体脂肪率と見た目の関係は?理想の体になる方法を解説

体脂肪率は少なければ少ない方が良いと思っている方もいるでしょう。しかし、実は適切な量を維持した方が良いのです。この記事では、なりたい見た目がどのくらいの体脂肪率なのか解説します。理想の体脂肪率まで減らす方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

「体脂肪率ってどのくらいが一番キレイなんだろう?」
「目標にすべき体脂肪率の値が分からない!」

体脂肪率を目安にダイエットしたいけど、どのくらいにすれば理想のスタイルになれるのかが分からず悩んでいませんか?

あなたが「なりたい体」がどのくらいの体脂肪率なのか、一緒に確認していきましょう。
目標の値が決まれば、あとはダイエットを頑張るのみです!

この記事では、多くのダイエッターをサポートする栄養士が

  • 見た目別の体脂肪率
  • おすすめの体脂肪率
  • 体脂肪の役割
  • 理想の体脂肪率になる方法

について解説します。

自分の体を好きになりたい方は、ぜひ参考にしてください。

【男性】体脂肪率と見た目の変化を画像でチェック

男性は体脂肪率によってどのくらい見た目が変わるのか、実際の画像で確認してみましょう。

肥満・普通・痩せの3パターンに分けて紹介します。

※数値はタニタの体脂肪率判定を参照

【男性】肥満:22%~45%

体脂肪率22%を越えてくると肥満体型となります。これまで指導をしてきた男性をみていると、25%以降から下腹部に脂肪の多い「中年体型」に、35%を越えてくると「巨漢」と呼ばれる肥満体型の方が多い印象です。

体脂肪率が22%を越えてきたら、体に不要な肉がついてきたと考え、対策をした方が良いでしょう。

【男性】普通:11%~21%

画像は体脂肪率約13%の男性。筋肉が見えて、いわゆる細マッチョに近いスタイルですね。

普通体型とされる体脂肪率は範囲が広いです。筋肉量にも影響を受けますが、だいたい18%を超えたあたりから「男性にしてはプヨプヨしているかな?」という印象があります。

ボディメイクなどに励んだり普段からスポーツをしている男性は、体脂肪率12%~15%ほどの方が多いようです。

【男性】痩せ:~10%

体脂肪率10%以下で「痩せ」です。筋肉がなければ「ガリガリ」、筋肉がしっかりついていれば「マッチョ」と呼ばれる値になります。

体脂肪率が低すぎるのも健康に良くないので、健康診断などで指摘が入るのもこの値からです。

ボディビルダーの方は10%以下の方が多いですが、見た目が隆々しいため、不健康なイメージはありませんよね。しかし実際有名なボディビルダーだったマッスル北村さんは、栄養失調による餓死で亡くなっています。

「体脂肪率は減らせばいいものではない」と覚えておきましょう。

【女性】体脂肪率と見た目の変化を画像でチェック

つづいて女性の体脂肪率を見た目と一緒に確認してみましょう。女性はもともと男性よりも体脂肪が多いものなので、絶対に男性の体脂肪率で判断しないでくださいね。

【女性】肥満:30%~

出典:ThePoint

体脂肪30%前後の女性の画像です。全体的にぷよぷよした印象で、お腹から太ももにかけてずんぐりしていますね。

ジムへ行った結果体脂肪率は4%減り、体脂肪率はまだ高いですが、体は締まっています。体脂肪率30%を超えると、女性は肩回りや腰回りに肉が増えてきます。

【女性】普通:20%~29%

男性同様、普通体型の判断基準値は広範囲です。29%近いとぷよぷよと女性らしい丸みのあるスタイルの方が多くなります。タニタでは28%以上が軽度肥満となっていますが、一般的に30%以上を肥満と考えましょう。

体脂肪率が29%に近い場合、筋肉量が少なければ「ぽっちゃり」、筋肉量が多ければ「むっちり」とした体型です。20%に近いときは、ほっそりとした無駄のない体になります。

【女性】痩せ:~19%

体脂肪率が19%以下になると、女性は「痩せ」と判断されます。10・20代の女性の中では体脂肪率の18%を切るような華奢な体が流行っているようですが、この値になると女性ホルモンがうまく分泌されなくなり、健康リスクが上がるので注意しましょう。

例えば、生理不順や不妊などです。容姿にこだわりすぎて体を傷つけることがないようにしましょう。

見た目と健康を意識した体脂肪率は?

せっかく痩せるなら、健康も手に入れたいですよね。

見た目と健康を意識した場合、目指すべき体脂肪率は以下の通りです。

  • 男性12~19%
  • 女性20~25%

このくらいであれば、体がたるんでいるイメージも少なく、体脂肪による健康への影響も少なくなります。

「この値じゃ体が締まらないんだけど…」と思った方は、おそらく筋肉量が足りていません。見た目を左右するのは体脂肪率だけでなく、筋肉量も大切なのです。

筋肉量を増やし、男性12~19%・女性20~25%を維持できると、周囲から羨まれるスタイルになれますよ。

体脂肪がもつ重要な3つの役割

ダイエットやボディメイクのブームもあり、体脂肪率を悪者のように思っている方もいます。しかし、体脂肪は体に欠かせないもので、減り過ぎると不調を感じるようになります。

体脂肪率が担う大切な役割は3つです。

  1. 体温の保持
  2. ホルモンの分泌
  3. 内臓の保護

体脂肪の役割1. 体温の保持

体脂肪は体温の保持に欠かせません。痩せている人の方が太っている人よりも寒がるのは、体脂肪量の違いからです。

私たちが体温を維持する理由は、

  • 免疫力の維持
  • 代謝の維持

などのためです。体温を一定に維持する体脂肪は、生きるために必要なのです。

体脂肪の役割2. ホルモンの分泌

体脂肪はホルモンの分泌もしています。体脂肪が分泌するホルモンを「アディポサイトカイン」と呼び、さまざまな生理作用を引き起こします。

アディポサイトカインは主に2つです。

  • アディポネクチン:動脈硬化の予防、傷ついた血管の収縮
  • 悪玉アディポサイトカイン:動脈硬化の促進

体脂肪率が少なすぎるとアディポネクチンが減り、痩せているのに動脈硬化が進行し、心疾患や脳疾患が起こることも。また内臓脂肪が増えると悪玉アディポサイトカインが増えてしまい、動脈硬化が進行して疾患につながりやすくなります。

体脂肪の役割3. 内臓の保護

体脂肪は内臓の保護という働きも持っています。体脂肪が少なすぎると、内臓を正しい位置に保てなくなったり、外部からの衝撃で傷がついたりします。

つまり、体脂肪は体の内側を守るために必要なものなのです。

【注意】体脂肪を減らしすぎる2大リスク

体脂肪はさまざまな役割があり、減らしすぎると健康リスクがあらわれます
とくに次の2つは要注意。

  1. 体温の低下
  2. ホルモンバランスの異常

くわしく解説します。

リスク1. 体温の低下

体脂肪が少なすぎると体温が低下します。体温が1度下がると免疫力は約30%低下すると言われており、風邪を引きやすくなったり感染症になりやすくなったりします。

また体温が下がるにともない、内臓の活動も弱くなります。結果食欲不振や代謝不良などを引き起こす場合もあるようです。

基礎代謝が下がれば消費カロリーも減ってしまい、燃費の悪い体になってしまうかもしれません。

リスク2. ホルモンバランスの異常

体脂肪が減り過ぎるとホルモンバランスが崩れやすくなりますとくに女性では生理不順や排卵以上が起こることがあり、最悪不妊になってしまう場合もあります。

若い女性の間でモデルのような華奢な体が人気ですが、思春期に体脂肪を減らしすぎると「子どもが欲しい」と思うときに後悔するかもしれません。体脂肪率は20~25%を目指し、痩せすぎないよう注意してください。

理想の体脂肪率になる7つの方法

理想の体脂肪になるためにおすすめの方法を7つ紹介します。
実行すれば必ず痩せられるので、ぜひ参考にしてください。

  1. アンダーカロリーにする
  2. PFCバランスを意識する
  3. 野菜・海藻をたっぷりとる
  4. 余分な間食はしない
  5. 運動は必ず取り入れる
  6. ストレッチやマッサージをする
  7. 水分をしっかりとる

1. ア ンダーカロリーにする

食事はアンダーカロリーになるよう調整しましょう。体脂肪を効率よく減らすためです。

体脂肪は摂取カロリーが消費カロリーを下回る「アンダーカロリー」の状態を維持すると減ります。

摂取カロリーが消費カロリーよりも多い間は、体脂肪を減らすのは難しいでしょう。ダイエットを成功させたいのならば、アンダーカロリーは必ず守ってください。

2.  PFCバランスを意識する

アンダーカロリーに加え、PFCバランスを意識しましょう。PFCバランスを整えると理想の体に近づきやすくなります。

PFCバランスとは、カロリーの内訳になるたんぱく質(P)・脂質(F)・糖質(C)のバランスのことです。アンダーカロリーを守るだけだと栄養バランスが悪い場合もあるため、PFCバランスまで考慮します。

目安はP:F:C=2:2:6です。例えば一日の摂取カロリーが1600kcalの場合、P:F:C=320kcal:320kcal:960kcalとなります。

エネルギー換算係数(※)からそれぞれの量を算出すると、P:F:C=90g:35g:240gです。必ず守るというよりは、目安にして食事を整える方法をおすすめします。

(※)エネルギー換算係数

  • P・C:4kcal/g
  • F:9kcal/g

3. 野菜・海藻をたっぷりとる

体脂肪率を効率よく減らせるよう、野菜や海藻をたっぷり食べましょう。代謝を支えるビタミン・ミネラル、腸内環境を整える食物繊維を補えるからです。

体脂肪量を減らすためには、 食べたものをきちんと利用する必要があります。そのためには、ビタミンやミネラルが欠かせません。

また腸内環境を整えると栄養素の吸収が良くなって代謝が上がります。野菜や海藻をしっかり食べれば、ダイエットをサポートできるでしょう。

4. 余分な間食はしない

間食は余分なエネルギーになる場合が多いので、できれば食べないようにしましょう。基本的には3食の食事で必要なカロリーや栄養素を補えるはずです。

間食の目的が嗜好による理由が強いのであれば、なおさらです。カロリーを余分にとっている間は体脂肪を減らせませんよ。

5. 運動は必ず取り入れる

消費カロリーを増やすため、運動は必ず取り入れるようにしましょう。とくに体脂肪を減らせる有酸素運動は日常的に行うことをおすすめします。

また有酸素運動の前に無酸素運動の筋トレを行うと、短時間でも体脂肪を燃やせるようになります。腹筋や背筋を鍛えられるトレーニングのあと、30分程度のウォーキングを週に3~4回できるようになれば、3ケ月後に体脂肪率は大きく変わるでしょう。

6. ストレッチやマッサージをする

ストレッチやマッサージも理想の体脂肪率に近づくために欠かせません。血流を良くして体脂肪の燃焼を促すためです。

肉の脂を思い浮かべてみてください。冷えた状態では硬いままですが、温まると溶けだしますよね。

体脂肪も同じです。揉みほぐすことで温まり、脂肪を分解しやすくなります。

7. 水分をしっかりとる

水分の摂取も忘れないようにしましょう。体の代謝を促すために、水分は絶対に欠かしてはいけません。

水分が不足すると、血流が悪くなったり便秘になったりします。どちらも代謝に悪影響な状態であり、長期的に続けば体脂肪を落としにくくなります。

1日に水かお茶を1.5lほど飲むよう心がけ、不足しないようにしましょう。

まとめ

体脂肪率の値によって見た目は大きく変わります。自分のなりたいスタイルは、どのくらいの体脂肪率なのか、ぜひ参考にしてみてください。

ただ気をつけてほしいのが、健康面でのリスクです。多過ぎても減らしすぎても体にデメリットが出やすくなるので、見た目だけにとらわれて体調を崩す、なんてことがないようにしましょう。

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。