「トレーニングの効果を高めるにどんな食事を取ったらいいの?」
「トレーニングはできるけど栄養の知識がなくて困ってる…」
「筋トレしても体型が変化していかないから食事を見直したい!」
こんなお悩みはありませんか?
せっかくトレーニングを頑張っているのに、目標になかなか近づけなかったら悲しいですよね。結論から言うと、トレーニングをして理想の体型を手に入れるには、食事の内容に気をつける必要があります。
この記事では、栄養のプロである管理栄養士がトレーニング効果を最大化させる食事法を解説していきます。
- 食事に必須の五大栄養素
- 1日の摂取カロリーと三大栄養素の摂取量の計算方法
- トレーニング日に摂取したい補食の内容とタイミング
食事は、トレーニングの効果を左右する重要な要素なので、理想の体型を目指し日々努力しているトレーニーは必見です。また、さらにトレーニングの効果を高めたい方のために、おすすめのサプリメントも紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
トレーニング効果を最大化!食事に必須の五大栄養素
トレーニングの効果を最大化するには、さまざまな栄養素をバランスよく摂取する必要があります。栄養素は下記のように5つに分類され、五大栄養素と呼ばれています。
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
たんぱく質は体の材料になる栄養素で、肉や魚などに豊富に含まれます。筋肉の元になる栄養素でもあるので、筋肥大を目指している方は特に重視していただきたいです。
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、それぞれ異なる働きを持っています。糖質は、主にご飯やパンなどの主食から摂取でき、エネルギー源となるのが特徴です。
一方、食物繊維はエネルギー源として使われることがありません。食物繊維は野菜や海藻などから摂取できる栄養素で整腸作用があるので、特に便秘気味の方は意識して取り入れましょう。
脂質はバターやオリーブオイルなど油脂類やナッツなどに含まれ、重量あたりのカロリーが他の栄養素よりも高いのが特徴です。
ビタミンやミネラルには、体の機能を正常に保つ作用があります。過剰になったり不足したりすると疾病に繋がってしまうので、過不足なく摂取するのが重要です。
ビタミンやミネラルは、種類によって豊富に含まれる食品が異なるので、下記を参考にしてみてください。
参考:アリナミン製薬
このように、食品ごとに含まれる栄養素が異なります。そのため、食事ではさまざまな食品をバランスよく摂取する必要があります。
必要な栄養素を摂取できているかどうかで筋肉のつきやすさが異なるので、トレーニングの効果を実感したい方は食事内容を考えるようにしましょう。
1日の摂取カロリーと三大栄養素の摂取量の計算方法
トレーニングの効果を最大限実感できるようにするには、特に下記の三大栄養素の摂取量が重要です。
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
人によって必要な量が異なるので、計算して求められるようにしましょう。ここでは、三大栄養素量の計算に必要な1日の摂取カロリーの求め方から解説するので、ぜひ実践してみてください。
1日の摂取カロリー
まずは、1日にどれくらいのカロリーを消費しているのか確認しましょう。消費カロリーについては、下記のサイトを活用するのがおすすめです。
年齢や身長などの必要な項目を埋めるだけで、基礎代謝量と活動代謝量を求められます。摂取カロリーを考えるときに使うのは運動量を考慮した消費カロリーなので、活動代謝量を控えておきましょう。
活動代謝量がわかったら、摂取カロリーを決めていきます。体重を維持したい場合は、活動代謝量と同じカロリーを摂取すれば問題ありません。
減量したい場合は、1日に消費するカロリーである活動代謝量よりも摂取カロリーの方が低くする必要があります。
摂取カロリーを急激に減らしてしまうと、栄養不足や体調不良になりやすくなってしまうので要注意です。まずは消費カロリーよりも200〜300kcal程度減らし、体重が減っていくかどうかを見てみましょう。
1日の三大栄養素の摂取量の計算
1日に摂取する三大栄養素の量をそれぞれ計算していきます。これから計算していく三大栄養素とは、下記の3つです。
- 炭水化物
- たんぱく質
- 脂質
それぞれ1日の目標値や1gあたりのカロリーが異なるので、下記の表を確認してください。
1日の目標値 | 1gあたりのカロリー | |
たんぱく質 | 13〜20% | 4kcal |
脂質 | 20〜30% | 9kcal |
炭水化物 | 50〜65% | 4kcal |
1日の目標値とは、栄養素ごとに摂取カロリーの何%を摂取したら良いかを表したもので、厚生労働省が公表しています。
ここでは、1日に2000kcal摂取する方に必要なたんぱく質量を計算していきます。具体的な計算方法を示すので、自分の摂取カロリーを用いて計算してみてください。
まず、たんぱく質の1日の目標値と1gあたりのカロリーを確認しましょう。
- 1日の目標値:13〜20%
- 1gあたりのカロリー:4kcal
1日の目標値が13〜20%と幅がありますが、トレーニングをしている人はたんぱく質の消費量が多いのが特徴です。そのため、1日の摂取カロリーのうち20%をたんぱく質から摂取しましょう。
1日に2000kcal摂取する場合、その20%のカロリーを求めるには、下記のように計算していきます。
2000×0.2=400(kcal)
上記の式から、2000kcalの20%は400kcalということがわかります。続いて、1日に必要なたんぱく質の重量を求めていきます。
400kcal摂取するために、たんぱく質がどれくらい必要なのか求める式は下記の通りです。
400÷4=100(g)
たんぱく質1gあたり4kcalなので、400を4で割れば1日に必要な量を求められます。脂質や炭水化物も同様の手順で計算できるので、ぜひ実践してみてください。
基本的には、1日分の栄養素量を3分割したものを1食で摂取していくことになります。
ただし、トレーニングをするときは、3食の他に補食を摂取するのが効果的です。補食を摂取する場合は、そこで摂取する分を1日の摂取量から差し引き、残りを3食に分割して摂取していきましょう。
【ケース別】トレーニング日に摂取したい補食の内容とタイミング
トレーニングをする日は補食を取り入れ、最適のタイミングで必要な栄養素が吸収されるようにしましょう。補食の内容や摂取タイミングは、いつトレーニングをするかによって異なるので、それぞれ解説していきます。
食事後にトレーニングする場合
食事後にトレーニングする場合は、体に十分な栄養素がある状態で体を動かせるのが特徴です。そのため、トレーニング前に補食を摂取する必要はありません。
トレーニングをすると、体内の糖が枯渇したり筋肉が傷ついたりするので、糖質やたんぱく質を摂取しましょう。
糖質源としておすすめの食べ物は、下記の通りです。
- おにぎり
- パン
- バナナ
- 焼き芋
たんぱく質は、下記のような食品から手軽に摂取できます。
- プロテイン
- サラダチキン
- ゆで卵
- サバ缶
トレーニング後にプロテインを摂取するなら、ホエイプロテインを選択しましょう。ホエイプロテインは素早く吸収され筋肉の回復に使われるので、トレーニング後に最適です。
また、トレーニングによって消費されるアミノ酸やミネラルを摂取するのもおすすめです。アミノ酸の中でもBCAAは、筋肥大の促進や筋肉痛の軽減に効果があることがわかっています。
ミネラルは、運動中に汗と共に体外へ出ていってしまいますが、スポーツドリンクで手軽に補給できます。スポーツドリンクには、運動後に摂取したい糖質も含まれているので、ぜひ取り入れてみください。
食事前にトレーニングする場合
食事前は、トレーニング中のエネルギーとなる糖が枯渇してしまっていることがあります。特に夕食前は、昼食から時間が経過して栄養が不足しがちな時間帯なので、トレーニング前に補食を取りましょう。
食事前にトレーニングする場合、糖質を摂取するようにしてみてください。エネルギー源となる糖が少ないと、トレーニングのパフォーマンスが下がってしまうので要注意です。
糖質は短時間でエネルギーとして利用できますが、トレーニングの1〜2時間前までにおにぎりやバナナなどから摂取しておくのがおすすめです。
トレーニングの効率をさらに高めるサプリメント5選
食事の内容を見直した上でトレーニングの効率をさらに高めたい場合は、サプリメントを摂取しましょう。ここでは、トレーニングをしている方に摂取していただきたいサプリメントを5つ紹介します。
- プロテイン
- BCAA
- クレアチン
- アルギニン
- カフェイン
サプリメントごとの効果や摂取するのにおすすめのタイミングについて解説するので、気になるものから取り入れてみてください。
1. プロテイン
プロテインを飲むと、たんぱく質を摂取できます。プロテインは水または牛乳に溶かすだけで簡単に摂取できるので、無理なく飲み続けやすいのが特徴です。
摂取するのにおすすめのタイミングは、トレーニング後です。トレーニング後は筋肉が傷ついてしまっているので、スムーズに回復が進むようにたんぱく質を摂取する必要があります。
特に、プロテインの中でも素早く吸収されるホエイプロテインを摂取すれば、筋肉の回復が早く進みます。効率よく筋肥大させるだけでなく、早く筋肉痛を緩和させたい場合は、プロテインを取り入れましょう。
2. BCAA
BCAAとは、下記の3つのアミノ酸のことで、筋肉の合成促進や疲労感・筋肉痛の軽減に効果があります。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
これらは、人間の体内では作れないアミノ酸なので、食事やサプリメントから摂取する必要があります。トレーニング時は普段よりも多くのBCAAが必要になるので、サプリメントで手軽に摂取しましょう。
BCAAを摂取すると、30分後に血中濃度が最大になることがわかっています。そのため、トレーニングの30分前にBCAAを摂取しておくのがおすすめです。
3. クレアチン
クレアチンは体内で合成できるアミノ酸の一種です。トレーニング時はクレアチンの消費量が多くなるので、サプリメントから摂取して十分なパフォーマンスを発揮できるようにしましょう。
クレアチンには、下記のような効果を期待できます。
- 筋肉量の増加
- 筋肉疲労の緩和
- 筋肉の回復促進
- 筋トレでの耐久力向上
クレアチンは、血糖値の上昇によって分泌されるインスリンというホルモンによって筋肉に取り込まれるので、糖質とセットで摂取するのが効果的です。
ローディングと呼ばれる短期間でクレアチンの体内貯蔵量を最大にする方法もありますが、約1ヶ月間、毎日3g摂取すれば貯蔵量が最大になると言われています。即効性はないので、継続的に摂取するのがポイントです。
4. アルギニン
アルギニンを摂取すると、下記のような効果を得られます。
- 成長ホルモンの分泌促進
- 疲労回復の促進
- 血流促進
アルギニンは、体内で合成できるアミノ酸の一種です。しかし、合成量が少なく不足しがちなアミノ酸なので、サプリメントから摂取するのが適しています。
疲労の回復を目的とする場合は、運動の前後にアルギニンを摂取するのが効果的です。成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の合成や脂肪の燃焼を促したい場合は、就寝前に摂取しましょう。
5. カフェイン
カフェインを摂取すると、トレーニングのパフォーマンスが向上することがわかっています。
1回で摂取するカフェインの目安は、体重1kg当たり3~6mgです。摂取量が多すぎると、めまいや動悸といった副作用のリスクが高まってしまうので要注意です。
カフェインは吸収されるまで約1時間かかり、効果が4〜6時間継続すると言われています。そのため、トレーニングを開始する1時間以上前に摂取するのが効果的です。
まとめ
この記事では、トレーニングの効果を最大化させるための食事法について解説しました。まとめると、下記の通りです。
- 五大栄養素をバランスよく摂取するのが重要
- トレーニングをする日は捕食を取るようにする
- 食事の内容を見直せたらサプリメントも取り入れるのがおすすめ
人間の体は摂取した栄養素によって構成されるので、何をどれくらい食べるかが重要です。必要な栄養素の量は人によって異なるので、自分に合った栄養摂取ができるようになる必要があります。
食事内容を見直してトレーニングすれば確実に理想の体型に近づいていくので、努力を継続していきましょう。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧下さい。