「ダイエット頑張ってるのに体脂肪が減らない…」
「体脂肪を効率良く減らす方法が知りたい!」
自分なりに一生懸命取り組んでいるのに、体脂肪がなかなか減らないと焦ってしまいますよね。
先に釘を打っておくと、体脂肪は頑固なので、簡単には落ちません。
長い時間をかけて減らしていく物だと頭に入れておきましょう。
しかし1ヶ月以上ダイエットを頑張っても、まったく体脂肪が減らないのであれば、何か原因があるかもしれません。減らない原因を対策すれば、あなたも「なりたい体」に近づけると約束します。
この記事では、
- 体脂肪が減らない5つの原因
- 体脂肪の役割
- ダイエット時の注意点
- 体脂肪を確実に減らす方法
について、解説します。
筆者は減量に励む方をサポートしている管理栄養士です。ぜひ参考にしてください。
ダイエットをしても体脂肪が減らない5つの原因
ダイエットを頑張っているけれど、もう一ヶ月以上まったく体脂肪が変わらない…。
そんなときは次の5つの原因が考えられます。
- カロリーの摂り過ぎ
- 栄養不足
- 運動不足
- 年齢
- すでに適正値
順に解説していきます。
体脂肪が減らない原因1. カロリーの摂り過ぎ
体脂肪が減らない理由でもっとも多いのは、カロリーを摂り過ぎているケースです。
体脂肪はカロリーが不足したときに利用されます。よって摂取カロリーが十分である場合、減ることはありません。
「食べてないんだけどな…」という方もいるでしょう。もしも食事の量が少ないのであれば、意外なものでカロリーを摂り過ぎている可能性があります。
例えば、以下のようなことはありませんか?
- ジュースやスポーツドリンクをたくさん飲む
- 常に飲む物は牛乳や甘いカフェオレが中心
- プロテインドリンクを小腹対策に1日3回飲む
- 筋肉をつけるために肉は食べ放題(1回で200gなど)
牛乳や甘いドリンクを好む方は、飲み物だけで1日に300~400kcal摂っていることもあります。または近年人気の糖質制限に取り組み、主食を食べないからとおかずを不必要にたくさん食べたり、脂の多い肉を過度に食べたりしている方もいます。
体脂肪を落とせない方は、自分の食べたものや飲んだものを把握していないことが多いです。自分が本当にカロリーをとりすぎていないのか、見直してみてください。
体脂肪が減らない原因2. 栄養不足
逆に食事を控えすぎて栄養不足になっている方も体脂肪は減りにくくなります。
体脂肪はいざというときの代替エネルギー源です。そのため食事を控えて摂取カロリーが少なくなれば、体脂肪も減ります。
しかしビタミンやミネラルなど栄養素まで不足している場合、代謝がうまく回りません。結果、体脂肪の分解・利用の能力も落ち、太りにくい体質になるのです。
栄養素が不足していると、痩せにくい体をつくってしまいます。
体脂肪が減らない原因3. 運動不足
運動不足の方も体脂肪が減りにくい傾向があります。運動をしていないとカロリー消費量が少ないこと、代謝が落ちていることが原因です。
特に有酸素運動をはじめてから、くすぶっていた体脂肪が落ち始めた方もいます。食事制限はきちんとやっているのに体脂肪が減らないと悩んでいるなら、運動不足がネックになっているかもしれません。
体脂肪が減らない原因4. 年齢
年齢も体脂肪が減らない原因の1つです。加齢にともなう基礎代謝量・筋肉量の減少が影響しています。
基礎代謝量や筋肉量が減ると、1日に必要なエネルギー量も減ります。それなのに食べる量や食材の選び方を変えず、若い頃と同じ食事を続けていたら、体脂肪が増えることは想像できますよね。
年齢を重ねていったときに体脂肪を減らすには、適量の糖質とたんぱく質、控えめの脂質と、整った食事バランスがとても重要になります。また減らすために多くの時間が必要なので、焦らず取り組むことが大切です。
体脂肪が減らない原因5. すでに適正値
体脂肪がすでに体にとってちょうど良い量である場合も減りにくくなります。なぜなら、体脂肪は体に必要なものだからです。
実は、体脂肪はとても重要な働きがあります。少なすぎても健康に害が生じるので、必要以上に減らそうとするのはおすすめしません。
「自分の体脂肪が適量なのか分からない!」という方は、次の章でチェックしてみましょう。
体脂肪とは?役割と年齢別の平均値も解説
そもそも体脂肪は何なのでしょうか?ただ「デブの素」のようなイメージがあるようですが、実は他の組織では代わりができない重要な働きを担っています。
体脂肪の役割
体脂肪の役割は主に3つです。
- 体温の保持
- 内臓の保護
- ホルモンの合成
どれも、私たちが生きるために大切な役割です。
体脂肪が減り過ぎると、体温が低くなったりホルモンが正常に分泌されなくなったり、不調につながります。
体脂肪は「ちょうど良い量」を維持することが大切なのです。
【性別・年齢別】体脂肪の平均値
「ちょうど良い量」を把握できるよう、体脂肪の平均値を性別・年齢別で一覧にしました。
下記の表をご覧ください。
【男性】
やせ | 標準(-) | 標準(+) | 軽肥満 | 肥満 | |
20代・30代 | ~10 | 11~16 | 17~21 | 22~26 | 27~ |
40代・50代 | ~11 | 12~17 | 18~22 | 23~27 | 28~ |
60代以上 | ~13 | 14~19 | 20~24 | 25~29 | 30~ |
【女性】
やせ | 標準(-) | 標準(+) | 軽肥満 | 肥満 | |
20代・30代 | ~20 | 21~27 | 28~34 | 35~39 | 40~ |
40代・50代 | ~21 | 22~28 | 29~35 | 36~40 | 41~ |
60代以上 | ~22 | 23~29 | 30~36 | 37~41 | 42~ |
体脂肪は男性よりも女性の方が多いこと、年齢とともに平均値が高くなることを覚えておきましょう。平均値であれば「多過ぎる」なんて不安にならなくても大丈夫なのです。
標準(+)以上になってきたら、少し気を引き締めて食事や運動を意識し始めてもよいかもしれません。
一筋縄じゃない!体脂肪を減らすときに注意したいポイント3つ
体脂肪を減らすのは、一筋縄ではいきません。簡単に減らせると思っていると挫折しやすいので、注意点を先に伝えておきます。
注意点は次の3つです。
- 落とすためには長い時間が必要
- 「体脂肪率」は計測環境によって変動しやすい
- 減りにくい病気がある
詳しく説明します。
1. 落とすためには長い時間が必要
体脂肪を落とすためには長い時間がかかります。体脂肪を減らすためには、大量のエネルギーを消費しないといけないからです。
体脂肪は1kgで7200kcalを保有しています。
7200kcalといえば、茶碗いっぱいの白ご飯(336kcal)を21杯と同じ量です。平日の夕ご飯に食べていた主食を一ヶ月間やめて、やっとなくなるレベル。
体脂肪を減らすためには、多くのエネルギーを消費しなければいけないのです。ゆっくりじっくり減らすことを意識しましょう。
2. 「体脂肪率」は計測環境によって変動しやすい
体脂肪の量をあらわす「体脂肪率」は、計測環境によって変動するものです。水分バランスの崩れやすい起床時や運動・食事の後は、計測値に誤差が生じやすくなります。
体脂肪率や筋肉量は「目安」程度に受け止めないと、数値のバラつきに悩んでしまうことになります。できる限り同じ条件下で計測し、あなたの体脂肪の目安にしていきましょう。
3. 減りにくい病気がある
実は体脂肪が減りにくい病気もあります。体脂肪を減らしたくて頑張っても、思うように減らせないのは病気が関係しているかもしれません。
とくに代謝が落ちやすい甲状腺機能低下症では体脂肪が落ちにくいことが分かっています。食事バランスも整えて長期的に運動に取り組んでいるのに思うような効果が得られない場合、医療機関に相談することも検討してみましょう。
ダイエットは体重よりも体脂肪率と筋肉量を意識しよう
ダイエットを成功させたいのなら、体重よりも体脂肪率と筋肉量を意識しましょう!
体重は体の状態を把握する良い指標です。しかし、体重だけでは体脂肪や筋肉など、体組成のバランスまでは分かりません。
そもそもダイエットとは
ダイエットは体重を減らすためのものではなく、体脂肪を減らすことが目的です。なぜなら体の不調や容姿の崩れは「多過ぎる体脂肪」が原因になっているから。
体重が減って喜んでいたら、実は筋肉量が減って体脂肪は変わっていないというケースがとても多いです。筋肉だけが減って体重が落ちた場合、きれいにダイエットしていくことは難しいでしょう。
体の見た目は体脂肪と筋肉量で決まる
容姿の良し悪しは「体重」ではなく「体脂肪と筋肉量」で決まります。体脂肪と筋肉(骨格筋)量が平均値になれば、体重が落ちなくてもスッキリとした印象になるのです。
体脂肪率と筋肉量の平均値については以下をご参考ください。
- 男性:体脂肪率11~16%、骨格筋率33~36%
- 女性:体脂肪率21~27%、骨格筋率26~28%
内部リンク:体脂肪 筋肉量
2つのバランスを整えられれば、体重の変化が少なくてもスリムな体は手に入ります。
ダイエットで体脂肪を減らして筋肉を維持する7つの方法
体脂肪を減らしながら筋肉を維持する「本当のダイエット法」を紹介します。
ポイントは次の7つです。
- カロリーを摂り過ぎない
- 食事のバランスを整える
- 有酸素運動を週に2.3回とりいれる
- 大きな筋肉のトレーニングをする
- 睡眠時間を確保する
- 水分をしっかりととる
- 無意味な間食は控える
チャレンジしていただければ必ず体脂肪を減らせるので、ぜひ参考してくださいね。
本当のダイエット法1. カロリーを摂り過ぎない
摂取カロリーの摂りすぎに気をつけましょう。体脂肪は余分なカロリーから作られるからです。
まずは、あなたの摂取カロリーをだいたいで良いので把握しましょう。
以下の方法で計算してみてください。
- 1日の消費カロリー(kcal)=体重(kg)×{男性:22 女性:21}×身体活動レベル{低い:1.5、普通:1.75、高い:2.0}
- ダイエット中の1日の摂取カロリー目安(kcal)=1日の消費カロリー(kcal)×0.9
くわしい計算方法は、内部リンク【ダイエット カロリー】をご覧ください。
本当のダイエット法2. 食事のバランスを整える
摂取カロリーを目安に、食事バランスも整えていきましょう。
食事のバランスを整えるコツは以下です。
- 肉や魚、豆腐でたんぱく質、ミネラルをとる
- 野菜や海藻で食物繊維、ビタミン、ミネラルをとる
- ご飯でエネルギーの半分程度を補給
文字にすると簡単ですが、実際やるとなると大変ですよね。
無理をせず、できる限りいろいろな食材を食べられるよう意識することから始めてみましょう。
本当のダイエット法3. 有酸素運動を週に2回以上とりいれる
有酸素運動を週に2回以上取り入れるようにしましょう。有酸素運動を取り入れたい理由は、全身の筋肉を刺激できること、体脂肪を分解する効果が期待できることです。
毎日やるに越したことはないのですが、時間が取れなかったり負担に感じたりする方もいるはず。
有酸素運動は継続することが大切です。「毎日しなくちゃ」という気持ちがストレスになって断念しては元も子もありません。
また週に2回の有酸素運動でも、半年間の継続で体脂肪が有意に減少したコホート研究もあります。よって週に2回以上の有酸素運動を行うよう意識してみましょう。
本当のダイエット法4. 大きな筋肉のトレーニングをする
有酸素運動にあわせ、筋トレも取り入れましょう。とくに大きな筋肉を鍛える種目がおすすめです。
例えば、
- スクワット(太もも)
- (背筋)
- (腹筋)
などがあります。
大きな筋肉を鍛えると基礎代謝も上がりやすくなります。筋肉もすぐに育てられるものではないので、長期的に取り組むようにしましょう。
本当のダイエット法5. 睡眠時間を確保する
睡眠時間を確保しましょう。睡眠中に分泌されるホルモンがダイエットをサポートすること、筋肉の修復を夜間に行うことが理由です。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)の代謝に関与しています。
正常に分泌されれば体脂肪の分解や筋肉の合成をサポートしてくれます。
0時をまわるまでに深い眠りにつけるように工夫しましょう。
本当のダイエット法6. 水分をしっかりととる
水分をしっかりととることも意識しましょう。水分が不足すると痩せにくい体になってしまいます。
体の60%は水分でできていて、さまざまな代謝に関わっています。水分が足らなくなると生きていけなくなるくらい、あなたにとって大切な成分です。
1日に1.5Lを目安に、水かお茶を小まめに摂取するようにしましょう。
- トイレの後に
- 食事の前に
など、飲むタイミングを決めておくと、忘れずに水分摂取ができます。
本当のダイエット法7. 無意味な間食は控える
無意味な間食は控えてください。
余分なカロリー摂取となり、体脂肪を増やす原因になるからです。
「口さみしいから」
「15時のおやつは食べなきゃいけないから」
という理由は、無意味です。
間食は食事では足りない栄養素を補う「捕食」としてとらえましょう。
まとめ
体脂肪が減らないときは、原因をつきとめ対策しましょう。
- カロリーをとりすぎていないか
- 栄養バランスは悪くないか
- 運動不足ではないか
- 水分は足りているか
- 睡眠はたりているか
改善点をみつけたら、自分のできる範囲で良いので改善していくことで体脂肪は減るはずです。
ただ、体脂肪はあなたにとって必要なものであることを忘れないでください。過度に減らせば「痩せすぎ」てしまい、体に不調があらわれます。
ダイエットでは、程よい体脂肪率と筋肉量を目指しましょう。焦らずゆっくり取り組めば、きっとあなたの目指す体型に近づけます。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。