「体幹を鍛えるとランニングのタイムは良くなる?」
「ランニングと体幹ってどんな関係があるんだろう…」
「ランニングに効果的な体幹トレーニングメニューを知りたい!」
プロのスポーツ選手も積極的に取り入れている体幹トレーニング。
ランニングのタイムがよくなるなら、ランナーも鍛えておきたいですよね。
結論から言えば、ランニングと体幹トレーニングには強い関係があります。
駅伝強豪校である青学も、体幹トレーニングを取り入れているほどです。
そこで本記事では、
- ランナーが体幹を鍛えるメリット
- ランニングと関係の深い体幹の筋肉
- 青学も取り入れている7種の体幹トレーニング
の情報をまとめました。
本記事を読めば、青学でも行われているトレーニングがわかり、すぐに体幹を鍛え始められます。
今の自分より更に良いタイムを出すため、ぜひ最後までご覧ください。
体幹はランニングを補強する
体幹を鍛えるとフォームの安定性が増すため、ランニングがより安定します。
体幹が鍛えられたからタイムがよくなるというわけではなく、あくまで補強の役割です。
タイムが伸びる直接的なトレーニングは「走ること」であり、体幹トレーニングは走り続けられる体作りにつながると考えて良いでしょう。
駅伝強豪校である青学が積極的に体幹トレーニングに取り組んでいることからも、ランナーが体幹を鍛える重要性が伺えます。
とくに長距離ランナーは、インナーマッスルのトレーニングを重点的に行い、フォームの安定性を向上するとよいでしょう。
鍛えられた体幹がランニングにもたらす3つのメリット
ここでは、体幹を鍛えることによってもたらされる、ランニングのメリットをご紹介します。
具体的には以下の3つです。
- 「腕ふり」のフォームが良くなる
- 「骨盤」から力を引き出せる
- 疲れにくくなる
それぞれの理由まで解説します。
1. 「腕ふり」のフォームが良くなる
体幹を鍛えると、ランニングで重要な「腕振り」のフォームがよくなります。
正しい腕振りは、腕だけではなく体の中心から振るからです。
体幹のインナーマッスルが鍛えられることで、背骨で腕を振る感覚で、体の中心から腕振りができるようになります。
「腕振り」のフォームがよくなることが、体幹を鍛えるひとつめのメリットです。
2. 「骨盤」から力を引き出せる
体幹を鍛えるふたつめのメリットは、骨盤から力を引き出せることです。
体幹の一部である骨盤底筋群は、意識的にトレーニングしなければ力を引き出せません。
この後ご紹介するT字バランスなど、体幹トレーニングによって骨盤底筋群は鍛えられ、力を発揮できるようになります。
骨盤から走りをサポートできることは、体感トレーニングのメリットです。
3. 疲れにくくなる
体幹を鍛えると、長距離のランニングでも疲れにくくなります。
余計な力を使わずに効率よく走れるようになるからです。
ランニングでは、激しく動くための筋肉ではなく、体を制するインナーマッスルが重要になります。
インナーマッスルが鍛えられ、安定した走りで疲れにくくなることが、3つ目のメリットです。
ランニングと関係が強い3つの体幹の筋肉
体幹とは胴体のことであり、胸筋や腹筋、背筋も全て体幹の筋肉です。
そこでここでは、体幹の中でもランニングと強い関係のある筋肉をご紹介します。
代表的なものは、以下の3つです。
- 腹横筋
- 内腹斜筋
- 外腹斜筋
それぞれの筋肉の役割まで、詳しく解説します。
1. 腹横筋
腹横筋とは、腹筋の最深層に位置するインナーマッスルです。
おなか周りををコルセットのように覆った筋肉で、内臓の位置を調整し腹圧を高める役割を果たします。
ランニングにおいては、フォームの安定性や姿勢の維持に関わる筋肉です。
普段は意識することのない筋肉だからこそ、意識的に鍛える必要があります。
2. 内腹斜筋
内腹斜筋とは、腹筋のインナーマッスルのひとつです。
お腹を丸めたり、腰を回旋したりする動きで使います。
ランニングの安定性に関与しており、国立スポーツ科学センターの研究結果でも、長距離の陸上選手のパフォーマンスと腹斜筋に相関関係が認められています。
3. 外腹斜筋
外腹斜筋とは、脇腹の位置にあり、腹筋の筋肉のひとつです。
体を左右に捻ったり、前屈の動きで使用します。
内腹斜筋と同様にランニングの安定性に関与し、鍛えることで疲れにくい走りを実現します。
長距離のランニングでタイムを伸ばしたい場合は、鍛えておきたい筋肉です。
ランニングに効果的な体幹トレーニング
ここでは、ランニングに効果的な体幹トレーニングを、そのやり方までご紹介します。
ランナーに取り入れて欲しいトレーニングは、以下の7つです。
- ドローイン
- T字バランス
- プランク
- アームレッグクロスレイズ
- レッグツイスト
- ツイストクランチ
- ダブルクランチ
7つのトレーニングはすべて、青学陸上部も取り組んでいるトレーニングです。
それぞれのやり方まで、詳しく解説していきます。
1. ドローイン
ドローインとは、呼吸によりお腹をへこませるトレーニングです。
意識的に腹圧を高め、インナーマッスルの腹横筋を鍛えることができます。
ランニングで重要な腹横筋を鍛えられるトレーニングですので、ぜひトライしてみてください。
ドローインのやり方
- マットの上で仰向けになる
- ヒザを立て、足は腰幅程度に開く
- 両手は床につけ、リラックスする
- 4秒かけて息を吐きながら、お腹をへこませる
- 4秒かけて息を吸いながら、お腹を元に戻す
- 4と5を繰り返す
ドローインの目安は5回 × 2セットです。
目線は基本的に天井に向けますが、最初のうちはお腹を見て、しっかりへこんでいるかチェックしながら行ってもよいでしょう。
お腹の上にタオルを置くと、どれくらいへこんでいるのか見えるのでおすすめです。
お腹以外には力を入れず、足を踏ん張ってしまったり、肩がすくんだりしないよう、リラックスします。
腰の下にタオルを挟むと、力が入りすぎて腰が反るのを防いでくれます。
ドローインの呼吸法に慣れてくれば、立った状態でもできるようになるため、隙間時間でも取り組みやすいトレーニングです。
2. T字バランス
T字バランスは、片足で立って上体を前傾させ、体全体でアルファベットのTの字を作るトレーニングです。
ランニングでも重要な、股関節周辺筋群を鍛えるのに適しています。
腹筋や背筋などに加え、腸腰筋などの体幹の筋肉も効果的に鍛えられます。
T字バランスのやり方
- 片足のヒザを引き上げる
- 引き上げた足を体の後ろへ引き下げる
- 足を引き下げるのと同時に、上体を前傾させる
- 引き上げた足と上体は一直線にする
- 体全体でアルファベットのTの字を作る
- そのままの姿勢をキープ
T字バランスの目安は30秒 × 3セットです。
バランスを崩して倒れしまわないよう、安全には十分注意してください。
どうしてもバランスが取れない場合は、カベに手をついた状態から始めてもよいでしょう。
軸足は若干ヒザを曲げ、股関節の筋肉に負荷がかかっていることを感じてください。
慣れてくればウエイトを持ってみるなど、負荷を高めると効果もアップします。
3. プランク
プランクとは、前腕とつま先で体を支え、姿勢をキープする体幹トレーニングです。
腹筋周りに効果があり、ランニングに重要な腹横筋や腹斜筋を鍛えることができます。
体幹を鍛える筋トレの基礎となるトレーニングですので、ぜひ挑戦してみてください。
プランクのやり方
- 四つん這いの姿勢を作る
- 両手の前腕を床につける
- 腕幅は肩幅と同程度、手はグーの形に握る
- 両足は伸ばしてつま先を揃える
- 頭からかかとまで一直線のラインを作る
- そのままの姿勢をキープ
プランクの目安は30秒 × 3セットです。
腹筋に力が入っていることを感じながら取り組みましょう。
きつくなってくると呼吸を止めてしまいたくなりますが、呼吸が止まると効果は半減してしまいます。呼吸は意識的に続けてください。
長時間やってもきつくならないようなら、一直線のラインが崩れてしまっている可能性が高いです。
スマホで横から撮影してみるなど、フォームのチェックをおすすめします。
4. アームレッグクロスレイズ
アームレッグクロスレイズは、プランクの姿勢から片手片足を浮かせたトレーニングです。
腹筋だけでなく、背筋など体幹全体に効果があります。
片足をあげる動きでは、ランニングに関係のある骨盤底筋群も連動して鍛えられます。
アームレッグクロスレイズのやり方
- 四つん這いの姿勢を作る
- 片足を伸ばし、背中からかかとまで一直線のラインを作る
- 伸ばした足と反対側の手を伸ばす
- 伸ばした足のかかとから、伸ばした手の先まで一直線にする
- そのままの姿勢をキープ
アームレッグクロスレイズの目安は左右それぞれ30秒 × 3セットです。
腕や足を上げる際、手足の筋肉ではなく腹筋の力で姿勢をキープしましょう。
肛門を軽く閉めるように力を入れると、ランニングと関係の深い骨盤底筋群が鍛えられます。
意識するポイントが分散すると、一直線のラインが崩れやすいので、注意しながら取り組みましょう。
たとえば、腹筋の力を意識するあまり背中が丸まってしまう、腰が反りすぎて一直線が崩れてしまうなどが、よくあるフォーム崩れです。
ひとつひとつの動作を意識しながら、正しいフォームをキープする必要があります。
5. レッグツイスト
レッグツイストは、仰向けの状態から持ち上げた両足を、左右に振るトレーニングです。
体を捻る時に使う、腹斜筋を鍛えることができます。
レッグツイストのやり方
- 仰向けに寝る
- 両手は八の時に床につけ、手のひらで床を抑える
- 両足を揃えて持ち上げ、ヒザを90度に曲げる
- 腰を軸にし、足を左右に振る
- 4を繰り返す
レッグツイストの目安は15回 × 3セットです。
足を振る時に背中が浮いてしまうと、腹筋から力が抜けてしまいます。
腰を軸にし、肩が浮かない範囲で振るとよいでしょう。
慣れてきたら、足を真っ直ぐに伸ばして行うと効果が高まります。
ヒザを曲げた時よりも肩が浮きやすくなるので、腹筋の力が抜けてしまわないよう注意してください。
6. ツイストクランチ
ツイストクランチは、体をねじった状態で行うクランチトレーニングです。
腹斜筋を鍛えて、ランニングに必要な体幹の筋肉を発達させる効果があります。
ツイストクランチのやり方
- 仰向けに寝る
- ヒザを立てて揃える
- 両膝を揃えたまま片側に倒す
- 肩が浮く直前で両膝をストップ
- 3の姿勢のまま、上体を起こす
- 肩甲骨が床から離れる程度上げ、元に戻す
- 6を繰り返す
ツイストクランチの目安は左右それぞれ15回 × 3セットです。
ヒザを倒しすぎると腹斜筋から力が抜けて、腹直筋が刺激されてしまいます。
横腹に力が入っていることを意識しながら取り組みましょう。
7. ダブルクランチ
ダブルクランチは、上体と同時に足を持ち上げるクランチトレーニングです。
体幹の中でも、腹筋の腹直筋に刺激が入ります。
ランニングの体幹トレーニングを引き締めるために取り入れたい種目です。
ダブルクランチのやり方
- 仰向けに寝る
- 両手は頭に添える
- ヒザを揃え、床から浮かせる
- 軽く上体を起こす
- 4と同時に足も引き上げる
- 4と5を繰り返す
- 3の姿勢に戻る
- 5〜7を繰り返す
ダブルクランチの目安は15回 × 3セットです。
首が丸まってしまうと腹筋の力が使えません。腹筋の力を使っているか意識しながら取り組みましょう。
筋力が足りず、上体と足を同時に引き上げるのが難しい場合は、上体を起こした後ふとももに手を回し、手でサポートするとよいでしょう。
【まとめ】体幹を鍛えて、ランニングのタイムを上げよう!
ランニングと体幹には深い関係があります。
体の中心となる体幹が鍛えられれば、腕振りが良くなる上、骨盤から力を発揮できるようになるでしょう。
長距離選手は疲れにくくなり、よりよいタイムを目指せるようになります。
体幹トレーニングだけでタイムが縮まるわけでははありませんが、ランニングをサポートする筋力は体幹に詰まっていることは確かです。
本記事でご紹介したトレーニングに取り組んで、ランニングのタイムを伸ばしていきましょう!
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