【管理栄養士が教える】プロテイン摂取は朝がおすすめ!メリットや摂取量を徹底解説

プロテインは朝に摂取するのがおすすめです。朝のプロテインは、ダイエットや健康維持に効果があることがわかっています。この記事では、管理栄養士である筆者が、朝にプロテインを飲むときのポイント、摂取するたんぱく質の計算方法を解説します。明日から迷わずに行動できるよう丁寧に説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

「朝のプロテインはいいって聞くけど本当?」
「忙しい朝にわざわざプロテインを飲んで太ったら悲しい…」
「朝に摂取するメリットが大きいなら飲んでみたいかも!」

せっかくプロテインを飲むなら、ダイエットや筋力アップなどの効果を実感したいですよね。結論から言うと、プロテインの摂取は朝がおすすめです。

この記事では、下記のような朝のプロテイン摂取に特化した情報をギュッとまとめています。

  • プロテインを朝に摂取するメリット
  • ​​朝にプロテインを飲むときのポイント
  • 朝に摂取するたんぱく質の計算方法

これを読めば、時間がない朝でもプロテインを摂取したくなること間違いなしです。それだけ朝のプロテイン摂取で得られるメリットが大きいということです。

なお筆者は管理栄養士であり、現在も大学で栄養学を勉強しています。毎朝プロテインを摂取しつつ、16kgの減量に成功した経験も。

栄養のプロであり、ダイエット成功経験のある私が、「朝のプロテイン摂取」に関する情報をわかりやすく解説します。翌朝から迷わずに行動できるよう、丁寧にお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください!

プロテインの摂取は朝がおすすめ!5つのメリット

結論から言うと、プロテインの摂取は朝がおすすめです。実は、朝にプロテインを飲むことで、ダイエットだけでなく健康にも嬉しい効果が得られます。

  1. 基礎代謝が高まる
  2. 消費エネルギーが増える
  3. 食欲が抑えられる
  4. 体内時計がリセットされる
  5. 栄養素を吸収しやすい

ここでは、上記のような5つのメリットを丁寧に解説していきます。

【メリット1】基礎代謝が高まる

朝にプロテインを摂取すると、基礎代謝が高まります。基礎代謝とは、生きているだけで消費されるエネルギーです。私たちが意識しなくても心臓が動いたり、呼吸をしたりすることで、エネルギーが消費されています。

実は、筋肉量が多いほど基礎代謝が高まることが知られています。プロテインからたんぱく質を摂取することで、筋肉の合成を促進。

プロテインを継続的に摂取しつつ、オーバーカロリーの状態で筋トレをすれば、効果的に基礎代謝を高められますちなみに、オーバーカロリーとは、消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が多い状態です。

もし、ダイエットのためにアンダーカロリーにしている場合でも、プロテイン摂取と筋トレによって、筋肉量の維持ができます。減量しているときは、筋肉量が落ちやすいので、プロテインを飲んでたんぱく質を補いましょう。

【メリット2】消費エネルギーが増える

朝にプロテインを摂取すれば、「食事誘発性熱産生」によって消費エネルギーが増えます。食事誘発性熱産生とは、食事を取ることで増える消費エネルギーのことです。

プロテインに豊富に含まれるたんぱく質の食事誘発性熱産生は、糖質や脂質よりも高いことがわかっています。つまり、プロテインを飲めば、食事誘発性熱産生が高まり、消費エネルギーが増加するというわけです。

食事誘発性熱産生は、食後1時間をピークに徐々に下がりつつ、10時間ほど続きます。睡眠による長い絶食で食事誘発性熱産生が下がっている朝こそ、プロテインの摂取がおすすめです。

【メリット3】食欲が抑えられる

たんぱく質の摂取で「グレリン」というホルモンの分泌が減少し、食欲が抑えられることがわかっています。グレリンとは、成長ホルモンの分泌を促進するという大切な働きを持っていますが、食欲を増進させる役割もあります。

空腹感はダイエット失敗の要因になるので、できるだけ抑えたいところ。そこで役立つのが、朝のプロテイン摂取です。

アメリカの研究では、高たんぱく質な朝食を取ることでグレリンの分泌が減少し、空腹感が低減するという結果が出ています。さらに、糖質と脂肪が燃えやすくなるという嬉しい特典付きなので、朝にプロテインを摂取しないともったいないですよ。

【メリット4】体内時計がリセットされる

朝にプロテインを飲むと、体内時計がリセットされます。1日は24時間ですが、私たちの体内時計は24時間ではありません。24時間からズレたまま放っておくと、睡眠時間乱れやすくなり、体調を崩してしまうことに…。

朝にプロテインを摂取すれば、「トリプトファン」によって体内時間がリセットされます。トリプトファンとは、アミノ酸の一種でプロテインに含まれています。

このように、朝のプロテイン摂取はダイエットだけでなく、健康の維持にも関わるのです。減量の期間を終えても、プロテインの摂取は継続するのがおすすめです。

【メリット5】栄養素を吸収しやすい

朝は栄養素を吸収しやすいという特徴があります。睡眠によって絶食が続いたことで、体内の栄養素が枯渇。このような状態で食事を取ると、私たちの体は栄養素を余すことなく吸収しようとします。

つまり、朝にプロテインを飲めば、たんぱく質が効率よく吸収され、筋肉の維持に役立ちます反対に、朝に必要な栄養素をチャージできないと、私たちの体は脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーを補おうとするので、注意しましょう。

朝にプロテインを飲むときのポイント3選

せっかく時間のない朝にプロテインを飲むのであれば、効果を実感したいですよね。ポイントをおさえることで、ダイエット成功や筋力アップなど目的達成の近道になります。

ここでは、朝にプロテインを飲むときのポイントを3つ解説します。

  1. 起きてすぐに摂取する
  2. 糖質も一緒に摂取する
  3. ホエイプロテインを摂取する

それでは、順番にチェックしていきましょう。

【ポイント1】起きてすぐに摂取する

プロテインは、朝起きたらすぐに摂取しましょう。睡眠から目覚めたばかりの体は、たんぱく質が枯渇しています。私たちが寝ている間、筋肉の修復や疲労回復などにたんぱく質が使われるためです。

たんぱく質が枯渇すると、筋肉の修復や疲労回復が進みません。さらに、他の栄養素も枯渇すると、筋肉を分解してエネルギーを補おうとします。

ボディメイクをする上で、たんぱく質の枯渇はできるだけ避けたいところ。朝起きてすぐにたんぱく質を摂取すれば、筋肉の修復や疲労回復を継続して行えるだけでなく、筋肉量の維持にも役立ちます

ちなみに、朝は水分も枯渇しているので、水や牛乳に溶かして飲むプロテインが最適です。

【ポイント2】糖質も一緒に摂取する

朝にプロテインを飲むときは、糖質も摂取しましょう。たんぱく質が筋肉の合成に使われやすくなります。

朝食をプロテインのみにするのは避けた方がいいです。プロテインを飲む目的は、筋肉量の維持や増加ですよね。それなのに朝食がプロテインだけだと、エネルギーが不足して筋肉の合成が進みません。

プロテインでたんぱく質を摂取するとともに、糖質も取り入れるのを忘れないでくださいこれを守ることで、糖質は真っ先にエネルギーとして使われ、たんぱく質は筋肉の合成に使われるようになります。

【ポイント3】ホエイプロテインを摂取する

朝に飲むなら、ホエイプロテインがおすすめです。ホエイプロテインは、他のプロテインよりも早く吸収されるのが特徴で、栄養素が枯渇している体に素早くたんぱく質を供給できます

たんぱく質の供給が早いほど、筋肉の分解を防ぐことができ、基礎代謝量の維持にも役立ちます。

ただし、ソイプロテインやカゼインプロテインが悪いわけではありません。もし、昼食まで時間が空いてしまう場合は、ゆっくり吸収されるソイプロテインやカゼインプロテインでもOKです。

2ステップでわかる!朝のたんぱく質量

朝に飲むプロテインの量に悩まないように、摂取するたんぱく質量を決定しておきましょう。ここでは、2ステップで朝に摂取するたんぱく質を計算します。

  1. 1日のたんぱく質量を計算
  2. 朝のたんぱく質量を決定

わかりやすく解説していきますので、ぜひ実践してみてください。

【ステップ1】1日のたんぱく質量を計算

1日に摂取するたんぱく質量は、摂取エネルギーの13〜20%が目標です。たとえば、1日の摂取エネルギーが2000kcalの人なら、260kcal〜400kcal分のたんぱく質を摂取します。たんぱく質1gあたり4kcalなので、65g〜100g摂取すればOKです。

このように、摂取エネルギーさえわかれば、簡単にたんぱく質量を計算できます。1日の摂取エネルギーの計算がまだという方は、こちらの記事をご覧ください。
→「ダイエット カロリー」の記事にリンク

【ステップ2】朝のたんぱく質量を決定

1日のたんぱく質量を計算したら、朝に摂取する分を決定しましょう。たんぱく質は小分けにして摂取した方が、筋肉量の維持や肥大に効果的です。

朝・昼・夕に分けるのであれば、1日のたんぱく質量を3分割しましょう。トレーニング後にプロテインを飲むのであれば、4分割してもいいでしょう。

ちなみに、私は、トレーニングの有無にかかわらず4回に分けてプロテインを摂取しています。日によって量を考えるのが面倒だという方は、4分割がおすすめ。

1回に必要なたんぱく質を満たすために、どれくらいのプロテインが必要か計算します。ここまでできたら、毎朝同じ量のプロテインを飲むだけなので楽ですよ。

たんぱく質の過剰摂取に注意!3つのデメリット

たんぱく質の摂取量は、多いほどいいというわけではありません。過剰になると、ダイエットだけでなく健康にも悪影響を及ぼすので、注意が必要です。

糖質制限をしている人の中には、糖質を制限する分、たんぱく質や脂質の摂取量を増やしている人がいます。そうでなくても、筋肉量を増やすためにたんぱく質を多く摂っている人も。

ここでは、たんぱく質の過剰摂取によるデメリットをお伝えしていきます。

  1. 体重が増加する
  2. 腎臓や肝臓に負担がかかる
  3. 尿路結石のリスクが高まる

それでは、順番に見ていきましょう。

【デメリット1】体重が増加する

たんぱく質を過剰に摂取してオーバーカロリーになると、体重が増えます。ダイエットの基本はアンダーカロリーなので、消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が少なくないといけません。

食事の量を調整せずに朝にプロテインを飲んでしまうと、体重増加の可能性が高まりますアンダーカロリーを守りつつ、必要なたんぱく質量を満たすようにしましょう。

【デメリット2】肝臓や腎臓に負担がかかる

たんぱく質を過剰に摂取すると、肝臓や腎臓に負担がかかります。たんぱく質分解の過程で、アンモニアが発生するためです。アンモニアは私たちにとって有害なので、肝臓で毒性のない尿素に分解され、腎臓を通って尿として排泄されます。

たんぱく質を摂取するほどアンモニアの量が増えるので、肝臓や腎臓を酷使することに私たちの体の大切な臓器を守るためにも、たんぱく質の過剰摂取はやめましょう。

とはいえ、たんぱく質は欠かすことのできない栄養素なので、目標量の範囲内の摂取を心がけてくださいね。

【デメリット3】尿路結石のリスクが高まる

実は、たんぱく質の過剰摂取は、尿路結石のリスクを高めると言われています。尿路結石は、尿の通り道である腎臓から尿道にできる結石のことです。

たんぱく質の摂取量が多いほど、私たちの体は酸性に傾きます。酸性の状態が深刻になると、倦怠感や頭痛などの症状が現れます。このような事態を避けるべく、カルシウムを尿中に排泄することで中和しているのです。

カルシウムは、シュウ酸という野菜やフルーツによく含まれる物質と結合し、結石になります。カルシウムを尿として排泄するときに結石ができていたら、尿路に詰まることがありますウワサによると、かなり痛いらしいです…。

たんぱく質の摂取量が多いほど、酸性から中和するためのカルシウムが必要になります。結石のリスクが高まるので注意しましょう。

まとめ

今回は、「朝のプロテイン摂取」についてお伝えしました。まとめると下記の通りです。

  • 朝のプロテイン摂取はダイエットや健康維持に役立つ
  • 効果的にプロテインを摂取できれば目的達成の近道になる
  • たんぱく質の過剰摂取に注意しつつ必要な量は満たす

朝のプロテイン摂取は、ダイエットにも健康維持にもメリットがあることをわかっていただけたかと思います。朝にプロテインを飲むときは、起きてすぐに糖質と一緒に摂取するのがポイント。

たんぱく質が過剰になると、ダイエットに失敗するだけでなく、体調を崩すリスクが高まるので注意が必要です。正しくたんぱく質を摂取して健康的にダイエットを続けていきましょう!

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧下さい。