほとんどの栄養素が当てはまります。
食事が疎かな場合きちんと栄養素を届けられず、筋肉の働きや回復が制限され、痛みが生じやすくなる可能性もあります。
普段から体を動かすことに加え、バランスの良い食事を食べましょう。
おすすめの食材は、
- 赤身の肉
- 魚
- 緑黄色野菜
- 海藻
とくに動物性のタンパク質は筋肉量アップをサポートしてくれるので、意識して補うことをおすすめします。
3. 体を冷さないようにする
体を冷さないように注意しましょう。
体が冷えると血流が悪くなり、
- 必要な栄養素が上腕二頭筋まで届けられなくない
- 疲労物質がたまりやすい
など、筋肉痛が起こりやすくなります。
普段から体を温めるためにおすすめの方法は以下です。
- 白湯を小まめに飲む
- 食事は温かいものを食べる
- 足首やお腹周りを温める恰好にする
- 入浴する
ぜひ参考にしてください。
注意!筋肉痛以外で上腕二頭筋に痛みが生じる原因
実は、筋肉痛以外に上腕二頭筋に痛みが生じることもあります。
以下の2つです。
- 神経の損傷
- 皮膚の異常
順にお伝えします。
1. 神経の損傷
神経が損傷した場合、二の腕に痛みを感じる場合があります。
例として以下の疾患が挙げられます。
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 靭帯骨化症
- 胸郭出口症候群
これらは神経に異常をきたし、腕に痛みやしびれを感じるようになります。
「筋肉痛とは少し違う痛みがある」と思ったら、専門医に診てもらったほうが良いかもしれませんね。
2. 皮膚の異常
皮膚に異常がある場合でも、二の腕に痛みが生じることがあります。
例えば以下の疾患です。
- 蜂窩織炎
- 帯状疱疹
蜂窩織炎は傷口から細菌が侵入し、皮膚で繁殖したものです。二の腕で起これば痛みが生じるようになり、悪化すれば発熱や全身の倦怠感を招きます。
帯状疱疹になれば二の腕に赤いできものが多数できるようになるので、目視で筋肉痛とは違うと分かるはずです。
上腕二頭筋の痛みが一ヶ月以上続くなら受診しよう
もしも上腕二頭筋の痛みが一ヶ月以上続くのであれば、医療機関への受診も検討しましょう。普通の筋肉痛なら2週間もあれば治るはずなので、何か他の原因が隠れているのかもしれません。
素人判断で過ごすのではなく、専門医に診てもらって安心を買いましょう!痛みは体のSOSでもあるので、放置しないようにしましょうね。
まとめ
上腕二頭筋の筋肉痛は、日常生活で支障が生じやすい部位でもあります。辛く感じている方は無理に動かすのはやめ、落ち着くまで静かに過ごしましょう。
また筋肉痛は普段から体を動かしたりほぐしたりすることで、多少予防できます。バランスの良い食事や十分な休息をとりながら、対策をしていきたいですね。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。