「糖質制限中の有酸素運動に効果はあるの?」
「有酸素運動をするとダイエット効果は上がる?」
「有酸素運動をするときに気をつけるべきポイントがわからない…。」
こんな悩みはありませんか?
結論、糖質制限中に有酸素運動を行うと、ダイエット効果が高まります。
ただし、今回紹介する注意点を知らないと、せっかく有酸素運動を始めても逆効果になってしまいます。
そこでこの記事では、以下の4つについて解説します。
- 有酸素運動によって高まる糖質制限の効果3つ
- 知っておきたい糖質制限のメカニズム
- 糖質制限でダイエット効果を高める3つのコツ
- 糖質制限中の有酸素運動で気を付けるべき5つのポイント
糖質制限中で有酸素運動を始めるか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
有酸素運動によって高まる糖質制限の効果3つ
有酸素運動が糖質制限の効果を高める理由は、以下の3つです。
- 筋肉量が増える
- 脂肪の燃焼ができる
- ストレスの解消ができる
これらについて詳しく知ることで、糖質制限中に有酸素運動を行う必要性がわかります。
1. 筋肉量が増える
有酸素運動をすると筋肉量が増えるため、糖質制限中でも消費カロリーを増やすことができます。
筋肉量が増えると、基礎代謝量を高めることができるからです。
糖質制限ダイエットは、体脂肪や筋肉を分解しエネルギーに変える一方で、基礎代謝量が落ちてしまうデメリットがあります。
糖質制限の効果を高めたいなら、有酸素運動で筋肉量を増やし、痩せやすい体作りをしましょう。
2. 脂肪の燃焼効率が高まる
有酸素運動をすると脂肪が燃焼され、糖質制限の効果を高めることができます。有酸素運動は、皮下脂肪をエネルギーとして消費するからです。
糖質制限ダイエットは、あくまで糖質を制限すること。脂質の制限はしていないため、皮下脂肪を減らす効果は期待できません。
体型を引き締める目的で糖質制限ダイエットをしている人は、皮下脂肪を減らすことが重要です。
有酸素運動を取り入れることで、皮下脂肪を消費して、ダイエット効果を高めましょう。
3. ストレスの解消になる
有酸素運動をすると、ストレス解消ホルモンのセロトニンが脳内で分泌され、糖質制限中のストレスが軽減されます。
糖質制限中はエネルギー不足や空腹感でイライラしがちです。ストレス発散のため暴飲暴食をし、リバンドを経験した人もいるのではないでしょうか?
運動によりセロトニンの分泌を促すことで、糖質制限中のストレスの軽減やリバウンドを予防できます。
心のバランスを保ちながら糖質制限を続けたい人は、有酸素運動を取り入れましょう。
知っておきたい糖質制限のメカニズム
この章では、知っておきたい糖質制限のメカニズムについて、詳しく解説します。
糖質制限のメカニズムについて知ることで、あなたの目的にあったダイエットができます。
糖質制限とは
糖質制限とは、炭水化物の一部である糖質を制限することです。
もし糖質を過剰摂取すると、血糖値が急激に上昇し、体脂肪を増やす原因になります。
血糖値を下げるインスリンというホルモンは、糖質を脂肪として蓄える働きがあるからです。
つまり、糖質の過剰摂取で血糖値が上昇すると、インスリンが大量に分泌されます。結果、糖質が脂肪として蓄えられやすくなるのです。
糖質制限で余分な糖の摂取を控えて、無駄な脂肪がつかないようにしましょう。
糖質制限で落ちるのは内臓脂肪
糖質制限で落とせる脂肪は、内臓脂肪だと知っておきましょう。
糖が不足すると、体内で内臓脂肪をエネルギーに変える糖新生が起こり、エネルギー生成のために内臓脂肪を消費するからです。
人間の体につく脂肪には、以下の2種類があります。
脂肪の種類 | 特徴 |
内臓脂肪 |
|
皮下脂肪 |
|
内臓脂肪には、エネルギーに変えやすく、消費しやすいという特徴があります。しかし、内臓脂肪が減っても体型は必ずしも引き締まるとは限りません。
体型を引き締める目的でダイエットをするなら、皮下脂肪を減らしましょう。
では、次に皮下脂肪を減らす方法について解説します。
皮下脂肪を減らすならケトン体が重要
皮下脂肪を減らしたいなら、ケトン体について知っておきましょう。
ケトン体とは、脂肪の合成と分解に関わる代謝物のことです。
糖質制限で糖が不足すると、皮下脂肪がケトン体になり、エネルギーとして利用されます。
糖質制限の効果が出るのは、ケトン体が作られる2週間目からと言われています。そのため、皮下脂肪を落として体型を引き締めたいなら、2週間以上の糖質制限ダイエットが必要です。
糖質制限でダイエット効果を高める3つのコツ
糖質制限でダイエット効果を高めるコツは、以下の3つです。
- アンダーカロリーを保つ
- 糖質の摂取量を把握する
- 水分をたくさん摂る
ダイエット効果を高めるコツについて知ると、効率の良い糖質制限ができます。詳しく見ていきましょう。
1. アンダーカロリーを保つ
アンダーカロリーを保つことは、効果的なダイエットの基礎になります。
ダイエットの基本は、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることだからです。
つまり、「食べ物で摂取するカロリー」よりも「日常生活で消費するカロリー」の方が多くならないといけません。
基礎代謝量の計算には、日本医師会ホームページが参考になります。
アンダーカロリーを保つメリットは、経口摂取したすべてのカロリーをエネルギーとして消費でき、その後のエネルギーは脂肪を燃焼して作られることです。
確実に脂肪を減らせるため、効果を実感しやすく、モチベーションにも繋がります。
2. 糖質の摂取量を把握する
ダイエット効果を高めるなら、糖質の摂取量の把握は必須です。
糖質制限の効果が、日々どれくらいあるかを把握できるからです。
糖質の摂取量を簡単に調べたいなら、栄養成分表示を確認しましょう。
糖質は、炭水化物と食物繊維を合計したものです。仮に糖質の表示がなくても、炭水化物から食物繊維のカロリー(kcal)を引くと糖質量の計算ができます。
もし表示がない場合は、グリコのサイトでも簡易的に計算ができます。
自分の糖質摂取量を把握するだけでも、糖質制限ダイエットに対する意識は大きく高まります。
3. 水分をたくさん摂る
水分をたくさん摂ることも、脱水症状の予防になり、ダイエットに大変良い影響をもたらします。
糖質は、体内で3倍の水分と結びつきます。つまり糖質制限をすると、本来体内にあるべき水分量が減ってしまいます。
その結果、体のだるさや不調といった脱水症状、乾燥肌や便秘の原因にもなるため注意が必要です。
糖質制限でダイエット効果を高めることができても、健康が損なわれては本末転倒です。
水の摂取目安は、1日2Lと言われています。十分な水分を摂り、健康的にダイエットをしましょう。
糖質制限中の有酸素運動で気を付けるべき5つのポイント
糖質制限中の有酸素運動で気をつけるべきポイントは、以下の5つです。
- 適度に糖質を摂る
- しっかりとタンパク質を摂る
- 鉄分を摂る
- 有酸素運動前後に糖質は摂らない
- 極端なカロリー消費はしない
気をつけるべきポイントを知らないまま有酸素運動を始めると、糖質制限の効果を半減させてしまいます。
5つのポイントをしっかりと抑えて、効果的な有酸素運動ができるようになりましょう。
1. 適度に糖質を摂る
有酸素運動で気をつけるべき1つ目のポイントは、適度に糖質を摂ることです。
糖質が不足すると、エネルギーを生成するために筋肉が分解されてしまうからです。
筋肉が分解されることで基礎代謝量が下がり、有酸素運動をした時に消費されるカロリーが減少します。
また、糖質全カットのように極端な糖質制限をすると、脳がエネルギー不足となり、集中力の低下や脱力などの症状を引き起こすこともあります。
有酸素運動を取り入れるなら、適度に糖質を摂りましょう。
2. しっかりとタンパク質を摂る
有酸素運動で気をつけるべき2つ目のポイントは、しっかりとタンパク質を摂ることです。
タンパク質が不足すると、筋肉量を維持できず、基礎代謝量が落ちてしまいます。
タンパク質は体の筋肉や血液などを作る重要な栄養素であり、有酸素運動で鍛えた筋肉の維持に必要不可欠です。
具体的なタンパク質の摂取量は、体重1kgあたり0.66gと言われています。
例えば、体重55kgの成人で1日3食なら、1食あたり12.1gのタンパク質が必要になります。動物性タンパク質を摂るなら脂質の少ない赤身やレバー、植物性タンパク質を摂るなら大豆やブロッコリーがおすすめです。
1g単位で正確な量を摂りたい人は、プロテインを活用してみるのも良いでしょう。
有酸素運動中でも、タンパク質は体づくりに必須なのです。
3. 鉄分を摂る
有酸素運動で気をつけるべき3つ目のポイントは、鉄分を摂ることです。
有酸素運動をすると、ペプシンという鉄の吸収を妨げるホルモンが分泌されるからです。また、汗には鉄分が含まれています。そのため、有酸素運動後は鉄分が不足した状態なのです。
鉄分が不足すると、めまいや立ちくらみなど貧血症状の原因になるため、レバーやほうれん草といった鉄分を多く含む食品を摂って予防しましょう。
また、果物や魚介類など鉄の吸収を助けるビタミンC・12が多く含まれる食品も一緒に摂ることで、吸収効果を高めることができます。有酸素運動で不足した鉄分を摂取し、貧血を予防しましょう。
4. 有酸素運動前後に糖質は摂らない
有酸素運動で気をつけるべき4つ目のポイントは、運動前後に糖質を摂らないことです。
糖質を摂った直後は、インスリンの分泌が促進されるため、糖質は脂肪として吸収されやすくなるからです。
そのため、運動前1時間以内に糖質を摂ると痩せにくい体質になり、有酸素運動の効果を半減させる結果になります。
また、運動直後はエネルギー不足であり、体内ではエネルギーを補充するために糖質は脂質に合成されやすくなります。
有酸素運動を取り入れるなら、運動前後に糖質の摂取は避けましょう。
5. 極端なカロリー消費はしない
有酸素運動で気をつけるべき5つ目のポイントは、極端なカロリー消費はしないことです。
極端なカロリー消費とは、例えば毎日1時間以上の有酸素運動を続けることです。
有酸素運動を1時間以上すると、日常行動に使う糖質まで消費するため、集中力の欠如や疲労感などの不調を招く恐れがあります。
また、毎日続けると筋肉の回復が追いつかず、有酸素運動をしているにも関わらず筋肉量が減り、基礎代謝量が落ちる結果になります。
そこで、糖質制限中に有酸素運動を始めるなら、1回につき20分〜1時間以内で週2〜3回程度をおすすめします。
糖質制限ダイエットは、2週間目から効果が出始めるため、有酸素運動と合わせて無理なく続けられることが重要なのです。
糖質制限中でも無理なくできる有酸素運動3選
糖質制限中でも無理なくできる有酸素運動について、以下の3つを紹介します。
- 日常生活行動を変える(例: 階段を使う)
- 屋内(例: 踏み台昇降)
- 屋外(例: ジョギング)
糖質制限と一緒に続けられる有酸素運動について知り、無理なく運動習慣を取り入れましょう。
1. 日常生活行動を変える(例: 階段を使う)
無理なくできる有酸素運動として、日常生活行動を変える方法があります。
中でも以下2つが日常生活で取り入れやすく、おすすめです。
- エレベーターを階段にする
- 一駅前で降りて家まで歩く
例えば、体重55kgの人が階段を10分間上り下りしたとします。
消費カロリーは、以下の計算式で求められます。
消費カロリー(kcal) = メッツ × 体重kg × 運動時間 × 1.05kcal
消費カロリー(kcal) = 3 × 55kg × 0.17時間 × 1.05 = 29.4kcal
メッツは運動強度の単位で、安静時を1として活動した際に何倍の運動量になるかを表したものです。今回の階段昇降運動は、安静時と比べて3倍の運動量であるため、3メッツとなります。
また、「1.05」とは、成人が安静時に1時間あたり体重1kgで消費するカロリーのことです。
このように有酸素運動は、日常生活行動を少し変えるだけでも簡単に取り入れることができます。1回の消費カロリーは少なく見えますが、積み重ねることが重要なのです。
運動習慣をつけるのが難しい人は、日常生活行動を変えることから始めましょう。
2. 屋内(例: 踏み台昇降)
屋内で運動するなら、「踏み台昇降」が良いでしょう。
踏み台さえあれば、場所を選ばず隙間時間にできるからです。
やり方や注意点を、以下の表にまとめました。
実施方法 |
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注意点・コツ |
|
仕事や子育てが忙しく屋外で運動する時間がない人でも、簡単に始めることができます。
その他、以下の有酸素運動もおすすめです。
- ヨガ
- フラフープ
- ラジオ体操
自宅で無理なくできそうな運動からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
3. 屋外(例: ジョギング)
屋外なら「ジョギング」が良いでしょう。
自分のペースで走ることができ、無理なく始められるからです。また、必要なものも運動用のジャージとスニーカーくらいで、気軽にできることも嬉しいですよね。
有酸素運動に最も適した心拍数は1分間に120回前後と言われています。ジョギングなら息が上がらず、発汗する程度を目標にすると良いでしょう。
その他、無理なく始められる有酸素運動として、以下の3つがおすすめです。
- 縄跳び
- ウォーキング
- 水中ウォーキング
屋外でしっかりと体を動かし、リフレッシュも兼ねて始めるのも良いでしょう。
まとめ
この記事では、糖質制限と有酸素運動の関係について解説しました。以下に重要な点をまとめます。
- 糖質制限で減るのは内臓脂肪
- 体型を引き締めたいなら皮下脂肪を落とす有酸素運動が効果的
- 過度な糖質制限はダイエット効果を下げる
糖質制限中に有酸素運動を取り入れると、ダイエット効果は高まります。
ただし、過度な糖質制限で痩せたとしても長続きはしません。無理なく続けられる有酸素運動を取り入れることで、糖質制限ダイエットの効果を高め、継続できるのです。
この記事の内容を参考に、ぜひあなたに最適な有酸素運動を始めてみてはいかがでしょうか。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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