「懸垂ってどうすればいいの?」
「懸垂の逆手と順手ってどう違う?」
「おすすめの懸垂トレーニングを知りたい!」
本コラムでは、このようなお悩みにお答えしていきます。
懸垂の効果を高めるには、正しいフォームですることが大切です。ただ単に体を持ち上げても、鍛えたい筋肉にアプローチできないことがあります。
しかし、懸垂の正しいトレーニング方法が分からない方も多いのではないでしょうか。インターネットなどに様々な情報が載っており、何を信用していいか分かりませんよね。
そこでこの記事では、ジムトレーナーが正しい懸垂のやり方を解説します。おすすめのトレーニングや注意点も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
【基礎知識】正しい懸垂のやり方
正しい懸垂のやり方は、以下の通りです。
<やり方>
- 自分側に手のひらを向けて、バーを握る
- 手幅は肩幅と同じくらいにする
- 肩甲骨を寄せながら、顎がバーと同じ高さになるまで体を持ち上げる
- 持ち上げた状態で、2〜3秒くらいキープする
- 肘を伸ばしきらないように、元の姿勢に戻す
この動作を10回×3セットを目安に繰り返しましょう。
正しいフォームで行うことで、ケガのリスクが低くなったり、トレーニング効果を高められたりします。効率良く体を鍛えたい方は、懸垂のやり方に注意してみてください。
懸垂ができないときは?4つの原因と対策を解説
正しい懸垂のやり方を実施しても、上手くトレーニングができない場合があります。主な原因は、以下4点です。
- 体が重い
- 握力が弱い
- 筋力が不足している
- 体幹を使えていない
原因別の改善策も併せて解説します。
なお、懸垂ができない原因と対処法については「【ジムトレーナー監修】懸垂ができない原因5選!改善方法やおすすめトレーニングを解説」にてより詳しく紹介しています。
1. 体が重い
懸垂は、腕の力で体を持ち上げる必要があります。そのため、体重が重いと負荷がかかりすぎてしまい、体をバーに引きつけられません。
懸垂ができるようになるには、余分な脂肪を落とし、体重を減らすことがポイントです。
ダイエットの大前提は、消費カロリー>摂取カロリーの状態にすること。食事を極端に減らす方もいますが、かえって痩せにくくなります。消費カロリーの約90%は摂るよう意識してみてください。
2. 握力が弱い
懸垂ができない原因として、握力が弱いことが考えられます。バーを握る力が弱いと、体を支えきれないためです。
懸垂をする際、手のひらに痛みを感じる場合は、リストストラップなどのアイテムを使いましょう。バーから手が滑るのを防いでくれ、トレーニングが行いやすくなります。なお、リストストラップは1,000〜2,000円程度で購入できます。
3. 筋力が不足している
懸垂ができないのは、筋力不足が原因かもしれません。特にトレーニング初心者の方は、筋肉が鍛えられていない可能性が高いです。
懸垂をするには、主に以下の筋肉を使います。
- 広背筋
- 上腕筋
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 三角筋
筋力が足りないと感じる方は、背中や腕などを鍛えることから始めましょう。
4. 体幹を使えていない
適正体重で十分な筋力があるのにできない場合は、体幹を使えていない可能性があります。体の軸が定まっていないと、上手く力が入らないためです。
懸垂をする際には、体幹を意識してトレーニングしてみてください。加えて、ブランクなどで体幹を鍛えることも大切です。
【違いも解説】懸垂におけるバーの握り方4選
バーの握り方によっても、トレーニングに違いが出ます。鍛えられる部位も異なるため、組み合わせて行うのをおすすめします。
バーの握り方の種類は、主に以下4点です。
- 逆手(チンアップ)
- 順手(プルアップ)
- ワイドグリップ
- ナローグリップ
それぞれの握り方について、特徴や鍛えられる部位を解説します。
1. 逆手(チンアップ)
逆手は、手のひらが自分側に向く握り方です。チンアップとも呼ばれています。
逆手で懸垂を行うと、上腕二頭筋にアプローチをかけられます。
2. 順手(プルアップ)
順手は、逆手と反対で、手の甲を自分側に向ける握り方です。プルアップとも呼ばれています。
順手では、主に広背筋を鍛えられます。
3. ワイドグリップ
ワイドグリップとは、肩幅の2倍くらいの広さを取って握る方法です。手幅を広めに取ることで、背筋全体を鍛えられます。
4. ナローグリップ
ナローグリップとは、拳1個くらいの手幅を取る握り方です。主に、上腕二頭筋や大胸筋にアプローチをかけられます。
おすすめの懸垂トレーニング7選
懸垂には、様々な種目があり、鍛えられる部分が異なります。本項では、おすすめのトレーニングを紹介します。
主に、以下7点です。
- チンアップ
- プルアップ
- ワイドグリップチンニング
- ナローグリップチンニング
- L字懸垂
- タイプライターチンニング
- 片手懸垂
各トレーニングのやり方と注意点を解説します。
なお、懸垂を初めて行う場合は、片手懸垂などの高難易度の種目をいきなり行うのは控えてください。関節や筋肉が痛む原因となります。
1. チンアップ
チンアップは、基本的な懸垂のトレーニングです。バーは、逆手(手のひらが自分側)で握ります。
<チンアップのやり方>
- 自分側に手のひらを向けて、バーを肩幅程度に取って握る
- 肩甲骨を意識しながら、顎がバーと同じ高さになるまで体を持ち上げる
- その状態で、上体を2〜3秒キープする
- 肘を伸ばしきらないように、ゆっくりと体を下ろす
正しいフォームで行うよう気を付けましょう。基礎を固めることで、難易度の高い懸垂もしやすくなります。
2. プルアップ
プルアップは、順手(手の甲を自分側に向ける)で行う懸垂です。広背筋の上部にアプローチをかけられます。
<プルアップのやり方>
- 手の甲を自分側に向け、バーを肩幅より広めに握る
- 足を使い、地面を軽く蹴り上げる
- 顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げる
- 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
- 元の姿勢にゆっくり戻す
- 10回×3セットを目安に行う
プルアップは、チンアップよりも強度が高めです。そのため、チンアップができるようになってから行いましょう。
3. ワイドグリップチンニング
ワイドグリップチンニングは、手の幅が広いことが特徴です。大胸筋や背筋全体を鍛えられます。
<ワイドグリップチンニングのやり方>
- 手のひらが自分に向くようにバーを握る
- 腕と肘が90度になるイメージで、手幅をかなり広めに取る
- 肩甲骨を寄せる意識を持ち、胸がバーに付くまで体を引き付ける
- 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
- 元の姿勢にゆっくり戻す
- 10回×3セットを目安に行う
腕ではなく、広背筋を使って体を持ち上げましょう。肩甲骨を真ん中に寄せるイメージで行うのがおすすめです。
4. ナローグリップチンニング
ナローグリップチンニングは、手の幅を狭くして行う懸垂。上腕二頭筋や大胸筋を鍛えられるトレーニングです。
<ナローグリップチンニングのやり方>
- 手のひらが自分に向くようにバーを握る
- 手幅は拳1個分にする
- 肩甲骨を寄せるイメージで、胸にバーが付くまで体を引き付ける
- 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
- 元の姿勢にゆっくり戻す
- 10回×3セットを目安に行う
ナローグリップチンニングは、握力もある程度求められます。トレーニングが難しい場合は、グローブなどのアイテムを使いましょう。
5. L字懸垂
L字懸垂は、腹直筋などお腹周りを鍛えられる種目です。全身にアプローチをかけられ、効率良く体を鍛えられます。
<L字懸垂のやり方>
- 手のひらが自分に向くようにバーを握る
- 足を地面に付けたまま、体を持ち上げる
- 両足を上げて、体で「L字」を作る
- 顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げる
- 限界まで持ち上げられたら、2~3秒キープする
- 元の姿勢にゆっくり戻す
- 10回×3セットを目安に行う
L字懸垂は、難しめのトレーニングです。最初は少ない回数から始めて、徐々に増やしていくのが良いでしょう。
6. タイプライターチンニング
タイプライターチンニングは、左右交互に体を引き上げる懸垂です。胸筋にアプローチをかけられます。
<タイプライターチンニングのやり方>
- 手のひらが自分に向くように、片手でバーを握る
- 肘が90度になるイメージで、手幅をかなり広めに取る
- 体を少し持ち上げた状態で、右手に向って体を持ち上げる
- 顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、2~3秒キープする
- 元の姿勢にゆっくり戻す
- 左も同様に行う
- 左右5回ずつ × 3セットを目安にする
タイプライターチンニングをするときは、勢いを付けてしないように注意しましょう。
7. 片手懸垂
片手懸垂は、名前の通り、片手だけを使って行う懸垂です。両手で行う懸垂と比較すると負荷が非常に大きいことが特徴。
片手懸垂は、広背筋を鍛えられるだけでなく握力強化も期待できます。
<片手懸垂のやり方>
- 手のひらが自分に向くように、片手でバーを握る
- バーを握っていない手は、腰の後ろに置いておく
- 顎がバーに付くまで体を引き付け、2~3秒キープする
- 肘を伸ばしきらないよう注意しながら、体をゆっくりと下す
- 10回×3セットを目安に行う
片手懸垂は、上級者向けの種目です。あくまでも目安ですが、チンアップを連続で30回できるようになったらチャレンジしてみてください。
懸垂行う際の注意ポイント4選
懸垂をする際には、フォーム以外にも注意したいことがあります。主に、以下4点です。
- 難易度を少しずつ上げる
- 呼吸を止めずに行う
- バーを軽く握る
- 休息日を作る
各ポイントについて、詳しく解説します。
1. 難易度を少しずつ上げる
懸垂をする際には、難易度を少しずつ上げましょう。いきなり難しいトレーニングをすると、ケガに繋がります。
特に、初心者はできるだけ無理はしないよう注意します。初めて懸垂を行う場合は、足を地面に付けて行う「斜め懸垂」がおすすめです。
2. 呼吸を止めずに行う
懸垂中に呼吸を止めてしまうと、体は酸欠状態になります。トレーニング効果が落ちるだけでなく、心臓に大きな負担がかかる行為です。
筋トレ時における呼吸の基本は、筋肉が収縮するときに息を吐き、伸ばすときに吸うことです。懸垂では、体をバーに引きつける状態で吐き、元の姿勢に戻す際に吸いましょう。
3. バーを軽く握る
懸垂をする際には、バーを軽く握るよう意識します。強く握ることで腕に力が入り、広背筋を鍛えられないためです。
握力に自信のない方は、ゴムバンドを使い、負荷を小さくしながら懸垂をしましょう。
4. 休息日を作る
筋肉を育てるには、トレーニング後に休息日を設けることが大切です。そのため、毎日行うのは避けましょう。
2〜3日程度、間隔を空けるのがおすすめです。筋肉痛がある場合は、痛みが引くまでは休みましょう。
まとめ
懸垂は、正しいフォームで行うことが大切です。効果的な筋トレができるだけでなく、ケガを防止できます。
なお、バーの握り方やトレーニング方法によって鍛えられる部位が異なります。自分のレベルに合わせたものを選び、懸垂を行ってみてください。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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