広背筋の起始停止とは?上手く鍛える4つのコツ&正しいトレーニング方法を解説!

「広背筋の起始停止って何?広背筋の正しい位置を知りたい!」あなたはこんな疑問を持っていませんか?広背筋は、脇下からお尻の上まで広がる大きな筋肉。正しい場所がわかりづらいため、トレーニングの際は位置や作用を把握しておきましょう。この記事では、広背筋の起始停止や鍛え方を解説していますので、ぜひご覧ください!

「広背筋の起始停止って何?」
「広背筋の正しい位置は?効率的な鍛え方を知りたい!」

あなたはこんな疑問を持っていませんか?

広背筋は、脇下からお尻の上まで広がる大きな筋肉です。

他の部位より場所がわかりづらいため、トレーニングの際は位置や作用をしっかり把握しておかなければなりません。

この記事では、広背筋の起始停止について知りたいあなたに向けて、以下の情報を解説します。

  • 広背筋の起始停止とは
  • 広背筋を鍛えるコツとトレーニングメニュー
  • 効率を高めるポイント

広背筋の起始停止について3分でわかりますので、ぜひ最後までご覧ください!

広背筋の起始停止と作用

冒頭でお伝えした通り、広背筋は正しい位置がわかりにくい部位。まずは起始停止と作用について詳しく見ていきましょう。

(1)広背筋の起始停止

起始停止とは、広背筋の付き始めと終わりのことです。

起始、つまり付き始めは胸椎6番目、骨盤の側面、そして肩甲骨の下端となっています。わかりやすく言い直すと、お尻のすぐ上と肩甲骨の下辺りが起始ですね。

停止、つまり終わりは上腕骨の前側、つまり脇の下辺りです。

広背筋は位置や形がイマイチわかりにくい部位ですが、全体を見ると背中に逆三角形の筋肉が左右対称で付いていると考えるとわかりやすいでしょう。

(2)広背筋の作用

広背筋は胸部、上腕の動きに関与する筋肉です。

主に肩関節の内転や内旋、そして伸展といった動きに関わっています。これだけでは分かりづらいと思いますので、日常動作で例えるなら、目の前にある物を手前に引き寄せるような動作です。

トレーニングで言うと、体を上部に持ち上げる懸垂や、ダンベルやバーベルを背中側に持ち上げるワンハンドローイング、デッドリフトなどのメニューが有効になります。

広背筋を鍛えることで得られる3つの効果

広背筋を鍛えると、次のような効果を期待できます。

  • 逆三角形の体になる
  • 正しい姿勢を保ちやすくなる
  • 基礎代謝が高まり痩せやすくなる

もう少し具体的に解説します。

(1)逆三角形の体になる

広背筋を鍛えると、逆三角形の体を作れます。いわゆるマッチョ体型ですね。

広背筋は、肩甲骨の下を覆うようにして付いており、ここが肥大化すると腰回りのくびれが生まれます。さらに、背中全体が引き締まって見えるようになるため、男性だけでなく女性も鍛えるべき部位です。

ただし、真に美しい体型を作るためには、広背筋以外にも腹筋や肩、胸などの筋肉をバランス良く鍛えなければなりません。

(2)正しい姿勢を保ちやすくなる

広背筋を鍛えると姿勢が良くなります。

まず、姿勢をまっすぐに保つ条件は、背中とお腹の筋肉強度が均等であることです。

猫背の原因は広背筋が伸び切っていることなので、腹筋と広背筋を合わせて鍛えることで猫背が改善されます。さらに、姿勢の改善によって腰痛やひざの痛みも防げるため、一石二鳥だと言えるでしょう。

(3)基礎代謝が高まり痩せやすくなる

広背筋トレーニングはダイエットにも役立ちます。

なぜなら、基礎代謝が大きく向上するからです。

基礎代謝とは、生きているだけで消費するエネルギー量のことで、筋肉量が多ければ多いほど上がりやすくなります。広背筋は面積が大きく筋肥大させやすいため、基礎代謝の向上に大きく寄与してくれます。

このように、広背筋を鍛えるメリットは非常に大きいです。

しかし、間違ったトレーニングでは思うような成果はでません。次項からは、広背筋を正しく鍛える方法について見ていきましょう。

広背筋を鍛えるための4つのコツ

広背筋を鍛える際は、以下4つのコツが重要です。

  • 鍛えたい部位を意識する
  • 重量よりフォームを大切にする
  • 負荷のかかる感覚を体で覚える
  • 正しい呼吸法を身に付ける

もう少し具体的に解説します。

(1)鍛えたい部位を意識する

広背筋に限らず、鍛えたい部位を意識することは重要です。

例えばあなたは、広背筋にデッドリフトが効くと聞いて、なんとなくデッドリフトをやっていたりしないでしょうか?

トレーニングは狙った部位に負荷を与えることが目的ですので、考えなしにやっても成果はでません。

他の部位ならそれなりに成果は出るかもしれませんが、広背筋は鍛えづらい部位のため、正しい部位を把握しておく必要があります。

(2)重量よりフォームを大切にする

ウェイトトレーニングの場合、重量よりフォームを重視しましょう。

初心者に良くあるのが、無理に重いダンベルやバーベルを持ってフォームが崩れてしまうパターン。フォームが崩れると狙った部位に負荷がかからないため、重量にこだわるのは得策とは言えません。

ましてや、広背筋は負荷を与えるのが難しい部位ですので、ウェイトが重すぎると感じたら無理なく軽いものに持ち替えましょう。

(3)負荷のかかる感覚を体で覚える

負荷のかかる感覚は、体で覚えることが大切です。

特に、デッドリフトなど正しいフォームで行うのが難しいメニューの場合、まずはウェイトを持たずにフォームだけ真似して、どう動けば広背筋に負荷がかかるのか調べる必要があります。

まずは何度も動いて負荷のかかる動きを体で覚え、それからウェイトを持つことを心掛けましょう。

(4)正しい呼吸法を身に付ける

どんなトレーニングでも、正しい呼吸法を身に付けることは重要です。

呼吸のタイミングが乱れていると、フォームが崩れたり狙っていない部位に力が入ったりする可能性があります。基本的に、下ろす時に吸って上げるときに吐くのがポイント。

例えばワンハンドローイングなら、ダンベルを持ち上げながら息を吐き、吸いながら下ろすようにしましょう。

広背筋を鍛えるのにおすすめの筋トレメニュー8選

広背筋を鍛えるトレーニングはたくさんあります。

この記事では、特におすすめのトレーニングを8つ厳選して紹介します。

  • 懸垂
  • デッドリフト
  • ダンベルデッドリフト
  • スミスマシンデッドリフト
  • ワンハンドローイング
  • ラットプルダウン
  • ベントオーバーロウ
  • シュラッグ

それぞれの手順やポイントを順に見ていきましょう。

(1)懸垂

懸垂はバーにぶら下がって体を持ち上げるトレーニング。

広背筋はもちろん、肩や腕など幅広く鍛えられます。ただし、負荷が大きいトレーニングですので、筋力が弱い人や体重が重い人は、別のメニューをこなした方が良いでしょう。

手順は以下の通りです。

  1. 手のひらが自分に向くようにバーを握る
  2. あごがバーと同じ高さになるまで上げる
  3. 上げたらその状態を数秒キープする
  4. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 手首ではなく上腕二頭筋の力で持ち上げる
  • 肩甲骨を寄せながら体を持ち上げる
  • バーを胸に引きつける

(2)デッドリフト

バーベルを持ち上げるトレーニング。

広背筋や肩など上半身の筋肉に加え、太ももの大腿四頭筋にも負荷を与えられます。

効果が大きい分、正しいフォームで行うのは難しいですので、まずはバーベルを持たずフォームだけ真似てみましょう。

手順は以下の通りです。

  1. 足を肩幅と同じくらいに開いて立つ
  2. 背筋を伸ばしたままお尻を後ろに突き出す
  3. 手を肩幅よりも少し開き、バーベルを持つ
  4. 腕を伸ばしたままバーベルを持ち上げていく
  5. バーベルがひざよりも高くなった辺りから上半身を起こす
  6. ひざが伸びきったら元に戻る
  7. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 足裏の全体で重心をとる
  • 呼吸を整える
  • 背筋をしっかり伸ばす
  • 上げる時は素早く、下ろす時はゆっくり

(3)ダンベルデッドリフト

バーベルの代わりにダンベルで行うデッドリフトです。

通常のデッドリフトより負荷が小さい代わりに、より少ないスペースで実践できます。動きの自由度が高いため、広背筋に効かせやすいのもポイントですね。

手順は以下の通りです。

  1. ダンベルを足元に置く
  2. ダンベルの下に、足をもぐりこませるような形をとる
  3. お尻を引いて、ダンベルを手に取る
  4. 腕を垂らしながら、ダンベルを上下させる
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 腰を曲げないように意識する
  • お尻から頭までの直線を維持する
  • 腰を痛めないよう、無理のない重量で行う

(4)スミスマシンデッドリフト

マシンを使って行うデッドリフトです。

通常のデッドリフトと違ってバーの軌道が固定されているため、フォームが崩れにくい、腰を痛めにくいなどのメリットがあります。特に、初心者はスミスマシンを使った方が良いでしょう。

手順は以下の通りです。

  1. 脚を肩幅よりやや狭めに開いて立つ
  2. 肩幅と同じくらいの幅でバーを握る
  3. 息を吐いて体を持ち上げる
  4. ゆっくりとバーベルを下ろす
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 背中をまっすぐにする
  • 胸をしっかり張る
  • 反動を使わない

(5)ワンハンドローイング

体を水平にしてダンベルを持ち上げるトレーニングです。

デッドリフト等より気軽にできるのがポイントで、広背筋に集中して負荷を与えられます。自宅筋トレなら、まずはワンハンドローイングから挑戦すると良いでしょう。

手順は以下の通りです。

  1. ダンベルを片手に持つ
  2. 反対側の手とひざをベンチ台に乗せ、上半身を床と平行の角度にする
  3. ダンベルをお腹の横まで引き付ける
  4. 開始姿勢の位置までゆっくりと戻す
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 肩甲骨を寄せる
  • 上げるときは息を吸い、下ろすときに吐く
  • 体は地面と水平にする

(6)ラットプルダウン

マシンを使ってバーを持ち上げるトレーニングです。

広背筋以外にも、僧帽筋や大円筋といった背中全体の筋肉に負荷を与えられます。抜かりなく鍛えるなら、ワンハンドローイングなど広背筋に特化したメニューと組み合わせましょう。

手順は以下の通りです。

  1. ウエイトを調整する
  2. 肩幅くらいの幅でバーを握る
  3. バーをゆっくりと下げていく
  4. 素早く持ち上げる
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • バーを胸に引きつける
  • 胸を張った状態で行う
  • まっすぐ前を見て行う

(7)ベントオーバーロウ

スミスマシンを使ってバーを引き上げるトレーニングです。

デッドリフトと動作が似ていますが、腰を動かさないため、腰痛を患っている人でも安心して取り組めます。その代わり、下半身には負荷を与えられません。

手順は以下の通りです。

  1. 足を腰幅くらいに開いて立つ
  2. バーを握って体を前に傾ける
  3. 胸を張ってバーを引き上げる
  4. 限界まで上げたらゆっくりと下ろす
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 背中をまっすぐに保つ
  • 肩甲骨をしっかり寄せる

(8)シュラッグ

肩をすぼめてダンベルを持ち上げるトレーニングです。

広背筋にも効きますが、メインは僧帽筋になります。より肩の厚みを作りたいのであれば、他の広背筋トレーニングと合わせて取り組むと良いでしょう。

手順は以下の通りです。

  1. 足を肩幅と同じくらいに開いて立つ
  2. 両手でダンベルを握る
  3. 両肩を耳にくっつけるように上げる
  4. ゆっくりと肩を下げる
  5. 10回 × 3セット行う

効率を高めるポイント

  • 腕に力を入れすぎない
  • 反動を使わない
  • 負荷が足りない場合は、肩を上げたままキープする

広背筋を効率よく鍛える3つのポイント

広背筋を鍛える際は、以下3つのポイントが重要になります。

  • 超回復を意識する
  • 食事の栄養バランスを整える
  • 睡眠時間をしっかり確保する

もう少し具体的に解説します。

(1)超回復を意識する

筋トレの際は超回復を意識することが重要です。

超回復は、筋肉がトレーニングで傷付いた後修復され、以前よりも強くなるサイクルのこと。回復時間は部位ごとに異なりますので、以下の表にまとめました。

部位 筋肉 回復時間
お腹 腹筋 24時間
お尻 大臀筋 48時間
三角筋 48時間
僧帽筋 48時間
上腕二頭筋 48時間
上腕三頭筋 48時間
大胸筋 48時間
背中 広背筋 72時間
脊柱起立筋 72時間
大腿四頭筋 72時間
ハムストリングス 72時間

広背筋の回復時間はい72時間ですので、トレーニング後3日間は休ませましょう。

(2)食事の栄養バランスを整える

筋トレでは栄養摂取も重要になります。

筋肉は、タンパク質などの栄養素で構成されているため、栄養不足だとトレーニングの効果も出ません。

元ボディービルのアーノルド・シュワルツネッガーも「腹筋はキッチンで作られる」という格言を残していますが、どの部位でもそれは同じです。

筋トレ後の栄養摂取にはプロテインが最適です。

プロテインにはタンパク質やアミノ酸、ビタミン・ミネラルなどの栄養素が含まれており、筋トレをサポートしてくれます。

プロテインにはいくつか種類がありますが、筋トレ直後に飲むなら吸収の早いホエイプロテイン、腹持ちを良くしたいならカゼインプロテインやソイプロテインを選びましょう。

(3)睡眠時間をしっかり確保する

筋肉の成長には睡眠が必要不可欠です。

筋肉は寝ている間に分泌される成長ホルモンによって成長するため、睡眠不足だとトレーニングの効率も下がります。

理想的な睡眠時間は7〜8時間ほど。残念ながらこれだけの時間を確保できる人は少ないと思いますが、可能な範囲内で良いのでできるだけ睡眠を確保しましょう。

また、睡眠は質も重要ですので、寝る前はスマホを見るのをやめたり飲食を避けたりして質の向上にも努めてください。

広背筋は鍛えにくい部位なので、起始停止を理解した上でトレーニングしよう!

広背筋は正しい位置がわかりにくい部位です。

起始は「お尻のすぐ上」と「肩甲骨の下辺り」で、停止は「脇下の腕の付け根辺り」となります。作用は関節の内転や内旋、そして伸展で、主に目の前にある物を引き寄せたりする時に使われます。

広背筋を鍛える際は、位置や役割を把握した上でトレーニングしましょう。

最後に、広背筋を鍛えるコツをおさらいします。

  • 鍛えたい部位を意識する
  • 重量よりフォームを大切にする
  • 負荷のかかる感覚を体で覚える
  • 正しい呼吸法を身に付ける

広背筋は鍛えにくい部位ですが、正しいフォームを意識して的確にトレーニングしましょう!