「有酸素運動を毎日やると太るって本当?」
「毎日したら痩せるのか気になる」
有酸素運動をやりたいけれど、どのくらいやれば効果が出るのかと気になっていませんか?
毎日やると体に良くないなんて噂もあり、悩んでしまいますよね。
結論から言うと、有酸素運動は毎日やっても大丈夫です。
同時進行で食事を整えて筋トレも行えば、理想の体と健康を手に入れられるでしょう。
この記事では、
- 有酸素運動を毎日すると太ると言われる理由
- 毎日取り組むときの注意点
- 有酸素運動の効果
- ダイエットに取り入れるときのコツ
などについて管理栄養士が解説します。
体脂肪を手放してスッキリとした体を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
「有酸素運動を毎日すると太る」と言われる理由
先に釘を打っておくと、有酸素運動を毎日したところで太りません。
ではなぜ太ると言われるのか?
理由は3つ考えられます。
- 筋肉が減って代謝が落ちる
- 水分が不足による便秘や浮腫み
- 消費カロリーは多くないのに食べ過ぎる
有酸素運動はエネルギー源として体脂肪や筋肉を利用します。長時間行うと筋肉を分解してしまい、代謝が落ちるために「太る」と言われている可能性はあります。
また汗をかくことで水分が不足し、便秘や浮腫みで体重が増えることも少なくありません。有酸素運動をして「カロリーを消費したから」と余分な間食が増えてしまう方も、太る理由になるでしょう。
【経験者談】有酸素運動は毎日やってOK!ベスト時間と注意点を解説
筆者が自信をもって「有酸素運動を毎日したところで太らない」と断言できるのは、自身が毎日ジョギングをしてダイエットを成功させているからです。また有酸素運動を継続している知人が数人いますが、共通して「細身」です。
繰り返しますが、有酸素運動は毎日しても大丈夫です。
次の3つのコツを意識して取り組むことをおすすめします。
- 毎日やる場合は1日30分程度にする
- 最大心拍数の60%前後を維持する
- 毎日2時間以上はやりすぎなので注意
順に確認していきましょう。
毎日するときのコツ1. 1日30分程度にする
有酸素運動を毎日行う場合、1日30分程度を目安に取り組むことをおすすめします。
有酸素運動では体脂肪や筋肉を分解し、エネルギーとして利用します。長時間やると過剰に筋肉を分解してしまう可能性があるのです。
1回で30分取れない場合は、1日のトータル30分でも効果があります。10分を1日3回、朝に20分、夕方は10分歩くなど、あなたにとって負担の少ない方法で継続しましょう。
毎日するときのコツ2. 最大心拍数の60%前後を維持する
最大心拍数の60%を維持すると、体脂肪を効率良く燃やせることが分かっています。最大心拍数とは、1分間に最大限まで発揮できる心拍数のことで、220-年齢で算出できます。
30歳の方であれば、220-30=190となり、最大心拍数は190回/分です。有酸素運動をする際は、60%にあたる心拍数96回/分を維持できるペースが最適となります。
具体的には、少し息が上がるくらいのウォーキングやピラティスなどがおすすめです。
毎日するときのコツ3. 2時間以上はやりすぎなので注意
有酸素運動を毎日やるのは大丈夫ですが、2時間以上など過度に取り組むことは控えましょう。やりすぎると怪我につながったり便秘になったりと体に害が生じる可能性があります。
アスリートの方やマラソンランナーなど長時間有酸素運動を行う場合、専門のトレーナーがつきます。そもそもプロは体の基礎が違うので、素人の方が安易な考えで長時間の有酸素運動を行うのはおすすめしません。
有酸素運動による5つの効果
有酸素運動は長期的に継続することでさまざまな効果を発揮します。
とくにあらわれやすいのが、次の5つです。
- ストレスの解消
- 生活習慣病の予防
- 心肺機能の向上
- 睡眠の質の改善
- ダイエットのサポート
詳しい内容を説明します。
効果1. ストレスの解消
有酸素運動を継続するとストレス解消につながります。酸素を取り込みながら適度に体を動かすことで、副交感神経が働くためです。
またセロトニンを呼ばれる幸せホルモンを増やすこともできます。セロトニンは心の安定をサポートするホルモンです。
ストレスの解消のほか、有酸素運動を継続することでメンタルも安定しやすくなるでしょう。
効果2. 生活習慣病の予防
有酸素運動を継続すると内臓脂肪の減量につながり、生活習慣病の予防効果が期待できます。とくに代謝が落ち始める30代・40代・50代の方は意識するとよいでしょう。
食べたものを体で利用するためには、さまざまな代謝が働きます。しかし、加齢とともに代謝能力は落ちてしまうものです。
とくに内臓脂肪は加齢とともに増えやすくなります。有酸素運動を習慣づけ、生活習慣病を予防しましょう。
効果3. 心肺機能の向上
有酸素運動は多くの酸素を必要とする運動です。そのため長期的に継続すれば心肺機能の向上につながります。
心肺機能とは、いわゆる「持久力」のことです。少しの運動や階段の上り下りで息切れをしてしまう方は、心肺機能が落ちているかもしれません。
心肺機能が落ちると代謝も落ちます。しっかりと酸素を吸って全身に必要な栄養素を届けられるよう、有酸素運動を継続して持久力を上げていきましょう。
効果4. 睡眠の質の改善
さきほどのストレスの解消に加え、睡眠の質を改善する効果も期待されます。有酸素運動によって分泌されるセロトニンの影響です。
セロトニンが昼間にしっかり分泌されると、夜間にメラトニンというホルモンが分泌されます。メラトニンは睡眠に関わるホルモンで、セロトニンが原料になるのです。
ただし不眠症の症状を軽減できるほど強い作用はありません(※)。睡眠がまったくとれないなど症状が強い方は専門家に相談することをおすすめします。
効果5. ダイエットのサポート
有酸素運動は体脂肪を分解しやすいので、ダイエット効果も期待できます。ただし1日有酸素運動をしたからといって、劇的な効果を得られることはほぼありません。
有酸素運動を活かしてダイエットをするならば、
- 長期的に取り組むこと
- 心拍数の維持
- 筋肉量の維持
が大切です。
次の章で詳しく解説します。
有酸素運動のダイエット効果を上げる3つのコツ
有酸素運動のダイエット効果を上げるコツは、次の3つです。
- 心拍数の維持
- 事前の筋トレ
- 前後のストレッチ
順に説明します。
1. 心拍数の維持
先に紹介した最大心拍数の60%前後を維持できるようにしましょう。
年齢別の目安になる心拍数は以下に紹介しておきます。
- 30歳・・・114回/分
- 40歳・・・108回/分
- 50歳・・・102回/分
- 60歳・・・96回/分
「はぁはぁ」と息が上がってしまうレベルだと、心拍数が増え過ぎています。少し息がはずむくらいの運動に取り組むようにしましょう。
2. 事前の筋トレ
有酸素運動の前に筋トレをすると体脂肪の燃焼をサポートできます。筋トレ後は体脂肪を分解しやすくなるからです。
筋トレは運動中に糖質をメインのエネルギー源として利用します。筋トレをしておくことで体の糖質量が減るので、有酸素運動で体脂肪を効率よく利用できるようになるでしょう。
効率良く体脂肪を燃焼したいのであれば、事前の筋トレがおすすめです。
3. 前後のストレッチ
有酸素運動の前後でストレッチをするのもダイエット効果を上げます。筋肉や体をほぐしておくことで可動域がひろがり、消費エネルギー量や代謝が増えるためです。
ストレッチを行う際は、使っている筋肉を意識しながら、痛みが生じないレベルで行いましょう。また呼吸を忘れずに、深く行なうようにしてください。
ダイエットにおすすめの有酸素運動3選
ダイエットにおすすめの有酸素運動を3つ紹介します。
- ウォーキング
- 踏み台昇降
- ヨガ
くわしいやり方をお伝えしますね。
おすすめの有酸素運動1. ウォーキング
年齢・性別に関係なくおすすめしたい有酸素運動がウォーキングです。最大心拍数も維持しやすいですし、長期的に行うことで体脂肪の減少や血糖値コントロールの向上に繋げられている方もいます。
ウォーキングのポイントは以下です。
- 背筋を伸ばす
- 歩幅は普段より少し広めを意識
- 骨盤から動かすイメージ
- 腕は後ろに振る
1日30分程度を目安に行うようにしましょう。
おすすめの有酸素運動2. 踏み台昇降
家の中でも取り組める有酸素運動が踏み台昇降です。10㎝程度の段差があれば行えるので誰でも今すぐチャレンジできます。
踏み台が高すぎると膝に負担がかかるので、高齢の方は低めの台にしてみましょう。平気な方は高めの台を用意して、太ももに負荷をかけるのもおすすめです。
テレビをみながら音楽を聴きながらなど、ながら踏み台昇降をすると継続しやすくなります。
おすすめの有酸素運動3. ヨガ
最後におすすめしたい有酸素運動はヨガです。ヨガは有酸素運動でありながらストレッチの効果も得られるため、幅広い年齢の方で取り組めます。
体への負担も少なく、ウォーキングや踏み台昇降では動かせない体幹を鍛えられるというメリットもあります。3つの有酸素運動をうまく取り入れながら、体脂肪を燃やしていきましょう。
有酸素運動でダイエットしたいなら食事も大切
有酸素運動で体脂肪を燃やすのであれば、食事の意識も大切です。
次に挙げる5つのポイントをおさえましょう。
- アンダーカロリーを守る
- PFCバランスを整える
- ビタミン・ミネラルをとる
- 食物繊維も意識する
- 水分はこまめに摂取
簡単に解説します。
食事のコツ1. アンダーカロリーを守る
アンダーカロリーを守りましょう。摂取カロリーは多過ぎても少なすぎてもダイエットを邪魔してしまいます。
アンダーカロリーとは、摂取カロリーが消費カロリーを下回った状態です。1日の消費量より少ないカロリーを摂取することで、体脂肪を減らしやすくなります。
しかし、摂取カロリーが少なすぎると体の防衛反応が働き、基礎代謝が落ちます。基礎代謝が落ちると痩せにくくなるので、消費カロリーの90%ほどをアンダーカロリーとして設定することをおすすめします。
内部リンク【ダイエット カロリー】
食事のコツ2. PFCバランスを整える
アンダーカロリーを守りながら、PFCバランスも整えましょう。PFCバランスとは、三大栄養素である、Protein:たんぱく・Fat:脂質・Carbon:糖質のバランスのことです。
PFCバランスの割合は以下を目安とします。
- P(たんぱく質):13~20%
- F(脂質):20~30%
- C(糖質):50~60%
※総エネルギー量に対する各エネルギー量の割合
PFCをバランス良くとり、栄養素が偏らないようにしましょう。
食事のコツ3. ビタミン・ミネラルをとる
PFCのバランスに加え、ビタミンやミネラルなどの微量元素も補いましょう。ビタミンやミネラルは、代謝を支えたり筋肉を動かしたりするのに欠かせない栄養素です。
ビタミンやミネラルは、
- 緑黄色野菜
- 乳製品
- 未精製の穀類
- 赤身肉
- 魚
- 海藻
- 乾物
に含まれているので、参考にしてください。
食事のコツ4.食物繊維も意識する
食物繊維をとるようにしましょう。ダイエットしたいときのサポート役に欠かせない成分だからです。
食物繊維は次の作用があります。
- 糖質や脂質の吸収を緩やかにする
- 腸の働きを促す
- 便の量を増やす
体脂肪を増やさないため、腸内環境を整えるために必要です。
食物繊維の1日の適切な量は、成人男性で21g、成人女性で18gです(※)。
一食あたりで7g程度の食物繊維をとるよう意識してみましょう。
食事のコツ5.水分はこまめに摂取
忘れがちですが、水分の摂取も大切です。
1日1.5L程度が目安です。小まめに水かお茶を飲むようにしましょう。
体の約6割は水分です。不足すると便秘や血液の状態が悪くなるだけでなく、代謝がうまくできずに不調につながります。
きちんと食事をとれば、食材から1L近い水分を補えます。水やお茶で1.5Lほどをとれれば十分でしょう。
ジュースや清涼飲料水も水分の一種ですが、糖質やエネルギーを無駄にとってしまう原因なので、避けましょう。
まとめ
有酸素運動は毎日やっても大丈夫です。
毎日やる場合は体に負担がかからないよう、1日30分程度を目安に取り組むことをおすすめします。
また有酸素運動のなかでも、最大心拍数の60%を維持できるものだと、体脂肪の分解が促されます。少し息がはずむくらいのウォーキングや踏み台昇降にチャレンジしてみてください。
有酸素運動をしながらダイエットをしたいけど、1人じゃ継続できないと悩んでいる方は、プロのトレーナーに相談してみるのもおすすめ。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。