「糖質制限をはじめて2週間が経つけど、思ったよりも体重が減らないな」
「このまま続けても痩せられなかったらどうしよう」
糖質制限ダイエットで2週間が経ったとき、体重がうまく減っていなくて焦っていませんか?もしもやめてしまおうか迷っているなら、ちょっと待ってください。
実は、糖質制限ダイエットの効果は2週間以降に感じやすくなります。あなたの頑張りは、これから体にあらわれるのです。
この記事では、糖質制限ダイエットに取り組むあなたへ
- 2週間以上続けないと効果を感じにくい理由
- 体脂肪が減るメカニズム
- 2週間で減る体重の目安量
- まったく痩せないときの対策方法
について解説します。
管理栄養士が分かりやすく説明していくので、ぜひ参考にしてください。
糖質制限の効果は2週間以降!諦めてはいけない2つの理由
糖質制限ダイエットで効果を感じやすくなるのは、2週間以降です。2週間経った今、思うように減量できていないからと諦めてはいけません。
2週間以降で効果を感じるようになる理由は2つあります。
- 体は簡単には変われない
- 体脂肪が燃えやすくなるまで時間がかかる
順に説明します。
1. 体は簡単には変われない
体は簡単には変われません。
糖質制限ダイエットを始めてすぐから体重がスルスル減ることはまずないでしょう。
変われないのは、生きているもの全てに備わる「恒常性」の影響です。
恒常性とは、できる限り一定の状態を保ち続けようとする性質のこと。太った自分を変えるためにダイエットをはじめたときも、体は恒常性を働かせて変わらないようにします。
とはいえ、糖質制限ダイエットを継続すれば、体に変化を感じるようになります。期間としては、早くて2週間、遅くとも1ヶ月以降が目安です。
2. 体脂肪が燃えるまで時間がかかる
体脂肪がエネルギーとして利用されるまでも時間がかかります。体脂肪を1kg減らすためには、7200kcalもカロリーを消費しなければいけないのです。
7200kcalといえば、
- ウォーキングなら32時間
- ジョギングなら20時間
※体重50kgの場合
と長時間の運動が必要になるほど膨大なカロリー量です。
数日頑張ったくらいでは、体脂肪を減らすことは難しいと分かります。
ただ糖質制限の場合、カロリー制限だけのダイエットとは違い、脂肪が燃えやすい体質になるので減量の幅が大きくなります。つまり、体脂肪が減り始める時期は他のダイエットと変わらないけれど、体脂肪が減る量は多くなる、ということです。
糖質制限ダイエットで体脂肪が減るメカニズム
そもそも、なぜ糖質を制限すると体脂肪が減るのでしょうか?
糖質制限で体脂肪が減るメカニズムは以下です。
- 糖質の摂取量が減る
- 食後すぐは食事の糖質で血糖値を維持できる
- 食事から時間が経ち、血糖値が下がる
- 糖質が足りないから補うよう脳から指示が飛ぶ
- 血糖値を維持するためグルカゴンが分泌される
- 体脂肪の分解がすすむ
前提として、私たちの体は血糖値を維持しなければ生きていけません。糖質制限では糖質を少ししか摂れないので、 なんとかして作りだす必要があります。
そこで分泌されるのが、血糖値を維持するホルモン、グルカゴンです。グルカゴンは脂肪の分解を促し、糖質の代替えエネルギー源「ケトン体」を生成します。
糖質の制限が強いほど、体脂肪の分解はすすみます。カロリー制限ダイエットよりも減量の幅が大きいのは、体脂肪を分解するサイクルが働くからなのです。
とはいえ、糖質を制限しすぎるとリスクが生じやすくなります。体重がみるみる減ることで有名なケトジェニックダイエットなどに取り組むなら、注意が必要です。
【注意】極端な糖質制限で2週間以内に大幅減量する4つのリスク
糖質は制限が厳しいほど体脂肪が減ります。とくに制限が厳しいケトジェニックダイエットでは、2週間実施するだけでも大幅に減量できた例は少なくありません。
しかし、極端な糖質制限はリスクが多いです。
次の4つのリスクをご覧ください。
- リバウンドする
- コレステロールが増える
- 尿酸が増える
- 情緒が不安定になる
くわしく確認していきましょう。
1. リバウンドする
極端な 糖質制限を行なって短期間で痩せた場合、食事をもとに戻すと簡単にリバウンドします。糖質を厳しく制限したことで糖代謝の能力が衰えたからです。
糖を代謝する能力が落ちているということは、糖質をうまく処理できないということ。うまく使えないところへ再び糖質をとり始めれば、体脂肪はみるみる増えてしまいます。
大手パーソナルジムを利用して激やせした芸能人が、しばらくしたら元よりも太っている姿をよく見かけますよね。まさに糖質制限からリバウンドした良い例です。極端な糖質制限を急にやめると、体はすぐに元に戻ります。
2. コレステロールが増える
極端な糖質制限を行うとコレステロールが増えやすくなります。肉メインの食事はコレステロールの材料になりやすいからです。
糖質を厳しく制限する場合、不足するカロリーを大量のたんぱく質や脂質で補います。高たんぱく質・高脂質の食材として利用されるのが肉です。
肉は飽和脂肪酸が豊富です。飽和脂肪酸はコレステロールの材料であり、糖質と同じように、摂り過ぎれば処理しきれなくなって体に影響がでてきます。
とくにLDLコレステロールは脂質の摂り過ぎで増えやすいです。動脈硬化の原因でもあるので、肉ばかりではなく魚や大豆製品でたんぱく質を補うなど工夫しましょう。
3. 尿酸が増える
コレステロールのほか、尿酸値が上がる傾向もあります。
尿酸はプリン体の分解産物です。さまざまな食品でとれますが、とくに肉や魚、魚卵やレバーなどに多く含まれます。
極端な糖質制限では、不足するエネルギーをたんぱく質や脂質で補います。結果、肉や魚を食べる量が多くなってプリン体が増え、分解産物の尿酸が増えてしまうのです。
また厳しい糖質制限によって痩せ体質になるためには、ケトン体質になることが大事だと言われています。しかし、ケトン体は尿酸の排泄を邪魔する成分です。ケトン体質になると尿酸値が上がりやすくなることも、頭にいれておきましょう。
4. 情緒が不安定になる
極端な糖質制限を長期間続けると、情緒が不安定になることがあります。血糖が不足し、脳の働きが弱くなるためです。
糖質制限では体脂肪や筋肉を分解し、血糖値を一定に維持します。しかし人によってはうまく作用せず、低血糖を起こすことがあるのです。
結果脳のエネルギーが不足し、イライラしたり落ち込んだりと情緒は不安定になります。
紹介したリスクは個人差があり、極端な糖質制限で全員にあらわれるわけではありません。また短期間で大幅に痩せられる点は、とても魅力的でしょう。
しかし「痩せられたのに体調を崩してしまった」では本末転倒です。糖質を制限する量は適度にとどめ、ゆっくり減量していくことをおすすめします。
糖質制限は2週間で−1kg程度が目安
糖質制限で減量を始めたら、スタートから2週間で−1kg程度を目安にしましょう。短期間に減量する制限食は病気を招いたりリバウンドしたりとリスクがあるからです。
体重は減らせば良いものではありません。一か月にもとの体重の5%前後を減量できると体に負担が少なく、好ましいと考えます。
具体的に言うと、
- 45kgの場合、2.2kg
- 50kgの場合、2.5kg
- 60kgの場合、3kg
となり、平均して1か月2.5㎏の減量、2週間であれば約1kg前後の減量です。実際、肥満で指導をしている方が糖質量を見直した結果、月に2kgほどの減量に成功しています(※)。
※BMI25以上の肥満である場合
糖質制限を2週間行っても痩せないときに見直す4つのこと
もしもあなたが糖質を多めに食べていた方である場合、2週間の糖質制限でまったく痩せないなら必ず原因があります。一旦食事内容を見直してみましょう。
ポイントは次の4つです。
- 食事の糖質量
- 摂取カロリー量
- 食事のバランス
- 消費カロリー量
詳しい内容を説明します。
1. 食事の糖質量
糖質量を見直しましょう。本当に制限されていれば、体重は少しでも減るはずです。
以下を意識してみてください。
- 隠れ糖質を摂っていないか?
- 糖質量を勘違いしていないか?
飲み物や惣菜などは、意外に糖質が多い物があります。
例えば、以下のものです。
- プロテインバー
- 酢の物やこってり煮物
- 牛乳
- 清涼飲料水
知らず知らずのうちに糖質を摂っていないか確認してみてください。
2. 摂取カロリー量
「低糖質だから」という理由で、余分なものを食べているケースもあります。
もしもあなたが以下に当てはまるのであれば、摂取カロリー量を見直しましょう。
- ナッツなどを間食にたくさん食べる
- 焼肉など肉料理をよく食べる
- 油ものの料理を良く食べる
低糖質ならなんでもアリのような食事を食べていると思うように痩せられません。
また低糖質食品は脂質が高く高カロリーなものが多いです。気付かないうちにカロリー過多になっている恐れもあります。
3. 食事のバランス
糖質制限中も食事の栄養バランスは整えていますか?栄養素が偏っていると痩せにくいです。
ダイエットを成功させるなら、まんべんなく栄養素を摂れるよう食事のバランスを整えましょう。
糖質制限中の食事を考えるときは、以下のポイントを押さえます。
- 糖質の多い食品はいつもの半分くらいに減らす
- 肉や魚は1食で片手の平ほど食べる
- 野菜や海藻は1食で両手いっぱい食べる
- 調味料やドレッシングの使い過ぎに気をつける
参考にしてください。
4. 消費カロリー量
自分の消費カロリー量を見直すことも大切です。とくに1日を通して活動量の少ない方は消費カロリーが低く、少し食べ過ぎるだけでカロリー過多になっている場合もあります。
消費カロリーは、体重と身体活動レベルから計算できます。
1日の消費カロリー量(kcal)=基礎代謝量(kcal)×身体活動レベル
もしもあなたがあまり動かないのであれば、身体活動レベルは1.5です。
消費カロリーを詳しく知りたい方は、【内部リンク ダイエット カロリー】をご覧ください。
消費カロリー量を増やすためには、運動をする・筋肉量を増やすと良いでしょう。有酸素運動や無酸素運動に取り組めば、消費カロリー量は上げられます。
まとめ
糖質制限で2週間経過したときの体重や体の変化について解説しました。
体脂肪を減らすのには時間がかかります。
たった2週間で効果を判断せず、気長に取り組んで理想の体を目指しましょう。
また、何かを極端に制限する食事は体に負担がかかります。健康を意識しながら無理のないダイエットに取り組みたい方は、あなたに合った方法を探すことが大切です。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。