懸垂で手が痛いときは原因とフォームをチェック!パワーグリップを使うメリットとデメリットも紹介

#post_excerpt懸垂の回数を増やしたいのに、手が痛くなって続かない。このような人もいるでしょう。マメができると日常生活に支障がでることもあります。懸垂で手が痛くなる原因や対処法を知って、正しいやり方をマスターしましょう。手に装着して痛みを軽減するパワーグリップも紹介します。

「懸垂をやっていると、手が痛くなって集中できない」
「手にマメができて痛い」

このような経験はありませんか。手が痛いとイメージ通りにトレーニングができず、もやもやした気持ちになりますよね。

痛いのを我慢してトレーニングを続けると、手のひらにマメができてしまうでしょう。マメが潰れると手を握るだけで痛くなり、日常生活に支障がでてしまいます。

なるべく手が痛くならないようにトレーニングしたいのは、誰もが思うことです。

特に初心者の場合には、筋肉より先に握力が限界を迎えてしまい、懸垂が続かないことも多いです。

こちらの記事では、懸垂で手が痛くなる原因や、痛くなったときの対処法を解説します。

懸垂のお助けアイテム「パワーグリップ」も紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

手の痛みを感じたらまずチェック!懸垂の正しいやり方


手の痛みを感じたら、正しいフォームで懸垂ができているか確認しましょう。懸垂で正しいフォームを意識できている人は少ないです。

正しいフォームで取り組むことで、しっかりと背中の筋肉に効かせられます。正しいやり方は以下の通りです。

  1. 肩幅と同じかやや広めにバーを握る
  2. 肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づける
  3. 顎とバーが同じ高さになるまで体を持ち上げる
  4. ゆっくり体を下げて元の姿勢に戻る

10回ほど同じ動作を繰り返し、休憩を30秒~1分挟みながら3セット繰り返します。

呼吸は止めないように気をつけ、体を持ち上げるときに息を吐き、下ろすときに息を吸うことを意識しましょう。

正しいフォームを意識して取り組むと、しっかり筋肉に刺激が入ります。

懸垂で手が痛くなる原因4つ


正しいフォームで取り組んでいても、懸垂で手が痛くなることはあります。原因を以下の4つにまとめました。

  1. 手のひらとバーに摩擦が発生する
  2. 握力に頼ってしまう
  3. フォームが崩れている
  4. 体重が重い

手が痛くなる原因を知ることで、対処しやすくなります。

1. 手のひらとバーに摩擦が発生する

懸垂は鉄棒やバーにぶら下がる運動なので、指の付け根にバーが当たり圧力が発生します。

落ちないように腕だけで全身を支えるので、全体重が手のひらにかかる状態です。

また滑らないようしっかりバーを握るので、手のひらとバーの間には大きな摩擦が生じてしまいます。

このような状況から、鍛えたい筋肉に効く前に手のひらが痛くなってしまう人が多いのです。

手のひらが痛くなったりマメができたりすると、トレーニングに集中できなくなるので、バーは握りすぎないよう意識しましょう。

2. 握力に頼ってしまう

バーにぶら下がっているときは、立っているときより重力を強く感じてしまいます落ちないように、バーを握る握力も必要になるでしょう。

堅いバーを掴んで体を持ち上げることで、バーと手のひらの間に圧力が生まれます。

強く握ると手のひらが痛くなりやすく、背中の筋肉である広背筋も上手く使えません

初心者ほど握力に頼って体を持ち上げようとしてしまいます。

握力が弱いうちは無理に引き上げようとせず、できる範囲で懸垂を行うと良いでしょう。

3. フォームが崩れている

正しいフォームで懸垂ができていないと、無理して体を引き上げようとしてしまい、腕や手に無駄な力がかかってしまいます。

肩甲骨を背筋中央に引き寄せて胸をバーに近づけるのが、懸垂の基本的なやり方です。

懸垂は自分の体を持ち上げる負荷の高いトレーニングなので、ある程度の筋力が必要になります。初心者では筋力が足りない場合があるでしょう。

筋力が足りない状態で負荷の高い懸垂に取り組むと、フォームが崩れてケガに繋がってしまいます

正しいフォームを保ってトレーニングするために、まずはダンベルやマシンで腕や背中を鍛えるなど、ある程度筋力をつけてから懸垂を始めましょう。

4. 体重が重い

懸垂は自分の体重を使って筋力を鍛える自重トレーニングです。マシンなどと違い、重りを調整できないので、体重が重い人はそれだけ負荷が大きくなります。

筋肉は脂肪に比べて組織の密度が高いので、筋肉量の多い人は体重が重くなる傾向にあります。

懸垂は70kgのマッチョな人より、50kgで痩せ型の方が回数を多くこなせるでしょう。20kgの体重差は、そのまま負荷の差になるからです。

筋肉量が多いなら、取り組める人はいます。しかし、脂肪が多いなら食事を調整しつつトレーニングに有酸素運動を取り入れて、脂肪を減らしてから懸垂を行うと良いでしょう。

懸垂で手が痛くなったときの対処法


懸垂で手が痛くなったときの対処法は以下の2つです。

  1. 手を握り込まない
  2. パワーグリップを使う

ひとつずつ確認していきましょう。

1. 手を握り込まない

懸垂をするときにバーを握り込まず、指を引っ掛ける感覚で行うと良いでしょう。指をフックのような形にしてバーにぶら下がると、親指が自由になります。

握り込む力を弱めることで指の付け根から力を解放でき、マメができるのを防げるでしょう。

親指を握らないと、背中の筋肉へ入る刺激が高まります懸垂の難易度が上がり、背中がしっかりトレーニングできるでしょう。

2. パワーグリップを使う

パワーグリップとは握力をサポートしたり、手のひらを保護したりするトレーニングギアです。

パワーグリップのベロ部分が手のひら側にくるよう装着し、ベルトを手首に巻きつけます。

懸垂するときはベロをバーに巻いてから手で握りましょう。

パワーグリップのベロがバーと手のひらの間にかかる圧力を軽減してくれ、手が痛くなりにくいです。

グリップ力が安定し、握力に頼らず懸垂を行えます。

順手と逆手どちらでも使え、手首がしっかり固定されるので、トレーニング中に正しいフォームを保てるでしょう。

パワーグリップをつけて懸垂すると、手の痛みに悩まず回数をこなせるので、筋トレの効果が上がります。

手が痛くなりやすい初心者こそ、パワーグリップを使うのがおすすめです。

パワーグリップを使うメリット4つ


パワーグリップは懸垂を補助し、やりやすくしてくれるアイテムです。メリットを4つにまとめました。

  1. 滑り止め効果がある
  2. 手や腕に余計な力が加わらない
  3. マメができにくい
  4. 他の種目にも使える

購入を検討するときの参考にしてみてください。

1. 滑り止め効果がある

パワーグリップはバーを持つ手が汗ばんで、滑り落ちてしまうのを防いでくれます

思いがけず手を滑らせると、落下したり変な力が入ったりしてケガに繋がることがあります。

手が滑るのを気にして正しいフォームに意識がいかなくなると、狙った筋肉に刺激が入りません

マシンのメーカーによっては、バー自体に滑り止めがついている場合があります。

しかし、人によっては滑り止めが痛いと感じてしまうので、パワーグリップがあると安心です。

2. 手や腕に余計な力が加わらない

素手だとバーを掴む力が強くなってしまい、腕や手のひらに余計な力がかかります。

初心者によくあるのは、前腕と握力だけで体を引き上げ、懸垂しようとしてしまう状態です。

このやり方だと背中の筋肉に効果がないまま、腕と肩だけ疲労してしまうでしょう。

パワーグリップをつけていると、バーにベロを巻き付けるので、力いっぱい握る必要はありません。

手に余計な力が入っていなければ、しっかり背中を意識してトレーニングできます

バーから手が離れにくいので、安心して懸垂に取り組めるでしょう。

3. マメができにくい

パワーグリップを使うとバーを強く握る必要がなくなり、マメができにくいです。

マメができるとトレーニングの後も痛みが続きます。

手のひらは日常生活でもよく使う部位なので、痛みがあると日常生活に支障をきたしてしまいます。

マメが治った後は手のひらの皮が厚くなり、ごつごつしてくるでしょう。マメを防ぐためにも、女性は特に積極的に使って欲しいアイテムです。

4. 他の種目にも使える

パワーグリップは懸垂だけでなく、主に引く動作(プル系)のトレーニングに使えます。

手を保護してくれるので、安心して高重量のトレーニングに取り組めるのは魅力です。プル系のトレーニングとは以下のようなものになります。

  • デッドリフト
  • ベントオーバーロウ
  • ラットプルダウン
  • シーテッドロウ

背中のトレーニング全般に使えるので、筋トレのスケジュールに合わせて持参すると良いでしょう。

パワーグリップを使うデメリット2つ


パワーグリップはメリットの方が多いアイテムですが、デメリットもいくつかあります。主に以下の2つです。

  1. 毎回外すのが面倒
  2. 上腕は鍛えられない

ひとつずつ確認していきましょう。

1. 毎回外すのが面倒

パワーグリップにはバーに巻きつけるためのベロがあります。

引く動作(プル系)のトレーニング以外を行うときはベロが邪魔になるので、パワーグリップを外さなければなりません。

トレーニング用のグローブなら、着けたまま色々な筋トレに取り組めます。マメ対策だけ考えたら、グローブで十分だと考える人はいるでしょう。

しかし、パワーグリップはベロをバーに巻き付けて手をしっかり固定するので、グローブよりずれにくい利点があります。

トレーニングによって着脱は必要ですが、手に巻くだけの簡単な仕様です。

グローブは手が汗ばんでいると外しにくいので、着脱はパワーグリップの方が楽でしょう。

2. 上腕は鍛えられない

パワーグリップをつけて正しく懸垂を行うことで、背中の筋肉は鍛えられます。ただし、上腕への負荷は減ってしまうのです。

上腕へ効かせたい場合は、あえてパワーグリップを外してトレーニングするなど、背中のトレーニングと使い分けると良いでしょう。

懸垂を正しくやるための注意点3つ


懸垂の効果を高めるためには、正しいフォームに加えて手の位置やタイミングも意識しましょう。注意点は以下の3つです。

  1. 手の位置を意識する
  2. ストレッチの後にやる
  3. 筋肉痛が残っていたら休む

懸垂をやる前に確認してみてください。

1. 手の位置を意識する

懸垂はバーを掴む位置によって、鍛えられる筋肉が微妙に違います鍛えたい部位によって手の位置を変えましょう。手の位置によって負荷のかかる部位は以下の通りです。

手の位置 筋肉の部位
肩幅より広い 広背筋
肩幅より狭い 上腕筋
順手
(手のひらを前に向ける)
広背筋の上部
逆手
(手のひらを自分の方に向ける)
上腕筋・広背筋の下部

覚えておくと、鍛えたい部位によって使い分けられます。

2. ストレッチの後にやる

懸垂は自分の全体重が背中の筋肉にかかる負荷の高いトレーニングです。

急に始めたり慣れないうちから強めの負荷をかけたりすると、ケガに繋がります

リスクを少なくするために、トレーニング前にはストレッチを行いましょう。

肩や肩甲骨周りの筋肉を念入りに伸ばしておくことが大切です。

ケガをしてしまうと長期間トレーニングできなくなり、そのまま止めてしまう可能性が考えられます。

ケガの予防に努めることで、筋トレを継続しやすくなるでしょう。

3. 筋肉痛が残っていたら休む

筋肉痛が残っていたら、懸垂を休みましょう。筋肉痛があるときは、筋肉が回復している途中です。

トレーニングで傷ついた筋肉は、休息させることで成長します。

筋肉痛が残っていると正しいフォームがとれず、ケガに繋がることがあるでしょう。

背中など大きい筋肉は、回復に時間がかかります。筋肉の回復時間は人により、2日~3日ほど必要です。

懸垂で背中を鍛えるのは週2回~3回とし、休息日を挟んで無理なく鍛えましょう。

手の痛みを解消して懸垂を正しくトレーニング


懸垂で手が痛くなる原因や対処法を知っておくと、正しいやり方で懸垂に取り組めます。

パワーグリップをうまく使えば手の痛みを軽減できるので、懸垂が苦手な人は試してみてください。

懸垂は背中の大きな筋肉に負荷をかけるトレーニングです。大きな筋肉を鍛えると基礎代謝が上がり、痩せやすい体作りに繋がります。

懸垂の回数を少しずつ増やして、懸垂を苦手から好きに変えていきましょう!

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