体脂肪率が朝と夜で1%以上変わる原因は水分量!管理栄養士が解説

「朝と夜で体脂肪率が全然違う」「体脂肪率が水分と関係があるって本当?」ダイエット中、体脂肪率に振り回されている方へ。体脂肪率と水分の関係や変動を気にしすぎない方が良い理由を解説します。体脂肪率を減らすのにおすすめのレシピも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

「朝と夜で体脂肪率が2%も違うのはなぜ?」
「体脂肪率と水分ってどんな関係があるの?」

昨夜測ったときは体脂肪率25%だったのに、今朝は27%もある!たった一晩で太っちゃったのかな…なんて不安になっていませんか?

実は体脂肪率の変化は体の水分量が大きく影響しています体脂肪が一晩で増えたわけではないので、安心してください。

この記事では、

  • 体脂肪率と水分の関係
  • 体脂肪率の正しい活用方法
  • 効率良く体脂肪を減らすコツ

について管理栄養士が解説します。

体脂肪率と毎日にらめっこしている方は、ぜひ参考にしてください。

体脂肪率が起床後に高くなる原因は水分バランスにあり

体脂肪率を朝起きてすぐに測ったとき、前日の夜よりも値が多いのは、あなただけではありません。体脂肪率が起床後に高くなる理由は、水分量が少ないからです。

実は、体脂肪計では水分量を元に筋肉の量を推定しているため、水分が上下すると値が変わってくるのです。

就寝中は絶飲絶食になります。一方で眠っている間も水分は肌から蒸発していくので、起床時のは就寝前よりも減ってしまいます。

結果、体脂肪率は高く算出されます。つまり朝と夜で体脂肪率が異なる原因は体脂肪量ではなく、水分量の変化が原因なのです。

体脂肪は水分と筋肉と密接に関係している

「なんで水分量が減ると体脂肪率が増えるの?」と疑問に感じますよね。
体重計で体脂肪率を算出する際、水分量を利用しているからです。

水分と体脂肪率の関係について、

  • 筋肉と体脂肪の違い
  • 体脂肪率の変化の仕組み

に分けてくわしく解説していきます。

水分は体脂肪より筋肉と仲が良い

体は約60%が水分でできていて、その多くが筋肉に存在しています。一方で体脂肪の中にはあまり含まれていません。

筋肉と体脂肪の水分含有量の違いから、体重計は体脂肪の量を予測しています。

水分の増減によって体脂肪率は変化する

体脂肪率は水分量の増減によって値が変化します。
ここでよく理解してほしいのは「体脂肪率」は「体脂肪量」と必ずしも一致しないということです。

  • 体脂肪率:体全体の重さに対する体脂肪の重さの割合(%)
  • 体脂肪量:体脂肪の量(kg)

体脂肪率は体重や水分量の変化で割合が変わるため、上下します。しかし、体脂肪量はあくまで体脂肪量なので、使わない限り減りません。

つまり、水分の増減によって体脂肪率は変化したとしても、体脂肪量は変化していないのです。

体重計で体脂肪率を測る仕組み

では、体重計で体脂肪率を測る仕組みを確認してみましょう。
家庭用体重計の多くで用いられている計測方法は「生体インピーダンス法」になります。

体脂肪率の測定は以下のステップです。

  1. 生体インピーダンス法で筋肉量や骨量を算出
  2. 総体重から1を引いて体脂肪量を予測
  3. 総体重と予測体脂肪量で体脂肪率を算出

生体インピーダンス法や水分との関係を解説していきます。

生体インピーダンス法とは

生体インピーダンス法とは、体に微弱の電流を流して筋肉量や骨量を計算し、体脂肪の量を予測する方法です。

水は電気を通しやすい性質があります。体に微弱の電流を流した際、水分を多く含む筋肉ではよく通り、水分量が少ない脂肪では電気を通しません。

この違いによって体脂肪率を算出しているのです。

生体インピーダンス法は水分量の影響が大きい

電気の通りやすさで体組成を予測する生体インピーダンス法では、水分量が大きく影響します。細胞の中に含まれる水分量は、食事や運動などで簡単に変化するので、毎日同じ値が出ることはほとんどありません。

体脂肪率はメーカーによっても値が異なる

体脂肪率は体重計のメーカーによっても値が異なります。

  • 差異が生じる理由
  • メーカーごとの特徴

についてくわしい内容を確認していきましょう。

差異が生じる理由は計算方法の違い

メーカーごとで体脂肪率の値が異なる理由は、それぞれで独自の計算方法を用いているためです。

家にある体重計で測ったときとジムにある体重計で測ったときに値が異なるのは、あなたの体脂肪量の増減ではなく、体重計によるものかもしれません。

タニタ・オムロン・インボディの特徴

体重計にはTANITA(タニタ)・OMRON(オムロン)・InBody(インボディ)など、さまざまなメーカーがあります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

TANITA(タニタ)
  • 個人に合わせた数値が出る
  • 家庭用では十分な機能
OMRON(オムロン)
  • 安価
  • 目安値にするなら十分な機能
InBody(インボディ)
  • 高価
  • 医療機関でも採用されている

InBodyは高値で、医療機関でも採用されているものが多いです。
家庭用で使用するならタニタやオムロンがおすすめ。よりきちんとした値で体脂肪率を把握したいのであればタニタが良いでしょう。

いずれにせよ体脂肪率は変動しやすい値なので、目安として把握するくらいがちょうど良いです。

体脂肪率をボディメイク・ダイエットに活用する3つのコツ

体脂肪率は水分量によって影響を受けやすいことが分かりました。本当の体脂肪量ではないわけですし、少しの変化で「太っちゃった」と一喜一憂するのは勿体ないです。

そこで、ダイエットに体脂肪率を活用するときの次の3つのコツを紹介します。

  1. 測る時間を決める
  2. あくまで目安にする
  3. 長期的な指標にする

順に説明します。

1. 測る時間を決める

体脂肪率を計測する時間は決めてしまいましょう。値が変化しやすいので、できる限り同じ条件で測る方が目安になるからです。

タニタによると、計測するおすすめのタイミングは「起床・食事の2時間後」もしくは「就寝前」となっています。水分量の変化が少ないこと、安静にしていることが理由でしょう。

2. あくまで目安にする

体脂肪率はあくまで目安として把握しましょう。体内水分量の影響を受けやすく、真の体脂肪量とはズレが生じるからです。

真に受けすぎるとダイエットに対するモチベーションの維持が難しくなります。体脂肪率はあくまで目安にし、影響を受けすぎないようにしましょう。

3. 長期的な指標にする

体脂肪率は長期的な指標として活用することをおすすめします。

繰り返しますが、体脂肪率は真の体脂肪量を反映できるものではありません。1日のうちでも1~2%は簡単に増減するので、1日単位で良し悪しの判断はしないようにしましょう。

体脂肪は簡単に増えませんし、減らないものです。一カ月単位でやっと変化するものなので、長期間の判断材料として活用したほうが良いでしょう。

体脂肪を減らすには水分摂取が不可欠!

体脂肪率を算出する際は水分量が影響しているとお伝えしました。実は体脂肪を減らしたいときにも、水分は欠かせません

水分は脂肪を除くさまざまな細胞に存在していて、エネルギーや栄養素の代謝に必要だからです。

体重1kgあたり40ml/日の水分量を目安にしましょう。
体重50kgの方なら1日2Lほどになります。

水分が不足すれば、細胞は上手に働けなくなり、結果として痩せにくい体になってしまいます。ダイエットやボディメイクに励む際は、とくに意識して水分をとるようにしましょう。

水分だけじゃない!体脂肪を効率良く減らす4つの方法

水分をたくさんとるだけでは、体脂肪は落とせません。
体脂肪を効率よく減らすため、以下の4つの方法も生活に取り入れていきましょう。

  1. カロリーを摂り過ぎない
  2. 栄養バランスを整える
  3. 筋トレをする
  4. 有酸素運動を取り入れる

くわしく解説します。

体脂肪を減らす方法1. カロリーを摂り過ぎない

カロリーのとりすぎに気をつけましょう。体脂肪を増やす原因は、摂取カロリー>消費カロリーにあるからです。

必要以上にカロリーをとると、不要な分は体脂肪として蓄えます。体脂肪を減らすためにはカロリーのとりすぎを控え、消費カロリーを増やすことが大切です。

体脂肪を減らす方法2. 栄養バランスを整える

栄養バランスも整えましょう。摂取カロリーが適量でも、栄養のバランスが崩れていると体脂肪はうまく減りません。

例えば1日に1500kcalとりたい場合、栄養バランスの整ったA子さん・バランスの悪いB子さんで比べます。

  • A子さん:主食と主菜・副菜でバランス良く食べる
  • B子さん:3食マックのチーズバーガーとコーラ

A子さんは糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維がとれます。しかしB子さんは糖質・脂質・一部のビタミン・ミネラルしかとれず、栄養素は不足してしまいます。

栄養素が不足すれば食べたものを上手に代謝できず、体脂肪を増やしてしまうかもしれません。カロリーだけでなく、栄養のバランスを整えることも大切にしましょう。

体脂肪を減らす方法3. 筋トレをする

食事に合わせて筋トレを取り入れることもおすすめします食事だけでダイエットすると、筋肉が減ってしまう可能性があるからです。

筋肉は基礎代謝の2割ほどを占めています。
増量すればその分基礎代謝量も増えるでしょう。

また運動をしたときの消費カロリー量も、筋肉量が多い方が増えます。
つまり効率良く体脂肪を減らすためには、消費カロリーを増やすことができる筋肉が欠かせないのです。

1日10分程度でいいので、背筋や腹筋など大きな筋肉を鍛えられる筋トレにチャレンジしてみましょう。

体脂肪を減らす方法4. 有酸素運動を取り入れる

有酸素運動も週に2回以上取り組んでみましょう。有酸素運動は体脂肪を燃やすのにとても効率が良いからです。

有酸素運動をしているとき、体は脂肪をエネルギー源として使います。一定の時間継続することで体脂肪が分解されやすくなるので、1日20~30分取り組むようにしましょう。

おすすめの有酸素運動は次の通りです。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • 踏み台昇降
  • ヨガ
  • ラジオ体操

一度行うだけで体脂肪がガクッと減ることはありません。数か月継続して効果を感じることができるので、長期的に取り組めるよう、負担にならない運動にチャレンジしてみてください。

内部リンク【有酸素運動】

【管理栄養士直伝】体脂肪対策におすすめの簡単メニュー3選

「栄養バランスの良い食事ってどんなのだろう?」というあなたへ、体脂肪を減らすときにおすすめのメニューを3つ紹介します。

  1. サーモンとアボカドのサラダ丼
  2. オートミールのトマトリゾット
  3. パプリカとチーズのチヂミ風

簡単かつ栄養も満点なので、参考にしてみてください。

1. サーモンアボカド丼 626~kcal

【栄養バランス】

  • 626kcal~
  • たんぱく質 28.6g~
  • 脂質 27.6g
  • 糖質 56.3g~
  • 食物繊維 4.7g
  • ビタミンE、ビタミンD、亜鉛、鉄

【材料】

  • サーモン(刺身) 一人前(100g)
  • アボカド 1/2個
  • レモン果汁 適量
  • ★ごま油 小さじ2
  • ★醤油 小さじ1
  • ★わさび 好きな量
  • 白ご飯 男性:200g/女性:160g

【作り方】

  1. ★を混ぜる
  2. アボカドはスライスしてレモン果汁をかけておく
  3. 器にご飯→サーモン→アボカドの順で盛り、1をかければ完成

※薄味なので★のタレは自己流でもOK。ただし濃すぎると塩分のとりすぎになるので、少しずつ調整してみて下さい。

2. オートミールのトマトリゾット 389kcal

【栄養バランス】

  • 389kcal
  • たんぱく質 37.3g
  • 脂質 5.9g
  • 糖質 26.0g~
  • 食物繊維 7.7g
  • カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、βカロテン、ビタミンC、ビタミンB群

【材料】

  • オートミール 40g
  • 水 150ml
  • トマト缶(粗ごし) 大さじ3~
  • ブロッコリー 80g
  • ササミ 2本
  • ピザ用チーズ 大さじ1
  • コンソメ キューブ1個

【作り方】

  1. ブロッコリー・ササミは適当な大きさにカットし、別茹でorレンチンで火を通す
  2. 小鍋にオートミール、水、コンソメを入れて煮込む
  3. 2に1とトマト缶を入れ、5分ほど煮込む
  4. 最後にチーズを入れたら完成

3. パプリカとチーズの韓国チヂミ風 363kcal

【栄養バランス】

  • 363kcal
  • たんぱく質 20.6g~
  • 脂質 19.6g
  • 糖質 19.9g
  • 食物繊維 2.9g
  • 亜鉛、鉄、カルシウム、ビタミンE、βカロテン、ビタミンC

【材料】

  • ★小麦粉 大さじ2
  • ★水大さじ2
  • 卵 1個
  • エビ 5尾ほど
  • パプリカ 1/2個
  • 白菜キムチ 大さじ2
  • ニラ 1~2本
  • ピザ用チーズ 大さじ1~

【作り方】

  1. ニラはひと口サイズにカット
  2. ボウルに★を入れて混ぜ、他の材料を入れてよく混ぜる
  3. フライパンを熱し、オリーブオイルをしく
  4. 3に2を流し入れ、両面焼いたら完成

まとめ

体重計で計測できる体脂肪率は、真の体脂肪量ではなく、体の筋肉量や骨量から算出されています。そのときに大きく影響するのが水分量です。

そのため、体脂肪率は計測時間やタイミングによって差異が生じやすくなります。メーカーによっても算出方法が違うので、体脂肪率の値に一喜一憂せず、参考にする程度にしましょう。

体脂肪を減らすためには、水分をはじめ、摂取カロリーの見直しや栄養バランスの意識が欠かせません。運動もできる限りで取り組むようにすると、半年も経てば値が変化していくでしょう。

このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。