「腹筋をするときに呼吸は意識した方がいいの?」
「しっかり腹筋を鍛えられる呼吸法があったら知りたい」
腹筋と呼吸の関係について気になる人は多いと思います。
結論からいうと、効果的に腹筋を鍛えるには日々の継続だけではなく呼吸を意識することが重要です。
そこでこの記事では、腹筋と呼吸の関係について以下の内容を解説。
- 腹筋をするときに呼吸を意識するメリット
- 効果的な呼吸方法について
- 腹筋を鍛えるときの注意点
経験豊富なプロのトレーナー監修のもと、分かりやすくお伝えしています。ぜひご覧ください。
腹筋は呼吸を意識することで上手に鍛えられる筋肉
腹筋は、体の動きをサポートしている大きな筋肉です。動かす場所によって、大きく3つの部位に分かれます。
腹筋を構成している筋肉は以下の3つ
- 腹直筋
- 腹斜筋(外/内)
- 腹横筋
腹直筋は、板チョコのように割れた構造の筋肉です。下腹部の前面に位置し、体幹をサポートしています。
腹斜筋は、お腹の横の筋肉です。表面を外腹斜筋、深層部は内腹斜筋といいます。腹斜筋は、くびれ維持に欠かせません。
腹横筋は、インナーマッスルと呼ばれ、腹直筋のさらに内側にあります。コルセットのように体幹を安定させてくれる筋肉です。
特に呼吸をするときは、インナーマッスルである腹横筋が大きく関与しています。
腹筋を鍛えるときは、呼吸と共に3つの腹筋の動きをしっかり感じることが大切です。
腹筋を鍛えるときに呼吸を意識すると得られるメリット4つ
腹筋を鍛えるときは、呼吸を意識して取り組みましょう。
ここからは、呼吸を意識することで得られる4つのメリットをご紹介します。
- お腹まわりがスッキリする
- 姿勢が良くなる
- インナーマッスルが鍛えられる
- 続けやすい
1.お腹周りがスッキリする
腹筋を鍛えるときに呼吸を意識することで、お腹まわりがスッキリします。腹筋は、お腹の中央にある筋肉です。
呼吸によって効果的に腹筋が鍛えられると内臓を支える力が強くなるため、スッキリとしたお腹周りを手に入れることができます。
例えば、なんだか下腹が出てきたと感じる方もいるのではないでしょうか。ぽっこりした下腹は、皮下脂肪だけではなく腹筋の筋力低下なども原因になります。
腹筋を鍛えることで肝臓や腸などが正しい位置に止まるため、お腹のたるみ改善に役立ちます。
腹筋を鍛えるときに呼吸を意識して、お腹周りをスッキリ絞りましょう。
2.姿勢が良くなる
呼吸を意識して腹筋を鍛えると、姿勢が良くなります。
繰り返しになりますが、腹筋に効果的なのは腹式呼吸です。腹式呼吸によって呼吸を深くすることで胸が開くため、猫背や前かがみになるのを防ぎます。
また、腹筋は体幹を整えるのに欠かせない筋肉。腹筋が鍛えられると、体幹が整うため自然と姿勢も良くなるのです。
猫背や姿勢の悪さは、見た目や自信に影響します。積極的に呼吸法を取り入れてみてください。
3.インナーマッスルが鍛えられる
腹横筋は、お腹の横に位置するインナーマッスルと呼ばれる部位です。呼吸によって、腹横筋が大きく動くため、インナーマッスルを鍛えることができます。
インナーマッスルは、体のバランスを支える大事な筋肉です。鍛えることで体幹が整うため、体をスムーズに動かせるようになります。
腹筋を鍛えるときは、インナーマッスルへ負荷が届くようにしっかり呼吸を意識しましょう。
4.続けやすい
呼吸は、誰もが無意識のうちに行っている動きです。必要な道具など何も必要なく、身ひとつですぐに取り入れることができるため、習慣化しやすいといえます。
トレーニングのコツを言われても、なかなかうまく取り入れられない方もいるのではないでしょうか?普段から絶えず行っている呼吸を意識するのは、比較的容易なはずです。
トレーニングに慣れるまでは、体の動きと一緒に呼吸を意識してみてください。
【基本の呼吸】腹筋を鍛えるときの基本的な呼吸方法
腹筋を鍛えるときの効果的な呼吸法は、「腹式呼吸」です。
腹式呼吸では、息を吸うときにお腹を膨らませます。十分に息を吸った後は、お腹を凹ませてしっかり空気を吐き出します。鼻から息を吸って、口からゆっくり吐き出すことがポイント。
腹式呼吸のやり方
- 鼻から息を吸って、下腹部に空気をためる
- 下腹部のふくらみを感じたら、ゆっくり口から息を吐き出す
- お腹が十分凹むまで息を吐き出したら、1から動きを繰り返す
腹筋をしっかり動かすためには、丁寧な呼吸が大切です。
お腹に空気を入れるときに腹筋が伸び、空気を吐き出すときに腹筋が縮みます。呼吸による下腹部のふくらみや凹みなど、腹筋の伸び縮みを感じてください。
慣れない内は、空気とお腹の動きを意識しながらゆっくり行ってみましょう。
呼吸を意識すると効果が上がる!おすすめの腹筋トレーニング5選
腹筋は呼吸を意識することで、効果的に鍛えることが可能です。
ここでは、特に呼吸と関係性の強い腹筋トレーニングを5つご紹介します。
- ドローイング
- ラテラル呼吸
- クランチ
- ヒールタッチ
- エルボープランク
1.ドローイング
ドローイングは、呼吸に重点をおいた筋トレです。主に、腹横筋を鍛えられます。
大きな動きを必要としないため、待ち時間や移動中などの隙間時間に立ったまま鍛えることが可能です。
ドローイングのやり方
- 鼻から息を吸って、下腹部を膨らませる
- 空気を十分に吸い込んだら、ゆっくり口から息を吐き出す
- お腹の凹みを感じた状態で10秒キープ。1から繰り返す。
ドローイングをするときは、お腹が空いている状態がベスト。空腹時は、腹横筋の伸び縮みを感じやすくなります。
また、簡単にできるからといってやりすぎないように注意しましょう。日常のちょっとした時間に取り入れてみることがおすすめです。
2.ラテラル呼吸
ラテラル呼吸は、ヨガやピラティスなどで用いられる呼吸法です。ラテラル呼吸では、通常の腹式呼吸と異なり、お腹だけではなく助骨の動きもイメージしています。
ラテラル呼吸のやり方
- あぐらをかいてリラックスした状態で座る
- 鼻から息を吸い、助骨や背中まで空気がパンパンになるイメージをもつ
- 十分に空気を吸ったら、体にためた空気が無くなるまで勢いよく口から吐き出す
- 腹筋がぺたんこになるまで息を吐き切ったら、1から繰り返す
ラテラル呼吸は、腹筋の力を使って勢いよく息を吐き出す動きです。感覚を掴むまでは、両手を助骨の一番下に当てて、腹腔内が広がるのを感じましょう。
最初は1日10回を目安に、慣れてきたら徐々に回数を増やしてみてください。
3.クランチ
クランチは、腹筋全体を鍛えることができます。上体を完全に起こさないため、腰への負担が軽く、初心者にも安心の筋トレです。
クランチのやり方
- あお向けの状態で膝を立てる
- 後頭部で両手を組んだら、顎をひく
- 息を吐きながら、おへそを見るよう上体を少し上げる
- 腹筋に圧を感じたら、息を吸いながら元の姿勢に戻る
クランチの目安は、20回×3セットです。多く回数をこなすよりもひとつの動きをゆっくり行いましょう。
慣れない内は、首を痛めないよう注意してください。肩を内側に丸めるよう意識すると首への負担が和らぎます。
4.ヒールタッチ
ヒールタッチは、クランチに横の動きを加えた筋トレです。横の動きが強いため、腹横筋を鍛えられます。
ヒールタッチのやり方
- クランチの姿勢をとる
- 両手は体の横に置き、おへそを見るよう少し上体をあげる
- 右手は右のかかと、左手は左のかかとをテンポよくタッチする
ヒールタッチをするときは、両腕だけの動きにならないよう注意。腹筋を意識すると、しっかり腹圧をかけられます。
ヒールタッチの目安は、20回×3セットです。
かかとをタッチするときに息を吐き、離れるときに息を吸いましょう。
5.エルボープランク
エルボープランクは、肘を床についた状態で行うプランクです。腹筋を使って、床と体が真っ直ぐになるようキープします。
腹筋全体が鍛えられるため、ぜひ筋トレメニューに取り入れましょう。
エルボープランクのやり方
- うつ伏せになる
- 肩の真下に肘を立てて、上体を浮かす
- 足とお尻と肩が直線になるように姿勢をキープ
エルボープランクでは呼吸と姿勢が大切です。お尻が浮きすぎてしまうと、負荷がかからず効果が半減してしまいます。肘とつま先で体を支えるようイメージしましょう。
また、動きが少ないため、呼吸を忘れてしまいがちです。
お腹に空気をためて、口から息を吐き出す腹式呼吸を意識して、取り組んでみてください。
エルボープランクの目安は、15~30秒×3セットです。慣れてきたらキープ時間を伸ばしてみましょう。
こちらで紹介した筋トレについて、動画でさらに分かりやすく解説しています。初心者でも取り組みやすいトレーニングをご紹介しているため、ぜひご確認ください。
動画では、トレーナーと一緒に鍛えている感じが味わえて、モチベーションもアップしますよ。
呼吸を行って腹筋を鍛えるときの注意点
ここからは、呼吸を行って腹筋を鍛えるときの注意点について解説します。
呼吸と共に腹筋を鍛えるときは以下の内容に気をつけましょう。
- 食後すぐやらない
- 腹圧をかけるイメージをもつ
- 息を止めないようにする
1.食後すぐにやらない
呼吸を意識して腹筋を鍛えるとき、食後すぐの時間は避けるようにしましょう。腹筋を刺激することで、食べ物が逆流しやすくなったり消化不良を起こしたりする危険性があります。
理由として、食べ物の消化は副交感神経が活性化することで促進されるためです。腹筋などの筋トレでは、交感神経が活性化してしまいます。
交感神経が活性化すると、食べ物の消化や吸収が遅れ、消化不良を起こしてしまうのです。
呼吸を意識しながら腹筋を鍛えるときは、食後2時間経過してからか空腹時に行うようにしましょう。
2.腹圧をかけるイメージをもつ
腹筋を鍛えるときは、腹圧をかけるイメージを持つことが大切です。呼吸を意識することで、より効果的に腹圧をかけることができます。
例えば、トレーニング中はいつも短く細切れに息を吐いていた場合。長くゆっくりした呼吸に切り替えることで、腹圧が高まり、負荷が増えるため腹筋を効果的に鍛えることが可能です。
常に、長く深い呼吸をするのではなく、時に休憩を挟みながらメリハリを持って呼吸を行ってみてください。
腹筋が熱くなり、圧がかかっていることを実感できるでしょう。
3.息を止めないようにする
呼吸と共に腹筋を鍛えるときは、息を止めないことが大切です。息を止めてしまうと、空気が体に行き渡らないため、筋肉の動きが悪くなってしまいます。
呼吸で取り入れた酸素は、筋肉が動くときにできる乳酸を分解するときに必要です。乳酸がたまると、筋肉は筋疲労を起こし、うまく収縮できなくなります。
息を止めて筋トレをしてしまうと、筋肉に送る分の酸素が不足するため、乳酸がたまりやすくなるのです。
筋肉と酸素は、深い関係にあります。せっかく腹筋を鍛えるならば、効果的に筋肉を動かしたいですよね。
トレーニングの質を高めるためにも、腹筋を鍛える時は息を止めないようにしましょう。
まとめ
腹筋と呼吸の関係について、メリットや注意点などを詳しくご紹介しました。まとめると以下の内容になります。
- 腹筋は、腹式呼吸を行うことで効果的に鍛えることが可能
- 基本的な呼吸は、息を吸う時にお腹を膨らませて吐く時にお腹をしぼませる
- 腹筋を鍛えるときは、息を止めずに腹圧をかけることが大切
呼吸は、誰もが日常生活の中で無意識に行っています。呼吸を意識することで、腹筋の効果が上がるため、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
自分に合う正しい腹筋の鍛え方や呼吸法を知りたいときは、プロのアドバイスがおすすめです。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。
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